四半期報告書-第89期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態の状況
総資産は、前年度比26億7千2百万円増加し3,727億5千万円となりました。
流動資産は、39億6千8百万円増加し1,965億3千1百万円となりました。主な増減要因は、原材料価格の高騰や円安の進行による海外子会社在庫の円換算差額もあり、原材料及び貯蔵品が52億8千9百万円、製品が16億5千3百万円増加した一方で、現金及び預金が運転資金負担の増加に加え、自己株式の取得等により35億7千3百万円減少したことによります。
固定資産は、12億9千6百万円減少し1,762億1千9百万円となりました。主な増減要因は、マルイチ・フィリピン・スチール・チューブ・インク(MPST社)を新規連結したことや円安による換算差額もあり有形固定資産及び無形固定資産が24億4千6百万円増加した一方で、投資有価証券が時価評価の影響等により37億7千4百万円減少したことによります。
負債は、6億3千4百万円減少し618億5千万円となりました。主な増減要因は、繰延税金負債が投資有価証券の時価評価の影響により14億7千5百万円減少したことによります。
純資産につきましては、33億6百万円増加し3,108億9千9百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益を64億5千3百万円確保、円安の進行により為替換算調整勘定が32億3千9百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が投資有価証券の時価評価の影響で21億8千8百万円、配当金の支払で40億8千2百万円減少したこと等によります。
なお、資本の財源および資金の流動性については、前連結会計年度と大きな変動は無く、運転資金及び設備資金は自己資金を中心に充当し、国内及び海外子会社の借入金の返済の流動性は満たしておりますが、経営環境の先行き不透明感からも、当社グループ全体での円滑な事業活動の資金について留意してまいります。
(2) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染状況がやや落ち着くなか、総じて持ち直し基調は続いているものの、ウクライナ情勢による供給網の混乱や原燃料の価格高騰等による下振れが懸念されます。海外では、経済活動正常化の動きが景気回復を後押ししている一方、米国の高水準なインフレ、中国のゼロコロナ政策による都市閉鎖、欧州での供給網混乱・物価上昇等、ウクライナ情勢の長期化も含め、先行き不透明感が見られます。
鉄鋼業界は、国内市場は建築部門での新設住宅着工戸数の増加や産業用機械の生産増加はあるものの、自動車の供給制約は解消せず、国内粗鋼生産量の減少が続いております。また、海外でも中国の粗鋼生産の減少等、世界粗鋼生産量も減少しております。
事業全体の状況は、以下のとおりであります。
販売数量面では、日本は微増となったものの、北米の伸び悩みやアジアSUNSCO社の落ち込みから、全体では新規連結した米国マルイチ・ネブラスカ・チューブLLC(MNT社)及びMPST社を加えても、前年同期比△0.5%の微減となりました。売上高は、各地域セグメントでの製品値上げ効果から655億4千1百万円(前年同期比43.7%増)と増収になりました。利益面も、北米が減益になったものの日本・アジアの増益により、営業利益は87億8千9百万円(同13.6%増)と増益になりました。営業外損益は、受取配当金の増加や持分法による投資利益の改善から前年同期7千1百万円改善し、経常利益は97億7千7百万円(同13.0%増)と増益になりました。特別損益は、固定資産売却益と投資有価証券売却益が増加したことから、前年同期1億5百万円改善しました。これらの結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は64億5千3百万円(同6.0%増)と増益になりました。なお、対米ドル換算レートは1米ドル116円20銭であります。
セグメント別の状況は、以下のとおりであります。
(日本)
国内事業につきましては、中小建築案件の需要低迷と自動車生産の回復遅れから、鋼材全般にタイト感に欠け市況が盛り上がらない中、材料コイルの調達価格の上昇に連動して、引き続き製品価格の値上げに取り組まざるを得ない状況でありました。その結果、単体の販売数量は、前年同期比+2.0%の微増に止まり、コロナ前の水準には回復出来ておりません。売上高は、単体での製品値上げ効果に加え、丸一ステンレス鋼管㈱での一般管値上げおよびBA管販売本数の増加もあり、385億2千9百万円(前年同期比34.1%増)と増収になりました。セグメント利益は、単体での製品値上げにより引き続きスプレッドが改善維持出来たことに加え、丸一ステンレス鋼管㈱での値上げ効果と管種の構成比改善も寄与し、69億7千1百万円(同49.8%増)と増益になりました。
(北米)
北米事業につきましては、(決算期が1~3月とズレており)米国の熱間圧延コイル(HRC)価格(英国CRU社による米国中西部コイル価格指数)が、年初1,646$/トンでスタートしたものが3月初旬に1,031$/トンまで下がり続けたものの、ウクライナ侵攻から再上昇し、3月最終週には1,520$/トンまで乱高下しました。米国マルイチ・アメリカン・コーポレーション(MAC社)、米国マルイチ・レビット・パイプ・アンド・チューブLLC(Leavitt社)、米国マルイチ・オレゴン・スチール・チューブLLC(MOST社)の米国3拠点合計の販売数量は、市況が様子見の状況から前年同期比△6.1%となりました。また、メキシコのマルイチメックスS.A.de C.V.(Maruichimex社)の販売数量は、自動車の減産影響から前年同期比△18.2%となりました。昨年11月に新規連結した米国MNT社を加えた北米5拠点合計の販売数量は前年同期比+3.9%となりました。
売上高は、昨年来からの販売単価の上昇により160億3千2百万円(前年同期比75.4%増)と増収になりました。一方、セグメント利益は、前年同期がHRC価格の急騰に連動した製品販売価格の値上げがコイル消費単価の上昇に先行しスプレッドが大幅改善出来たものに対し、当第1四半期はスプレッドが縮小したことにより7億7千8百万円(同65.3%減)と減益になりました。
(アジア)
アジア事業につきましては、ベトナムのマルイチ・サン・スチール・ジョイント・ストック・カンパニー(SUNSCO社)では、東南アジアの鉄鋼市況軟化に伴い輸出市場の競争激化等から鋼板輸出が落ち込み、販売数量は前年同期比△16.7%となりました。一方、マルイチ・サン・スチール・(ハノイ)・カンパニー・リミテッド(SUNSCO(HNI)社)では、二輪車メーカーの生産が堅調で販売数量は前年度比+3.0%となりました。新規連結したフィリピンのMPST社の販売数量は、半導体供給不足等から現地二輪車生産の減少もあり、予定数量を下回りました。インドのマルイチ・クマ・スチール・チューブ・プライベート・リミテッド(KUMA社)では、前年同期はロックダウンの影響もあったことから、販売数量は前年同期比+28.6%増加しました。
結果、売上高は109億7千8百万円(前年同期比41.9%増)と増収になりました。セグメント利益も、増収効果とSUNSCO社での在庫評価益も含めたスプレッドの改善により、9億3千5百万円(同20.7%増)と増益になりました。
(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
①経営方針について
前連結会計年度末より重要な変更はありません。
②事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の再拡大の懸念、ウクライナ侵攻の長期化、部品供給制約の継続、急激な円安などの為替変動リスク等、引き続き厳しい状況が見込まれます。米国では、(決算期が3ケ月ズレており)米国のHRC価格は、4月に1,582$/トンでスタートしたものが足元では1,000$/トンを割る水準まで下がり続けております。アジアも同様に、コイル価格は下落し続けております。一方、日本国内では、コイル価格の値上げ圧力は依然として強く、需要が盛り上がりに欠ける中での製品価格への転嫁に注力する大変厳しい情勢となっています。
このような情勢のもと、当社といたしましては、感染症の拡大防止に努めながら、第6次中期経営計画の2年度目として主要施策の着実な実行の為、各地域での状況変化を的確に把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。セグメント別には以下の通りとなっております。
(日本)
国内単体事業につきましては、建築分野および自動車生産の需要回復は期待薄で、販売数量の増加は難しく年間の予定数量は前年度比微増の見通しです。その中で、国内高炉のコイル価格の値上げ圧力は依然として強く、製品価格への転嫁を最優先の課題として取り組んでおります。加えて、亜鉛などの副資材や燃料コスト等の製造コストも増加しており、パイプ本体の製品価格への転嫁とともに、パイプの切断加工賃についても改定することにしました。引き続き、自助努力としても工場の生産性向上やコストダウンに努め、業績予想の達成に取り組んでまいります。また、丸一ステンレス鋼管㈱も、付加価値の高い半導体製造装置向け製品の増産強化や、収益力改善の各種社内活動の推進を図ってまいります。設備投資関連では、連結子会社の丸一鋼販㈱での浜松加工センターにドイツ製最新鋭の自動車用パイプ切断加工機の導入を予定、丸一ステンレス鋼管㈱に於けるBA管製造設備の増強投資を2023年春の完成を目指し順次進めております。
(北米)
北米事業につきましては、経済活動の早期再開や追加経済対策のインフラ整備への期待はありますが、インフレリスクが顕在化しております。米国のHRC価格は、4月まではウクライナ侵攻の影響等から乱高下していたものの、その後は下落し続けております。先行きの鉄鋼価格が不透明で、足元では受注残の減少などもあり需要の回復が足踏み状態での中で、木目細かな仕入・在庫量のコントロールを図り適正水準を維持して在庫保有リスクの軽減努力をしてまいります。また、昨年11月に買収した米国MNT社について、当社グループレベルの品質・サービスの提供を図るとともに、コイル調達を始め各種オペレーションの見直しを図り、早期黒字化に取り組んでまいります。
(アジア)
アジア事業につきましては、中国のゼロコロナ政策による都市閉鎖解除からの需要回復遅れ等から、アジア全体のコイル価格相場は下落混乱しております。ベトナムSUNSCO社では、コイル価格下落による在庫評価損も見込まれる中で、ベトナム国内の販売比率拡大・新規客先への拡販に加え、在庫の圧縮や設備の減価償却を進め、借入金を削減し競争力強化によるサステナブルな経営に注力してまいります。ベトナムSUNSCO(HNI)社では、販売数量の確保に注力してまいります。インドKUMA社では、ロックダウン解除後に二輪&四輪市場の需要が急回復しており、加えて環境規制強化から商用車向け大径排気管需要が増加しており、増設したバンガロール工場ラインも含め、販売数量の確保に努めてまいります。新規連結したフィリピンのMPST社では、半導体供給不足等から現地二輪車生産が減少していますが、二輪メーカーの現地生産が本格化の兆しがあり、受注を確実に取り込んで早期黒字化に取り組んでまいります。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は58百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。
(1) 財政状態の状況
総資産は、前年度比26億7千2百万円増加し3,727億5千万円となりました。
流動資産は、39億6千8百万円増加し1,965億3千1百万円となりました。主な増減要因は、原材料価格の高騰や円安の進行による海外子会社在庫の円換算差額もあり、原材料及び貯蔵品が52億8千9百万円、製品が16億5千3百万円増加した一方で、現金及び預金が運転資金負担の増加に加え、自己株式の取得等により35億7千3百万円減少したことによります。
固定資産は、12億9千6百万円減少し1,762億1千9百万円となりました。主な増減要因は、マルイチ・フィリピン・スチール・チューブ・インク(MPST社)を新規連結したことや円安による換算差額もあり有形固定資産及び無形固定資産が24億4千6百万円増加した一方で、投資有価証券が時価評価の影響等により37億7千4百万円減少したことによります。
負債は、6億3千4百万円減少し618億5千万円となりました。主な増減要因は、繰延税金負債が投資有価証券の時価評価の影響により14億7千5百万円減少したことによります。
純資産につきましては、33億6百万円増加し3,108億9千9百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益を64億5千3百万円確保、円安の進行により為替換算調整勘定が32億3千9百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が投資有価証券の時価評価の影響で21億8千8百万円、配当金の支払で40億8千2百万円減少したこと等によります。
なお、資本の財源および資金の流動性については、前連結会計年度と大きな変動は無く、運転資金及び設備資金は自己資金を中心に充当し、国内及び海外子会社の借入金の返済の流動性は満たしておりますが、経営環境の先行き不透明感からも、当社グループ全体での円滑な事業活動の資金について留意してまいります。
(2) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染状況がやや落ち着くなか、総じて持ち直し基調は続いているものの、ウクライナ情勢による供給網の混乱や原燃料の価格高騰等による下振れが懸念されます。海外では、経済活動正常化の動きが景気回復を後押ししている一方、米国の高水準なインフレ、中国のゼロコロナ政策による都市閉鎖、欧州での供給網混乱・物価上昇等、ウクライナ情勢の長期化も含め、先行き不透明感が見られます。
鉄鋼業界は、国内市場は建築部門での新設住宅着工戸数の増加や産業用機械の生産増加はあるものの、自動車の供給制約は解消せず、国内粗鋼生産量の減少が続いております。また、海外でも中国の粗鋼生産の減少等、世界粗鋼生産量も減少しております。
事業全体の状況は、以下のとおりであります。
販売数量面では、日本は微増となったものの、北米の伸び悩みやアジアSUNSCO社の落ち込みから、全体では新規連結した米国マルイチ・ネブラスカ・チューブLLC(MNT社)及びMPST社を加えても、前年同期比△0.5%の微減となりました。売上高は、各地域セグメントでの製品値上げ効果から655億4千1百万円(前年同期比43.7%増)と増収になりました。利益面も、北米が減益になったものの日本・アジアの増益により、営業利益は87億8千9百万円(同13.6%増)と増益になりました。営業外損益は、受取配当金の増加や持分法による投資利益の改善から前年同期7千1百万円改善し、経常利益は97億7千7百万円(同13.0%増)と増益になりました。特別損益は、固定資産売却益と投資有価証券売却益が増加したことから、前年同期1億5百万円改善しました。これらの結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は64億5千3百万円(同6.0%増)と増益になりました。なお、対米ドル換算レートは1米ドル116円20銭であります。
セグメント別の状況は、以下のとおりであります。
(日本)
国内事業につきましては、中小建築案件の需要低迷と自動車生産の回復遅れから、鋼材全般にタイト感に欠け市況が盛り上がらない中、材料コイルの調達価格の上昇に連動して、引き続き製品価格の値上げに取り組まざるを得ない状況でありました。その結果、単体の販売数量は、前年同期比+2.0%の微増に止まり、コロナ前の水準には回復出来ておりません。売上高は、単体での製品値上げ効果に加え、丸一ステンレス鋼管㈱での一般管値上げおよびBA管販売本数の増加もあり、385億2千9百万円(前年同期比34.1%増)と増収になりました。セグメント利益は、単体での製品値上げにより引き続きスプレッドが改善維持出来たことに加え、丸一ステンレス鋼管㈱での値上げ効果と管種の構成比改善も寄与し、69億7千1百万円(同49.8%増)と増益になりました。
(北米)
北米事業につきましては、(決算期が1~3月とズレており)米国の熱間圧延コイル(HRC)価格(英国CRU社による米国中西部コイル価格指数)が、年初1,646$/トンでスタートしたものが3月初旬に1,031$/トンまで下がり続けたものの、ウクライナ侵攻から再上昇し、3月最終週には1,520$/トンまで乱高下しました。米国マルイチ・アメリカン・コーポレーション(MAC社)、米国マルイチ・レビット・パイプ・アンド・チューブLLC(Leavitt社)、米国マルイチ・オレゴン・スチール・チューブLLC(MOST社)の米国3拠点合計の販売数量は、市況が様子見の状況から前年同期比△6.1%となりました。また、メキシコのマルイチメックスS.A.de C.V.(Maruichimex社)の販売数量は、自動車の減産影響から前年同期比△18.2%となりました。昨年11月に新規連結した米国MNT社を加えた北米5拠点合計の販売数量は前年同期比+3.9%となりました。
売上高は、昨年来からの販売単価の上昇により160億3千2百万円(前年同期比75.4%増)と増収になりました。一方、セグメント利益は、前年同期がHRC価格の急騰に連動した製品販売価格の値上げがコイル消費単価の上昇に先行しスプレッドが大幅改善出来たものに対し、当第1四半期はスプレッドが縮小したことにより7億7千8百万円(同65.3%減)と減益になりました。
(アジア)
アジア事業につきましては、ベトナムのマルイチ・サン・スチール・ジョイント・ストック・カンパニー(SUNSCO社)では、東南アジアの鉄鋼市況軟化に伴い輸出市場の競争激化等から鋼板輸出が落ち込み、販売数量は前年同期比△16.7%となりました。一方、マルイチ・サン・スチール・(ハノイ)・カンパニー・リミテッド(SUNSCO(HNI)社)では、二輪車メーカーの生産が堅調で販売数量は前年度比+3.0%となりました。新規連結したフィリピンのMPST社の販売数量は、半導体供給不足等から現地二輪車生産の減少もあり、予定数量を下回りました。インドのマルイチ・クマ・スチール・チューブ・プライベート・リミテッド(KUMA社)では、前年同期はロックダウンの影響もあったことから、販売数量は前年同期比+28.6%増加しました。
結果、売上高は109億7千8百万円(前年同期比41.9%増)と増収になりました。セグメント利益も、増収効果とSUNSCO社での在庫評価益も含めたスプレッドの改善により、9億3千5百万円(同20.7%増)と増益になりました。
(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
①経営方針について
前連結会計年度末より重要な変更はありません。
②事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の再拡大の懸念、ウクライナ侵攻の長期化、部品供給制約の継続、急激な円安などの為替変動リスク等、引き続き厳しい状況が見込まれます。米国では、(決算期が3ケ月ズレており)米国のHRC価格は、4月に1,582$/トンでスタートしたものが足元では1,000$/トンを割る水準まで下がり続けております。アジアも同様に、コイル価格は下落し続けております。一方、日本国内では、コイル価格の値上げ圧力は依然として強く、需要が盛り上がりに欠ける中での製品価格への転嫁に注力する大変厳しい情勢となっています。
このような情勢のもと、当社といたしましては、感染症の拡大防止に努めながら、第6次中期経営計画の2年度目として主要施策の着実な実行の為、各地域での状況変化を的確に把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。セグメント別には以下の通りとなっております。
(日本)
国内単体事業につきましては、建築分野および自動車生産の需要回復は期待薄で、販売数量の増加は難しく年間の予定数量は前年度比微増の見通しです。その中で、国内高炉のコイル価格の値上げ圧力は依然として強く、製品価格への転嫁を最優先の課題として取り組んでおります。加えて、亜鉛などの副資材や燃料コスト等の製造コストも増加しており、パイプ本体の製品価格への転嫁とともに、パイプの切断加工賃についても改定することにしました。引き続き、自助努力としても工場の生産性向上やコストダウンに努め、業績予想の達成に取り組んでまいります。また、丸一ステンレス鋼管㈱も、付加価値の高い半導体製造装置向け製品の増産強化や、収益力改善の各種社内活動の推進を図ってまいります。設備投資関連では、連結子会社の丸一鋼販㈱での浜松加工センターにドイツ製最新鋭の自動車用パイプ切断加工機の導入を予定、丸一ステンレス鋼管㈱に於けるBA管製造設備の増強投資を2023年春の完成を目指し順次進めております。
(北米)
北米事業につきましては、経済活動の早期再開や追加経済対策のインフラ整備への期待はありますが、インフレリスクが顕在化しております。米国のHRC価格は、4月まではウクライナ侵攻の影響等から乱高下していたものの、その後は下落し続けております。先行きの鉄鋼価格が不透明で、足元では受注残の減少などもあり需要の回復が足踏み状態での中で、木目細かな仕入・在庫量のコントロールを図り適正水準を維持して在庫保有リスクの軽減努力をしてまいります。また、昨年11月に買収した米国MNT社について、当社グループレベルの品質・サービスの提供を図るとともに、コイル調達を始め各種オペレーションの見直しを図り、早期黒字化に取り組んでまいります。
(アジア)
アジア事業につきましては、中国のゼロコロナ政策による都市閉鎖解除からの需要回復遅れ等から、アジア全体のコイル価格相場は下落混乱しております。ベトナムSUNSCO社では、コイル価格下落による在庫評価損も見込まれる中で、ベトナム国内の販売比率拡大・新規客先への拡販に加え、在庫の圧縮や設備の減価償却を進め、借入金を削減し競争力強化によるサステナブルな経営に注力してまいります。ベトナムSUNSCO(HNI)社では、販売数量の確保に注力してまいります。インドKUMA社では、ロックダウン解除後に二輪&四輪市場の需要が急回復しており、加えて環境規制強化から商用車向け大径排気管需要が増加しており、増設したバンガロール工場ラインも含め、販売数量の確保に努めてまいります。新規連結したフィリピンのMPST社では、半導体供給不足等から現地二輪車生産が減少していますが、二輪メーカーの現地生産が本格化の兆しがあり、受注を確実に取り込んで早期黒字化に取り組んでまいります。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は58百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。