四半期報告書-第87期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態の状況
総資産は、丸一ステンレス鋼管㈱を新規連結したこともあり、前年度比74億1千6百万円増加し3,175億3千6百万円となりました。
流動資産は、29億6千5百万円減少し1,664億1千6百万円となりました。丸一ステンレス鋼管㈱の株式譲受資金139億2千1百万円の支出等によって現金及び預金が109億4百万円減少しました。また、丸一ステンレス鋼管㈱の新規連結等から、製品が5億5千4百万円、原材料及び貯蔵品が65億6千4百万円増加したことによります。
固定資産は、103億8千1百万円増加し1,511億1千9百万円となりました。主な増減要因は、丸一ステンレス鋼管㈱の新規連結等から有形固定資産が95億4千7百万円増加したことによります。
負債は、64億2千5百万円増加し492億6千2百万円となりました。主な増減要因は、丸一ステンレス鋼管㈱の新規連結等から、短期借入金が50億4千万円、退職給付に係る負債が18億5千9百万円増加したことによります。
純資産につきましては、9億9千1百万円増加し2,682億7千4百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益を54億3千3百万円確保し配当金の支払が54億2千6百万円あったことに加え、その他有価証券評価差額金が14億6百万円増加したことによります。
なお、資本の財源および資金の流動性については、前連結会計年度と大きな変動は無く、運転資金及び設備資金は自己資金を中心に充当し、国内及び海外子会社の借入金の返済の流動性は満たしておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う先行き不透明感からも、引き続き当社グループ全体での円滑な事業活動の資金について留意してまいります。
(2) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染症拡大の影響により急速に悪化し、依然として厳しい状況にあるものの、このところ自動車輸出の復調、鉱工業生産指数の上昇など生産活動の一部に持ち直しの動きもみられる様になりました。
海外でも、経済活動の抑制が段階的に緩和されるなど、持ち直しの動きも見られるものの、欧州を始め感染症拡大の第二波の懸念もあります。これら感染症の収束が見通せない中で、経済活動の再開と感染予防の両立を進めるものの、引き続き先行き不透明な厳しい状況が見込まれております。
鉄鋼業界は、国内市場は総じて弱い動きの中で住宅・建築着工件数の減少や自動車生産の前年対比での減少などの主要部門が鈍化し、海外粗鋼生産も増勢を強める中国を除きマイナスが続き、経済活動の再開を図っている中での仮需的な動きが見られるものの、実需は依然厳しい見通しが続いております。
事業全体の状況は、以下のとおりであります。
販売数量面では、北米4拠点合計では前年同期を上回り、アジア3拠点合計でもほぼ前年同期水準を確保出来たものの、日本国内の落ち込みが大きく、全体では1割強の減少となりました。加えて販売単価も下落したことから、新規連結の丸一ステンレス鋼管㈱を加えても、売上高は773億2千6百万円(前年同期比1.0%減)と減収になりました。利益面は、国内は減益になったものの、北米・アジアが前年同期比改善したことから、営業利益は72億6千万円(同4.2%増)と増益になりました。
営業外損益で受取配当金の減少や持分法による投資損益の悪化などから前年同期比1億3千1百万円悪化しましたが、経常利益は84億3千2百万円(同2.0%増)と増益になりました。特別損益は固定資産売却益や投資有価証券売却益が減少したものの、前年同期に発生した投資有価証券評価損が無かったことから、前年同期比14億5千7百万円改善しました。
これらの結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は54億3千3百万円(同36.5%増)と増益になりました。
なお、対米ドル換算レートは1米ドル108円27銭であります。
セグメント別の状況は、以下のとおりであります。
(日本)
国内事業につきましては、需要減少および営業活動面での制約もあって、単体の販売数量は前年同期比約△17%程度の水準となりました。加えて、販売単価も需要低迷から下落傾向にあり、前年同期比で下がりました。売上高は、丸一ステンレス鋼管㈱の新規連結効果によって544億3千7百万円(前年同期比7.6%増)と表面上は増収となったものの、既存売上高は実質約△18%の減収になりました。材料コイルの調達価格が下がりスプレッドは改善出来たものの、販売数量の減少および製造コスト負担増等から、セグメント利益は66億6千2百万円(同10.0%減)と減益になりました。
(北米)
北米事業につきましては、米国マルイチ・アメリカン・コーポレーション(MAC社)、米国マルイチ・レビット・パイプ・アンド・チューブLLC(Leavitt社)、米国マルイチ・オレゴン・スチール・チューブLLC(MOST社)の米国3拠点は、鉄鋼製造業として安全保障上ロックダウン適用外で操業は継続出来ており、市況の低迷はあったものの、米国3拠点合計での販売数量は前年同期比約3%増となりました。一方、メキシコのマルイチメックスS.A.de C.V.(Maruichimex社)はロックダウンの影響もあり、4~6月の販売数量は前年同期比8割弱の減少、上期累計での販売数量は前年同期比約△27%となりました。
北米4拠点合計の売上高は、前年同期比で販売単価の下落もあって109億9千1百万円(前年同期比20.0%減)と減収になりました。一方セグメント利益は、前年同期の高値のコイル在庫に起因する損失が当四半期では解消したことから、1億6千8百万円の赤字にはなったものの、前年同期比では6億2百万円(前年同期は7億7千1百万円のセグメント損失)改善しました。
(アジア)
アジア事業につきましては、ベトナムのマルイチ・サン・スチール・ジョイント・ストック・カンパニー(SUNSCO社)ではベトナム国内市場の競争激化と近隣国の輸入制限措置拡大等はあったものの、前年同期並みの販売数量は確保しました。一方、マルイチ・サン・スチール・(ハノイ)・カンパニー・リミテッド(SUNSCO(HNI)社)では、新型コロナウイルス感染症対策として二輪車ディラーの営業停止があり、その影響から販売数量が減少しました。インドのマルイチ・クマ・スチール・チューブ・プライベート・リミテッド(KUMA社)では、4月から6月はロックダウンによる操業停止が続き販売数量が前年同期比8割減と大幅に減少しましたが、7月から9月は経済活動の再開から販売数量は一転して前年同期比4割増となりました。加えて、前年同期に貸倒引当金計上した回収遅延売掛金の一部が回収出来たことから、貸倒引当金戻入による利益増加もありました。
結果、売上高は118億9千7百万円(前年同期比13.7%減)と減収になりましたが、セグメント利益は前年度に固定資産を減損処理したSUNSCO社の減価償却費負担の低減もあり、6億7千7百万円(同209.4%増)と増益になりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前年度末より117億5千3百万円減少し、589億7千8百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって増加した資金は55億9百万円(前年同期比83億3千9百万円の収入減)となりました。主な収入内容は、税金等調整前四半期純利益84億5千3百万円、売上債権の増減額19億2千3百万円、たな卸資産の増減額15億1千万円、非資金支出である減価償却費28億8千4百万円などであります。それに対し、主な支出内容は、仕入債務の増減額70億7千1百万円、法人税等の支払額20億5千2百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって減少した資金は141億9千3百万円(前年同期比149億5千9百万円の支出増)となりました。主な収入内容は、有価証券の純増減額41億5千万円、投資有価証券の売却及び償還による収入25億8千8百万円などであります。支出につきましては国内での新たな商品分野への進出を目指して連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出139億1千6百万円を計上したほか、定期預金の純増減額28億4千2百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出35億7千2百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって減少した資金は30億7百万円(前年同期比5億2千1百万円の支出減)となりました。主な収入内容は、短期借入金の純増減額29億1千4百万円などであります。主な支出内容は、配当金の支払額54億2千2百万円、長期借入金の返済による支出6億4千1百万円などであります。
(4) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
①経営方針について
前連結会計年度末より重要な変更はありません。
②事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況が続くと見込まれます。感染症の収束が見通せない中で、経済活動との両立を進めているものの、日本を含む全世界経済への悪影響と下振れリスクから先行き不透明感が続いております。
2021年3月期の連結業績予想は、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受ける見込みとなっております。当上期は、国内は予想を下回った一方、海外がロックダウンの影響があったものの想定した程に悪化しなかったことから予想を上回り、全体では予想を上回る実績となりました。下期も同様に当初予想に対して、国内は下振れ、海外は上振れの傾向が見込まれております。前回公表した予想の前提条件に対して、セグメント別には以下の通りとなっております。
当社といたしましては、感染症の拡大防止に努めながら、第5次中期経営計画の最終年度として主要施策の着実な実行の為、各地域での状況変化を的確に把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。
(日本)
国内単体事業につきましては、販売数量は足元で仮需的な動きは拭えないものの自動車などで一部回復の兆しもあり、前年同期比約△8%程度の水準を見込んでおります。また、母材コイル供給のタイト感もある中で、材料コイル調達価格が値上げとなりコスト的に厳しい状況になっております。木目細かい営業活動によって、販売数量の確保と共に材料価格上昇分の製品販売価格への転嫁に取組んでまいります。加えて、工場の生産性向上やコストダウンに努め、業績予想の確保に取り組んでまいります。また、この4月より新規連結した丸一ステンレス鋼管㈱も、ステンレス管は需要減の影響から受注が減少しており、付加価値の高い半導体製造装置向けBA管の取り組み強化や、収益力改善の各種プロジェクト活動の推進を図ってまいります。設備投資関連では、環境対応仕様のカラー製品需要の拡大に対応すべく、連結子会社である九州丸一鋼管㈱では新規カラー塗装設備の生産を5月から開始し、一方、北海道丸一鋼管㈱での新工場建設は順調に進めております。
(北米)
北米事業につきましては、経済活動の早期再開から需要の回復の兆しもあり、北米4拠点合計の下期販売数量は前年同期比約7%程度増の水準を見込んでおります。足元ではコイル価格が急激に上昇しており、販売数量の確保と共にパイプ価格の値上げ浸透に取り組んでまいります。また、コイル価格の急変動に対応すべく、木目細かな仕入・在庫のコントロールを図り適正水準を維持して在庫保有のリスクを軽減してまいります。
(アジア)
アジア事業につきましては、米国の通商問題や近隣諸国の輸入制限措置の影響で供給過剰によるアジア地区全体の鉄鋼市況は混乱しております。ベトナムSUNSCO社では、販売量の低迷やスプレッド改善が難航する厳しい状況が続いておりますが、在庫の圧縮や設備の減価償却を進め、借入金を削減する経営に注力してまいります。また、冷間圧延能力不足の解消、コスト削減、品質向上などに向け第2冷延ミルの新設は順調に進めております。ベトナムSUNSCO(HNI)社では、ベトナム国内での二輪販売の動きが鈍くなりつつあり、下期は前年同期比2割程度減の販売数量を見込んでおります。インドKUMA社では、ロックダウン解除後に二輪&四輪市場の需要が急回復しており、下期は前年同期比3割程度増の販売数量の確保に取り組んでまいります。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は1億5千4百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の重要な変更はありません。
(6) 従業員数の状況
当第2四半期連結累計期間において、当社グループは新たに丸一ステンレス鋼管㈱の従業員370名を連結の範囲に含めたため日本セグメントにおいて374名増加しております。
なお、従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む従業員数であります。
(7) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。
(1) 財政状態の状況
総資産は、丸一ステンレス鋼管㈱を新規連結したこともあり、前年度比74億1千6百万円増加し3,175億3千6百万円となりました。
流動資産は、29億6千5百万円減少し1,664億1千6百万円となりました。丸一ステンレス鋼管㈱の株式譲受資金139億2千1百万円の支出等によって現金及び預金が109億4百万円減少しました。また、丸一ステンレス鋼管㈱の新規連結等から、製品が5億5千4百万円、原材料及び貯蔵品が65億6千4百万円増加したことによります。
固定資産は、103億8千1百万円増加し1,511億1千9百万円となりました。主な増減要因は、丸一ステンレス鋼管㈱の新規連結等から有形固定資産が95億4千7百万円増加したことによります。
負債は、64億2千5百万円増加し492億6千2百万円となりました。主な増減要因は、丸一ステンレス鋼管㈱の新規連結等から、短期借入金が50億4千万円、退職給付に係る負債が18億5千9百万円増加したことによります。
純資産につきましては、9億9千1百万円増加し2,682億7千4百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益を54億3千3百万円確保し配当金の支払が54億2千6百万円あったことに加え、その他有価証券評価差額金が14億6百万円増加したことによります。
なお、資本の財源および資金の流動性については、前連結会計年度と大きな変動は無く、運転資金及び設備資金は自己資金を中心に充当し、国内及び海外子会社の借入金の返済の流動性は満たしておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う先行き不透明感からも、引き続き当社グループ全体での円滑な事業活動の資金について留意してまいります。
(2) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染症拡大の影響により急速に悪化し、依然として厳しい状況にあるものの、このところ自動車輸出の復調、鉱工業生産指数の上昇など生産活動の一部に持ち直しの動きもみられる様になりました。
海外でも、経済活動の抑制が段階的に緩和されるなど、持ち直しの動きも見られるものの、欧州を始め感染症拡大の第二波の懸念もあります。これら感染症の収束が見通せない中で、経済活動の再開と感染予防の両立を進めるものの、引き続き先行き不透明な厳しい状況が見込まれております。
鉄鋼業界は、国内市場は総じて弱い動きの中で住宅・建築着工件数の減少や自動車生産の前年対比での減少などの主要部門が鈍化し、海外粗鋼生産も増勢を強める中国を除きマイナスが続き、経済活動の再開を図っている中での仮需的な動きが見られるものの、実需は依然厳しい見通しが続いております。
事業全体の状況は、以下のとおりであります。
販売数量面では、北米4拠点合計では前年同期を上回り、アジア3拠点合計でもほぼ前年同期水準を確保出来たものの、日本国内の落ち込みが大きく、全体では1割強の減少となりました。加えて販売単価も下落したことから、新規連結の丸一ステンレス鋼管㈱を加えても、売上高は773億2千6百万円(前年同期比1.0%減)と減収になりました。利益面は、国内は減益になったものの、北米・アジアが前年同期比改善したことから、営業利益は72億6千万円(同4.2%増)と増益になりました。
営業外損益で受取配当金の減少や持分法による投資損益の悪化などから前年同期比1億3千1百万円悪化しましたが、経常利益は84億3千2百万円(同2.0%増)と増益になりました。特別損益は固定資産売却益や投資有価証券売却益が減少したものの、前年同期に発生した投資有価証券評価損が無かったことから、前年同期比14億5千7百万円改善しました。
これらの結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は54億3千3百万円(同36.5%増)と増益になりました。
なお、対米ドル換算レートは1米ドル108円27銭であります。
セグメント別の状況は、以下のとおりであります。
(日本)
国内事業につきましては、需要減少および営業活動面での制約もあって、単体の販売数量は前年同期比約△17%程度の水準となりました。加えて、販売単価も需要低迷から下落傾向にあり、前年同期比で下がりました。売上高は、丸一ステンレス鋼管㈱の新規連結効果によって544億3千7百万円(前年同期比7.6%増)と表面上は増収となったものの、既存売上高は実質約△18%の減収になりました。材料コイルの調達価格が下がりスプレッドは改善出来たものの、販売数量の減少および製造コスト負担増等から、セグメント利益は66億6千2百万円(同10.0%減)と減益になりました。
(北米)
北米事業につきましては、米国マルイチ・アメリカン・コーポレーション(MAC社)、米国マルイチ・レビット・パイプ・アンド・チューブLLC(Leavitt社)、米国マルイチ・オレゴン・スチール・チューブLLC(MOST社)の米国3拠点は、鉄鋼製造業として安全保障上ロックダウン適用外で操業は継続出来ており、市況の低迷はあったものの、米国3拠点合計での販売数量は前年同期比約3%増となりました。一方、メキシコのマルイチメックスS.A.de C.V.(Maruichimex社)はロックダウンの影響もあり、4~6月の販売数量は前年同期比8割弱の減少、上期累計での販売数量は前年同期比約△27%となりました。
北米4拠点合計の売上高は、前年同期比で販売単価の下落もあって109億9千1百万円(前年同期比20.0%減)と減収になりました。一方セグメント利益は、前年同期の高値のコイル在庫に起因する損失が当四半期では解消したことから、1億6千8百万円の赤字にはなったものの、前年同期比では6億2百万円(前年同期は7億7千1百万円のセグメント損失)改善しました。
(アジア)
アジア事業につきましては、ベトナムのマルイチ・サン・スチール・ジョイント・ストック・カンパニー(SUNSCO社)ではベトナム国内市場の競争激化と近隣国の輸入制限措置拡大等はあったものの、前年同期並みの販売数量は確保しました。一方、マルイチ・サン・スチール・(ハノイ)・カンパニー・リミテッド(SUNSCO(HNI)社)では、新型コロナウイルス感染症対策として二輪車ディラーの営業停止があり、その影響から販売数量が減少しました。インドのマルイチ・クマ・スチール・チューブ・プライベート・リミテッド(KUMA社)では、4月から6月はロックダウンによる操業停止が続き販売数量が前年同期比8割減と大幅に減少しましたが、7月から9月は経済活動の再開から販売数量は一転して前年同期比4割増となりました。加えて、前年同期に貸倒引当金計上した回収遅延売掛金の一部が回収出来たことから、貸倒引当金戻入による利益増加もありました。
結果、売上高は118億9千7百万円(前年同期比13.7%減)と減収になりましたが、セグメント利益は前年度に固定資産を減損処理したSUNSCO社の減価償却費負担の低減もあり、6億7千7百万円(同209.4%増)と増益になりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前年度末より117億5千3百万円減少し、589億7千8百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって増加した資金は55億9百万円(前年同期比83億3千9百万円の収入減)となりました。主な収入内容は、税金等調整前四半期純利益84億5千3百万円、売上債権の増減額19億2千3百万円、たな卸資産の増減額15億1千万円、非資金支出である減価償却費28億8千4百万円などであります。それに対し、主な支出内容は、仕入債務の増減額70億7千1百万円、法人税等の支払額20億5千2百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって減少した資金は141億9千3百万円(前年同期比149億5千9百万円の支出増)となりました。主な収入内容は、有価証券の純増減額41億5千万円、投資有価証券の売却及び償還による収入25億8千8百万円などであります。支出につきましては国内での新たな商品分野への進出を目指して連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出139億1千6百万円を計上したほか、定期預金の純増減額28億4千2百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出35億7千2百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって減少した資金は30億7百万円(前年同期比5億2千1百万円の支出減)となりました。主な収入内容は、短期借入金の純増減額29億1千4百万円などであります。主な支出内容は、配当金の支払額54億2千2百万円、長期借入金の返済による支出6億4千1百万円などであります。
(4) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
①経営方針について
前連結会計年度末より重要な変更はありません。
②事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況が続くと見込まれます。感染症の収束が見通せない中で、経済活動との両立を進めているものの、日本を含む全世界経済への悪影響と下振れリスクから先行き不透明感が続いております。
2021年3月期の連結業績予想は、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受ける見込みとなっております。当上期は、国内は予想を下回った一方、海外がロックダウンの影響があったものの想定した程に悪化しなかったことから予想を上回り、全体では予想を上回る実績となりました。下期も同様に当初予想に対して、国内は下振れ、海外は上振れの傾向が見込まれております。前回公表した予想の前提条件に対して、セグメント別には以下の通りとなっております。
当社といたしましては、感染症の拡大防止に努めながら、第5次中期経営計画の最終年度として主要施策の着実な実行の為、各地域での状況変化を的確に把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。
(日本)
国内単体事業につきましては、販売数量は足元で仮需的な動きは拭えないものの自動車などで一部回復の兆しもあり、前年同期比約△8%程度の水準を見込んでおります。また、母材コイル供給のタイト感もある中で、材料コイル調達価格が値上げとなりコスト的に厳しい状況になっております。木目細かい営業活動によって、販売数量の確保と共に材料価格上昇分の製品販売価格への転嫁に取組んでまいります。加えて、工場の生産性向上やコストダウンに努め、業績予想の確保に取り組んでまいります。また、この4月より新規連結した丸一ステンレス鋼管㈱も、ステンレス管は需要減の影響から受注が減少しており、付加価値の高い半導体製造装置向けBA管の取り組み強化や、収益力改善の各種プロジェクト活動の推進を図ってまいります。設備投資関連では、環境対応仕様のカラー製品需要の拡大に対応すべく、連結子会社である九州丸一鋼管㈱では新規カラー塗装設備の生産を5月から開始し、一方、北海道丸一鋼管㈱での新工場建設は順調に進めております。
(北米)
北米事業につきましては、経済活動の早期再開から需要の回復の兆しもあり、北米4拠点合計の下期販売数量は前年同期比約7%程度増の水準を見込んでおります。足元ではコイル価格が急激に上昇しており、販売数量の確保と共にパイプ価格の値上げ浸透に取り組んでまいります。また、コイル価格の急変動に対応すべく、木目細かな仕入・在庫のコントロールを図り適正水準を維持して在庫保有のリスクを軽減してまいります。
(アジア)
アジア事業につきましては、米国の通商問題や近隣諸国の輸入制限措置の影響で供給過剰によるアジア地区全体の鉄鋼市況は混乱しております。ベトナムSUNSCO社では、販売量の低迷やスプレッド改善が難航する厳しい状況が続いておりますが、在庫の圧縮や設備の減価償却を進め、借入金を削減する経営に注力してまいります。また、冷間圧延能力不足の解消、コスト削減、品質向上などに向け第2冷延ミルの新設は順調に進めております。ベトナムSUNSCO(HNI)社では、ベトナム国内での二輪販売の動きが鈍くなりつつあり、下期は前年同期比2割程度減の販売数量を見込んでおります。インドKUMA社では、ロックダウン解除後に二輪&四輪市場の需要が急回復しており、下期は前年同期比3割程度増の販売数量の確保に取り組んでまいります。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は1億5千4百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の重要な変更はありません。
(6) 従業員数の状況
当第2四半期連結累計期間において、当社グループは新たに丸一ステンレス鋼管㈱の従業員370名を連結の範囲に含めたため日本セグメントにおいて374名増加しております。
なお、従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む従業員数であります。
(7) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。