有価証券報告書-第130期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における連結売上高は、バイオCDMO、半導体材料、イメージング等を中心に売上を伸ばし、3,356,969百万円(前年度比5.0%増)となりました。営業利益は、350,210百万円(前年度比6.1%増)となりました。税金等調整前当期純利益は366,629百万円(前年度比7.6%増)、当社株主帰属当期純利益は276,735百万円(前年度比6.0%増)となりました。
事業セグメント別の業績は次のとおりであります。
(事業セグメント別の連結売上高)
ヘルスケア部門の連結売上高は、前年度の1,047,754百万円に対し、メディカルシステム事業、バイオCDMO事業等で売上を伸ばしたことにより51,171百万円増加し、1,098,925百万円となりました。エレクトロニクス部門の連結売上高は、前年度の407,607百万円に対し、半導体材料事業、ディスプレイ材料事業等で売上を伸ばしたことにより48,550百万円増加し、456,157百万円となりました。ビジネスイノベーション部門の連結売上高は、前年度の1,198,494百万円に対し、市況低迷や低採算機種の販売絞り込み等により23,694百万円減少し、1,174,800百万円となりました。イメージング部門の連結売上高は、前年度の541,973百万円に対し、コンシューマーイメージング事業、プロフェッショナルイメージング事業で売上を伸ばしたことにより85,114百万円増加し、627,087百万円となりました。
(事業セグメント別の営業利益)
※当連結会計年度より、AF(アドバンストファンクショナル)材料事業に含まれていたケミカル試薬をエレクトロニクスセグメントからヘルスケアセグメントへ移管しております。前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。
ヘルスケア部門の営業利益は、前年度の79,882百万円に対し、為替や銀価格高騰による原材料価格影響等により16,245百万円減少し、63,637百万円となりました。エレクトロニクス部門の営業利益は、前年度の75,068百万円に対し、生成AI向け半導体材料の増収に伴う増益等により25,815百万円増加し、100,883百万円となりました。ビジネスイノベーション部門の営業利益は、前年度の74,614百万円に対し、市況低迷やアジアパシフィック地域体質強化に係る一時費用増加等により10,902百万円減少し、63,712百万円となりました。イメージング部門の営業利益は、前年度の139,214百万円に対し、インスタントフォトシステムやデジタルカメラの販売好調により20,789百万円増加し、160,003百万円となりました。
当連結会計年度末では、総資産は有形固定資産の増加等により803,868百万円増加し、6,053,776百万円(前年度末比15.3%増)となりました。負債は社債及び長期借入金の増加等により312,165百万円増加し、2,209,391百万円(前年度末比16.5%増)となりました。純資産は当社株主帰属当期純利益の計上等により491,703百万円増加し、3,844,385百万円(前年度末比14.7%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」と記載します。)は、前連結会計年度末より1,558百万円減少し、当連結会計年度末において170,553百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により得られた資金は410,555百万円となり、受取債権、棚卸資産が増加したこと等に起因して、前連結会計年度と比較して17,607百万円減少(前年度比4.1%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動に使用した資金は554,604百万円となり、前連結会計年度と比較して12,651百万円増加(前年度比2.3%増)しておりますが、これは有形固定資産の購入額が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により得られた資金は120,249百万円となり、前連結会計年度と比較して11,366百万円増加(前年度比10.4%増)しておりますが、これは長期債務による調達等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であっても、その容量・構造・形式等は必ずしも一様ではなく、セグメント毎に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。
販売の実績につきましては、「① 財政状態及び経営成績の状況」の記載に含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 資本の財源及び資金の流動性
ⅰ)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(連結キャッシュ・フロー指標)
ⅱ)財務政策
当社グループの資金需要には、運転資金需要及び投資を目的とした資金需要、株主還元のための資金需要が含まれます。
運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入費用、製造費用、販売費及び一般管理費、研究開発費等の営業費用によるものであり、投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収を含む投融資等によるものであります。また、株主還元の方針は次のとおりであります。
(株主還元方針)
配当につきましては、連結業績を反映させるとともに、成長事業のさらなる拡大に向けたM&A、設備投資、研究開発投資等、将来にわたって企業価値を向上させていくために必要となる資金の水準等も考慮した上で決定します。また、その時々のキャッシュ・フローを勘案し、株価推移に応じて自己株式の取得も機動的に実施していきます。株主還元方針については、配当を重視し、配当性向30%を目安としております。
これらの資金は、主として内部資金により充当し、必要に応じ金融機関からの借入や社債による資金調達を実施しています。
なお、当連結会計年度末における短期の社債及び借入金の残高は287,913百万円、長期の社債及び借入金の残高は607,034百万円であります。
② 経営成績
ⅰ)売上高、営業費用及び営業利益
当連結会計年度の売上高は、前年度の3,195,828百万円に対し、161,141百万円増加し、3,356,969百万円(前年度比5.0%増)となりました。国内売上高は1,168,682百万円(前年度比6.3%増)、海外売上高は2,188,287百万円(前年度比4.4%増)となりました。実績為替レートは151円/米ドル(前年度比1円高)、175円/ユーロ(前年度比11円安)となりました。
販売費及び一般管理費は、前年度の806,525百万円に対し、54,987百万円増加し、861,512百万円(前年度比6.8%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は25.7%となりました。
研究開発費は、前年度の163,399百万円に対し、5,609百万円減少し、157,790百万円(前年度比3.4%減)となりました。研究開発費の売上高に対する比率は4.7%となりました。
事業セグメント別の業績は次のとおりであります。
「ヘルスケア部門」
本部門の連結売上高は、1,098,925百万円(前年度比4.9%増)となりました。営業利益は、63,637百万円(前年度比20.3%減)となりました。
メディカルシステム事業では、日本・米国・欧州をはじめとする主要市場で販売が好調に推移した内視鏡や、医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE」を中心としたシステム・サービス販売が日本・米国・欧州・中東等で好調に推移した医療ITの他、血液生化学検査「富士ドライケム」機器・材料の販売が好調に推移した体外診断(IVD)等で売上が伸長しました。一方で、中国における医療材料の需要減等により、事業全体では前年度並みの売上となりました。2026年3月には、検査ワークフローの効率化に貢献する軽量・小型の携帯型X線撮影装置「CALNEO Xair PLUS」、及び気管支用スコープの新ラインアップとして、HDイメージCMOSセンサーを搭載した気管支用スコープ「EB-840S」「EB-840T」を発売しました。当社は、今後も独自技術を生かし、様々な医療現場のニーズに応える幅広い製品・サービスの提供を通じて、さらなる診断の効率化と医療の質の向上、人々の健康の維持・増進に貢献していきます。
バイオCDMO事業では、前年度に稼働開始したデンマーク拠点の大型製造設備による売上寄与、及び前年度に稼働調整を実施していたテキサス拠点の中小型製造設備における稼働回復等により、売上が増加しました。当年度は、米国ノースカロライナ州にて新規の大型製造工場を開設し、第一次投資設備である20,000リットル動物細胞培養タンク8基の稼働を開始したことに加え、2026年2月には、英国拠点に抗体医薬品の原薬製造棟及びプロセス開発ラボを開設しました。当社は、急速に拡大する抗体医薬品の製造委託ニーズに対応することで、事業成長を一段と加速していきます。
LS(ライフサイエンス)ソリューション事業*では、ライフサイエンス事業において、大手製薬会社の当社培地使用量増加による培地の販売伸長に加え、市況回復により試薬の販売が好調に推移したことや、医薬品事業において、COVID-19国産ワクチンの治験薬受託製造が増加したこと等により、売上が増加しました。
*ライフサイエンス事業・医薬品事業・コンシューマーヘルスケア事業・CRO事業から構成
「エレクトロニクス部門」
本部門の連結売上高は、456,157百万円(前年度比11.9%増)となりました。営業利益は、100,883百万円(前年度比34.4%増)となりました。
半導体市場は、半導体が自動車や家電製品等多くの製品に使われ、安定して成長してきた時代を経て、現在はAI半導体の需要増加により市場が大きく成長しています。当社半導体材料事業は、AI半導体需要を着実に取り込み、売上が大きく増加しました。大手ファウンドリー向け販売が好調を継続し、米国や韓国の大手半導体メーカー向け販売も回復しています。製品別では、先端レジストや、世界トップシェアのNTI現像液、同じく世界トップシェアの銅配線用CMPスラリーが、微細化と配線層の積層数増加に伴い販売が伸長し、後工程材料分野でも、AI半導体向け先端パッケージングの需要拡大に伴い、チップ間接続に使用される層間絶縁膜用の液型ポリイミドの販売が伸長しました。2026年2月には、最先端ロジック半導体の量産を目指すRapidus㈱への50億円の出資を完了しました。本出資を通じ、最先端半導体の国内量産化実現と日本の半導体産業の発展へコミットするとともに、幅広い半導体材料と技術をRapidusに提供することで、同社の最先端半導体の開発・製造を力強く支援していきます。また、Rapidusと密に連携して次世代プロセス開発に取り組む中で技術力を磨き、次世代半導体向け材料の開発を加速していきます。
AF(アドバンストファンクショナル)材料事業は、新規ディスプレイ材料の採用が進んだことに加えて、半導体用レジスト材料の販売好調等により、売上が増加しました。
「ビジネスイノベーション部門」
本部門の連結売上高は、1,174,800百万円(前年度比2.0%減)となりました。営業利益は、63,712百万円(前年度比14.6%減)となりました。
ビジネスソリューション事業では、国内におけるWindows 10サポート終了に伴う買い替え需要を梃子にしたDX関連ソリューションや自治体向けサービスの販売伸長等により、売上が増加しました。2026年3月には、トルコのETG Global Information Technology Services Inc.を買収しました。当社がこれまで培ってきた事業基盤に、同社の技術力とIT人材基盤を掛け合わせることで基幹システム販売・導入支援事業をグローバルに拡大していきます。
オフィスソリューション事業では、中国・オセアニアの市況低迷や低採算機種の販売終了等を背景としたアジア・パシフィック地域における販売減少や欧米向け輸出の減少等により、売上が減少しました。
グラフィックコミュニケーション事業では、アナログ印刷分野における刷版材料の欧米向けの販売減少や製版材料の低採算品の販売終了等により、売上が減少しました。2025年12月には、独自のAI技術によりお客様の印刷業務を自動化・効率化するプロダクションプリンター「Revoria Press PC2120」を発売、また2026年3月には、印刷生産管理業務をAIで効率化するクラウドサービス「Revoria Cloud Production」の提供を開始しました。
「イメージング部門」
本部門の連結売上高は、627,087百万円(前年度比15.7%増)となりました。営業利益は、160,003百万円(前年度比14.9%増)となりました。
コンシューマーイメージング事業では、累計販売台数1億台を突破したインスタントフォトシステム「instax」の伸長により、売上が増加しました。主力機種である「instax mini 12」や「instax mini Evo」に加え、前年度に発売した「instax WIDE 400」、「instax mini Link 3」、「instax WIDE Evo」等の異なるユーザー層に向けた多彩な製品の販売が引き続き好調に推移しています。2025年4月にはクラシックデザインのエントリーモデル「instax mini 41」を、2025年11月には音と静止画の組み合わせを進化させた「instax mini LiPlay+」を発売しました。さらに、2026年1月には静止画に加えて動画の撮影を可能とし、1930~2020年代の映像を再現する「ジダイヤル」を搭載した“動画を手渡せる”インスタントカメラ「instax mini Evo Cinema」、及びスマホプリンター「mini Link」シリーズの上位モデル「instax mini Link+」を発売し、これまでにない新しいチェキプリントの楽しみ方も提案しています。また、2025年12月には instax“チェキ”フィルムの生産設備増強を発表し、世界的な需要拡大への対応を進めています。今後も、撮影したその場でプリントを楽しめる「instax」の魅力を広げるとともに、写真の価値と楽しさを伝えていきます。
プロフェッショナルイメージング事業では、デジタルカメラの販売伸長により、売上が増加しました。前年度に発売した機種に加え、当年度に発売した「FUJIFILM GFX100RF」、「X half(製品名:FUJIFILM X-HF1)」、「FUJIFILM X-E5」、「FUJIFILM X-T30 III」等の新製品が牽引し、販売が好調に推移しています。また、当年度は当社初の動画専用機となる映像制作用カメラ「FUJIFILM GFX ETERNA 55」を発売し、当社の色再現、ラージフォーマットによる描写力、光学性能により、映像制作の現場にも新たな価値を提供していきます。今後も「GFX シリーズ」ではラージフォーマットによる圧倒的高画質を、「X シリーズ」では画質とサイズのベストバランスを実現することに加えて、「FUJIFILM GFX100RF」や「X half」、「FUJIFILM GFX ETERNA 55」のような新しいコンセプトのカメラを生み出すことで、デジタルカメラユーザーや映像業界に魅力的な製品を提供していきます。
ⅱ)営業外損益及び税金等調整前当期純利益
営業外収益及び費用は、前年度10,439百万円の営業外収益に対し5,980百万円増加し、16,419百万円の営業外収益となりました。
税金等調整前当期純利益は、前年度の340,594百万円に対し26,035百万円増加し、366,629百万円となりました。
ⅲ)法人税等
法人税等は、前年度の77,595百万円に対し13,666百万円増加し、91,261百万円となりました。
ⅳ)持分法による投資損益及び非支配持分帰属損益
持分法による投資損益は、前年度1,320百万円の損失に対し3,249百万円増加し、1,929百万円の利益となりました。
非支配持分帰属損益は、前年度の728百万円の損失に対し166百万円増加し、562百万円の損失となりました。
ⅴ)当社株主帰属当期純利益
当社株主帰属当期純利益は、前年度の260,951百万円に対し15,784百万円増加し、276,735百万円となりました。基本的1株当たり当社株主帰属当期純利益は、前年度の216.67円に対し、229.65円となりました。また、希薄化後1株当たり当社株主帰属当期純利益は、前年度の216.46円に対し、229.45円となりました。
③ 次期の見通し
2026年度業績は、連結売上高は3兆4,700億円(前年度比3.4%増)、営業利益は3,650億円(前年度比4.2%増)、税金等調整前当期純利益は3,750億円(前年度比2.3%増)、当社株主帰属当期純利益は2,800億円(前年度比1.2%増)を予想しております。
通期での対米ドル円為替レートを150円、対ユーロ円為替レートを175円で想定しております。
④ 重要な会計上の見積り
当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた会計基準に準拠して作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす見積り及び仮定を行う必要があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。
ⅰ)企業結合
企業結合は取得法で処理しております。取得法では、取得した全ての資産及び引き受けた全ての負債を、支配獲得日における公正価値に基づき認識及び測定します。公正価値の決定には、将来キャッシュ・フローの予測、割引率及び永久成長率等の、重要な見積りを伴います。
企業結合の処理における公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化に伴い公正価値が修正され、取得した資産の将来における減損損失の計上、引き受けた負債の増加につながる可能性があります。
ⅱ)営業権の減損
営業権は償却せず、毎年1月1日時点で減損の有無を検討しております。営業権の減損テストは、当社の報告単位毎に見積将来キャッシュ・フローの現在価値に基づく公正価値に基づいて行われており、使用される割引率は、報告単位のWACC(加重平均資本コスト)に基づいて算出しております。また、客観的事実や状況の変化により当該資産の公正価値が帳簿価額を下回る可能性がある場合には、その都度減損の有無を検討しております。
見積将来キャッシュ・フローの現在価値に基づく公正価値の算定には、将来キャッシュ・フローの予測、割引率及び永久成長率等の、重要な見積りを伴います。
営業権の減損判定に使用した公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化によって公正価値が減少し、将来において営業権の減損損失を認識することになる可能性があります。
なお、事業セグメント毎の営業権の残高については、連結財務諸表注記「8 営業権及びその他の無形固定資産」に記載しております。
ⅲ)長期性資産の減損
営業権及び耐用年数を確定できないその他の無形固定資産を除く、保有及び使用予定の長期性資産について、客観的事実や状況の変化により当該資産の帳簿価額の回収可能性に疑いのある場合には、減損の有無を検討しております。減損の兆候があると判断されるときは、その資産に関連する見積割引前将来キャッシュ・フローとその資産の帳簿価額を比較し、帳簿価額の減額が必要かどうかを検討しております。この結果、帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを超過すると判断される場合は、当該資産の帳簿価額を見積公正価値へ減額処理しております。公正価値を決定するにあたり、当社は市場取引価格又はその他の評価方法を使用しております。市場取引価格を利用できない場合には、主に資産の使用や最終的な処分から生じる見積将来キャッシュ・フローに基づく割引現在価値法、ロイヤルティ免除法又は超過収益法を使用しております。
これらの手法は、将来見積利益又はキャッシュ・フローの予測及び割引率等の、重要な見積りを伴います。
長期性資産の減損判定に使用した公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化によって公正価値が減少し、将来において長期性資産の減損損失を認識することになる可能性があります。
ⅳ)退職給付引当金及び退職給付費用
当社の一部の子会社は確定給付企業年金制度を採用しており、当該制度に係る退職給付引当金及び退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて算出しております。これらの仮定には、割引率、年金資産の長期期待収益率、予想再評価率、退職率、死亡率等が含まれております。
数理計算上の仮定は、最善の見積りにより決定しておりますが、見直しが必要となった場合には、退職給付引当金及び退職給付費用が増加する可能性があります。
なお、数理計算上の仮定については連結財務諸表注記「10 退職給付制度」に記載しております。
ⅴ)信用損失引当金
金融資産の信用損失引当金は、残存期間において将来的に発生すると予測される全ての信用損失を見積っています。
信用損失引当金の計上において、当社は、信用の質を一括評価債権及び個別評価債権として管理しており、債務者の財政状態や支払の延滞状況等、過去の信用損失実績及び合理的かつ裏付け可能な予測に基づき、金融資産について一括評価及び個別評価を行っています。
なお、信用損失引当金の残高については、連結財務諸表注記「20 金融資産の信用の質及び信用損失引当金」に記載しております。
ⅵ)繰延税金資産
資産及び負債の財務会計上の金額と税務上の金額の差異に基づいて繰延税金資産及び負債を認識しており、その算出にあたっては差異が解消される年度に適用される税率及び税法を適用しております。また、繰延税金資産のうち回収されない可能性が高い部分については、評価性引当金を計上しております。
回収可能性の検討にあたっては、評価時点で利用可能な情報に基づいた最善の見積りを行っておりますが、見積りの前提とした仮定や条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性の評価を見直す可能性があります。
なお、繰延税金資産の残高については、連結財務諸表注記「11 法人税等」に記載しております。
ⅶ)棚卸資産
棚卸資産については、原則として移動平均法による低価法により評価しております。また、当社は定期的に陳腐化、滞留、又は過剰在庫の有無を検討し、該当する場合には正味実現可能価額まで評価減しております。
評価損の見積りにあたっては、過去の出荷実績や評価時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、市場環境が予測より悪化して正味実現可能価額が下落する場合には、追加の評価損計上が必要となる可能性があります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における連結売上高は、バイオCDMO、半導体材料、イメージング等を中心に売上を伸ばし、3,356,969百万円(前年度比5.0%増)となりました。営業利益は、350,210百万円(前年度比6.1%増)となりました。税金等調整前当期純利益は366,629百万円(前年度比7.6%増)、当社株主帰属当期純利益は276,735百万円(前年度比6.0%増)となりました。
事業セグメント別の業績は次のとおりであります。
(事業セグメント別の連結売上高)
| セグメント | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減額 (百万円) | 増減率 (%) |
| ヘルスケア | 1,047,754 | 1,098,925 | 51,171 | 4.9 |
| エレクトロニクス | 407,607 | 456,157 | 48,550 | 11.9 |
| ビジネスイノベーション | 1,198,494 | 1,174,800 | △23,694 | △2.0 |
| イメージング | 541,973 | 627,087 | 85,114 | 15.7 |
| 連結合計 | 3,195,828 | 3,356,969 | 161,141 | 5.0 |
ヘルスケア部門の連結売上高は、前年度の1,047,754百万円に対し、メディカルシステム事業、バイオCDMO事業等で売上を伸ばしたことにより51,171百万円増加し、1,098,925百万円となりました。エレクトロニクス部門の連結売上高は、前年度の407,607百万円に対し、半導体材料事業、ディスプレイ材料事業等で売上を伸ばしたことにより48,550百万円増加し、456,157百万円となりました。ビジネスイノベーション部門の連結売上高は、前年度の1,198,494百万円に対し、市況低迷や低採算機種の販売絞り込み等により23,694百万円減少し、1,174,800百万円となりました。イメージング部門の連結売上高は、前年度の541,973百万円に対し、コンシューマーイメージング事業、プロフェッショナルイメージング事業で売上を伸ばしたことにより85,114百万円増加し、627,087百万円となりました。
(事業セグメント別の営業利益)
| セグメント | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減額 (百万円) | 増減率 (%) |
| ヘルスケア | 79,882 | 63,637 | △16,245 | △20.3 |
| エレクトロニクス | 75,068 | 100,883 | 25,815 | 34.4 |
| ビジネスイノベーション | 74,614 | 63,712 | △10,902 | △14.6 |
| イメージング | 139,214 | 160,003 | 20,789 | 14.9 |
| 全社費用等 | △38,623 | △38,025 | 598 | - |
| 連結合計 | 330,155 | 350,210 | 20,055 | 6.1 |
※当連結会計年度より、AF(アドバンストファンクショナル)材料事業に含まれていたケミカル試薬をエレクトロニクスセグメントからヘルスケアセグメントへ移管しております。前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。
ヘルスケア部門の営業利益は、前年度の79,882百万円に対し、為替や銀価格高騰による原材料価格影響等により16,245百万円減少し、63,637百万円となりました。エレクトロニクス部門の営業利益は、前年度の75,068百万円に対し、生成AI向け半導体材料の増収に伴う増益等により25,815百万円増加し、100,883百万円となりました。ビジネスイノベーション部門の営業利益は、前年度の74,614百万円に対し、市況低迷やアジアパシフィック地域体質強化に係る一時費用増加等により10,902百万円減少し、63,712百万円となりました。イメージング部門の営業利益は、前年度の139,214百万円に対し、インスタントフォトシステムやデジタルカメラの販売好調により20,789百万円増加し、160,003百万円となりました。
当連結会計年度末では、総資産は有形固定資産の増加等により803,868百万円増加し、6,053,776百万円(前年度末比15.3%増)となりました。負債は社債及び長期借入金の増加等により312,165百万円増加し、2,209,391百万円(前年度末比16.5%増)となりました。純資産は当社株主帰属当期純利益の計上等により491,703百万円増加し、3,844,385百万円(前年度末比14.7%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」と記載します。)は、前連結会計年度末より1,558百万円減少し、当連結会計年度末において170,553百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により得られた資金は410,555百万円となり、受取債権、棚卸資産が増加したこと等に起因して、前連結会計年度と比較して17,607百万円減少(前年度比4.1%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動に使用した資金は554,604百万円となり、前連結会計年度と比較して12,651百万円増加(前年度比2.3%増)しておりますが、これは有形固定資産の購入額が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により得られた資金は120,249百万円となり、前連結会計年度と比較して11,366百万円増加(前年度比10.4%増)しておりますが、これは長期債務による調達等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であっても、その容量・構造・形式等は必ずしも一様ではなく、セグメント毎に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。
販売の実績につきましては、「① 財政状態及び経営成績の状況」の記載に含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 資本の財源及び資金の流動性
ⅰ)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(連結キャッシュ・フロー指標)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 株主資本比率(%) | 63.8 | 63.4 |
| 時価ベースの株主資本比率(%) | 65.3 | 59.1 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 1.6 | 2.2 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 48.9 | 82.2 |
| (注)株主資本比率 | :株主資本/総資産 |
| 時価ベースの株主資本比率 | :株式時価総額(期末株価終値×期末発行済株式数*)/総資産 *自己株式を除く |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | :有利子負債(社債、短期・長期借入金)/営業キャッシュ・フロー |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | :営業キャッシュ・フロー/利払い(支払利息) |
ⅱ)財務政策
当社グループの資金需要には、運転資金需要及び投資を目的とした資金需要、株主還元のための資金需要が含まれます。
運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入費用、製造費用、販売費及び一般管理費、研究開発費等の営業費用によるものであり、投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収を含む投融資等によるものであります。また、株主還元の方針は次のとおりであります。
(株主還元方針)
配当につきましては、連結業績を反映させるとともに、成長事業のさらなる拡大に向けたM&A、設備投資、研究開発投資等、将来にわたって企業価値を向上させていくために必要となる資金の水準等も考慮した上で決定します。また、その時々のキャッシュ・フローを勘案し、株価推移に応じて自己株式の取得も機動的に実施していきます。株主還元方針については、配当を重視し、配当性向30%を目安としております。
これらの資金は、主として内部資金により充当し、必要に応じ金融機関からの借入や社債による資金調達を実施しています。
なお、当連結会計年度末における短期の社債及び借入金の残高は287,913百万円、長期の社債及び借入金の残高は607,034百万円であります。
② 経営成績
ⅰ)売上高、営業費用及び営業利益
当連結会計年度の売上高は、前年度の3,195,828百万円に対し、161,141百万円増加し、3,356,969百万円(前年度比5.0%増)となりました。国内売上高は1,168,682百万円(前年度比6.3%増)、海外売上高は2,188,287百万円(前年度比4.4%増)となりました。実績為替レートは151円/米ドル(前年度比1円高)、175円/ユーロ(前年度比11円安)となりました。
販売費及び一般管理費は、前年度の806,525百万円に対し、54,987百万円増加し、861,512百万円(前年度比6.8%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は25.7%となりました。
研究開発費は、前年度の163,399百万円に対し、5,609百万円減少し、157,790百万円(前年度比3.4%減)となりました。研究開発費の売上高に対する比率は4.7%となりました。
事業セグメント別の業績は次のとおりであります。
「ヘルスケア部門」
本部門の連結売上高は、1,098,925百万円(前年度比4.9%増)となりました。営業利益は、63,637百万円(前年度比20.3%減)となりました。
メディカルシステム事業では、日本・米国・欧州をはじめとする主要市場で販売が好調に推移した内視鏡や、医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE」を中心としたシステム・サービス販売が日本・米国・欧州・中東等で好調に推移した医療ITの他、血液生化学検査「富士ドライケム」機器・材料の販売が好調に推移した体外診断(IVD)等で売上が伸長しました。一方で、中国における医療材料の需要減等により、事業全体では前年度並みの売上となりました。2026年3月には、検査ワークフローの効率化に貢献する軽量・小型の携帯型X線撮影装置「CALNEO Xair PLUS」、及び気管支用スコープの新ラインアップとして、HDイメージCMOSセンサーを搭載した気管支用スコープ「EB-840S」「EB-840T」を発売しました。当社は、今後も独自技術を生かし、様々な医療現場のニーズに応える幅広い製品・サービスの提供を通じて、さらなる診断の効率化と医療の質の向上、人々の健康の維持・増進に貢献していきます。
バイオCDMO事業では、前年度に稼働開始したデンマーク拠点の大型製造設備による売上寄与、及び前年度に稼働調整を実施していたテキサス拠点の中小型製造設備における稼働回復等により、売上が増加しました。当年度は、米国ノースカロライナ州にて新規の大型製造工場を開設し、第一次投資設備である20,000リットル動物細胞培養タンク8基の稼働を開始したことに加え、2026年2月には、英国拠点に抗体医薬品の原薬製造棟及びプロセス開発ラボを開設しました。当社は、急速に拡大する抗体医薬品の製造委託ニーズに対応することで、事業成長を一段と加速していきます。
LS(ライフサイエンス)ソリューション事業*では、ライフサイエンス事業において、大手製薬会社の当社培地使用量増加による培地の販売伸長に加え、市況回復により試薬の販売が好調に推移したことや、医薬品事業において、COVID-19国産ワクチンの治験薬受託製造が増加したこと等により、売上が増加しました。
*ライフサイエンス事業・医薬品事業・コンシューマーヘルスケア事業・CRO事業から構成
「エレクトロニクス部門」
本部門の連結売上高は、456,157百万円(前年度比11.9%増)となりました。営業利益は、100,883百万円(前年度比34.4%増)となりました。
半導体市場は、半導体が自動車や家電製品等多くの製品に使われ、安定して成長してきた時代を経て、現在はAI半導体の需要増加により市場が大きく成長しています。当社半導体材料事業は、AI半導体需要を着実に取り込み、売上が大きく増加しました。大手ファウンドリー向け販売が好調を継続し、米国や韓国の大手半導体メーカー向け販売も回復しています。製品別では、先端レジストや、世界トップシェアのNTI現像液、同じく世界トップシェアの銅配線用CMPスラリーが、微細化と配線層の積層数増加に伴い販売が伸長し、後工程材料分野でも、AI半導体向け先端パッケージングの需要拡大に伴い、チップ間接続に使用される層間絶縁膜用の液型ポリイミドの販売が伸長しました。2026年2月には、最先端ロジック半導体の量産を目指すRapidus㈱への50億円の出資を完了しました。本出資を通じ、最先端半導体の国内量産化実現と日本の半導体産業の発展へコミットするとともに、幅広い半導体材料と技術をRapidusに提供することで、同社の最先端半導体の開発・製造を力強く支援していきます。また、Rapidusと密に連携して次世代プロセス開発に取り組む中で技術力を磨き、次世代半導体向け材料の開発を加速していきます。
AF(アドバンストファンクショナル)材料事業は、新規ディスプレイ材料の採用が進んだことに加えて、半導体用レジスト材料の販売好調等により、売上が増加しました。
「ビジネスイノベーション部門」
本部門の連結売上高は、1,174,800百万円(前年度比2.0%減)となりました。営業利益は、63,712百万円(前年度比14.6%減)となりました。
ビジネスソリューション事業では、国内におけるWindows 10サポート終了に伴う買い替え需要を梃子にしたDX関連ソリューションや自治体向けサービスの販売伸長等により、売上が増加しました。2026年3月には、トルコのETG Global Information Technology Services Inc.を買収しました。当社がこれまで培ってきた事業基盤に、同社の技術力とIT人材基盤を掛け合わせることで基幹システム販売・導入支援事業をグローバルに拡大していきます。
オフィスソリューション事業では、中国・オセアニアの市況低迷や低採算機種の販売終了等を背景としたアジア・パシフィック地域における販売減少や欧米向け輸出の減少等により、売上が減少しました。
グラフィックコミュニケーション事業では、アナログ印刷分野における刷版材料の欧米向けの販売減少や製版材料の低採算品の販売終了等により、売上が減少しました。2025年12月には、独自のAI技術によりお客様の印刷業務を自動化・効率化するプロダクションプリンター「Revoria Press PC2120」を発売、また2026年3月には、印刷生産管理業務をAIで効率化するクラウドサービス「Revoria Cloud Production」の提供を開始しました。
「イメージング部門」
本部門の連結売上高は、627,087百万円(前年度比15.7%増)となりました。営業利益は、160,003百万円(前年度比14.9%増)となりました。
コンシューマーイメージング事業では、累計販売台数1億台を突破したインスタントフォトシステム「instax」の伸長により、売上が増加しました。主力機種である「instax mini 12」や「instax mini Evo」に加え、前年度に発売した「instax WIDE 400」、「instax mini Link 3」、「instax WIDE Evo」等の異なるユーザー層に向けた多彩な製品の販売が引き続き好調に推移しています。2025年4月にはクラシックデザインのエントリーモデル「instax mini 41」を、2025年11月には音と静止画の組み合わせを進化させた「instax mini LiPlay+」を発売しました。さらに、2026年1月には静止画に加えて動画の撮影を可能とし、1930~2020年代の映像を再現する「ジダイヤル」を搭載した“動画を手渡せる”インスタントカメラ「instax mini Evo Cinema」、及びスマホプリンター「mini Link」シリーズの上位モデル「instax mini Link+」を発売し、これまでにない新しいチェキプリントの楽しみ方も提案しています。また、2025年12月には instax“チェキ”フィルムの生産設備増強を発表し、世界的な需要拡大への対応を進めています。今後も、撮影したその場でプリントを楽しめる「instax」の魅力を広げるとともに、写真の価値と楽しさを伝えていきます。
プロフェッショナルイメージング事業では、デジタルカメラの販売伸長により、売上が増加しました。前年度に発売した機種に加え、当年度に発売した「FUJIFILM GFX100RF」、「X half(製品名:FUJIFILM X-HF1)」、「FUJIFILM X-E5」、「FUJIFILM X-T30 III」等の新製品が牽引し、販売が好調に推移しています。また、当年度は当社初の動画専用機となる映像制作用カメラ「FUJIFILM GFX ETERNA 55」を発売し、当社の色再現、ラージフォーマットによる描写力、光学性能により、映像制作の現場にも新たな価値を提供していきます。今後も「GFX シリーズ」ではラージフォーマットによる圧倒的高画質を、「X シリーズ」では画質とサイズのベストバランスを実現することに加えて、「FUJIFILM GFX100RF」や「X half」、「FUJIFILM GFX ETERNA 55」のような新しいコンセプトのカメラを生み出すことで、デジタルカメラユーザーや映像業界に魅力的な製品を提供していきます。
ⅱ)営業外損益及び税金等調整前当期純利益
営業外収益及び費用は、前年度10,439百万円の営業外収益に対し5,980百万円増加し、16,419百万円の営業外収益となりました。
税金等調整前当期純利益は、前年度の340,594百万円に対し26,035百万円増加し、366,629百万円となりました。
ⅲ)法人税等
法人税等は、前年度の77,595百万円に対し13,666百万円増加し、91,261百万円となりました。
ⅳ)持分法による投資損益及び非支配持分帰属損益
持分法による投資損益は、前年度1,320百万円の損失に対し3,249百万円増加し、1,929百万円の利益となりました。
非支配持分帰属損益は、前年度の728百万円の損失に対し166百万円増加し、562百万円の損失となりました。
ⅴ)当社株主帰属当期純利益
当社株主帰属当期純利益は、前年度の260,951百万円に対し15,784百万円増加し、276,735百万円となりました。基本的1株当たり当社株主帰属当期純利益は、前年度の216.67円に対し、229.65円となりました。また、希薄化後1株当たり当社株主帰属当期純利益は、前年度の216.46円に対し、229.45円となりました。
③ 次期の見通し
| (単位:億円) | |||
| 2026年度 (次期の見通し) | 2025年度 (実績) | 増減率・増減額 | |
| 売上高 | 34,700 | 33,570 | 3.4% |
| 営業利益 | 3,650 | 3,502 | 4.2% |
| 税金等調整前当期純利益 | 3,750 | 3,666 | 2.3% |
| 当社株主帰属当期純利益 | 2,800 | 2,767 | 1.2% |
| ROE(%) | 7.8 | 7.7 | 0.1ポイント増 |
| ROIC(%) | 5.6 | 5.5 | 0.1ポイント増 |
| 為替レート(円/米ドル) | 150円 | 151円 | △1円 |
| 為替レート(円/ユーロ) | 175円 | 175円 | - |
2026年度業績は、連結売上高は3兆4,700億円(前年度比3.4%増)、営業利益は3,650億円(前年度比4.2%増)、税金等調整前当期純利益は3,750億円(前年度比2.3%増)、当社株主帰属当期純利益は2,800億円(前年度比1.2%増)を予想しております。
通期での対米ドル円為替レートを150円、対ユーロ円為替レートを175円で想定しております。
④ 重要な会計上の見積り
当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた会計基準に準拠して作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす見積り及び仮定を行う必要があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。
ⅰ)企業結合
企業結合は取得法で処理しております。取得法では、取得した全ての資産及び引き受けた全ての負債を、支配獲得日における公正価値に基づき認識及び測定します。公正価値の決定には、将来キャッシュ・フローの予測、割引率及び永久成長率等の、重要な見積りを伴います。
企業結合の処理における公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化に伴い公正価値が修正され、取得した資産の将来における減損損失の計上、引き受けた負債の増加につながる可能性があります。
ⅱ)営業権の減損
営業権は償却せず、毎年1月1日時点で減損の有無を検討しております。営業権の減損テストは、当社の報告単位毎に見積将来キャッシュ・フローの現在価値に基づく公正価値に基づいて行われており、使用される割引率は、報告単位のWACC(加重平均資本コスト)に基づいて算出しております。また、客観的事実や状況の変化により当該資産の公正価値が帳簿価額を下回る可能性がある場合には、その都度減損の有無を検討しております。
見積将来キャッシュ・フローの現在価値に基づく公正価値の算定には、将来キャッシュ・フローの予測、割引率及び永久成長率等の、重要な見積りを伴います。
営業権の減損判定に使用した公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化によって公正価値が減少し、将来において営業権の減損損失を認識することになる可能性があります。
なお、事業セグメント毎の営業権の残高については、連結財務諸表注記「8 営業権及びその他の無形固定資産」に記載しております。
ⅲ)長期性資産の減損
営業権及び耐用年数を確定できないその他の無形固定資産を除く、保有及び使用予定の長期性資産について、客観的事実や状況の変化により当該資産の帳簿価額の回収可能性に疑いのある場合には、減損の有無を検討しております。減損の兆候があると判断されるときは、その資産に関連する見積割引前将来キャッシュ・フローとその資産の帳簿価額を比較し、帳簿価額の減額が必要かどうかを検討しております。この結果、帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを超過すると判断される場合は、当該資産の帳簿価額を見積公正価値へ減額処理しております。公正価値を決定するにあたり、当社は市場取引価格又はその他の評価方法を使用しております。市場取引価格を利用できない場合には、主に資産の使用や最終的な処分から生じる見積将来キャッシュ・フローに基づく割引現在価値法、ロイヤルティ免除法又は超過収益法を使用しております。
これらの手法は、将来見積利益又はキャッシュ・フローの予測及び割引率等の、重要な見積りを伴います。
長期性資産の減損判定に使用した公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化によって公正価値が減少し、将来において長期性資産の減損損失を認識することになる可能性があります。
ⅳ)退職給付引当金及び退職給付費用
当社の一部の子会社は確定給付企業年金制度を採用しており、当該制度に係る退職給付引当金及び退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて算出しております。これらの仮定には、割引率、年金資産の長期期待収益率、予想再評価率、退職率、死亡率等が含まれております。
数理計算上の仮定は、最善の見積りにより決定しておりますが、見直しが必要となった場合には、退職給付引当金及び退職給付費用が増加する可能性があります。
なお、数理計算上の仮定については連結財務諸表注記「10 退職給付制度」に記載しております。
ⅴ)信用損失引当金
金融資産の信用損失引当金は、残存期間において将来的に発生すると予測される全ての信用損失を見積っています。
信用損失引当金の計上において、当社は、信用の質を一括評価債権及び個別評価債権として管理しており、債務者の財政状態や支払の延滞状況等、過去の信用損失実績及び合理的かつ裏付け可能な予測に基づき、金融資産について一括評価及び個別評価を行っています。
なお、信用損失引当金の残高については、連結財務諸表注記「20 金融資産の信用の質及び信用損失引当金」に記載しております。
ⅵ)繰延税金資産
資産及び負債の財務会計上の金額と税務上の金額の差異に基づいて繰延税金資産及び負債を認識しており、その算出にあたっては差異が解消される年度に適用される税率及び税法を適用しております。また、繰延税金資産のうち回収されない可能性が高い部分については、評価性引当金を計上しております。
回収可能性の検討にあたっては、評価時点で利用可能な情報に基づいた最善の見積りを行っておりますが、見積りの前提とした仮定や条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性の評価を見直す可能性があります。
なお、繰延税金資産の残高については、連結財務諸表注記「11 法人税等」に記載しております。
ⅶ)棚卸資産
棚卸資産については、原則として移動平均法による低価法により評価しております。また、当社は定期的に陳腐化、滞留、又は過剰在庫の有無を検討し、該当する場合には正味実現可能価額まで評価減しております。
評価損の見積りにあたっては、過去の出荷実績や評価時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、市場環境が予測より悪化して正味実現可能価額が下落する場合には、追加の評価損計上が必要となる可能性があります。