四半期報告書-第100期第2四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/08/14 9:31
【資料】
PDFをみる
【項目】
29項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間(平成30年1月1日~平成30年6月30日)においては、世界経済は、米国では堅調な雇用情勢や個人消費を背景に景気回復が続く一方、欧州では生産や輸出に一服感が見られるなど回復が鈍化してきました。中国では、輸出の増加等により持ち直しの動きが続きました。国内経済は、雇用情勢や個人消費の改善、輸出の伸長等により緩やかに回復しました。
このような中、当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高が前第2四半期連結累計期間(平成29年1月1日~平成29年6月30日)を大きく上回ることができた一方で、利益は前第2四半期連結累計期間を下回る結果となりました。
「電子・情報」の分野においては、液晶ディスプレイ(LCD)用基板ガラスは、緩やかな価格下落はあったものの出荷は堅調に推移しました。モバイル端末用カバーガラス(化学強化専用ガラス)は採用機種の拡大により、当第2四半期連結会計期間(平成30年4月1日~平成30年6月30日)に出荷が好転しました。電子デバイス用ガラスや光関連ガラスは、生活家電や自動車、通信インフラ等の需要動向に沿って回復しました。一方、太陽電池用基板ガラスは需要が減少し、低調に推移しました。
「機能材料・その他」の分野においては、ガラスファイバは、自動車部品向け高機能樹脂用途を中心に堅調な出荷が続き、平成29年9月に買収した米国ガラス繊維事業子会社(Electric Glass Fiber America:EGFA)も売上増に貢献しました。耐熱ガラスは、一部で得意先の在庫調整の影響が続きました。医薬用管ガラスは、中国など成長市場への出荷は伸びたものの、他の市場向けは当第2四半期連結会計期間に入り減少しました。建築用ガラスは、国内大型物件が伸び悩んだものの全体としては底堅く推移しました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は1,545億29百万円(前第2四半期連結累計期間比16.0%増)となりました。
損益面においては、ガラスファイバの需要拡大に対応するためEGFAにおいて精力的に生産性改善や増産に係る工事を進めたほか、LCD用基板ガラス事業においても、収益力強化に向けた生産性改善や電気硝子(厦門)における新設備の立上げ等を行いました。EGFAののれん償却に加え、これら一連の先行費用が結果として営業利益を押し下げましたが、成長に向けた基礎固めの施策が着実に進展しました。経常利益と親会社株主に帰属する四半期純利益については、一部の海外子会社への融資に係る債権債務の評価替えによる為替差損等の影響を受けました。
これらの結果、営業利益は140億39百万円(同13.7%減)、経常利益は115億80百万円(同27.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は80億83百万円(同32.9%減)となりました。
なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)財政状態の分析
[総資産]
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して158億31百万円減少し、7,485億88百万円となりました。流動資産では、堅調な販売により商品及び製品が減少しました。固定資産では、減価償却が進んだ一方で、新たな設備の稼働に伴い当該設備を有形固定資産のその他における建設仮勘定から、建物及び構築物、機械装置及び運搬具に振り替えました。償却及び為替の影響によりのれんが減少したことから、無形固定資産が減少しました。また、主に投資有価証券の時価が下がったことから、投資その他の資産におけるその他が減少しました。
[負債]
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して71億8百万円減少し、2,135億23百万円となりました。流動負債では、短期借入の実施に加え、返済期限が1年以内の長期借入金を短期借入金へ振り替えたことにより、短期借入金が増加しました。また、償還期限が1年以内の社債を固定負債から流動負債に振り替えたことにより、1年内償還予定の社債が増加しました。固定負債では、前述の振り替えに伴い、社債及び長期借入金が減少しました。
[純資産]
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して87億23百万円減少し、5,350億65百万円となりました。配当金の支払いがあったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の増加により利益剰余金が増加しました。一方、その他有価証券評価差額金が減少したほか、一部の通貨において円高に振れたことから、為替換算調整勘定が減少しました。
これらの結果、当第2四半期連結会計期間末における自己資本比率は前連結会計年度末の70.5%から0.3ポイント上昇し、70.8%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前四半期純利益が減少したものの、減価償却費が高水準であったこと及びたな卸資産の減少などにより、当第2四半期連結累計期間において営業活動によって得られた資金は249億70百万円(前第2四半期連結累計期間比5億33百万円の収入増)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
国内外の設備の増強などにより、当第2四半期連結累計期間において投資活動に使用した資金は126億39百万円(同45億76百万円の支出増)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
短期借入金が増加した一方で、長期借入金の返済や株主への配当金及び子会社における非支配株主への配当金の支払いなどにより、当第2四半期連結累計期間において財務活動に使用した資金は69億68百万円(同114億73百万円の支出減)となりました。
上記に、現金及び現金同等物に係る換算差額△8億17百万円を合わせ、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べ45億44百万円増加し、1,183億80百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題に重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社グループは、「ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。」という企業理念を実現することを目的に研究開発活動に取り組んでいます。また、製造プロセスと製品開発の統合的な進化を目指し、その成果を当社の中長期の成長のための経営戦略に反映させていきます。
当社の研究開発活動は、「基礎的研究開発」と「事業部門開発」から成っています。
「基礎的研究開発」は、基盤技術開発と戦略的開発で構成されます。基盤技術開発は、主としてスタッフ機能部門(技術本部、製造技術統括本部)が担当しています。科学的なアプローチに基づき、新材料・新技術、製品化技術、分析評価技術、製造プロセス技術の研究開発をライン部門(各事業部)と密接に連携をとりながら行っています。また、戦略的開発については、スタッフ機能部門とライン部門が、事業戦略に基づく中期的開発課題について密接に連携し取り組んでいます。そのための情報解析や企画立案は、事業戦略部が支援しています。一方、「事業部門開発」は、主としてライン部門が担当し、各事業分野の発展につながる製品及び製造プロセス技術の研究開発を、スタッフ機能部門と密接に連携をとりながら行っています。
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は37億70百万円となりました。これは、基礎的研究開発に10億69百万円、事業部門開発に27億0百万円を使用したものです。
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(6)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間に完成したものは、次のとおりです。
会社名所在地セグメントの名称設備の内容投資額
(百万円)
電気硝子(厦門)有限公司中華人民共和国
福建省
ガラス事業ガラス製造設備72,071

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。