有価証券報告書-第73期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 16:14
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、景気の先行きについては、米国の通商政策の動向や物価上昇の継続による景気の下振れリスクに加え、中東情勢の緊迫化・不安定化に伴う地政学リスクの高まりやエネルギー・原材料価格の変動に注視する必要が出てくるなど、先行きの不透明感が一段と高まっております。
自動車業界においては、生産台数は中国では増加基調で推移し、日本においても底堅く推移した一方、東南アジアの一部地域では伸び悩みの動きが見られるなど、地域ごとの動向に差が生じました。また、電気自動車の需要においては、中長期的には普及が進むことが想定されるものの、足元では政策変更等の影響を受けて調整局面を迎えていることなどから、今後の市場動向についても慎重に見極めていく必要があるものと考えております。
当連結会計年度の業績については、連結売上高は、機能品事業、ライフサイエンス事業、ホース事業の売上高が堅調に推移したことで、前年同期比0.4%増の900億25百万円となりました。営業利益は、売上高がほぼ前年並みで推移する中、生産性の向上や合理化、売価反映等の取り組みを進めた一方、原材料費や労務費等の上昇分を吸収出来なかったことに加え、2024年11月に発覚した当社連結子会社における不正行為に係る一過性の売上原価の戻し(2024年度に4億23百万円を計上)の反動があったことから、前年同期比19.4%減の38億6百万円となりました。経常利益は、資本効率の向上を目的とした政策保有株式の一部売却による有価証券売却益の計上や為替差益の発生、また、上記の不正行為に係る一過性の費用(同じく2024年度に貸倒引当金繰入額及び特別調査費用計6億37百万円を計上)の反動等があったものの、営業利益の落ち込みを挽回することができず、前年同期比15.4%減の38億64百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、「防振事業」セグメントにおいて、当社の固定資産の減損損失を9億18百万円計上したことから、前年同期比61.0%減の11億44百万円となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりです。
機能品事業
売上高は、当社が拡販に注力している放熱ギャップフィラー及び中国ローカルワイパーメーカー向け受注等が堅調に推移したことから、前年同期比3.7%増の426億89百万円となりました。セグメント利益は、売上高の増加に加え、生産性の向上や合理化、売価反映等の取り組みを進めたものの、原材料費や労務費等の上昇分を吸収出来ず、前年同期比7.2%減の46億40百万円となりました。
防振事業
売上高は、国内外含めた受注が総じて伸び悩んだことから、前年同期比0.8%減の378億57百万円となりました。セグメント利益は、売上高が伸び悩む中で、生産性の向上や合理化、売価反映等の取り組みを進めたものの、金具鋼材費や労務費等の上昇分を吸収出来なかったことに加え、上記の不正行為に係る一過性の売上原価の戻し(2024年度に4億23百万円を計上)の反動があったことで、前年同期比6.0%減の26億94百万円となりました。
ライフサイエンス事業
売上高は、バイオ関連製品の受注が堅調に推移したことから、前年同期比6.2%増の10億41百万円となりました。セグメント利益は、主に売上高の増加が寄与し、前年同期比2.5%増の2億57百万円となりました。
金属加工事業
売上高は、採算性向上に向けた事業の選択と集中を進めたことから、前年同期比25.8%減の39億61百万円となりました。セグメント損益は、非採算部品撤退による採算性向上を進めているものの、原材料費や労務費の比率上昇分を吸収出来ず、2億1百万円の損失となりました(前年同期は80百万円の利益)。
ホース事業
売上高は、商用車向けの受注が堅調に推移したことから、前年同期比10.4%増の52億80百万円となりました。セグメント利益は、売上高の増加に加え、原材料費や労務費等の上昇を自動化による生産性の向上や合理化、売価反映等により吸収したことで、前年同期比104.6%増の4億20百万円となりました。
財政状態の状況は次のとおりです。
総資産は、前連結会計年度末に比べて22億83百万円増加し、816億86百万円となりました。
主な要因は、現金及び預金の増加等による流動資産の増加24億45百万円によるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べて44億15百万円増加し、378億81百万円となりました。
主な要因は、借入金の増加等による固定負債の増加38億63百万円によるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べて21億31百万円減少し、438億5百万円となりました。
主な要因は、利益剰余金の減少23億56百万円、為替換算調整勘定の増加7億33百万円等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ19億58百万円増加し、139億40百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は80億44百万円(前年同期は66億31百万円)となりました。これは主に減価償却費52億22百万円、税金等調整前当期純利益29億46百万円等による資金の増加と、仕入債務の減少7億36百万円等の資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は53億84百万円(前年同期は58億35百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得が52億27百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は8億14百万円(前年同期は6億40百万円)となりました。これは主に自己株式の取得が31億63百万円、配当金の支払が12億89百万円あったことによる資金の減少と、借入による収入が借入金の返済を37億79百万円上回ったことによる資金の増加によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
機能品(百万円)41,796102.0
防振(百万円)38,207100.4
ライフサイエンス(百万円)1,059107.1
金属加工(百万円)3,96774.5
ホース(百万円)5,250112.0
合計(百万円)90,280100.3

(注) 金額は販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
機能品42,292105.73,662110.5
防振37,895100.43,106102.6
ライフサイエンス1,067111.591140.1
金属加工3,83871.932772.7
ホース5,317112.2482112.9
合計90,412101.87,670105.3

c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
機能品(百万円)41,944103.7
防振(百万円)37,81599.1
ライフサイエンス(百万円)1,041106.2
金属加工(百万円)3,96174.2
ホース(百万円)5,262111.7
合計(百万円)90,025100.4


(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
固定資産の減損
固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、将来キャッシュ・フロー及び経済的残存使用年数到来後の不動産の正味売却価額を見積り、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
資産
当連結会計年度末の総資産は、前年同期比22億83百万円(2.9%)増の816億86百万円となりました。うち流動資産は同24億45百万円(5.4%)増の480億43百万円、固定資産は同1億61百万円(0.5%)減の336億43百万円となっております。流動資産の増加は、売上増加と借入金増加に伴う現金及び預金の増加等によるものです。固定資産の減少は、僅少であります。
負債
当連結会計年度末の負債の合計は、前年同期比44億15百万円(13.2%)増の378億81百万円となりました。うち流動負債は同5億51百万円(2.3%)増の247億91百万円、固定負債は同38億63百万円(41.9%)増の130億90百万円となっております。負債の増加は、借入金の増加等によるものです。
純資産
当連結会計年度末における純資産は、前年同期比21億31百万円(4.6%)減の438億5百万円となりました。その主な要因は、自己株式の消却による利益剰余金の減少と自己株式の増加による純資産の減少及び為替換算調整勘定の増加によるものです。為替換算調整勘定は主としてタイバーツ及び中国元の為替変動の影響により前連結会計年度末の66億40百万円から73億74百万円に増加しました。非支配株主持分は、非支配株主に帰属する当期純利益2億96百万円の計上により、前年同期比2億73百万円(10.3%)増の29億35百万円となりました。
上記の結果、自己資本比率は前年同期比4.5ポイント減の50.0%、1株当たり純資産は前年同期比188.99円増の2,873.63円となりました。
b. 経営成績の分析
当連結会計年度は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、景気の先行きについては、米国の通商政策の動向や物価上昇の継続による景気の下振れリスクに加え、中東情勢の緊迫化・不安定化に伴う地政学リスクの高まりやエネルギー・原材料価格の変動に注視する必要が出てくるなど、先行きの不透明感が一段と高まっております。
自動車業界においては、生産台数は中国では増加基調で推移し、日本においても底堅く推移した一方、東南アジアの一部地域では伸び悩みの動きが見られるなど、地域ごとの動向に差が生じました。また、電気自動車の需要においては、中長期的には普及が進むことが想定されるものの、足元では政策変更等の影響を受けて調整局面を迎えていることなどから、今後の市場動向についても慎重に見極めていく必要があるものと考えております。
このような経済情勢の下で、連結売上高は、機能品事業、ライフサイエンス事業、ホース事業の売上高が堅調に推移したことで、前年同期比0.4%増の900億25百万円となりました。営業利益は、売上高がほぼ前年並みで推移する中、生産性の向上や合理化、売価反映等の取り組みを進めた一方、原材料費や労務費等の上昇分を吸収出来なかったことに加え、2024年11月に発覚した当社連結子会社における不正行為に係る一過性の売上原価の戻し(2024年度に4億23百万円を計上)の反動があったことから、前年同期比19.4%減の38億6百万円となりました。経常利益は、資本効率の向上を目的とした政策保有株式の一部売却による有価証券売却益の計上や為替差益の発生、また、上記の不正行為に係る一過性の費用(同じく2024年度に貸倒引当金繰入額及び特別調査費用計6億37百万円を計上)の反動等があったものの、営業利益の落ち込みを挽回することができず、前年同期比15.4%減の38億64百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、「防振事業」セグメントにおいて、当社の固定資産の減損損失を9億18百万円計上したことから、前年同期比61.0%減の11億44百万円となりました。
なお、セグメント別の業績分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
c. キャッシュ・フローの分析
当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比14億12百万円増の80億44百万円の収入となりました。前年同期が金融機関の休日影響等で仕入債務のキャッシュ・フローが減少していたことが主な要因となります。なお法人税等の支払額は13億88百万円(前年同期は12億74百万円)となっております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比4億50百万円減の53億84百万円の支出となりました。設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出の減少が主な要因となります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比1億73百万円増の8億14百万円の支出となりました。配当金の支払いが主な要因となります。またその他の変動として、借入金の収入が返済を上回ったことによる収入が前年同期は6億11百万円、当連結会計年度は37億79百万円となり、当連結会計年度の自己株式の取得による支出が31億63百万円となります。
現金及び現金同等物に係る換算差額は、主にタイバーツ及び中国元の為替変動の影響により1億13百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて19億58百万円増加し、139億40百万円となりました。
d. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資並びに配当金の支払いであります。これらの資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの借入による資金調達にて対応していくことを基本方針としております。
また、突発的な資金需要に備え、当社は主要な取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結し、手許流動性リスクに備えております。なお、これについて当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
当連結会計年度末における有利子負債は166億75百万円となっており、前連結会計年度末に比べ40億12百万円増加しております。
キャッシュ・フローの状況の詳細については、「c.キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
e. 戦略的現状と見通し
雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に、景気の回復は続く一方、米国の通商政策の動向や物価上昇の継続による景気の下振れリスク、中東情勢の緊迫化・不安定化に伴う地政学リスクの高まりや、エネルギー・原材料価格の変動によるサプライチェーンへの負の影響を注視する必要が出てくるなど、先行きの不透明感が一段と高まっております。
自動車業界においては、地域差はあるものの生産台数の回復基調が底堅く続くものと見ておりますが、BEVを含む電気自動車化の動向については、中長期的には普及が進むことが想定されるものの、調整局面を迎えていることから、今後の市場動向についても慎重に見極める必要があります。
このような状況下、当社グループは「持続的成長のための強固な事業基盤構築」を最優先課題と位置づけ、経営が強くコミットし変革に取り組んでまいります。具体的には、以下4つの取組を実行します。
・「稼ぐ力の更なる向上」…赤字・不採算製品の削減、原価低減を進めます。
・「市場戦略強化」…当社の製品・市場の強みが活かせる市場への取組を強化します。
・「モノづくり力強化」…開発・生産・製造プロセスを改革し、将来型工法を実現します。
・「M&Aも活用した新規事業の立ち上げ」…バッテリー周辺の電動化関連新製品やソフトマテリアル事業などの新しい事業の創出に、M&Aの活用も視野に入れて取り組みます。
2026年度の変革への取組みを踏まえ、2027年度を初年度とする次期中期経営計画では、稼ぐ力の強化を軸に収益性・資本効率を高め、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。
また長期的には、当社独自のコア技術で高付加価値商品やソリューションを提供することで、サステナブルな社会の実現に貢献できる“心から愛される企業”を目指してまいります。

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