有価証券報告書-第160期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)業績等の概要
(単位:百万円)
1)全体の状況
当第4四半期において、当社グループが事業を行う市場の多くで事業環境はそれまでと大きな変化はなく推移しました。欧州の建築用ガラス事業においては、販売価格は地域にわたって実施した生産能力の適正化に伴い前年度から改善しましたが、販売数量は引き続き低調でした。建築用ガラス事業のその他の地域においても、建築関連市場の活動は引き続き低水準にとどまりました。自動車用ガラス事業においては、販売数量が南米においてさらに増加したもののほとんどの地域では概ね横ばいとなり、厳しい事業環境が続きました。高機能ガラス事業は、当第4四半期における販売構成は引き続き好調でしたが、市場環境は事業ごとに濃淡がありました。
2)セグメント別の状況
当社グループの事業は、建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業、高機能ガラス事業の3種類のコア製品分野からなっています。
「建築用ガラス事業」は、建築材料市場向けの板ガラス製品及び内装外装用加工ガラス製品を製造・販売しており、当連結会計年度における当社グループの売上高のうち43%を占めています。太陽電池パネル用ガラス事業も、ここに含まれます。
「自動車用ガラス事業」は、新車組立用及び補修用市場向けに種々のガラス製品を製造・販売しており、当社グループの売上高のうち52%を占めています。
「高機能ガラス事業」は、当社グループの売上高のうち5%を占めており、ディスプレイのカバーガラスなどに用いられる薄板ガラス、プリンター用レンズ及び光ガイドの製造・販売、並びにエンジン用タイミングベルト部材などのガラス繊維製品の製造・販売など、いくつかの事業からなっています。
「その他」には、全社費用、連結調整、前述の各セグメントに含まれない小規模な事業、並びにピルキントン社買収に伴い認識された無形資産の償却費が含まれています。
セグメント別の業績概要は下表の通りです。
(単位:百万円)
建築用ガラス事業
当連結会計年度における建築用ガラス事業の売上高は3,750億円(前連結会計年度は3,630億円)、個別開示項目前営業利益は300億円(前連結会計年度は136億円)となりました。個別開示項目前営業利益は、特に欧州において販売価格が改善したため増加しました。
欧州における建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の37%を占め、前年度比で増収となりました。販売価格が上昇したことにより、収益性が改善しました。前年度実施した生産停止に伴うコスト削減が引き続き寄与しました。
アジアにおける建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の29%を占め、前年度比で減少した一方で個別開示項目前営業利益は増加しました。日本の建築市場は厳しい事業環境が続きました。太陽電池パネル用ガラスの需要は、上半期においては米国関税政策等を踏まえた取引先の生産調整の影響により減少しましたが、当第4四半期においてはやや回復しました。2025年6月9日付のニュースリリースでお知らせしました通り、ベトナムの建築市場向けフロート板ガラス製造子会社であるベトナムフロートグラス社の当社持分の譲渡が完了しています。
米州における建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の34%を占めています。個別開示項目前営業利益は、前年度を下回りました。北米では、商業用不動産市場が引き続き低迷しました。南米では、需要がやや改善しましたが、売上高は当第4四半期にチリで発生した山火事に伴い現地での操業停止の影響を受けました。
自動車用ガラス事業
当連結会計年度における自動車用ガラス事業の売上高は4,572億円(前連結会計年度は4,294億円)、個別開示項目前営業利益は50億円(前連結会計年度は77億円)となりました。
欧州における自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の42%を占めています。売上高及び個別開示項目前営業利益は前年度比で改善しました。西欧における自動車販売台数は低迷したままであり、前年度と同水準でした。
アジアにおける自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の18%を占めています。個別開示項目前営業利益は、前年度比で減少しました。日本の販売数量は、自動車市場の改善を受けた国内販売用自動車向けは増加しましたが、輸出用自動車向けは減少しました。
米州における自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の40%を占めています。売上高は前年度比で改善しましたが、個別開示項目前営業利益は減少しました。北米の収益性は、主要な生産拠点での生産効率低下の影響を受けましたが、補修用ガラス事業における販売価格改善によりその影響を一部軽減しました。南米においては販売数量が増加しました。
高機能ガラス事業
当連結会計年度における高機能ガラス事業の売上高は460億円(前連結会計年度は466億円)、個別開示項目前営業利益は86億円(前連結会計年度は76億円)となりました。
個別開示項目前営業利益は前年度を上回りました。情報通信デバイス事業は、プリンター・複合機に対する需要減少の影響を受けました。ファインガラス事業においては、第3四半期以降引き続き販売構成が改善し個別開示項目前営業利益に寄与しました。ファンクショナルプロダクツ事業におけるグラスコードの需要は引き続き堅調です。
その他
当連結会計年度におけるその他の売上高は12億円(前連結会計年度は13億円)、個別開示項目前営業損失は149億円(前連結会計年度は123億円)となりました。
このセグメントには、全社費用、連結調整、前述の各セグメントに含まれない小規模な事業、並びにピルキントン社買収に伴い認識された無形資産の償却費が含まれています。
持分法適用会社
持分法による投資利益はわずかに改善し、57億円(前連結会計年度は55億円)となりました。これは当社のブラジルの建築用ガラス事業におけるジョイント・ベンチャーであるセブラセ社での利益が安定的に推移した一方、中国の自動車用ガラス事業における関連会社であるSYPオートグラス社の収益性が改善したためです。持分法投資に関するその他の損失は、関連会社との取引から生じた利益の持分相当額の消去として4億円(前連結会計年度は計上なし)を計上しています。
(2)会計方針並びに重要な会計上の見積り、判断及び仮定
連結財務諸表において採用している重要性のある会計方針については、第5[経理の状況]の1(1)連結財務諸表の「⑤連結財務諸表注記」に記載されている通りです。なお、これらの会計方針に基づく連結財務諸表上の資産・負債並びに収益・費用の額の決定に際しては、当該取引の実態や過去の実績等に照らし合理的と思われる見積りや判断を要することがあります。
当連結会計年度末に実施したのれんの減損テストについては、⑤連結財務諸表注記 15.「のれん」をご参照ください。また、貸付を含むジョイント・ベンチャーへの長期的な投資の回収可能性については、注記 20.「持分法で会計処理される投資」をご参照ください。
(3)財政状態の分析
当社グループは、2026年3月24日に、アポロ・ファンドによる支援を受けながら資本の再構成を通じた持続的な成長の実現に向けた抜本的施策の実施を目指すことを公表しましたが(概要につきましては3.事業等のリスク経営戦略リスク(3)事業戦略をご参照ください)、将来の借入条件に関する金融機関との交渉において、当社グループが受諾可能な条件での融資が不可能と想起させるような事実は発生していません。こうした状況を検討し、当社取締役会は、当社グループが予測可能な将来において継続事業として存続するのに十分な経営資源を引き続き有するという、合理的な見通しを持っています。従って、当社グループは、引き続き継続企業の前提に基づいて、当連結会計年度の連結財務諸表を作成しています。
1)総資産
2026年3月末時点の総資産は1兆1,175億円となり、2025年3月末時点から846億円増加しました。総資産の増加は、円安に伴って生じた為替調整に加え、アルゼンチン子会社における超インフレ会計のインフレ調整によるものです。
2)ネット借入残高
2026年3月末時点のネット借入残高は、2025年3月末より299億円増加して4,841億円となりました。ネット借入の増加の大部分は運転資本の増加に加え、為替影響によるものです。為替影響によるネット借入の増加は210億円でした。また、総借入残高は5,483億円となりました。
3)資本
2026年3月末時点の資本合計は1,855億円となり、2025年3月末時点の1,424億円から431億円増加しました。資本合計の増加は、主に、当期利益、その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産、為替影響とIAS第29号による超インフレの調整に伴うアルゼンチンにおける資産価値の増加によるものです。
(4)経営成績の分析
1)売上高
当連結会計年度の売上高は、前年度を上回り8,795億円(前連結会計年度は8,404億円)となりました。これは自動車用ガラス事業と建築用ガラス事業における改善によるものです。
2)個別開示項目前営業利益
個別開示項目前営業利益は288億円(前連結会計年度は165億円)と増益で、主に欧州における建築用ガラス事業の改善によるものです。
3)税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は4億円となりました(前連結会計年度は85億円の損失)。税引前損益の改善は、個別開示項目前営業利益の増加によるものであり、当連結会計年度における金融費用の増加によって一部相殺されました。
4)親会社の所有者に帰属する当期利益
法人所得税は、51億円の費用のマイナス(前連結会計年度は49億円の費用)となりました。当連結会計年度における当社グループの税額控除には、将来の課税所得が十分に見込まれ、繰延税金資産の回収可能性があると判断したことを受け、英国において従来認識していなかった繰延税金資産を認識したことに関連する、88億円の法人税等調整額が含まれています。当該税額控除は、個別開示項目前営業利益の改善により、親会社の所有者に帰属する当期利益は、44億円(前連結会計年度は138億円の損失)となりました。
5)1株当たり指標
当連結会計年度の基本的1株当たり当期利益は44.51円となり、前連結会計年度の基本的1株当たり当期損失173.20円から改善しました。基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益からA種種類株式に係る配当金を控除した金額を、発行済普通株式の加重平均数で除して算出しています。なお、当連結会計年度において、この計算の調整額に含まれるA種種類株式に係る配当金はありません(前連結会計年度は20億円)。これは、当連結会計年度末までにA種種類株主から普通株式を対価とする取得請求権の行使があり、全てのA種種類株式を取得しました。このため、当連結会計年度に属する日を基準日とするA種種類株式数に基づく配当金が無いためです。取得した株式のうち22,644株は自己株式として保有しています。
(5)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、336億円のプラスとなりました。収益性は改善しましたが、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度を下回っており、在庫の増加を含む運転資本の増加が影響しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による418億円の支出等により326億円のマイナスとなりました。以上より、フリー・キャッシュ・フローは11億円のプラス(前年度は100億円のプラス)となりました。
財務キャッシュ・フローと為替換算影響を考慮した後のベースで、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて79億円減少し、551億円となりました。
(6)生産・受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
(注)1.金額は、販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2)受注実績
受注生産形態をとらない製品が多く、セグメント毎に示すことは難しいため記載していません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれていません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しています。
3.主な販売先としてFirst Solar, Inc.があり、当連結会計年度(2026年3月期)の販売実績は96,462百万円(前連結会計年度(2025年3月期)85,013百万円)、当連結会計年度の当該販売実績の総販売実績に対する割合は11.0%(同10.1%)です。
(単位:百万円)
| 売上高 | 個別開示項目前 営業利益 | 税引前利益 | 当期利益 | 親会社の所有者に帰属する 当期利益 | |
| 当連結会計年度 | 879,462 | 28,817 | 378 | 5,511 | 4,421 |
| 前連結会計年度 | 840,401 | 16,491 | △8,525 | △13,466 | △13,831 |
| 増減率 | 4.6% | 74.7% | -% | -% | -% |
1)全体の状況
当第4四半期において、当社グループが事業を行う市場の多くで事業環境はそれまでと大きな変化はなく推移しました。欧州の建築用ガラス事業においては、販売価格は地域にわたって実施した生産能力の適正化に伴い前年度から改善しましたが、販売数量は引き続き低調でした。建築用ガラス事業のその他の地域においても、建築関連市場の活動は引き続き低水準にとどまりました。自動車用ガラス事業においては、販売数量が南米においてさらに増加したもののほとんどの地域では概ね横ばいとなり、厳しい事業環境が続きました。高機能ガラス事業は、当第4四半期における販売構成は引き続き好調でしたが、市場環境は事業ごとに濃淡がありました。
2)セグメント別の状況
当社グループの事業は、建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業、高機能ガラス事業の3種類のコア製品分野からなっています。
「建築用ガラス事業」は、建築材料市場向けの板ガラス製品及び内装外装用加工ガラス製品を製造・販売しており、当連結会計年度における当社グループの売上高のうち43%を占めています。太陽電池パネル用ガラス事業も、ここに含まれます。
「自動車用ガラス事業」は、新車組立用及び補修用市場向けに種々のガラス製品を製造・販売しており、当社グループの売上高のうち52%を占めています。
「高機能ガラス事業」は、当社グループの売上高のうち5%を占めており、ディスプレイのカバーガラスなどに用いられる薄板ガラス、プリンター用レンズ及び光ガイドの製造・販売、並びにエンジン用タイミングベルト部材などのガラス繊維製品の製造・販売など、いくつかの事業からなっています。
「その他」には、全社費用、連結調整、前述の各セグメントに含まれない小規模な事業、並びにピルキントン社買収に伴い認識された無形資産の償却費が含まれています。
セグメント別の業績概要は下表の通りです。
(単位:百万円)
| 売上高 | 個別開示項目前営業利益(△は損失) | |||
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | |
| 建築用ガラス事業 | 374,998 | 363,025 | 30,033 | 13,574 |
| 自動車用ガラス事業 | 457,222 | 429,444 | 4,995 | 7,667 |
| 高機能ガラス事業 | 46,005 | 46,584 | 8,639 | 7,568 |
| その他 | 1,237 | 1,348 | △14,850 | △12,318 |
| 合計 | 879,462 | 840,401 | 28,817 | 16,491 |
建築用ガラス事業
当連結会計年度における建築用ガラス事業の売上高は3,750億円(前連結会計年度は3,630億円)、個別開示項目前営業利益は300億円(前連結会計年度は136億円)となりました。個別開示項目前営業利益は、特に欧州において販売価格が改善したため増加しました。
欧州における建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の37%を占め、前年度比で増収となりました。販売価格が上昇したことにより、収益性が改善しました。前年度実施した生産停止に伴うコスト削減が引き続き寄与しました。
アジアにおける建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の29%を占め、前年度比で減少した一方で個別開示項目前営業利益は増加しました。日本の建築市場は厳しい事業環境が続きました。太陽電池パネル用ガラスの需要は、上半期においては米国関税政策等を踏まえた取引先の生産調整の影響により減少しましたが、当第4四半期においてはやや回復しました。2025年6月9日付のニュースリリースでお知らせしました通り、ベトナムの建築市場向けフロート板ガラス製造子会社であるベトナムフロートグラス社の当社持分の譲渡が完了しています。
米州における建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の34%を占めています。個別開示項目前営業利益は、前年度を下回りました。北米では、商業用不動産市場が引き続き低迷しました。南米では、需要がやや改善しましたが、売上高は当第4四半期にチリで発生した山火事に伴い現地での操業停止の影響を受けました。
自動車用ガラス事業
当連結会計年度における自動車用ガラス事業の売上高は4,572億円(前連結会計年度は4,294億円)、個別開示項目前営業利益は50億円(前連結会計年度は77億円)となりました。
欧州における自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の42%を占めています。売上高及び個別開示項目前営業利益は前年度比で改善しました。西欧における自動車販売台数は低迷したままであり、前年度と同水準でした。
アジアにおける自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の18%を占めています。個別開示項目前営業利益は、前年度比で減少しました。日本の販売数量は、自動車市場の改善を受けた国内販売用自動車向けは増加しましたが、輸出用自動車向けは減少しました。
米州における自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の40%を占めています。売上高は前年度比で改善しましたが、個別開示項目前営業利益は減少しました。北米の収益性は、主要な生産拠点での生産効率低下の影響を受けましたが、補修用ガラス事業における販売価格改善によりその影響を一部軽減しました。南米においては販売数量が増加しました。
高機能ガラス事業
当連結会計年度における高機能ガラス事業の売上高は460億円(前連結会計年度は466億円)、個別開示項目前営業利益は86億円(前連結会計年度は76億円)となりました。
個別開示項目前営業利益は前年度を上回りました。情報通信デバイス事業は、プリンター・複合機に対する需要減少の影響を受けました。ファインガラス事業においては、第3四半期以降引き続き販売構成が改善し個別開示項目前営業利益に寄与しました。ファンクショナルプロダクツ事業におけるグラスコードの需要は引き続き堅調です。
その他
当連結会計年度におけるその他の売上高は12億円(前連結会計年度は13億円)、個別開示項目前営業損失は149億円(前連結会計年度は123億円)となりました。
このセグメントには、全社費用、連結調整、前述の各セグメントに含まれない小規模な事業、並びにピルキントン社買収に伴い認識された無形資産の償却費が含まれています。
持分法適用会社
持分法による投資利益はわずかに改善し、57億円(前連結会計年度は55億円)となりました。これは当社のブラジルの建築用ガラス事業におけるジョイント・ベンチャーであるセブラセ社での利益が安定的に推移した一方、中国の自動車用ガラス事業における関連会社であるSYPオートグラス社の収益性が改善したためです。持分法投資に関するその他の損失は、関連会社との取引から生じた利益の持分相当額の消去として4億円(前連結会計年度は計上なし)を計上しています。
(2)会計方針並びに重要な会計上の見積り、判断及び仮定
連結財務諸表において採用している重要性のある会計方針については、第5[経理の状況]の1(1)連結財務諸表の「⑤連結財務諸表注記」に記載されている通りです。なお、これらの会計方針に基づく連結財務諸表上の資産・負債並びに収益・費用の額の決定に際しては、当該取引の実態や過去の実績等に照らし合理的と思われる見積りや判断を要することがあります。
当連結会計年度末に実施したのれんの減損テストについては、⑤連結財務諸表注記 15.「のれん」をご参照ください。また、貸付を含むジョイント・ベンチャーへの長期的な投資の回収可能性については、注記 20.「持分法で会計処理される投資」をご参照ください。
(3)財政状態の分析
当社グループは、2026年3月24日に、アポロ・ファンドによる支援を受けながら資本の再構成を通じた持続的な成長の実現に向けた抜本的施策の実施を目指すことを公表しましたが(概要につきましては3.事業等のリスク経営戦略リスク(3)事業戦略をご参照ください)、将来の借入条件に関する金融機関との交渉において、当社グループが受諾可能な条件での融資が不可能と想起させるような事実は発生していません。こうした状況を検討し、当社取締役会は、当社グループが予測可能な将来において継続事業として存続するのに十分な経営資源を引き続き有するという、合理的な見通しを持っています。従って、当社グループは、引き続き継続企業の前提に基づいて、当連結会計年度の連結財務諸表を作成しています。
1)総資産
2026年3月末時点の総資産は1兆1,175億円となり、2025年3月末時点から846億円増加しました。総資産の増加は、円安に伴って生じた為替調整に加え、アルゼンチン子会社における超インフレ会計のインフレ調整によるものです。
2)ネット借入残高
2026年3月末時点のネット借入残高は、2025年3月末より299億円増加して4,841億円となりました。ネット借入の増加の大部分は運転資本の増加に加え、為替影響によるものです。為替影響によるネット借入の増加は210億円でした。また、総借入残高は5,483億円となりました。
3)資本
2026年3月末時点の資本合計は1,855億円となり、2025年3月末時点の1,424億円から431億円増加しました。資本合計の増加は、主に、当期利益、その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産、為替影響とIAS第29号による超インフレの調整に伴うアルゼンチンにおける資産価値の増加によるものです。
(4)経営成績の分析
1)売上高
当連結会計年度の売上高は、前年度を上回り8,795億円(前連結会計年度は8,404億円)となりました。これは自動車用ガラス事業と建築用ガラス事業における改善によるものです。
2)個別開示項目前営業利益
個別開示項目前営業利益は288億円(前連結会計年度は165億円)と増益で、主に欧州における建築用ガラス事業の改善によるものです。
3)税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は4億円となりました(前連結会計年度は85億円の損失)。税引前損益の改善は、個別開示項目前営業利益の増加によるものであり、当連結会計年度における金融費用の増加によって一部相殺されました。
4)親会社の所有者に帰属する当期利益
法人所得税は、51億円の費用のマイナス(前連結会計年度は49億円の費用)となりました。当連結会計年度における当社グループの税額控除には、将来の課税所得が十分に見込まれ、繰延税金資産の回収可能性があると判断したことを受け、英国において従来認識していなかった繰延税金資産を認識したことに関連する、88億円の法人税等調整額が含まれています。当該税額控除は、個別開示項目前営業利益の改善により、親会社の所有者に帰属する当期利益は、44億円(前連結会計年度は138億円の損失)となりました。
5)1株当たり指標
当連結会計年度の基本的1株当たり当期利益は44.51円となり、前連結会計年度の基本的1株当たり当期損失173.20円から改善しました。基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益からA種種類株式に係る配当金を控除した金額を、発行済普通株式の加重平均数で除して算出しています。なお、当連結会計年度において、この計算の調整額に含まれるA種種類株式に係る配当金はありません(前連結会計年度は20億円)。これは、当連結会計年度末までにA種種類株主から普通株式を対価とする取得請求権の行使があり、全てのA種種類株式を取得しました。このため、当連結会計年度に属する日を基準日とするA種種類株式数に基づく配当金が無いためです。取得した株式のうち22,644株は自己株式として保有しています。
(5)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、336億円のプラスとなりました。収益性は改善しましたが、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度を下回っており、在庫の増加を含む運転資本の増加が影響しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による418億円の支出等により326億円のマイナスとなりました。以上より、フリー・キャッシュ・フローは11億円のプラス(前年度は100億円のプラス)となりました。
財務キャッシュ・フローと為替換算影響を考慮した後のベースで、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて79億円減少し、551億円となりました。
(6)生産・受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 建築用ガラス事業 | 381,607 | 106.8 |
| 自動車用ガラス事業 | 465,277 | 109.5 |
| 高機能ガラス事業 | 46,560 | 108.4 |
| 報告セグメント計 | 893,444 | 108.3 |
| その他 | 4,569 | 206.3 |
| 合計 | 898,013 | 108.5 |
(注)1.金額は、販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2)受注実績
受注生産形態をとらない製品が多く、セグメント毎に示すことは難しいため記載していません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 建築用ガラス事業 | 374,998 | 103.3 |
| 自動車用ガラス事業 | 457,222 | 106.5 |
| 高機能ガラス事業 | 46,005 | 98.8 |
| 報告セグメント計 | 878,225 | 104.7 |
| その他 | 1,237 | 91.8 |
| 合計 | 879,462 | 104.6 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれていません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しています。
3.主な販売先としてFirst Solar, Inc.があり、当連結会計年度(2026年3月期)の販売実績は96,462百万円(前連結会計年度(2025年3月期)85,013百万円)、当連結会計年度の当該販売実績の総販売実績に対する割合は11.0%(同10.1%)です。