有価証券報告書-第55期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当社グループは、前連結会計年度(2017年4月1日から2018年3月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しております。
(1) 業績等の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、年度前半は輸出・生産の堅調な増加と雇用環境の逼迫感が広がるなど引き続き景気回復基調が継続していましたが、年度後半には中国向け輸出の減退などから足踏み感も懸念されています。一方で海外では貿易摩擦を中心とした政治リスクが取り沙汰される中で、為替市況でのドル円相場の円安基調への転換が見受けられました。
後発医薬品業界におきましては、2017年6月の閣議決定での「2020年9月までに後発医薬品の使用割合を80%」に向けて、厚生労働省保険局発表の調剤医療費動向調査によると2018年11月での数量シェアは76.7%と迫っています。そして2018年4月には、後発医薬品の更なる使用促進点数拡充に向けた取り組み強化策と同時に実施された薬価改定では7.48%の大幅な引き下げが行われるなどして業界にとって大きな影響を与えました。
このような環境下で当社は、2017年3月期から2019年3月期の3年間を世界市場に挑戦するための準備段階から新しい領域への発進期間と位置づけた第7次中期経営計画「Obelisk」の最終年度として、同計画での3つの基本方針『シェアUP力』『供給能力』『開拓力』を着実に実践してまいりました。
『シェアUP力』では、2018年3月にエーザイ株式会社と締結した戦略提携契約及び株式譲渡契約に基づきエルメッドエーザイ株式会社の株式取得を順次進めるとともに、2018年10月からエルメッドエーザイ株式会社が発売している5製品について共同販促活動を行うなどして両社の統合・シナジー効果の早期の極大化を図るべく進め、2019年4月に同社を完全子会社化しています。
『開拓力』では、当期に13成分25製品を新発売するともに、4成分で用法・用量追加、加えて4成分で用法・用量・効能・効果を追加し先発医薬品との同等性を高めています。さらには、共和薬品工業株式会社によるエタネルセプトBS「日医工」の製造販売承認の取得、また注射用フサン®10・注射用フサン®50の日本における製造販売承認の承継を行うなど、製品ラインアップの拡充に努めてまいりました。
『供給能力』の実践として生産体制面では、富山第一工場に生産棟の「オベリスク棟」を2018年1月に竣工・稼動させて2019年3月期までの目標とした185億錠の供給体制の確立に目処をつけるとともに、関連会社であるAprogen Inc.の子会社Aprogen Biologics Inc.の新工場が2018年4月に竣工しバイオシミラーの供給体制の拡充も図っております。
ただ、第7次中期経営計画「Obelisk」で掲げておりました計数目標のROE10%以上につきましては、2018年に第9回新株予約権の発行などもあり6.7%と未達となりました。
また、当グループでは、経常的な収益性を示す指標として「コア営業利益」(IFRS)を採用しており、当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。なお、「コア営業利益」は営業利益から非経常的な要因による損益を除いて算出しています。
売上収益は、米国では価格競争、日本では薬価改定の影響があったものの、数量増などから、前期比18億円増加となりました。
コア営業利益は、上記の価格競争・薬価改定などがありましたが、原価低減などに努め、10億円減となりました。
以上から親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比12億円減少いたしました。
なお、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュフローは、当連結会計年度において238億11百万円の収入超過となりました。その要因は減価償却費・償却費・減損控除などで141億32百万円、税引前利益で89億3百万円、在庫圧縮に伴う棚卸資産減少80億85百万円などの収入超過要因があった一方で、在庫圧縮などに伴う仕入債務及びその他の債務減少38億37百万円、法人所得税支払24億43百万円などの支払い超過要因などがあったためです。、投資活動によるキャッシュフローは、当連結会計年度において249億83百万円の支出超過となりました。その要因は、オベリスク棟取得などの有形固定資産取得で74億40百万円、開発費などの無形資産資産取得で73億38百万円、エルメッドエーザイ株式会社の株式取得による持分法投資の取得による支出56億78百万円、 Sagent ローリー工場の事業譲受による支出49億57百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において248億3百万円の収入超過となりました。その要因は、主に長期借入金の返済による支出79億20百万円、配当金の支払額17億34百万円等の支出超過要因があった一方で、長期借入れによる収入167億円、新株式の発行による収入67億24百万円、自己株式の処分による収入41億43百万円、その他の資本性金融商品の発行による収入99億18百万円等の収入超過要因があったことなどによるものであります。
③ 財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ284億74百万円増加し、3,068億38百万円となりました。これは棚卸資産の減少75億38百万円があった一方で、現金及び現金同等物の増加235億64百万円、持分法で会計処理されている投資の増加66億12百万円があったことなどによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ3億7百万円減少し、1,905億14百万円となりました。これは借入金の増加70億50百万円があった一方で、仕入債務及びその他の債務の減少65億13百万円があったことなどによるものであります。
資本につきましては、前連結会計年度末に比べ287億81百万円増加し、1,163億23百万円となりました。これはその他の資本性金融商品の増加99億18百万円、自己株式の減少61億52百万円があったことなどによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループの事業は医薬品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績を薬効分類別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格に換算しております。
2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
当社グループの事業は医薬品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における商品仕入実績を薬効分類別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)では、主に販売計画に基づいた生産計画により生産しております。
製剤の一部において受注生産を行っていますが、受注額に重要性はありません。
d. 販売実績
当社グループの事業は医薬品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績を薬効分類別に示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績を販売ルート別に示すと、次のとおりであります。
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注)上記の金額に消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
a.経営成績などの分析
<売上収益>当連結会計年度の売上収益につきましては、前連結会計年度比1,874百万円(1.1%)増の166,592百万円となりました。国内においては、薬価改定による販売単価低下の影響があったものの、後発医薬品使用促進策を受けての販売数量増により、前連結会計年度比2,417百万円増となりました。またSagentにおいては、米国での価格競争の影響等で前連結会計年度比543百万円減となっております。
<売上総利益>国内での薬価改定を受けての販売単価減やSagent社での販売権減損などによる売上総利益率減4.9%の影響で売上収益は増加したものの、売上総利益額は前連結会計年度比7,646百万円減少いたしました。
<販管費、研究開発費、その他の営業収益・費用>仕掛研究開発の減損は前連結会計年度で3,418百万円発生しましたが当連結会計年度では当該減損の戻しが924百万円発生したことや研究開発費が964百万円減少したことなどから、総額で前連結会計年度比4,438百万円減少しました。
<コア営業利益、営業利益>上記の売上総利益減少要因、販管費などの減少要因から営業利益は2,078百万円の減少となりましたが、当社が重視しておりますコア営業利益では1,048百万円の減少となりました。
今後につきましては、薬価改定が中間年にも実施され、毎年改定となる予定であり、収益環境の厳しさが見込まれる一方、後発医薬品使用促進策は引き続き継続されるものと見込まれ、量的拡大が続くものと見込まれます。
このような状況の中、2022年3月期を最終年度とする第8次中期経営計画「Nexus∞」を策定し、『無限大の連繋力で今を超える』をテーマとして3つのシナジー(「領域/地域」「コスト」「人財」)を最大化し、4つの基本戦略「事業領域のさらなる深化/進化」「徹底したオペレーション最適化の追求」「グローバル水準の品質確保、競争力強化」「ESG活動を基盤としたライフサイエンス企業の信頼確保」を取り組むことにより、グローバル総合ジェネリックメーカーへとさらなる進化を遂げるよう努めていきます。
b.財政状態の分析
当連結会計年度につきましては、在庫圧縮に伴う棚卸資産の減少が7,538百万円、仕入債務及びその他の債務の減少が5,319百万円、2019年4月1日にエルメッドエーザイ㈱株式を現金支払いにより追加取得するための資金需要があったことによる、現金及び現金同等物の増加が11,322百万円、借入金の増加が6,270百万円、エルメッドエーザイ㈱の株式取得による持分法で会計処理されている投資の増加が5,863百万円、オベリスク棟未払建設費の支払いによる仕入債務及びその他の債務の減少が2,856百万円、第9回新株予約権の権利行使により、資本金の増加が3,384百万円、資本剰余金の増加が3,384百万円、自己株式の減少が5,940百万円ありました。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の資金調達につきましては、2018年5月に第三者割り当てにより113,000個の新株予約権を発行し、2019年3月までに10,729百万円のキャッシュ・インがありました。また、長期借入れにより16,700百万円のキャッシュ・インがありました。
一方、資金使途につきましては、エルメッドエーザイ株式会社の株式取得のキャッシュ・アウト5,678百万円、2019年2月のSagent ローリー工場取得による事業譲受対価のキャッシュ・アウト4,957百万円、長期借入金の返済によるキャッシュ・アウト7,920百万円がありました。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要
当連結会計年度末の現金及び現金同等物につきましては、前連結会計年度比23,564百万円増の42,093百万円となりました。これらの資金は、2019年4月のエルメッドエーザイ株式会社の株式取得対価として11,322百万円のキャッシュ・アウトがあるほか、「インフリキシマブBS点滴静注用100㎎『日医工』」や、トラスツズマブ(遺伝子組換え)バイオ後続品のグローバルでの展開を行うためなどの開発投資や設備投資資金などとして、活用していく予定であります。
財務政策
当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。
運転資金につきましては、手持資金(売掛債権流動化を含む)で賄うことを原則としております。ただし、事業計画等に基づき不足が生じる場合は、短期借入金(一部、長期借入金)にて調達を行っております。
設備資金につきましては、設備投資計画に基づき、案件ごとに手持資金で賄えるか否かの検討を行い、不足が生じる場合は、長期借入金での調達を行っています。
e.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、2022年3月期を最終年度とする第8次中期経営計画「Nexus∞」を策定いたしました。計数目標は、下記のとおりです。
ネットD/Eレシオは(2019年3月末0.8倍) 1.0倍程度を維持
2022年3月末までに研究開発費は累計330億円、設備投資は累計190億円を予定
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準ではのれんを一定期間にわたり償却していましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この結果、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が、2,051百万円減少しております。
(開発費の資産計上)
開発活動に係る支出は、日本基準では費用処理しておりましたが、IFRSでは特定の要件を満たす場合は無形資産として計上し、見積耐用年数にわたって償却しております。この結果、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて研究開発費が、7,007百万円減少しております。
(収益認識)
日本基準では、販売に関するリベート等を販売費及び一般管理費として計上しておりましたが、IFRSでは売上収益から直接控除しております。この結果、当連結会計年度において売上収益が、21,749百万円減少しております。
(1) 業績等の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、年度前半は輸出・生産の堅調な増加と雇用環境の逼迫感が広がるなど引き続き景気回復基調が継続していましたが、年度後半には中国向け輸出の減退などから足踏み感も懸念されています。一方で海外では貿易摩擦を中心とした政治リスクが取り沙汰される中で、為替市況でのドル円相場の円安基調への転換が見受けられました。
後発医薬品業界におきましては、2017年6月の閣議決定での「2020年9月までに後発医薬品の使用割合を80%」に向けて、厚生労働省保険局発表の調剤医療費動向調査によると2018年11月での数量シェアは76.7%と迫っています。そして2018年4月には、後発医薬品の更なる使用促進点数拡充に向けた取り組み強化策と同時に実施された薬価改定では7.48%の大幅な引き下げが行われるなどして業界にとって大きな影響を与えました。
このような環境下で当社は、2017年3月期から2019年3月期の3年間を世界市場に挑戦するための準備段階から新しい領域への発進期間と位置づけた第7次中期経営計画「Obelisk」の最終年度として、同計画での3つの基本方針『シェアUP力』『供給能力』『開拓力』を着実に実践してまいりました。
『シェアUP力』では、2018年3月にエーザイ株式会社と締結した戦略提携契約及び株式譲渡契約に基づきエルメッドエーザイ株式会社の株式取得を順次進めるとともに、2018年10月からエルメッドエーザイ株式会社が発売している5製品について共同販促活動を行うなどして両社の統合・シナジー効果の早期の極大化を図るべく進め、2019年4月に同社を完全子会社化しています。
『開拓力』では、当期に13成分25製品を新発売するともに、4成分で用法・用量追加、加えて4成分で用法・用量・効能・効果を追加し先発医薬品との同等性を高めています。さらには、共和薬品工業株式会社によるエタネルセプトBS「日医工」の製造販売承認の取得、また注射用フサン®10・注射用フサン®50の日本における製造販売承認の承継を行うなど、製品ラインアップの拡充に努めてまいりました。
『供給能力』の実践として生産体制面では、富山第一工場に生産棟の「オベリスク棟」を2018年1月に竣工・稼動させて2019年3月期までの目標とした185億錠の供給体制の確立に目処をつけるとともに、関連会社であるAprogen Inc.の子会社Aprogen Biologics Inc.の新工場が2018年4月に竣工しバイオシミラーの供給体制の拡充も図っております。
ただ、第7次中期経営計画「Obelisk」で掲げておりました計数目標のROE10%以上につきましては、2018年に第9回新株予約権の発行などもあり6.7%と未達となりました。
また、当グループでは、経常的な収益性を示す指標として「コア営業利益」(IFRS)を採用しており、当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。なお、「コア営業利益」は営業利益から非経常的な要因による損益を除いて算出しています。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 比較増減 | ||
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | (%) | |
| 売上収益 | 164,717 | 166,592 | 1,874 | 1.1 |
| コア営業利益 | 14,368 | 13,320 | △1,047 | △7.3 |
| 営業利益 | 10,301 | 8,223 | △2,078 | △20.2 |
| 税引前利益 | 9,067 | 8,903 | △164 | △1.8 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 8,070 | 6,864 | △1,205 | △14.9 |
売上収益は、米国では価格競争、日本では薬価改定の影響があったものの、数量増などから、前期比18億円増加となりました。
コア営業利益は、上記の価格競争・薬価改定などがありましたが、原価低減などに努め、10億円減となりました。
以上から親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比12億円減少いたしました。
なお、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減額 (百万円) | |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 12,457 | 18,529 | 6,071 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 18,925 | 23,811 | 4,885 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △15,896 | △24,983 | △9,086 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 3,206 | 24,803 | 21,596 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △163 | △66 | 97 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | 6,071 | 23,564 | 17,492 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 18,529 | 42,093 | 23,564 |
営業活動によるキャッシュフローは、当連結会計年度において238億11百万円の収入超過となりました。その要因は減価償却費・償却費・減損控除などで141億32百万円、税引前利益で89億3百万円、在庫圧縮に伴う棚卸資産減少80億85百万円などの収入超過要因があった一方で、在庫圧縮などに伴う仕入債務及びその他の債務減少38億37百万円、法人所得税支払24億43百万円などの支払い超過要因などがあったためです。、投資活動によるキャッシュフローは、当連結会計年度において249億83百万円の支出超過となりました。その要因は、オベリスク棟取得などの有形固定資産取得で74億40百万円、開発費などの無形資産資産取得で73億38百万円、エルメッドエーザイ株式会社の株式取得による持分法投資の取得による支出56億78百万円、 Sagent ローリー工場の事業譲受による支出49億57百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において248億3百万円の収入超過となりました。その要因は、主に長期借入金の返済による支出79億20百万円、配当金の支払額17億34百万円等の支出超過要因があった一方で、長期借入れによる収入167億円、新株式の発行による収入67億24百万円、自己株式の処分による収入41億43百万円、その他の資本性金融商品の発行による収入99億18百万円等の収入超過要因があったことなどによるものであります。
③ 財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ284億74百万円増加し、3,068億38百万円となりました。これは棚卸資産の減少75億38百万円があった一方で、現金及び現金同等物の増加235億64百万円、持分法で会計処理されている投資の増加66億12百万円があったことなどによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ3億7百万円減少し、1,905億14百万円となりました。これは借入金の増加70億50百万円があった一方で、仕入債務及びその他の債務の減少65億13百万円があったことなどによるものであります。
資本につきましては、前連結会計年度末に比べ287億81百万円増加し、1,163億23百万円となりました。これはその他の資本性金融商品の増加99億18百万円、自己株式の減少61億52百万円があったことなどによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループの事業は医薬品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績を薬効分類別に示すと、次のとおりであります。
| 区分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 血液及び体液用薬 | 15,934 | 66.7 |
| 循環器官用薬 | 27,107 | 89.3 |
| 抗生物質 | 9,612 | 90.5 |
| 消化器官用薬 | 15,206 | 97.1 |
| 化学療法剤 | 2,486 | 113.1 |
| 神経系用薬 | 13,764 | 102.6 |
| アレルギー用薬 | 8,044 | 115.8 |
| その他 | 31,510 | 103.3 |
| 合計 | 123,665 | 92.6 |
(注)1.金額は、販売価格に換算しております。
2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
当社グループの事業は医薬品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における商品仕入実績を薬効分類別に示すと、次のとおりであります。
| 区分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 血液及び体液用薬 | 9,443 | 91.2 |
| 循環器官用薬 | 2,352 | 91.6 |
| 抗生物質 | 4,566 | 34.9 |
| 消化器官用薬 | 1,729 | 76.8 |
| 化学療法剤 | 1,932 | 97.1 |
| 神経系用薬 | 1,645 | 88.4 |
| アレルギー用薬 | 5,020 | 104.9 |
| その他 | 8,300 | 86.6 |
| 合計 | 34,991 | 75.3 |
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)では、主に販売計画に基づいた生産計画により生産しております。
製剤の一部において受注生産を行っていますが、受注額に重要性はありません。
d. 販売実績
当社グループの事業は医薬品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績を薬効分類別に示すと、次のとおりであります。
| 区分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 血液及び体液用薬 | 27,445 | 97.7 |
| 循環器官用薬 | 25,848 | 103.1 |
| 抗生物質 | 23,708 | 117.5 |
| 消化器官用薬 | 14,564 | 100.2 |
| 化学療法剤 | 13,795 | 88.0 |
| 神経系用薬 | 12,995 | 107.9 |
| アレルギー用薬 | 11,517 | 104.7 |
| その他 | 36,717 | 96.3 |
| 合計 | 166,592 | 101.1 |
当連結会計年度における販売実績を販売ルート別に示すと、次のとおりであります。
| 区分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 特約店 | 139,673 | 100.4 |
| 代理店 | 14,789 | 105.6 |
| その他 | 12,128 | 105.1 |
| 合計 | 166,592 | 101.1 |
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱メディセオ | 31,996 | 19.4 | 33,876 | 20.3 |
| ㈱スズケン | 24,002 | 14.6 | 23,053 | 13.8 |
| アルフレッサ㈱ | 19,331 | 11.7 | 21,046 | 12.6 |
(注)上記の金額に消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
a.経営成績などの分析
<売上収益>当連結会計年度の売上収益につきましては、前連結会計年度比1,874百万円(1.1%)増の166,592百万円となりました。国内においては、薬価改定による販売単価低下の影響があったものの、後発医薬品使用促進策を受けての販売数量増により、前連結会計年度比2,417百万円増となりました。またSagentにおいては、米国での価格競争の影響等で前連結会計年度比543百万円減となっております。
<売上総利益>国内での薬価改定を受けての販売単価減やSagent社での販売権減損などによる売上総利益率減4.9%の影響で売上収益は増加したものの、売上総利益額は前連結会計年度比7,646百万円減少いたしました。
<販管費、研究開発費、その他の営業収益・費用>仕掛研究開発の減損は前連結会計年度で3,418百万円発生しましたが当連結会計年度では当該減損の戻しが924百万円発生したことや研究開発費が964百万円減少したことなどから、総額で前連結会計年度比4,438百万円減少しました。
<コア営業利益、営業利益>上記の売上総利益減少要因、販管費などの減少要因から営業利益は2,078百万円の減少となりましたが、当社が重視しておりますコア営業利益では1,048百万円の減少となりました。
今後につきましては、薬価改定が中間年にも実施され、毎年改定となる予定であり、収益環境の厳しさが見込まれる一方、後発医薬品使用促進策は引き続き継続されるものと見込まれ、量的拡大が続くものと見込まれます。
このような状況の中、2022年3月期を最終年度とする第8次中期経営計画「Nexus∞」を策定し、『無限大の連繋力で今を超える』をテーマとして3つのシナジー(「領域/地域」「コスト」「人財」)を最大化し、4つの基本戦略「事業領域のさらなる深化/進化」「徹底したオペレーション最適化の追求」「グローバル水準の品質確保、競争力強化」「ESG活動を基盤としたライフサイエンス企業の信頼確保」を取り組むことにより、グローバル総合ジェネリックメーカーへとさらなる進化を遂げるよう努めていきます。
b.財政状態の分析
当連結会計年度につきましては、在庫圧縮に伴う棚卸資産の減少が7,538百万円、仕入債務及びその他の債務の減少が5,319百万円、2019年4月1日にエルメッドエーザイ㈱株式を現金支払いにより追加取得するための資金需要があったことによる、現金及び現金同等物の増加が11,322百万円、借入金の増加が6,270百万円、エルメッドエーザイ㈱の株式取得による持分法で会計処理されている投資の増加が5,863百万円、オベリスク棟未払建設費の支払いによる仕入債務及びその他の債務の減少が2,856百万円、第9回新株予約権の権利行使により、資本金の増加が3,384百万円、資本剰余金の増加が3,384百万円、自己株式の減少が5,940百万円ありました。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の資金調達につきましては、2018年5月に第三者割り当てにより113,000個の新株予約権を発行し、2019年3月までに10,729百万円のキャッシュ・インがありました。また、長期借入れにより16,700百万円のキャッシュ・インがありました。
一方、資金使途につきましては、エルメッドエーザイ株式会社の株式取得のキャッシュ・アウト5,678百万円、2019年2月のSagent ローリー工場取得による事業譲受対価のキャッシュ・アウト4,957百万円、長期借入金の返済によるキャッシュ・アウト7,920百万円がありました。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要
当連結会計年度末の現金及び現金同等物につきましては、前連結会計年度比23,564百万円増の42,093百万円となりました。これらの資金は、2019年4月のエルメッドエーザイ株式会社の株式取得対価として11,322百万円のキャッシュ・アウトがあるほか、「インフリキシマブBS点滴静注用100㎎『日医工』」や、トラスツズマブ(遺伝子組換え)バイオ後続品のグローバルでの展開を行うためなどの開発投資や設備投資資金などとして、活用していく予定であります。
財務政策
当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。
運転資金につきましては、手持資金(売掛債権流動化を含む)で賄うことを原則としております。ただし、事業計画等に基づき不足が生じる場合は、短期借入金(一部、長期借入金)にて調達を行っております。
設備資金につきましては、設備投資計画に基づき、案件ごとに手持資金で賄えるか否かの検討を行い、不足が生じる場合は、長期借入金での調達を行っています。
e.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、2022年3月期を最終年度とする第8次中期経営計画「Nexus∞」を策定いたしました。計数目標は、下記のとおりです。
| 計数目標 | 基準値(2019年3月末) | 目標値(2022年3月末) |
| 海外売上高 | 355億円 | 600億円 |
| PMP8によるコスト削減 | - | 累計150億円以上 |
| 配当性向 | 25%~30% | 同水準の配当性向を維持 |
| 女性管理職比率 | 11.5% | 15%以上 |
| 原薬複製化比率 | 自社製品の45% | 自社製品の70% |
ネットD/Eレシオは(2019年3月末0.8倍) 1.0倍程度を維持
2022年3月末までに研究開発費は累計330億円、設備投資は累計190億円を予定
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準ではのれんを一定期間にわたり償却していましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この結果、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が、2,051百万円減少しております。
(開発費の資産計上)
開発活動に係る支出は、日本基準では費用処理しておりましたが、IFRSでは特定の要件を満たす場合は無形資産として計上し、見積耐用年数にわたって償却しております。この結果、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて研究開発費が、7,007百万円減少しております。
(収益認識)
日本基準では、販売に関するリベート等を販売費及び一般管理費として計上しておりましたが、IFRSでは売上収益から直接控除しております。この結果、当連結会計年度において売上収益が、21,749百万円減少しております。