四半期報告書-第78期第2四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)

【提出】
2022/11/11 13:00
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における医薬品業界は、薬価制度改革をはじめとする医療費抑制策の一環として、昨年4月の薬価の中間年改定に続き、本年4月にも薬価改定が実施され、新薬創出・適応外薬解消等促進加算の加算要件が拡充されるものの、後発品への置換え率に基づく長期収載医薬品の薬価引下げがより厳格化されるなど、引き続き厳しい経営環境のもとに推移しております。また、情報サービス業界におきまして旺盛なICT需要が継続する一方、建設請負業界、物品販売業界におきましては設備投資意欲に持ち直しの動きが見られるものの、円安の影響により足元の個人消費が押し下げられるなど、依然として厳しい競争環境下にありました。
このような状況下、当第2四半期連結累計期間の業績は以下のとおりとなりました。
前第2四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年9月30日)
当第2四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年9月30日)
増減率(%)
売上高(百万円)32,38832,8641.5
営業利益又は
営業損失(△)(百万円)
270△625-
経常利益(百万円)1,281308△75.9
親会社株主に帰属する
四半期純利益(百万円)
5,6663,326△41.3

・売上高の状況
医薬品事業の売上高は、27,946百万円(前年同期比3.6%増)となりました。コロナ禍の中、従来からのリアル面談と各種デジタルコンテンツを効果的に活用したハイブリッド型の医薬情報活動を推進いたしましたことなどにより、過活動膀胱治療薬「ベオーバ錠」、腎性貧血治療薬「ダルベポエチン アルファBS注JCR」などの売上が増加しましたことに加え、輸出売上、コ・プロモーションフィーなどが増加したことにより、増収となりました。なお、EAファーマ株式会社と共同開発を行いました潰瘍性大腸炎治療薬「カログラ錠」を本年5月に、顕微鏡的多発血管炎・多発血管炎性肉芽腫症治療薬「タブネオスカプセル」を本年6月に、それぞれ新発売いたしました。 情報サービス事業の売上高は3,335百万円(前年同期比11.2%減)、建設請負事業の売上高は1,250百万円(前年同期比7.5%減)、物品販売事業の売上高は332百万円(前年同期比6.1%増)となりました。
・利益の状況
利益面では、増収に加え、売上原価率が改善しましたものの、研究開発費を主とした販売費及び一般管理費の増加などにより、営業損失を計上し、経常利益は減益となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、投資有価証券売却益の計上がありましたものの減益となりました。
・資産の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は233,589百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,498百万円減少しました。流動資産は現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産が減少しましたが、棚卸資産などが増加しましたことにより、173百万円増加し99,515百万円となりました。固定資産は投資有価証券の減少などにより、4,671百万円減少し134,074百万円となりました。
・負債の状況
当第2四半期連結会計期間末の負債は32,674百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,233百万円減少しました。流動負債は、支払手形及び買掛金が増加しましたが、未払法人税等が減少しましたことなどにより、2,245百万円減少し16,499百万円となりました。固定負債は繰延税金負債の減少などにより988百万円減少し、16,175百万円となりました。
・純資産の状況
当第2四半期連結会計期間末の純資産は200,915百万円となり、前連結会計年度に比べ1,264百万円減少しました。主な要因は、その他有価証券評価差額金が減少しましたことによります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の84.6%から85.7%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より1,620百万円減少し、当第2四半期連結会計期間末では51,383百万円(前連結会計年度末比3.1%減)となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、当第2四半期連結累計期間において3,158百万円の支出となりました。仕入債務の増加などの収入増加要因がありました一方で、その他流動資産の増加、棚卸資産の増加、法人税等の支払の増加などが支出増加要因となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、当第2四半期連結累計期間において2,936百万円の収入となりました。長期前払費用の計上などの支出がありました一方で、投資有価証券の売却による収入などがありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、当第2四半期連結累計期間において1,407百万円の支出となりました。主な要因は、配当金の支払いです。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当グループ全体の研究開発費の総額は、5,200百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の状況のセグメントごとの変更内容は次のとおりです。
医薬品事業における研究開発の状況につきましては、ライジェルファーマシューティカルズ社(アメリカ)より技術導入いたしました慢性特発性血小板減少性紫斑病治療薬ホスタマチニブ(一般名、開発コード:R788)につきまして、本年4月に承認申請を行いました。また、本年9月には、丸石製薬株式会社と共同開発を行っております透析患者におけるそう痒症治療薬ジフェリケファリン(一般名、開発番号:MR13A9)につきまして、同社から承認申請が行われました。当社の創製品であります、子宮筋腫・子宮内膜症治療薬リンザゴリクス(一般名、開発番号:KLH-2109)につきましては、子宮筋腫を適応症として国内第Ⅲ相臨床試験を開始いたしました。
海外におきましては、リンザゴリクスの日本などアジアの一部を除く全世界における独占的な開発権及び販売権を許諾しているオブシーバ社(スイス)が、会社更生手続きの開始等を決定したことを受け、当社は本剤に関する全ての権益につきまして、オブシーバ社からの返還を進めております。なお、オブシーバ社は、本剤の北米、アジア以外における商業化についてセラメックス社(英国)とサブライセンス契約を締結しており、当社は、オブシーバ社とのライセンス契約を解約した上で、同契約に従い、オブシーバ社とセラメックス社とのサブライセンス契約を譲り受けます。現在、欧州における本剤の発売に向け、セラメックス社と協議を継続しております。また、オブシーバ社は本年8月に、米国食品医薬品局(FDA)に申請していた、本剤の子宮筋腫を適応症とする新薬承認申請(NDA)を取り下げました。当社は、本剤の米国における開発につきまして現在、申請データ等の精査を行っており、その結果をもって開発方針を決定します。
リンザゴリクスのアジア地域における技術導出につきましては、昨年9月に中国においてバイオジェニュイン社(中国)に独占的な開発権及び販売権を許諾したことに続きまして、本年11月、シンモサバイオファーマ社(台湾)に台湾における同様の独占的権利を許諾いたしました。
情報サービス事業、建設請負事業及び物品販売事業における研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があることから、実際の結果と異なる可能性があります。