有価証券報告書-第72期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 9:36
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167項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の通商政策による貿易摩擦の動向や中国経済の減速等の影響を受けたことに加え、1月以降は新型コロナウイルスの感染拡大により、先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況のもと、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の当連結会計年度における業績は、売上高459億70百万円(前年同期比2.8%増)、営業利益27億62百万円(前年同期比11.5%減)、経常利益27億83百万円(前年同期比35.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2億12百万円(前年同期比92.6%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
電子材料
電子材料では、主力の多機能携帯端末向けフレキシブルプリント配線板材料(受注高187億28百万円10.1%増、生産高9.4%増、前連結会計年度比較、提出会社単体ベース)の販売が堅調に推移したことにより、売上高は297億65百万円(前年同期比3.5%増)、セグメント利益は23億31百万円(前年同期比11.0%減)となりました。
産業用構造材料
産業用構造材料では、航空機用内装材料の売上が増加したことなどにより、売上高は89億74百万円(前年同期比6.9%増)、セグメント利益は14億75百万円(前年同期比5.9%増)となりました。
電気絶縁材料
電気絶縁材料では、インフラ関連向けの販売が減少したことにより、売上高は29億84百万円(前年同期比4.6%減)、セグメント利益は3億66百万円(前年同期比14.9%減)となりました。
ディスプレイ材料
ディスプレイ材料では、3D関連材料は堅調に推移しましたがカラーリンク・ジャパン㈱での偏光利用機器の販売が減少したことから、売上高は34億27百万円(前年同期比7.4%減)、セグメント利益は2億35百万円(前年同期比104.8%増)となりました。
その他(その他の事業分野)
その他では、売上高は8億18百万円(前年同期比11.3%増)、セグメント利益は2億22百万円(前年同期比15.2%増)となりました。
なお、この項に記載の売上高、受注高等の金額には、消費税等は含まれておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ70億7百万円増加し、147億25百万円(前年同期比90.8%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は48億37百万円(前年同期比67.2%増)となりました。主な資金増加の要因は、税金等調整前当期純利益31億22百万円、減価償却費19億82百万円等によるものであり、主な資金減少の要因は、売上債権の増加額15億61百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は65億80百万円(前年同期は33億4百万円の使用)となりました。これは主に、関係会社株式の売却による収入89億81百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は44億31百万円(前年同期比668.3%増)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出32億円等であります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績及び受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社 以下同様)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
電子材料(百万円)29,7653.5
産業用構造材料(百万円)8,9746.9
電気絶縁材料(百万円)2,984△4.6
ディスプレイ材料(百万円)3,427△7.4
報告セグメント計(百万円)45,1512.6
その他(百万円)81811.3
合計(百万円)45,9702.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
住友商事ケミカル㈱5,66412.75,38111.7

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、主力の電子材料関連を中心に生産能力の向上及び拡大に向けた設備投資を行い、既存事業の継続的成長に取り組んでまいりました。同時に、各セグメントで市場の変化を先取りした新製品の開発を行い、市場拡大と当社グループの成長を促す挑戦を続けております。当社グループの主力製品である電子材料は、多機能携帯端末向けに子会社の新揚科技股份有限公司を含め受注を拡大し、グループ全体の支えとなりました。産業用構造材料、電気絶縁材料及びディスプレイ材料につきましては、さらなる成長を期待しており、継続して新規開発と収益力強化を行う考えであります。
一方で、当連結会計年度の途中で新型コロナウイルスの感染が世界規模で拡大し、現時点で完全な収束には至っておりません。この影響については、「第2 事業の状況」の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。また、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況」の「2 事業等のリスク」に記載しておりますのでご参照ください。
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の分析は、次のとおりであります。
a.財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は717億9百万円(前連結会計年度末は730億96百万円)となり、13億86百万円1.9%の減少となりました。
流動資産の当連結会計年度末における残高は427億22百万円(前連結会計年度末は355億77百万円)となり、71億45百万円20.1%の増加となりました。これは主に、関連会社であった㈱ポラテクノの株式譲渡及等により、現金及び預金が65億20百万円増加したことによるものであります。
固定資産の当連結会計年度末における残高は289億86百万円(前連結会計年度末は375億18百万円)となり、85億31百万円22.7%の減少となりました。これは主に、㈱ポラテクノの株式譲渡により、投資有価証券が89億35百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は226億91百万円(前連結会計年度末は196億33百万円)となり、30億57百万円15.6%の増加となりました。
流動負債の当連結会計年度末における残高は184億25百万円(前連結会計年度末は161億72百万円)となり、22億52百万円13.9%の増加となりました。これは主に、㈱ポラテクノの株式売却益に伴い、未払法人税等が31億27百万円増加したことによるものであります。
固定負債の当連結会計年度末における残高は42億65百万円(前連結会計年度末は34億61百万円)となり、8億4百万円23.2%の増加となりました。主な内訳は、長期借入金13億2百万円の増加であります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は490億18百万円(前連結会計年度末は534億62百万円)となり、44億43百万円8.3%の減少となりました。これは主に、自己株式の取得により自己株式が32億円増加したことによるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、459億70百万円(前連結会計年度は447億28百万円)と12億41百万円2.8%の増収となりました。また、売上原価につきましては、徹底したコスト削減に努めましたが382億24百万円(前連結会計年度は366億7百万円)と16億16百万円の増加となり、売上原価率は83.1%と1.3ポイント悪化となりました。
これにより、売上総利益は77億45百万円(前連結会計年度は81億21百万円)となり、3億75百万円の減益となりました。売上総利益率は16.9%と1.3ポイント減少しております。
(営業損益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、売上原価と同様に徹底したコスト削減に努め、49億83百万円(前連結会計年度は50億1百万円)と17百万円の減少となり、販売費及び一般管理費率は10.8%と0.4ポイントの改善となりました。
これにより、営業利益は27億62百万円(前連結会計年度は31億19百万円)となり、3億57百万円の減少となりました。営業利益率は6.0%と1.0ポイント減少しております。
(経常損益)
当連結会計年度における営業外収益は7億45百万円(前連結会計年度は15億8百万円)となり、7億62百万円の減少となりました。主な内訳は、受取利息3億27百万円の計上等であります。また、営業外費用は7億24百万円(前連結会計年度は3億30百万円)となり、3億93百万円の増加となりました。主な内訳は、投資有価証券償還損1億38百万円、為替差損1億34百万円の計上等であります。
これにより、経常利益は27億83百万円(前連結会計年度は42億97百万円)となり、15億14百万円の減少となりました。経常利益率は6.1%と3.5ポイント減少しております。
(税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度における特別利益は13億10百万円(前連結会計年度は1億13百万円)となり、11億97百万円の増加となりました。主な内訳は、投資有価証券売却益12億94百万円の計上であります。また、特別損失は9億71百万円(前連結会計年度は1億94百万円)となり、7億76百万円の増加となりました。主な内訳は、減損損失3億79百万円、投資有価証券評価損2億48百万円の増加であります。
これにより、税金等調整前当期純利益は31億22百万円(前連結会計年度は42億15百万円)となり、10億93百万円の減少となりました。税金等調整前当期利益率は6.8%と2.6ポイント減少しております。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における法人税等は26億78百万円(前連結会計年度は10億66百万円)となり、16億12百万円の増加となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2億12百万円(前連結会計年度は28億61百万円)となり、26億48百万円の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純利益率は0.5%と5.9ポイント減少しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(キャッシュ・フローの指標)
前連結会計年度
(2019年3月期)
当連結会計年度
(2020年3月期)
自己資本比率(%)69.364.3
時価ベースの自己資本比率(%)39.337.2
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)2.71.7
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)34.276.5

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※キャッシュ・フロー及び利払いは連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。
a.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としておりますが、不足時の一時的な運転資金を効率的に調達するため、主要取引銀行と当座貸越契約を締結しております。設備投資等の資本形成に係わる資金については、調達コストやリスク分散などを勘案しながら自己資金及び金融機関からの長期借入による調達を基本としております。また、資金運用の効率化と金融リスクの低減及び支払利息の削減を図るため、当社グループにおいて、グループファイナンスを進めております。
b.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、利益体質強化の推進と資産効率の向上により会社の株主価値を高めていくことを目指しており、「営業利益率」と「総資産純利益率(ROA)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における営業利益率は6.0%(前年同期比1.0ポイント悪化)であり、総資産純利益率は0.3%(前年同期比3.6ポイント悪化)となりました。引き続き当該指標の改善に取り組んでまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計上の見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
また、連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、税効果会計の適用にあたり繰延税金資産については、その回収可能性を合理的に見積り、評価性引当額を控除して計上しております。繰延税金資産の回収可能性は有税項目の将来の無税処理の可能性や将来の収益力に基づく将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が変動した場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益が変動する可能性があります。
c.有価証券及び投資有価証券の減損
当社グループは、有価証券及び投資有価証券を保有しており、評価方法は時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しております。保有する有価証券につき、時価のあるものは株式市場の価格変動リスクを負っていること、時価のないものは投資先の業績状況等が悪化する可能性があること等から、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。
当社グループでは有価証券及び投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきておりますが、この基準に伴い、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現状の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。
d.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、独立してキャッシュ・フローを生み出す事業単位を基準にして固定資産をグルーピングしております。資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その差額を減損損失として認識しております。将来、新たに資産グループの回収可能額が低下した場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。
この適用により、当連結会計年度においては連結子会社の製造設備(土地、建物等含む)について減損損失4億75百万円を特別損失として計上しました。
e.のれんの減損
当社グループは、のれんについて5年間の定額法により償却を行っております。その資産性については子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益等が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
この検討により、当連結会計年度においてはのれんの減損損失1億75百万円を計上し、当連結会計年度末でのれんの残高はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務
諸表 注記事項」の「追加情報」に記載しております。

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