有価証券報告書-第57期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 業績等の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から経済活動の停滞が続き、感染再拡大への懸念から景気の先行きは不透明な状況となっております。
後発医薬品業界におきましては、後発医薬品使用割合は政府目標である80%に近接するまで高まっておりますが、一方で、今後は毎年の薬価改定が実施される予定となっていることから一層の収益力強化が求められる状況となっております。
このような状況下当社グループでは、富山第一工場製造品で試験方法や製造方法が適切でなかった製品についての自主回収を実施し、2021年3月に富山県より「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づく行政処分を受けております。当社は今般の行政処分を重く受け止め、患者様とそのご家族及び医療関係者の皆様をはじめとした当社の全てのステークホルダーの皆様に対して心よりお詫び申し上げるとともに、再発防止に向けて外部弁護士による提言に従って業務改善策を着実に実行し、2020年7月に策定した新品質方針「安心と信頼への約束」に則って、社員全員が引き続き品質を最重視する企業文化の醸成に努めております。
A.セグメント別の業績
(注)1.セグメント区分は、「日医工グループ」「Sagent グループ」の2つのセグメント区分としており、
「Sagent グループ」は、Sagent Pharmaceuticals, Inc. 及びその連結子会社で構成され、「日医工グループ」は、「Sagent グループ」を除いた会社にて構成されております。
2.当社グループでは、経常的な収益性を示す指標として「コア営業利益」を採用しており、セグメント
利益にも「コア営業利益」を採用しております。「コア営業利益」は営業利益から非経常的な要因による損益を除いて算出しており、売上収益からも非経常的な要因は除外しております。
ⅰ.日医工グループ
当連結会計年度においては下記の取り組みを行っております。
2020年7月には、グループ生産体制の最適化及び品質管理体制の強化を主目的として、武田テバファーマ株式会社(以下、「武田テバ」)が保有するジェネリック医薬品及び高山工場に係る事業を譲り受けることを目的として新たに設立された日医工岐阜工場株式会社(以下、「日医工岐阜工場」)の全株式を当社が取得することで、テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ社、武田薬品工業株式会社及び武田テバとの間で合意し、2021年2月に、日医工岐阜工場の全株式を取得し、当社の子会社といたしました。
2020年11月には、ベバシズマブバイオシミラーの国内における製造販売承認を申請し、2020年12月には、オーソライズドジェネリック『プソフェキ®配合錠「SANIK」』、『ロレアス®配合錠「SANIK」』を発売するなど、引き続き製品ラインアップの充実を図っております。
当連結会計年度の日医工グループにおける業績は、新製品や子会社化した日医工岐阜工場の売上への寄与があったものの、薬価改定による薬価引き下げや、新型コロナウイルス感染症拡大による受診抑制や営業活動の制限による影響などから、売上収益は152,481百万円(前年同期比2,807百万円減)、セグメント利益は2,995百万円(前年同期比3,985百万円減)と減収減益となりました。
ⅱ.Sagent グループ
当連結会計年度においては下記の取り組みを行っております。
コスト競争力・安定供給能力の強化を目指した、Sagent・ローリー工場、Omega・モントリオール工場、SterRxにおける内製化・自社製造能力の拡充に向けた体制強化を図っています。
また、バイオシミラー、オーファンドラッグの米国市場への早期上市、Sagent開発品の日本・東南アジア市場への導出に向けた取り組みを進めております。
当連結会計年度のSagent グループの業績は、新型コロナウイルス感染症による受診抑制や手術延期による影響がありましたが、新型コロナウイルス関連製品やコンパウンド製剤の売上伸長や、カナダ市場での売上増により、売上収益は36,289百万円(前年同期比1,126百万円増)と増収となりました。しかしながら、Sagent・ローリー工場で進める内製化に伴う製造移管費用の先行発生などにより、セグメント損失は2,017百万円(前年同期比3,057百万円減)となりました。
B.グループ全体の業績
※ 当社グループでは、経常的な収益性を示す指標として「コア営業利益」を採用しております。「コア営業利
益」は営業利益から非経常的な要因による損益を除いて算出しております。
売上収益は、Sagent グループは増収も、日医工グループの減収があり、前年同期比1,857百万円の減収となりました。
コア営業利益は、日医工グループ、Sagent グループとも減益で、前年同期比7,043百万円の減益となりました。
営業利益は、株式取得に伴う割安購入益の計上(12,275百万円)がありましたが、減損損失の計上(日医工グループ 1,515百万円、Sagent グループ 4,435百万円)、インフリキシマブバイオシミラーの原薬在庫評価損の計上(3,585百万円)、自主回収に係る費用の計上(2,158百万円)があったことなどにより、前年同期比2,766百万円の減益となりました。
税引前利益は、前年同期にAprogen Inc. 株式売却による売却益の計上があったことなどにより、前年同期比6,328百万円の減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、第3四半期末時点で計上していた繰延税金資産を取り崩した(4,183百万円)ことなどにより、前年同期比9,313百万円の減益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ13,801百万円減少し、29,142百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況の詳細は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において5,006百万円の収入超過となりました。これは主に以下の要因によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において29,334百万円の支出超過となりました。これは主に以下の要因によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において10,867百万円の収入超過となりました。これは主に以下の要因によるものであります。
③ 財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ26,753百万円増加し、363,572百万円となりました。これは主に以下の要因によるものであります。
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ31,488百万円増加し、251,136百万円となりました。これは主に以下の要因によるものであります。
当連結会計年度末の資本につきましては、前連結会計年度末に比べ4,734百万円減少し、112,435百万円となりました。これは主に以下の要因によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格に換算しております。
2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
c. 受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)では、主に販売計画に基づいた生産計画により生産しております。
製剤の一部において受注生産を行っていますが、受注額に重要性はありません。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績を販売ルート別に示すと、次のとおりであります。
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3.上記金額から非経常的な要因は除外しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の見積り 及び、3.重要な会計方針」に記載しております。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、受診抑制や手術延期による影響があった一方で、新型コロナウイルス関連製品の売上が伸長し、新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響は軽微であったことから、今後も同様に軽微な状況が継続するという仮定に基づいて、会計上の見積りを行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
a.経営成績などの分析
<売上収益>当連結会計年度の売上収益につきましては、前連結会計年度比1,857百万円(1.0%)減の188,218百万円となりました。日医工グループにおいては、日医工岐阜工場連結子会社化による売上増加がありましたが、2019年10月、2020年4月の薬価改定による薬価引き下げ、新型コロナウイルス感染症拡大による受診抑制や営業活動の制限、エルメッド製品に関しての製造委託先での生産・出荷停止や、自主回収による影響などから、前連結会計年度比2,983百万円減となりました。Sagent グループにおいては、新型コロナウイルス感染症による受診抑制や手術延期による影響がありましたが、新型コロナウイルス関連製品やコンパウンド製剤の売上伸長や、カナダ市場での売上増により、前連結会計年度比1,126百万円増となりました。
<売上総利益>当連結会計年度の売上総利益につきましては、前連結会計年度比16,074百万円(43.1%)減の21,245百万円となりました。日医工グループにおいては、薬価改定の影響のほか、インフリキシマブバイオシミラーの原薬在庫評価損、エルメッド製品についての販売権減損損失、自主回収に伴う在庫廃棄等の一時的費用の計上があったことから、前連結会計年度比9,871百万円減となりました。Sagent グループにおいては、ローリー工場での内製化に伴う製造移管費用の先行発生や、市場価格下落による販売権の減損損失計上などにより、前連結会計年度比6,202百万円減となりました。
<販売費及び一般管理費、研究開発費、その他の営業収益・費用>日医工グループにおいては、日医工岐阜工場連結子会社化による人件費等の増加や、自主回収に伴う費用の発生がありましたが、日医工岐阜工場取得に伴う割安購入益12,275百万円の計上により、総額で前連結会計年度比12,650百万円減となりました。Sagent グループにおいては、仕掛研究開発の減損について、前連結会計年度2,407百万円が、当連結会計年度1,092百万円となったことなどにより、総額で前連結会計年度比657百万円減となりました。
<コア営業利益、営業利益>上記から、営業利益は前連結会計年度比2,766百万円(96.3%)減の107百万円となりました(うち、日医工グループは2,779百万円増の6,560百万円、Sagent グループは5,545百万円減の△6,452百万円)。
また、コア営業利益(営業利益から非経常的要因による損益を除いたもの)は、前連結会計年度比7,043百万円(87.8%)減の977百万円となりました(うち、日医工グループでは3,985百万円減の2,995百万円、Sagent グループは3,057百万円減の△2,017百万円)。
b.財政状態の分析
<日医工岐阜工場の連結子会社化>2021年2月に、日医工岐阜工場の株式を取得し、同社を連結子会社としております。これに伴い、武田テバより引き受けた資産・負債である現金及び現金同等物3,000百万円、棚卸資産15,555百万円、有形固定資産8,040百万円、繰延税金負債6,149百万円が増加するとともに、12,275百万円を割安購入益としてその他の営業収益に計上しております。
<設備投資・開発投資>設備投資につきましては、当連結会計年度において、主に生産能力アップ、内製化によるコストダウン、安定供給体制の強化を目的として設備投資を行い、有形固定資産及び無形資産に9,649百万円が計上されております。
また、開発投資につきましては、ジェネリック医薬品、バイオシミラー、オーファンドラッグに13,567百万円の開発投資を行い、うち、9,231百万円については無形資産として資産計上されております。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におきましては、営業活動により獲得した資金5,006百万円及び借入金の純増額15,115百万円を、主に、無形資産の取得12,767百万円、日医工岐阜工場株式取得7,039百万円などの投資活動に充てております。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
<資金需要>当社グループにおける営業活動での資金需要は、原材料仕入、外注費、商品仕入、人件費、販売促進費用、物流費などであります。
投資活動での資金需要は、生産能力アップ、内製化、安定供給体制強化に向けた設備投資、ジェネリック医薬品、バイオシミラー等の開発投資、M&Aなどの戦略的投資などであります。
<財務政策>当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。
運転資金につきましては、手持資金(売掛債権流動化を含む)で賄うことを原則としております。ただし、事業計画等に基づき不足が生じる場合は、短期借入金(一部、長期借入金)にて調達を行っております。
設備資金につきましては、設備投資計画に基づき、案件ごとに手持資金で賄えるか否かの検討を行い、不足が生じる場合は、長期借入金での調達を行っています。
M&Aなどの大型案件については、手持資金、長期借入金での調達を基本としつつも、直接金融での調達も視野に入れた検討を行います。
投資については基本的にはフリー・キャッシュ・フローがマイナスにならない範囲で行う方針としております。
配当については、適切で安定的な利益還元を継続することが重要であるとの認識のもと、第8次中期経営計画「NEXUS∞」においても、25~30%の配当性向を維持することを目標としております。
なお、当社と国内連結子会社との間でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、資金の効率的運用に向けた取り組みを行っております。
e.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、2022年3月期を最終年度とする第8次中期経営計画「NEXUS∞」を策定いたしました。計数目標は、下記のとおりです。
(注)配当性向については、当連結会計年度は当期損失のため記載しておりません。当連結会計年度の年間配当金は1株当たり25円であります。
f.新型コロナウイルス感染症への取り組み
当社グループでは、新型コロナウイルス感染拡大防止への取り組みとして、在宅勤務、各部署の執務場所分散等を実施し、全社員が感染拡大防止に努めております。
また、新型コロナウイルス治療薬候補として当社の「注射用フサン®」が挙がっており、国内外で臨床試験が行われております。当社は「注射用フサン®」の無償提供を行うなど、積極的な治験協力を行うとともに「注射用フサン®」が新型コロナウイルス治療薬として認可された場合も想定して、愛知工場での増産に向けた設備増強を行っております。
さらに当社では、健康寿命の延伸や医療費の適正化などを図ることを目的に、これまでに22自治体と連携協定を締結しております。手指消毒剤ピュアハンドジェルの寄付や、感染予防のための手洗い講習の開催などを通して、市民の皆様の新型コロナウイルス感染症に対する意識の向上を図り、地域における感染拡大防止に努めております。
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から経済活動の停滞が続き、感染再拡大への懸念から景気の先行きは不透明な状況となっております。
後発医薬品業界におきましては、後発医薬品使用割合は政府目標である80%に近接するまで高まっておりますが、一方で、今後は毎年の薬価改定が実施される予定となっていることから一層の収益力強化が求められる状況となっております。
このような状況下当社グループでは、富山第一工場製造品で試験方法や製造方法が適切でなかった製品についての自主回収を実施し、2021年3月に富山県より「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づく行政処分を受けております。当社は今般の行政処分を重く受け止め、患者様とそのご家族及び医療関係者の皆様をはじめとした当社の全てのステークホルダーの皆様に対して心よりお詫び申し上げるとともに、再発防止に向けて外部弁護士による提言に従って業務改善策を着実に実行し、2020年7月に策定した新品質方針「安心と信頼への約束」に則って、社員全員が引き続き品質を最重視する企業文化の醸成に努めております。
A.セグメント別の業績
| (単位:百万円) | 日医工グループ | Sagent グループ | ||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
| 売上収益 | 155,288 | 152,481 | △2,807 | 35,163 | 36,289 | +1,126 |
| コア営業利益 | 6,980 | 2,995 | △3,985 | 1,040 | △2,017 | △3,057 |
(注)1.セグメント区分は、「日医工グループ」「Sagent グループ」の2つのセグメント区分としており、
「Sagent グループ」は、Sagent Pharmaceuticals, Inc. 及びその連結子会社で構成され、「日医工グループ」は、「Sagent グループ」を除いた会社にて構成されております。
2.当社グループでは、経常的な収益性を示す指標として「コア営業利益」を採用しており、セグメント
利益にも「コア営業利益」を採用しております。「コア営業利益」は営業利益から非経常的な要因による損益を除いて算出しており、売上収益からも非経常的な要因は除外しております。
ⅰ.日医工グループ
当連結会計年度においては下記の取り組みを行っております。
2020年7月には、グループ生産体制の最適化及び品質管理体制の強化を主目的として、武田テバファーマ株式会社(以下、「武田テバ」)が保有するジェネリック医薬品及び高山工場に係る事業を譲り受けることを目的として新たに設立された日医工岐阜工場株式会社(以下、「日医工岐阜工場」)の全株式を当社が取得することで、テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ社、武田薬品工業株式会社及び武田テバとの間で合意し、2021年2月に、日医工岐阜工場の全株式を取得し、当社の子会社といたしました。
2020年11月には、ベバシズマブバイオシミラーの国内における製造販売承認を申請し、2020年12月には、オーソライズドジェネリック『プソフェキ®配合錠「SANIK」』、『ロレアス®配合錠「SANIK」』を発売するなど、引き続き製品ラインアップの充実を図っております。
当連結会計年度の日医工グループにおける業績は、新製品や子会社化した日医工岐阜工場の売上への寄与があったものの、薬価改定による薬価引き下げや、新型コロナウイルス感染症拡大による受診抑制や営業活動の制限による影響などから、売上収益は152,481百万円(前年同期比2,807百万円減)、セグメント利益は2,995百万円(前年同期比3,985百万円減)と減収減益となりました。
ⅱ.Sagent グループ
当連結会計年度においては下記の取り組みを行っております。
コスト競争力・安定供給能力の強化を目指した、Sagent・ローリー工場、Omega・モントリオール工場、SterRxにおける内製化・自社製造能力の拡充に向けた体制強化を図っています。
また、バイオシミラー、オーファンドラッグの米国市場への早期上市、Sagent開発品の日本・東南アジア市場への導出に向けた取り組みを進めております。
当連結会計年度のSagent グループの業績は、新型コロナウイルス感染症による受診抑制や手術延期による影響がありましたが、新型コロナウイルス関連製品やコンパウンド製剤の売上伸長や、カナダ市場での売上増により、売上収益は36,289百万円(前年同期比1,126百万円増)と増収となりました。しかしながら、Sagent・ローリー工場で進める内製化に伴う製造移管費用の先行発生などにより、セグメント損失は2,017百万円(前年同期比3,057百万円減)となりました。
B.グループ全体の業績
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 比較増減 | ||
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | (%) | |
| 売上収益 | 190,076 | 188,218 | △1,857 | △1.0 |
| コア営業利益 | 8,020 | 977 | △7,043 | △87.8 |
| 営業利益 | 2,873 | 107 | △2,766 | △96.3 |
| 税引前利益 | 7,396 | 1,068 | △6,328 | △85.6 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 5,133 | △4,179 | △9,313 | - |
※ 当社グループでは、経常的な収益性を示す指標として「コア営業利益」を採用しております。「コア営業利
益」は営業利益から非経常的な要因による損益を除いて算出しております。
売上収益は、Sagent グループは増収も、日医工グループの減収があり、前年同期比1,857百万円の減収となりました。
コア営業利益は、日医工グループ、Sagent グループとも減益で、前年同期比7,043百万円の減益となりました。
営業利益は、株式取得に伴う割安購入益の計上(12,275百万円)がありましたが、減損損失の計上(日医工グループ 1,515百万円、Sagent グループ 4,435百万円)、インフリキシマブバイオシミラーの原薬在庫評価損の計上(3,585百万円)、自主回収に係る費用の計上(2,158百万円)があったことなどにより、前年同期比2,766百万円の減益となりました。
税引前利益は、前年同期にAprogen Inc. 株式売却による売却益の計上があったことなどにより、前年同期比6,328百万円の減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、第3四半期末時点で計上していた繰延税金資産を取り崩した(4,183百万円)ことなどにより、前年同期比9,313百万円の減益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減額 (百万円) | |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 42,093 | 42,944 | +850 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 18,450 | 5,006 | △13,443 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △18,228 | △29,334 | △11,105 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 1,002 | 10,867 | +9,864 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △373 | △341 | +32 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | 850 | △13,801 | △14,652 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 42,944 | 29,142 | △13,801 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ13,801百万円減少し、29,142百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況の詳細は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において5,006百万円の収入超過となりました。これは主に以下の要因によるものであります。
| 内容 | 金額 (百万円) |
| 減価償却費及び償却費の計上 | +13,217 |
| 割安購入益の計上 | △12,275 |
| 仕入債務及びその他の債務の増加 | +3,783 |
投資活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において29,334百万円の支出超過となりました。これは主に以下の要因によるものであります。
| 内容 | 金額 (百万円) |
| 有形固定資産の取得による支出 | △6,360 |
| 無形資産の取得による支出 | △12,767 |
| 子会社の取得による支出 | △7,039 |
財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において10,867百万円の収入超過となりました。これは主に以下の要因によるものであります。
| 内容 | 金額 (百万円) |
| 借入金の純増 | +15,115 |
| リース負債の返済による支出 | △2,093 |
| 配当金の支払 | △1,918 |
③ 財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ26,753百万円増加し、363,572百万円となりました。これは主に以下の要因によるものであります。
| 増減額 (百万円) | 主な要因 | |
| 現金及び現金同等物 | △13,801 | 日医工岐阜工場の株式取得など |
| 棚卸資産 | +17,982 | 日医工岐阜工場の連結子会社化など |
| 有形固定資産 | +9,741 | 日医工岐阜工場の連結子会社化など |
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ31,488百万円増加し、251,136百万円となりました。これは主に以下の要因によるものであります。
| 増減額 (百万円) | 主な要因 | |
| 借入金 | +15,341 | 開発投資などへの資金需要増大 |
| 繰延税金負債 | +10,190 | 割安購入益に係る繰延税金負債の計上など |
当連結会計年度末の資本につきましては、前連結会計年度末に比べ4,734百万円減少し、112,435百万円となりました。これは主に以下の要因によるものであります。
| 増減額 (百万円) | 主な要因 | |
| 利益剰余金 | △6,543 | 当期損失の計上、配当金の支払など |
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 区分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日医工グループ | ||
| 循環器官用薬 | 31,899 | 80.1 |
| 血液及び体液用薬 | 22,033 | 110.9 |
| 神経系用薬 | 21,612 | 101.2 |
| 抗生物質 | 10,254 | 90.8 |
| 消化器官用薬 | 13,580 | 81.6 |
| アレルギー用薬 | 7,720 | 64.4 |
| 化学療法剤 | 2,402 | 97.5 |
| その他 | 42,494 | 113.6 |
| 小計 | 151,996 | 94.5 |
| Sagent グループ | ||
| 血液及び体液用薬 | 1 | 0.2 |
| 救急救命用薬 | 5,042 | 403.7 |
| その他 | 971 | 1,600.7 |
| 小計 | 6,016 | 249.2 |
| 合計 | 158,013 | 96.8 |
(注)1.金額は、販売価格に換算しております。
2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 区分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日医工グループ | ||
| 循環器官用薬 | 3,485 | 81.7 |
| 血液及び体液用薬 | 8,588 | 89.7 |
| 神経系用薬 | 2,519 | 91.1 |
| 抗生物質 | 566 | 46.8 |
| 消化器官用薬 | 3,796 | 67.7 |
| アレルギー用薬 | 7,118 | 93.4 |
| 化学療法剤 | 279 | 56.9 |
| その他 | 4,291 | 110.5 |
| 小計 | 30,646 | 86.5 |
| Sagent グループ | ||
| 抗生物質 | 8,166 | 107.2 |
| 救急救命用薬 | 5,780 | 88.3 |
| 化学療法剤 | 1,497 | 85.4 |
| その他 | 886 | - |
| 小計 | 16,330 | 102.6 |
| 合計 | 46,977 | 91.5 |
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
c. 受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)では、主に販売計画に基づいた生産計画により生産しております。
製剤の一部において受注生産を行っていますが、受注額に重要性はありません。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 区分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日医工グループ | ||
| 循環器官用薬 | 28,932 | 86.2 |
| 血液及び体液用薬 | 27,217 | 96.6 |
| 神経系用薬 | 18,397 | 107.2 |
| 抗生物質 | 8,400 | 86.2 |
| 消化器官用薬 | 16,063 | 95.8 |
| アレルギー用薬 | 14,341 | 91.7 |
| 化学療法剤 | 2,429 | 98.8 |
| その他 | 36,698 | 115.4 |
| 小計 | 152,481 | 98.2 |
| Sagent グループ | ||
| 抗生物質 | 8,972 | 78.4 |
| 救急救命用薬 | 15,950 | 171.1 |
| 化学療法剤 | 10,322 | 78.1 |
| その他 | 1,045 | 88.9 |
| 小計 | 36,289 | 103.2 |
| 合計 | 188,770 | 99.1 |
当連結会計年度における販売実績を販売ルート別に示すと、次のとおりであります。
| 区分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 特約店 | 153,368 | 94.3 |
| 代理店 | 18,840 | 127.1 |
| その他 | 16,562 | 127.5 |
| 合計 | 188,770 | 99.1 |
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱メディセオ | 40,182 | 21.1 | 39,831 | 21.2 |
| アルフレッサ㈱ | 27,844 | 14.6 | 26,186 | 13.9 |
| ㈱スズケン | 27,361 | 14.4 | 22,559 | 12.0 |
(注)1.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3.上記金額から非経常的な要因は除外しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の見積り 及び、3.重要な会計方針」に記載しております。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、受診抑制や手術延期による影響があった一方で、新型コロナウイルス関連製品の売上が伸長し、新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響は軽微であったことから、今後も同様に軽微な状況が継続するという仮定に基づいて、会計上の見積りを行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
a.経営成績などの分析
<売上収益>当連結会計年度の売上収益につきましては、前連結会計年度比1,857百万円(1.0%)減の188,218百万円となりました。日医工グループにおいては、日医工岐阜工場連結子会社化による売上増加がありましたが、2019年10月、2020年4月の薬価改定による薬価引き下げ、新型コロナウイルス感染症拡大による受診抑制や営業活動の制限、エルメッド製品に関しての製造委託先での生産・出荷停止や、自主回収による影響などから、前連結会計年度比2,983百万円減となりました。Sagent グループにおいては、新型コロナウイルス感染症による受診抑制や手術延期による影響がありましたが、新型コロナウイルス関連製品やコンパウンド製剤の売上伸長や、カナダ市場での売上増により、前連結会計年度比1,126百万円増となりました。
<売上総利益>当連結会計年度の売上総利益につきましては、前連結会計年度比16,074百万円(43.1%)減の21,245百万円となりました。日医工グループにおいては、薬価改定の影響のほか、インフリキシマブバイオシミラーの原薬在庫評価損、エルメッド製品についての販売権減損損失、自主回収に伴う在庫廃棄等の一時的費用の計上があったことから、前連結会計年度比9,871百万円減となりました。Sagent グループにおいては、ローリー工場での内製化に伴う製造移管費用の先行発生や、市場価格下落による販売権の減損損失計上などにより、前連結会計年度比6,202百万円減となりました。
<販売費及び一般管理費、研究開発費、その他の営業収益・費用>日医工グループにおいては、日医工岐阜工場連結子会社化による人件費等の増加や、自主回収に伴う費用の発生がありましたが、日医工岐阜工場取得に伴う割安購入益12,275百万円の計上により、総額で前連結会計年度比12,650百万円減となりました。Sagent グループにおいては、仕掛研究開発の減損について、前連結会計年度2,407百万円が、当連結会計年度1,092百万円となったことなどにより、総額で前連結会計年度比657百万円減となりました。
<コア営業利益、営業利益>上記から、営業利益は前連結会計年度比2,766百万円(96.3%)減の107百万円となりました(うち、日医工グループは2,779百万円増の6,560百万円、Sagent グループは5,545百万円減の△6,452百万円)。
また、コア営業利益(営業利益から非経常的要因による損益を除いたもの)は、前連結会計年度比7,043百万円(87.8%)減の977百万円となりました(うち、日医工グループでは3,985百万円減の2,995百万円、Sagent グループは3,057百万円減の△2,017百万円)。
b.財政状態の分析
<日医工岐阜工場の連結子会社化>2021年2月に、日医工岐阜工場の株式を取得し、同社を連結子会社としております。これに伴い、武田テバより引き受けた資産・負債である現金及び現金同等物3,000百万円、棚卸資産15,555百万円、有形固定資産8,040百万円、繰延税金負債6,149百万円が増加するとともに、12,275百万円を割安購入益としてその他の営業収益に計上しております。
<設備投資・開発投資>設備投資につきましては、当連結会計年度において、主に生産能力アップ、内製化によるコストダウン、安定供給体制の強化を目的として設備投資を行い、有形固定資産及び無形資産に9,649百万円が計上されております。
また、開発投資につきましては、ジェネリック医薬品、バイオシミラー、オーファンドラッグに13,567百万円の開発投資を行い、うち、9,231百万円については無形資産として資産計上されております。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におきましては、営業活動により獲得した資金5,006百万円及び借入金の純増額15,115百万円を、主に、無形資産の取得12,767百万円、日医工岐阜工場株式取得7,039百万円などの投資活動に充てております。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
<資金需要>当社グループにおける営業活動での資金需要は、原材料仕入、外注費、商品仕入、人件費、販売促進費用、物流費などであります。
投資活動での資金需要は、生産能力アップ、内製化、安定供給体制強化に向けた設備投資、ジェネリック医薬品、バイオシミラー等の開発投資、M&Aなどの戦略的投資などであります。
<財務政策>当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。
運転資金につきましては、手持資金(売掛債権流動化を含む)で賄うことを原則としております。ただし、事業計画等に基づき不足が生じる場合は、短期借入金(一部、長期借入金)にて調達を行っております。
設備資金につきましては、設備投資計画に基づき、案件ごとに手持資金で賄えるか否かの検討を行い、不足が生じる場合は、長期借入金での調達を行っています。
M&Aなどの大型案件については、手持資金、長期借入金での調達を基本としつつも、直接金融での調達も視野に入れた検討を行います。
投資については基本的にはフリー・キャッシュ・フローがマイナスにならない範囲で行う方針としております。
配当については、適切で安定的な利益還元を継続することが重要であるとの認識のもと、第8次中期経営計画「NEXUS∞」においても、25~30%の配当性向を維持することを目標としております。
なお、当社と国内連結子会社との間でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、資金の効率的運用に向けた取り組みを行っております。
e.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、2022年3月期を最終年度とする第8次中期経営計画「NEXUS∞」を策定いたしました。計数目標は、下記のとおりです。
| 計数目標 | 基準値(2019年3月末) | 目標値(2022年3月末) | 当連結会計年度 (2021年3月末) |
| 海外売上高 | 355億円 | 600億円 | 364億円 |
| PMP8によるコスト削減 | - | 累計150億円以上 | 累計91億円 |
| 配当性向 | 25%~30% | 同水準の配当性向を維持 | - |
| 女性管理職比率 | 11.5% | 15%以上 | 11.0% |
| 原薬複数化比率 | 自社製品の45% | 自社製品の70% | 自社製品の54% |
(注)配当性向については、当連結会計年度は当期損失のため記載しておりません。当連結会計年度の年間配当金は1株当たり25円であります。
f.新型コロナウイルス感染症への取り組み
当社グループでは、新型コロナウイルス感染拡大防止への取り組みとして、在宅勤務、各部署の執務場所分散等を実施し、全社員が感染拡大防止に努めております。
また、新型コロナウイルス治療薬候補として当社の「注射用フサン®」が挙がっており、国内外で臨床試験が行われております。当社は「注射用フサン®」の無償提供を行うなど、積極的な治験協力を行うとともに「注射用フサン®」が新型コロナウイルス治療薬として認可された場合も想定して、愛知工場での増産に向けた設備増強を行っております。
さらに当社では、健康寿命の延伸や医療費の適正化などを図ることを目的に、これまでに22自治体と連携協定を締結しております。手指消毒剤ピュアハンドジェルの寄付や、感染予防のための手洗い講習の開催などを通して、市民の皆様の新型コロナウイルス感染症に対する意識の向上を図り、地域における感染拡大防止に努めております。