有価証券報告書-第156期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/29 9:09
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114項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の回復を背景とした輸出の増加および企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、全体として緩やかな回復基調が続きました。
一方で、海外経済においては、米国トランプ政権による経済政策や欧州における金融政策・財政政策のもと景気拡大は継続しているものの、米国長期金利の上昇やトランプ大統領の保護主義的な通商政策が、今後の世界経済に悪影響を及ぼす可能性が懸念されます。
このような状況のもと、セメント業界向け耐火物を中心とする耐火物事業は、国内セメント販売数量が前年並となる中、中国の環境規制強化に端を発した原料費の大幅な急騰の影響があったものの、生産性向上とコストダウン、新規顧客および新規市場の開拓に取組んだことと、更には販売価格への転嫁がある程度進み、売上、利益ともに増加いたしました。
プラント事業については、企業収益の改善を受けて積極的な設備投資が見られる中で、特に半導体関連向け設備の好調が続き、採算性の向上やコスト削減にも取り組んだ結果、売上高、利益ともに増加いたしました。
建材及び舗装用材事業については、前期完工予定工事の当期へのずれ込みに加え、コスト削減に取り組んだ結果、売上高、利益ともに増加いたしました。
不動産賃貸事業は、遊休不動産を積極的に活用した結果、売上高、利益ともに増加いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,389百万円増加し、15,636百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ524百万円増加し、6,889百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ865百万円増加し、8,747百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は11,408百万円(前連結会計年度比10.9%増)、営業利益は1,085百万円(前連結会計年度比51.0%増)、経常利益は1,185百万円(前連結会計年度比53.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は725百万円(前連結会計年度比38.4%増)となりました。
セグメントのごとの経営成績は次のとおりであります。
(耐火物事業)
耐火物事業につきましては、当連結会計年度の売上高は4,210百万円(前連結会計年度比15.9%増)、セグメント利益は220百万円(前連結会計年度比23.4%増)となりました。
(プラント事業)
プラント事業につきましては、当連結会計年度の売上高は4,581百万円(前連結会計年度比5.3%増)、セグメント利益は564百万円(前連結会計年度比35.8%増)となりました。
(建材及び舗装用材事業)
建材及び舗装用材事業につきましては、当連結会計年度の売上高は2,294百万円(前連結会計年度比12.4%増)、セグメント利益は123百万円(前連結会計年度比174.5%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業につきましては、当連結会計年度の売上高は255百万円(前連結会計年度比8.4%増)、セグメント利益は140百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。
(その他)
主に、外注品等を販売する事業であり、当連結会計年度の売上高は67百万円(前連結会計年度比168.7%増)、セグメント利益は6百万円(前連結会計年度比31.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は358百万円(前連結会計年度比15.4%)減少し、1,965百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は602百万円(前連結会計年度比16.8%減)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,117百万円、仕入債務の増加額528百万円、減価償却費204百万円及び前受金の増加額110百万円であり、支出の主な内訳は、たな卸資産の増加額647百万円、売上債権の増加額366百万円及び法人税等の支払額334百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は902百万円(前連結会計年度比156.2%増)となりました。
収入の主な内訳は、有価証券の償還による収入292百万円及び定期預金の払戻による収入97百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出617百万円、事業譲受による支出356百万円、投資有価証券の取得による支出222百万円及び定期預金の預入による支出97百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は57百万円(前連結会計年度比56.4%減)となりました。
収入の主な内訳は、自己株式の売却による収入88百万円であり、支出の主な内訳は、配当金の支払額72百万円及び社債の償還による支出70百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
耐火物事業3,328,817+9.7
プラント事業3,458,432△3.1
建材及び舗装用材事業1,904,946+11.9
その他--
合計8,692,195+4.7

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 不動産賃貸事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
耐火物事業5,057,720+31.42,036,056+71.3
プラント事業5,978,451+39.53,133,758+80.4
建材及び舗装用材事業2,255,718+3.4194,157△16.6
その他75,170+171.912,516+185.9
合計13,367,060+29.25,376,489+70.0

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 不動産賃貸事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
耐火物事業4,210,245+15.9
プラント事業4,581,625+5.3
建材及び舗装用材事業2,294,414+12.4
不動産賃貸事業255,261+8.4
その他67,032+168.7
合計11,408,578+10.9

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
①財政状態
(資産の状況)
流動資産は、現金及び預金、有価証券が減少したものの、たな卸資産、電子記録債権の増加などにより、全体としては9,625百万円(前期末比466百万円増)となりました。固定資産は、繰延税金資産が減少したものの、建物及び構築物(純額)、投資有価証券、のれん、土地の増加などにより、全体としては6,010百万円(前期末比923百万円増)となりました。その結果、資産合計では15,636百万円(前期末比1,389百万円増)となりました。
(負債の状況)
流動負債は、未払消費税等が減少したものの、1年内償還予定の社債、支払手形及び買掛金、電子記録債務、賞与引当金の増加などにより、全体としては5,472百万円(前期末比973百万円増)となりました。固定負債は、株式給付引当金が増加したものの、社債、退職給付に係る負債の減少などにより、全体としては1,416百万円(前期末比449百万円減)となりました。その結果、負債合計では、6,889百万円(前期末比524百万円増)となりました。
(純資産の状況)
純資産は、繰延ヘッジ損益が減少したものの、利益剰余金、その他有価証券評価差額金、非支配株主持分の増加などにより8,747百万円(前期末比865百万円増)となり、自己資本比率は51.0%(前期末比0.7ポイント増)となりました。
②経営成績
(売上高)
売上高は、当社グループ全体が好調に推移したことなどにより、前連結会計年度に比べ10.9%増の11,408百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の増加などにより、前連結会計年度に比べ6.3%増の8,486百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費増加などにより、前連結会計年度に比べ16.0%増の1,836百万円となりました。
(親会社株式に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、売上高の増加及びコスト削減に取り組んだ結果、前連結会計年度に比べ38.4%増の725百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入と社債の発行により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、当社グループのものを含め当社において一元管理しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、資産効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「自己資本利益率(ROE)」を重要な指標と位置付けております。当連結会計年度における「自己資本利益率(ROE)」は9.6%(前年同期比1.9ポイント改善)でした。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。