四半期報告書-第99期第3四半期(平成29年7月1日-平成29年9月30日)

【提出】
2017/11/14 9:22
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29項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(平成29年1月1日~平成29年9月30日)においては、世界経済は、欧州や米国では、個人消費や雇用情勢の改善等を背景に回復基調で推移し、中国では各種政策効果もあり持ち直しの動きが見られました。国内経済も、個人消費の持ち直しや雇用情勢の改善等を背景に緩やかな回復が続きました。
このような中、当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高、利益ともに前第3四半期連結累計期間(平成28年1月1日~平成28年9月30日)を大きく上回りました。
電子・情報の分野においては、液晶ディスプレイ(LCD)用基板ガラスは、堅調な市場環境の下、当第3四半期連結会計期間(平成29年7月1日~平成29年9月30日)より中国(福清市)における加工合弁事業を通じた新規顧客向けの出荷が本格化するなど増加基調をたどりました。モバイル端末用カバーガラス(化学強化専用ガラス)は、安定的に推移しました。電子デバイス用ガラスでは、生活家電や自動車関連の堅調な需要を背景に機能性粉末ガラスなどが伸長しました。光関連ガラスでは、一部製品の出荷が低調でした。太陽電池用基板ガラスは、安定的に推移しました。
機能材料・その他の分野においては、ガラスファイバは、当第3四半期連結会計期間において欧州得意先の季節的な稼働減少の影響を受けたものの、自動車部品向け高機能樹脂用途を中心に全体としては堅調に推移しました。また、前第3四半期連結累計期間との比較では、PPG社より取得した欧州(平成28年10月より連結)及び米国(平成29年9月より連結)のガラス繊維事業が販売面で寄与しました。耐熱ガラスや医薬用管ガラスの販売は堅調であったものの、建築用ガラスは国内大型物件が伸び悩みました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,047億51百万円(前年同四半期連結累計期間比15.9%増)となりました。
損益面においては、生産性の改善や売上高の増加が利益を押し上げ、営業利益は246億39百万円(同74.3%増)となりました。前第3四半期連結累計期間において、当社から中国子会社への融資に係る債権及び債務の評価替えによる為替差損がありましたが、当第3四半期連結累計期間においては為替差益に転じ、経常利益は248億41百万円(同484.4%増)となりました。また、当第3四半期連結会計期間において藤沢事業場跡地の環境改善工事に係る費用を事業場閉鎖損として特別損失に計上した一方で、投資有価証券売却益を特別利益に計上したことなどにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は178億7百万円(前年同四半期連結累計期間は2億86百万円)となりました。
なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態の分析
[総資産]
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して515億70百万円増加し、7,454億88百万円となりました。流動資産では、PPG社米国ガラス繊維事業の取得に伴う支出や1年以内償還の社債を償還したことにより、現金及び預金が減少しました。固定資産では、上述の事業取得により、有形固定資産及び無形固定資産が増加しました。また、一部の投資有価証券の評価額が増加したことから、投資その他の資産のその他が増加しました。
[負債]
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して339億73百万円増加し、2,183億27百万円となりました。流動負債では、前述の通り、1年以内償還の社債を償還した一方で、PPG社米国ガラス繊維事業の取得のため短期借入金が増加しました。また、藤沢事業場跡地の環境改善工事に係る費用の見積額を引当金として計上したことにより、流動負債及び固定負債においてその他の引当金が増加しました。
[純資産]
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して175億96百万円増加し、5,271億60百万円となりました。利益の増加により利益剰余金が増加したほか、その他有価証券評価差額金が増加しました。
これらの結果、当第3四半期連結会計期間末における自己資本比率は前連結会計年度末の72.7%から2.6ポイント低下し、70.1%となりました。
(3) 対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題に重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当社グループは、「ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。」という企業理念を実現することを目的に研究開発活動に取り組んでいます。また、製造プロセスと製品開発の統合的な進化を目指し、その成果を当社の中長期の成長のための経営戦略に反映させていきます。
当社の研究開発活動は、「基礎的研究開発」と「事業部門開発」から成っています。
「基礎的研究開発」は、基盤技術開発と戦略的開発で構成されます。基盤技術開発は、主としてスタッフ機能部門(技術本部、製造技術統括本部)が担当しています。科学的なアプローチに基づき、新材料・新技術、製品化技術、分析評価技術、製造プロセス技術の研究開発をライン部門(各事業部)と密接に連携をとりながら行っています。また、戦略的開発については、スタッフ機能部門とライン部門が、事業戦略に基づく中期的開発課題について密接に連携し取り組んでいます。そのための情報解析や企画立案は、事業戦略部が支援しています。一方、「事業部門開発」は、主としてライン部門が担当し、各事業分野の発展につながる製品及び製造プロセス技術の研究開発を、スタッフ機能部門と密接に連携をとりながら行っています。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は43億10百万円となりました。これは、基礎的研究開発に14億50百万円、事業部門開発に28億59百万円を使用したものです。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。