四半期報告書-第139期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/15 9:00
【資料】
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【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症(以下、「感染症」とする)の拡大により落ち込んだ国内民間企業の設備投資や個人消費に一部下げ止まりが見られ、また自動車・輸送用機器関連やIT関連の需要増による輸出の増加等、国内外ともに感染症影響からの回復傾向が持続しましたが、全体的には低調に推移しました。
ステンレス特殊鋼業界におきましては、自動車関連での需要回復の動きに加え、生産用機械等の設備投資が底打ちし、需要は緩やかに回復に向かいました。また当社グループの戦略分野である高機能材につきましては、中国向けの需要が回復傾向にあるものの、欧米を中心とした感染症拡大の再加速に伴う各国のロックダウン再実施により、販売ターゲットプロジェクトの停滞が解消されず、排煙脱硫装置や船舶向けSoxスクラバー向け材料、石油・ガス関連材料等の環境・エネルギー分野の海外の大型案件向け需要が引き続き低調に推移いたしました。
当社グループではこうした需要回復の動きを逃さず販売数量の確保に繋げるため、需要レベルに見合った生産水準を維持しつつ高機能材を中心としたリードタイム短縮に取り組んだ他、引き続き原料価格に見合ったロールマージンの確保及び徹底したコストダウンを実施した結果、当第3四半期連結累計期間の販売数量は前年同期比21.1%減(高機能材18.6%減、一般材21.2%減)となり、売上高は82,904百万円(前年同期比20,433百万円減)、利益面につきましては営業利益4,400百万円(前年同期比644百万円減)、経常利益3,799百万円(前年同期比478百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,436百万円(前年同期比1,218百万円減)となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産の額は155,994百万円となり、前連結会計年度末対比2,574百万円減少しております。これは主としてたな卸資産の減少(△4,178百万円)によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における負債の額は102,409百万円となり、前連結会計年度末対比5,028百万円減少しております。これは主として借入金・社債の減少(△4,353百万円)によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における純資産の額は53,585百万円となり、前連結会計年度末対比2,454百万円増加しております。これにより自己資本比率は34.3%となりました。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2020年5月8日に公表いたしました2020年度からの3カ年計画「中期経営計画2020」において、新型コロナウィルス感染拡大を踏まえて、目標数値につきましては精査中としておりましたが、今般改めて目標数値を策定いたしました。
①事業環境の前提
新型コロナウィルス感染拡大による経済活動の停滞およびその後の景気回復の遅れ等による当社製品販売への影響につきましては、2020年度第2四半期から第3四半期を底にして徐々に回復し2023年度に正常レベルに戻ることを前提に、中期経営計画2020の最終年度である2022年度の目標数値を策定しております。
②「中期経営計画2020」の達成目標
2022年度2019年度実績
高機能材売上高比率45%41.5%
営業利益(連結)90億円以上78億円
ROE(連結)10%10.8%
ネットD/E(連結)1.0未満0.91
総還元性向(連結)25%程度17.1%

※戦略設備投資を積極的に行いつつ、安定的かつ継続的な配当を実施し、必要に応じて自己株式の取得を機動的に行うことにより、総還元性向を25%程度に高めます。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、484百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。