有価証券報告書-第141期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/28 14:37
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166項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、欧州における地政学的リスクの長期化や世界的なインフレとそれに対する欧米の金融引き締め、為替の大幅な変動など、不安定な状況が続きました。
ステンレス特殊鋼業界におきましては、年度前半には堅調に推移していたステンレス一般材需要が自動車等の輸送機器分野での回復の遅れや半導体分野での減速等から市中流通在庫が余剰となり、年度後半より調整局面となりました。
当社グループの戦略分野である高機能材につきましては、米国の住宅着工件数の減少などから家電製品向けシーズヒーターやバイメタル等の耐久消費財分野は調整局面が継続する一方、中国での太陽光発電向けなど再生可能エネルギー分野は堅調に推移しました。
また、原料・資材・エネルギー・電力価格は引き続き上昇基調にあり、慢性的なコストアップ要因となりました。
当社グループではこのような外部環境に対し、「中期経営計画2020」で掲げた施策を着実に遂行し、原材料価格の上昇に対応したロールマージンの確保および徹底したコストダウンを実施してまいりました。その結果、当連結会計年度の販売数量につきましては前年度比3.9%減(高機能材9.7%減、一般材2.7%減)となりましたが、売上高は199,324百万円(前年度比50,398百万円増)となりました。また、利益面につきましては、営業利益29,256百万円(前年度比15,289百万円増)、経常利益27,738百万円(前年度比14,931百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益19,703百万円(前年度比11,231百万円増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は222,294百万円となり、前連結会計年度末比34,801百万円増加しております。これは主として棚卸資産の増加(23,179百万円)、機械装置及び運搬具の増加(3,534百万円)、売上債権の増加(2,833百万円)及び建設仮勘定の増加(1,644百万円)によるものであります。
当連結会計年度末における負債の額は142,675百万円となり、前連結会計年度末比17,351百万円増加しております。これは主として長期借入金の増加(8,952百万円)によるものであります。
当連結会計年度末における純資産の額は79,619百万円となり、前連結会計年度比17,450百万円増加しております。これにより自己資本比率は35.8%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益(27,831百万円)、棚卸資産の増加(23,179百万円)、売上債権の増加(2,833百万円)等により、3,649百万円の収入(前連結会計年度比4,346百万円の収入増加)となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形・無形固定資産の取得(13,131百万円)等により、13,035百万円の支出(前連結会計年度比2,620百万円の支出減少)となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の調達(16,669百万円)及び返済(5,654百万円)等により、8,530百万円の収入(前連結会計年度比6,520百万円の収入減少)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物残高は、換算差額を含めて11,797百万円となり、前連結会計年度比748百万円減少いたしました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと以下のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比増減(%)
ステンレス鋼板及びその加工品事業139,79326.5

(注)1.金額は製品製造原価によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと以下のとおりであります。
セグメントの名称受注高受注残高
金額(百万円)前年同期比増減
(%)
金額(百万円)前年同期比増減
(%)
ステンレス鋼板及びその加工品事業194,44916.228,721△14.5

c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと以下のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比増減(%)
ステンレス鋼板及びその加工品事業199,32433.8

(注)1.主要な販売先はいずれも総販売実績に対する販売実績の割合が10%未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
当連結会計年度の経営成績に関する分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りであります。
※連結損益計算書概要単位:百万円、%
当連結会計年度
(2023年3月期)
前連結会計年度
(2022年3月期)
前年度対比増減率
売上高199,324148,92550,39833.8
営業利益29,25613,96615,289109.5
経常利益27,73812,80714,931116.6
親会社株主に帰属する当期純利益19,7038,47111,231132.6


b.財政状態
当連結会計年度末時点の資産の状況は、機械装置及び運搬具が3,534百万円増加したこと及び棚卸資産が23,179百万円増加したこと等により、総資産の金額は前年同期比34,801百万円増加の222,294百万円となりました。
負債につきましては、将来の設備投資資金及び実際の資金需要の動向に見合った資金調達を借入金の新規借入により調達したため、借入金及び社債の合計残高が11,703百万円増加したことにより、負債の総額は前年同期比17,351百万円増加の142,675百万円となりました。
以上により当連結会計年度末時点における純資産の金額は前年同期比17,450百万円増加の79,619百万円となりました。その結果、当連結会計年度末時点における自己資本比率は35.8%となり、前年同期比で2.7%上昇しました。
※連結貸借対照表概要単位:百万円、%
当連結会計年度
(2023年3月期)
前連結会計年度
(2022年3月期)
前年度対比増減率
現金及び預金11,91012,646△736△5.8
受取手形及び売掛金29,82926,9962,83310.5
棚卸資産72,82849,64923,17946.7
固定資産104,74195,6549,0879.5
その他資産2,9862,54943717.1
資産合計222,294187,49434,80118.6
支払手形及び買掛金21,62723,917△2,290△9.6
借入金及び社債86,12474,42111,70315.7
その他負債34,92426,9867,93829.4
負債合計142,675125,32417,35113.8
純資産合計79,61962,16917,45028.1
自己資本比率35.833.22.7-

c.キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益(27,831百万円)、棚卸資産の増加(23,179百万円)、売上債権の増加(2,833百万円)、仕入債務の減少(2,287百万円)等により、3,649百万円の収入となり、前年同期比で4,346百万円の収入増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形・無形固定資産の取得による支出(13,131百万円)等により13,035百万円の支出となり、前年同期比で2,620百万円の支出増加となりました。
以上により営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、△9,386百万円となり、前年同期比で6,967百万円増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金及び社債の増加による収入(11,649百万円)の他、当期中に支払った1株当たり合計150円の配当金の支払による支出(2,255百万円)等により、8,530百万円の収入となり、前年同期比で6,520百万円の収入減少となりました。
※連結キャッシュ・フロー計算書概要単位:百万円
当連結会計年度
(2023年3月期)
前連結会計年度
(2022年3月期)
前年度対比
営業活動によるキャッシュ・フロー3,649△6974,346
税金等調整前当期純利益27,8317,05820,774
減価償却費5,0294,123906
売上債権の増減額(△は増加)△2,833△7,4044,571
棚卸資産の増減額(△は増加)△23,179△16,711△6,469
仕入債務の増減額(△は減少)△2,2877,464△9,751
その他△9124,773△5,685
投資活動によるキャッシュ・フロー△13,035△15,6562,620
有形・無形固定資産の取得による支出△13,131△16,0282,897
その他96372△277
フリー・キャッシュ・フロー△9,386△16,3536,967
財務活動によるキャッシュ・フロー8,53015,049△6,520
借入金及び社債の純増減額(△は減少)11,64916,912△5,263
配当金の支払額△2,255△1,056△1,199
その他△865△807△59
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)△748△1,283535

②資本の財源及び資金の流動性の状況
当社は「中期経営計画2023」の基本戦略の1つである「技術の優位性を高め市場環境の変化に対応する効率的な生産体制の構築」に向けて、戦略的設備投資を実行してまいります。
この他、経常的な事業活動の継続にあたり一定の運転資金を必要としておりますが、これらの財源は自己資金・借入金及び社債にて充当する方針です。
資金の流動性については、担当部署にて定期的にモニタリングされた資金需要の状況に応じて受取手形の譲渡・割引等による売掛債権の流動化を適宜実施していることに加え、一部の連結子会社との間で構築しているCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を利用することによりグループ全体の資金活用の効率化が図られており、一定の流動性が確保されているものと認識しております。
③経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況に関する分析・検討内容
当社グループは、社会の サステナビリティに対する要求が高まる中、レジリエントかつ持続的な成長を進めていくために、2020年度からの3か年の「中期経営計画2020」において目指すべき姿を「業界トップレベルの品質・納期・対応力で信頼され続けるグローバルサプライヤー」として、具体的施策を実行してまいりました。
さらに、サステナビリティに関する重要課題として「事業活動を通じた地球環境への負荷低減」を掲げ、2050年度を見据えたカーボンニュートラルや資源循環型社会の実現に向けて取り組みを進めております。
その結果、最終年度の2022年度は連結営業利益293億円と「中期経営計画2020」達成目標「90億円以上}を大幅に上回る収益を計上いたしました 。
一方で、この3年間においては、計画初年度に発生した新型コロナウイルス感染症による世界経済の低迷、2022 年2月のロシアのウクライナ侵攻による世界経済の分断、それに伴う当社製品の主原料であるニッケル価格の乱高下、原燃料の供給不安や価格高騰 など経済環境が激変しました。本中期経営計画期間中においても、足許の中国経済の減速に加え、欧米における金融引き締めによる金融システムへの影響、さらに不透明な政治情勢や地球環境問題など、様々な事業環境の変化が 想定されます。
こうした事業環境の変化や予測困難な経営環境を踏まえつつ、2025年の当社創立100周年を越えてその先も持続的な成長を遂げるために、2023年度からの今後3年間で着手、実施していく施策を3か年計画「中期経営計画2023」として取り纏めました。
※「中期経営計画2023」の詳細につきましては、1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 [中長期的な会社の経営戦略]に記載の通りであります。
「中期経営計画2020」で掲げている数値目標と実績は下表の通りです。
高機能材売上高比率(%)営業利益(連結)
(百万円)
ROE(連結)(%)ネットD/Eレシオ(連結)(倍)総還元性向
(連結)(%)
中計目標
(注1)
45.09,000以上10.0以上1.0未満25.0程度
2022年度実績42.429,25627.80.93(注2)20.1
2021年度実績41.113,96614.40.9924.9
2020年度実績40.56,1457.10.7924.8

(注)1.中計目標は「中期経営計画2020」の最終年度である2022年度における達成目標であります。
2.2022年度の総還元性向は、2022年度に実施した合計200円の配当に加え、2023年5月10日~2023年5月31日に実施した自己株式取得を加味した数値であります。自己株式取得の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載があります。
2022年度実績を踏まえた「中期経営計画2020」の進捗状況についての認識(評価)は以下の通りです。
・高機能材売上高比率につきましては、目標値には若干届かなかったものの、一定の評価に値する結果と認識しております。今後も引き続き「中期経営計画2023」に則り、販売力の強化・コストダウン施策を着実に推進していくほか、世界的な需要構造の変化等についても注視しながら、高機能材の拡販を進めてまいります。
・連結の営業利益につきましては、上述の通り一定の成果をあげることができたと評価しております。
・財務指標の達成目標(ROE・ネットD/Eレシオ)につきましては、順調に改善が進捗し、中計で掲げた最終年度における目標を達成することができました。
・総還元性向につきましては、剰余金の配当と自己株式取得により目標数値並みの実績となりました。
・設備投資計画につきましては、中計の施策に従い、競争力の強化・事業基盤の強化・ESG課題への対応に資する案件を順次実行しております。
今後につきましては、今般新たに策定された「中期経営計画2023」において掲げた諸施策を着実に実行し、「『製品と原料の多様化』を追求し、ニッケル高合金・ステンレス市場におけるトップサプライヤーとして地球の未来に貢献」を目指してまいります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性の判断にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b.退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、予想昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 2.確定給付制度 (5)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
c.固定資産の減損処理
当社グループは事業用資産については各事業単位、遊休資産については個別物件単位に資産のグルーピングを行っております。収益性の低下等により、投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。事業用資産の回収可能価額につきましては正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額となりますが、正味売却価額につきましては主として不動産鑑定評価額、使用価値につきましては割引前将来キャッシュ・フローに基づき算定しております。遊休資産の回収可能価額につきましては、正味売却価額により測定しており、固定資産税評価額を基に算定しております。

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