四半期報告書-第77期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/10 13:00
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、2022年3月期第3四半期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における医薬品業界は、薬価制度改革をはじめとする医療費抑制策の一環として、一昨年4月の薬価改定に続き、昨年4月にも薬価の中間年改定が実施されるなど、引き続き厳しい経営環境のもとに推移しております。また、情報サービス業界、建設請負業界、物品販売業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化などにより、IT投資が加速化する一方で設備投資への慎重な姿勢が継続する中、個人消費に持ち直しの動きが見られたものの、景気回復の原動力にまでは至っておらず、依然として厳しい競争環境下にありました。
このような状況下、当第3四半期連結累計期間の業績は以下のとおりとなりました。
前第3四半期連結累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年12月31日)
当第3四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年12月31日)
増減率 (%)
売上高(百万円)52,19550,085△4.0
営業利益又は損失(△)(百万円)3,190△294-
経常利益(百万円)4,5701,350△70.4
親会社株主に帰属する
四半期純利益(百万円)
6,4406,8195.9

(注)収益認識会計基準等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しているため、上記表中及び下記文章中に記載している増減率、前年同期比は参考値です。
・売上高の状況
医薬品事業の売上高は、41,939百万円(前年同期比5.7%減)となりました。前連結会計年度に引き続き、コロナ禍において感染防止に十分配慮した上での医薬情報活動の中、過活動膀胱治療薬「ベオーバ錠」、男性における夜間多尿による夜間頻尿治療薬「ミニリンメルトOD錠25µg/50µg」、夜尿症・中枢性尿崩症治療薬「ミニリンメルトOD錠60µg/120µg/240µg」及び「デスモプレシン製剤」などの売上が増加しました一方、昨年4月に実施されました薬価改定の影響及び輸出売上が減少しましたことなどにより、減収となりました。
なお、株式会社三和化学研究所との間で日本国内におけるコ・プロモーション契約を締結いたしました二次性副甲状腺機能亢進症治療薬「ウパシタ静注透析用シリンジ」につきましては、昨年8月に同社より新発売となりました。また、昨年9月に製造販売承認を取得いたしました顕微鏡的多発血管炎・多発血管炎性肉芽腫症治療薬「タブネオスカプセル10mg」(一般名:アバコパン)は、薬価基準収載後の発売に向けて希少疾病領域のマーケティングを専門に担当するレアディジーズプロジェクトを中心に医薬情報活動を開始しております。
情報サービス事業の売上高は5,616百万円(前年同期比17.5%増)、建設請負事業の売上高は2,082百万円(前年同期比14.7%減)、物品販売事業の売上高は445百万円(前年同期比12.9%減)となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、従前の会計処理と比較して、医薬品事業の売上高は527百万円減少、情報サービス事業の売上高は244百万円増加、建設請負事業の売上高は494百万円増加、物品販売事業の売上高は210百万円減少しております。
・利益の状況
利益面では、減収に加え、製品売上構成の変化による売上原価率の上昇、研究開発費を主とした販売費及び一般管理費の増加などにより、営業損失を計上し、経常利益は減益となりました。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、投資有価証券売却益の計上などにより増益となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、従前の会計処理と比較して、営業利益、経常利益はそれぞれ439百万円減少しております。
・資産の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は239,574百万円となり、前連結会計年度末に比べ29,287百万円減少しました。流動資産は現金及び預金、有価証券などが減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産などが増加しましたことなどにより、900百万円増加し93,865百万円となりました。固定資産は投資有価証券の減少などにより、30,187百万円減少し145,708百万円となりました。
・負債の状況
当第3四半期連結会計期間末の負債は38,897百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,009百万円減少しました。流動負債は、支払手形及び買掛金などが減少しましたが、収益認識会計基準等の適用により契約負債が増加しましたことなどにより、111百万円増加し18,357百万円となりました。固定負債は繰延税金負債の減少などにより10,121百万円減少し、20,540百万円となりました。
・純資産の状況
当第3四半期連結会計期間末の純資産は200,676百万円となり、前連結会計年度に比べ19,277百万円減少しました。主な要因は、その他有価証券評価差額金が減少したことによります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の81.6%から83.5%となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、利益準剰余金の当期首残高が1,472百万円減少しております。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当グループ全体の研究開発費の総額は、7,806百万円となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況のセグメントごとの変更内容は、次のとおりです。
医薬品事業の研究開発活動として、EAファーマ株式会社と共同開発を行っております潰瘍性大腸炎治療薬カロテグラストメチル(一般名、開発番号:AJM300)につきましては、昨年5月に同社から承認申請が行われました。塩野義製薬株式会社より技術導入いたしました脊髄小脳変性症治療薬ロバチレリン(一般名、開発番号:KPS-0373)につきましては、昨年12月に承認申請を行いました。
また、ライジェルファーマシューティカルズ社(アメリカ)より技術導入いたしました慢性特発性血小板減少性紫斑病治療薬ホスタマチニブ(一般名、開発番号:R788)、及び丸石製薬株式会社と共同開発を行っております透析患者におけるそう痒症治療薬ジフェリケファリン(一般名、開発番号:MR13A9)につきましては、それぞれの国内第Ⅲ相臨床試験におきまして主要評価項目を達成しました。なお、CGオンコロジー社(アメリカ)より技術導入いたしました腫瘍溶解性ウイルス療法CG0070(開発番号)におきましては、筋層非浸潤性膀胱がんを適応症とした国際共同第Ⅲ相臨床試験における日本人への投薬が開始されています。
海外におきましては、当社の創製品であります、子宮筋腫・子宮内膜症治療薬リンザゴリクス(一般名、開発番号:KLH-2109)につきまして、日本など一部のアジアを除く全世界における技術導出先でありますオブシーバ社(スイス)は、欧米で子宮筋腫を適応症として開発を進め、欧州では2020年11月に欧州医薬品庁(EMA)に承認申請を行い、昨年12月にEMAの医薬品委員会(CHMP)より承認勧告を受領しました。また、米国では昨年9月に食品医薬品局(FDA)に承認申請を行いました。
アジア地域では、リンザゴリクスにつきまして、昨年9月にバイオジェニュイン社(中国)に、中国における独占的な開発権及び販売権を許諾いたしました。また、ホスタマチニブにつきましては、昨年6月には韓国における開発権及び販売権をJWファーマシューティカル社(韓国)に、昨年8月には中国における開発権及び販売権をインマジンバイオファーマシューティカルズ社(中国)に、それぞれ許諾いたしております。
情報サービス事業、建設請負事業及び物品販売事業における研究開発活動に重要な変更はありません。
(5) 新型コロナウイルスの影響
当第3四半期連結累計期間における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況につきまして、新型コロナウイルスの感染拡大による重要な影響はありませんでした。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があることから、実際の結果と異なる可能性があります。