有価証券報告書-第70期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/29 9:00
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の回復を背景に輸出が増加し、企業収益が改善したこと等により景気回復基調が継続しました。一方で、米国の保護主義的政策や金融政策に対する懸念等もあり、先行きが不透明な状況で推移いたしました。
このような状況のもと、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の当連結会計年度における業績は、売上高409億9百万円(前年同期比18.7%増)、営業利益36億27百万円(前年同期比102.6%増)、経常利益40億44百万円(前年同期比50.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益34億52百万円(前年同期比69.5%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
電子材料
電子材料では、主力の多機能携帯端末向けフレキシブルプリント配線板材料(受注高168億8百万円30.0%増、生産高44.9%増、前連結会計年度比較、提出会社単体ベース)を中心に、売上を伸ばしました。また㈱サトーセンを子会社化したこともあり、売上高は267億58百万円(前年同期比31.8%増)、セグメント利益は31億16百万円(前年同期比68.4%増)となりました。
産業用構造材料
産業用構造材料では、FW成形品、航空機用ハニカムパネル及びプリプレグ、引抜成形品、FRPスキーシートを中心に、前年並みの売上を維持することができました。一方、売上品目の構成が変化したことと原価低減努力が寄与し、売上高は72億20百万円(前年同期比1.4%減)、セグメント利益は11億9百万円(前年同期比95.3%増)となりました。
電気絶縁材料
電気絶縁材料では、硝子クロス、硝子テープ、電気絶縁用プリプレグを中心に、前年並みの売上・利益を維持することができ、売上高は32億28百万円(前年同期比3.6%増)、セグメント利益は6億8百万円(前年同期比6.6%増)となりました。
ディスプレイ材料
ディスプレイ材料では、3D関連材料を中心に医療用途などが伸び、売上高は29億88百万円(前年同期比6.6%増)、セグメント損失は55百万円(前年同期は1億72百万円のセグメント損失)となりました。
その他(その他の事業分野)
その他では、売上高は7億13百万円(前年同期比21.2%減)、セグメント利益は2億40百万円(前年同期比22.2%増)となりました。
なお、この項に記載の売上高、受注高等の金額には、消費税等は含まれておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ18億3百万円(前年同期比25.7%増)増加し、88億29百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は21億81百万円(前年同期比36.2%減)となりました。主な資金増加の要因は、税金等調整前当期純利益47億45百万円、減価償却費17億12百万円等によるものであり、主な資金減少の要因は、売上債権の増加額26億63百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は4億71百万円(前年同期比71.8%減)となりました。主な資金増加の要因は、投資有価証券の売却による収入29億87百万円等であります。主な資金減少の要因は、有形固定資産の取得による支出17億円、投資有価証券の取得による支出14億18百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は59百万円(前年同期は4億19百万円の獲得)となりました。主な資金増加の要因は、短期借入金の純増額9億11百万円、長期借入による収入6億90百万円等であります。主な資金減少の要因は、長期借入金の返済による支出9億13百万円、配当金の支払額7億12百万円等であります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績及び受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社 以下同様)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
電子材料(百万円)26,75831.8
産業用構造材料(百万円)7,220△1.4
電気絶縁材料(百万円)3,2283.6
ディスプレイ材料(百万円)2,9886.6
報告セグメント計(百万円)40,19519.8
その他(百万円)713△21.2
合計(百万円)40,90918.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
住友商事ケミカル㈱4,69513.66,18515.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計上の見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
また、連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、税効果会計の適用にあたり繰延税金資産については、その回収可能性を合理的に見積り、評価性引当額を控除して計上しております。繰延税金資産の回収可能性は有税項目の将来の無税処理の可能性や将来の収益力に基づく将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が変動した場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益が変動する可能性があります。
c.有価証券及び投資有価証券の減損
当社グループは、有価証券及び投資有価証券を保有しており、評価方法は時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しております。保有する有価証券につき、時価のあるものは株式市場の価格変動リスクを負っていること、時価のないものは投資先の業績状況等が悪化する可能性があること等から、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。
当社グループでは有価証券及び投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきておりますが、この基準に伴い、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現状の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。
d.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、独立してキャッシュ・フローを生み出す事業単位を基準にして固定資産をグルーピングしております。資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その差額を減損損失として認識しております。将来、新たに資産グループの回収可能額が低下した場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、市場の変化を先取りして新規及び差異化製品を開発し、既存事業の継続的成長に取り組んでまいりました。同時に、各セグメントで新製品の開発を行い、市場拡大と当社グループの成長を促す挑戦を続けております。当社グループの主力製品である電子材料は、多機能携帯端末向けに子会社の新揚科技股份有限公司を含め受注を拡大し、グループ全体の支えとなりました。産業用構造材料及び電気絶縁材料につきましては、さらなる成長を期待しており、継続して新規開発と収益力強化を行う考えであります。ディスプレイ材料は、セグメント損失が続いておりますが、安定した受注を獲得し早期の黒字化を目指します。
なお、当社グループの当連結会計年度の経営成績等の分析は、次のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、409億9百万円(前連結会計年度は344億51百万円)と64億57百万円18.7%の増収となりました。また、売上原価につきましては、徹底したコスト削減に努めたことにより327億30百万円(前連結会計年度は285億57百万円)と41億73百万円の増加となりましたが、売上原価率は80.0%と2.9ポイント改善となりました。
これにより、売上総利益は81億78百万円(前連結会計年度は58億94百万円)と22億84百万円の増益となり、売上総利益率は20.0%となりました。
(営業損益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、売上原価と同様に徹底したコスト削減に努めた結果、45億51百万円(前連結会計年度は41億4百万円)と4億47百万円の増加となりましたが、販売費及び一般管理費率は11.1%と0.8ポイントの改善となりました。
これにより、営業利益は36億27百万円(前連結会計年度は17億90百万円)となり、18億36百万円の増加となりました。
(経常損益)
当連結会計年度における営業外収益は12億3百万円(前連結会計年度は12億53百万円)となり、50百万円の減少となりました。主な内訳は、受取利息24百万円の減少であります。また、営業外費用は7億86百万円(前連結会計年度は3億53百万円)となり、4億32百万円の増加となりました。これは、当連結会計年度に貸倒引当金繰入額3億11百万円の計上があったことによるものであります。
これにより、経常利益は40億44百万円(前連結会計年度は26億90百万円)となり、13億53百万円の増加となりました。
(税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度における特別利益は8億51百万円(前連結会計年度は1億52百万円)となり、6億99百万円の増加となりました。主な内訳は、投資有価証券売却益7億29百万円の増加であります。また、特別損失は1億50百万円(前連結会計年度は36百万円)となり、1億14百万円の増加となりました。主な内訳は、投資有価証券評価損62百万円の増加であります。
これにより、税金等調整前当期純利益は47億45百万円(前連結会計年度は28億6百万円)となり、19億38百万円の増加となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における法人税等は9億95百万円(前連結会計年度は5億91百万円)となり、4億3百万円の増加となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は34億52百万円(前連結会計年度は20億37百万円)となり、14億15百万円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益率は8.4%と2.5ポイント増加しております。
財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は726億44百万円(前連結会計年度末は638億8百万円)となり、88億35百万円13.8%の増加となりました。
流動資産の当連結会計年度末における残高は363億67百万円(前連結会計年度末は282億88百万円)となり、80億79百万円28.6%の増加となりました。主な内訳は、受取手形及び売掛金33億28百万円、現金及び預金14億55百万円、商品及び製品13億13百万円の増加であります。
固定資産の当連結会計年度末における残高は362億76百万円(前連結会計年度末は355億20百万円)となり、7億56百万円2.1%の増加となりました。主な内訳は、有形固定資産5億70百万円の増加であります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は201億51百万円(前連結会計年度末は152億57百万円)となり、48億94百万円32.1%の増加となりました。
流動負債の当連結会計年度末における残高は159億82百万円(前連結会計年度末は116億79百万円)となり、43億3百万円36.8%の増加となりました。主な内訳は、短期借入金(一年内返済予定長期借入金を含む)17億51百万円、支払手形及び買掛金16億26百万円、未払法人税等5億67百万円の増加であります。
固定負債の当連結会計年度末における残高は41億69百万円(前連結会計年度末は35億77百万円)となり、5億91百万円16.5%の増加となりました。主な内訳は、繰延税金負債2億65百万円、社債1億64百万円の増加であります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は524億92百万円(前連結会計年度末は485億51百万円)となり、39億41百万円8.1%の増加となりました。主な内訳は、利益剰余金27億52百万円の増加であります。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(キャッシュ・フローの指標)
前連結会計年度
(平成29年3月期)
当連結会計年度
(平成30年3月期)
自己資本比率(%)72.268.3
時価ベースの自己資本比率(%)43.748.9
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)1.53.2
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)70.528.5

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※キャッシュ・フロー及び利払いは連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としておりますが、不足時の一時的な運転資金を効率的に調達するため、主要取引銀行と当座貸越契約を締結しております。設備投資等の資本形成に係わる資金については、調達コストやリスク分散などを勘案しながら自己資金及び金融機関からの長期借入による調達を基本としております。また、資金運用の効率化と金融リスクの低減及び支払利息の削減を図るため、当社グループにおいて、グループファイナンスを進めております。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、利益体質強化の推進と資産効率の向上により会社の株主価値を高めていくことを目指しており、「営業利益率」と「総資産純利益率(ROA)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における営業利益率は8.9%(前年同期比3.7ポイント改善)であり、総資産純利益率は5.1%(前年同期比1.8ポイント改善)となりました。引き続き当該指標の改善に取り組んでまいります。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」及び「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。

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