四半期報告書-第86期第1四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)

【提出】
2019/08/09 9:14
【資料】
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【項目】
40項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態の状況
総資産は、前年度比59億8千5百万円減少し3,150億3千3百万円となりました。
流動資産は、18億6千4百万円減少し1,637億9千8百万円となりました。主な増減要因は、譲渡性預金が満期になったことなどにより有価証券が10億5千2百万円、製品が4億5百万円、原材料及び貯蔵品が5億7千4百万円減少したことによります。
固定資産は、41億2千1百万円減少し1,512億3千4百万円となりました。主な増減要因は、投資有価証券が時価の下落などにより40億1千3百万円減少したことによります。
負債は、32億3千8百万円減少し428億4千4百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金が22億9千万円、未払法人税等が10億3千7百万円減少したことによります。
純資産につきましては、27億4千7百万円減少し2,721億8千8百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益を31億3千1百万円確保した一方で、配当金の支払で40億5千9百万円、その他有価証券評価差額金で19億2百万円減少したことなどによります。なお、資本の財源および資金の流動性については、前連結会計年度と大きな変動はありません。
(2) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、外需に弱さが見られるものの、雇用・所得環境の改善などを背景に、景気は緩やかな回復が続きました。海外では、米国経済が個人消費・設備投資等の増加から回復を維持、ASEAN諸国も概ね安定的に推移しました。また米中貿易摩擦による影響が懸念されるなか、中国の消費の弱含み等から中国経済の減速感も窺われ、世界経済は不透明な状況になりました。
鉄鋼業界は、国内需要は一部の部門で鈍化が窺えるものの、総じて底堅く推移しておりますが、海外鋼材需要は安定的ではあったものの、総じてピークを過ぎたと思われます。
事業全体の状況は、以下のとおりであります。
北米を中心に販売数量が前年同期比減少したことから、販売単価の上昇はあったものの、売上高は395億4千8百万円(前年同期比2.3%減)と減収になりました。利益面も、前年同期は好調であった北米が一転して赤字になる等、営業利益は38億5千3百万円(同20.6%減)と減益になりました。
営業外損益で、持分法による投資利益が悪化したものの、為替差損の減少などから前年同期比1億7千4百万円改善しましたが、経常利益は46億1千7百万円(同15.2%減)と減益になりました。特別損益で固定資産売却益が増加したことから前年同期比4億3千1百万円改善しました。これらの結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は31億3千1百万円(同9.8%減)と減益になりました。
なお、対米ドル換算レートは1米ドル110円20銭であります。
セグメント別の状況は、以下のとおりであります。
(日本)
国内事業につきましては、市況が盛り上がりに欠け販売数量が前年同期比マイナスとなりました。一方、販売単価は前年同期比では上昇しており、売上高は254億9百万円(前年同期比3.3%増)と増収になりました。材料コイルの仕入価格は落ち着き前年並みのスプレッドは維持出来たものの、数量減からの製造コスト増や発送費値上がり等から、セグメント利益は37億8百万円(前年同期比3.9%減)と減益になりました。
(北米)
北米事業につきましては、カナダ向け輸出ウェイトの高い米国マルイチ・オレゴン・スチール・チューブLLC(MOST社)がカナダ政府による報復関税の影響で販売が大幅減となりました。加えて、前年度前半に急騰した米国のホットコイル市況は当年度に入っても下がり続け、米国各子会社の販売数量は前年同期比マイナスが続き、売上高は72億2千8百万円(前年同期比11.3%減)と減収になりました。販売数量の減に加え、急騰したコイル在庫を抱え消費コイル価格の高止まりからスプレッドが悪化し、セグメント損益は5千5百万円の赤字(前年同期は7億1千3百万円の黒字)となりました。
(アジア)
アジア事業につきましては、ベトナムのマルイチ・サン・スチール・ジョイント・ストック・カンパニー(SUNSCO社)ではベトナム国内市場の競争激化と他国の輸入制限措置拡大等から販売の低迷とスプレッドが悪化し赤字が拡大しました。
また、ベトナムのマルイチ・サン・スチール・(ハノイ)・カンパニー・リミテッド(SUNSCO(HNI)社)では、販売数量は増加したものの販売単価の下落があり、インドのマルイチ・クマ・スチール・チューブ・プライベート・リミテッド(KUMA社)では、前年度好調であったインド国内の4輪&2輪の販売に急ブレーキがかかり、期待に反する状況となっております。結果、売上高は69億1千1百万円(前年同期比10.6%減)、セグメント利益は1億4千4百万円(前年同期比30.4%減)と減収減益になりました。
(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
①経営方針について
前連結会計年度末より重要な変更はありません。
②事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、足元の国内外景気は引き続き堅調に推移するものの、米中貿易摩擦の動向、中国経済の減速懸念に加え、国内経済の一部指標の弱さもあり、先行き不透明感が一段と高まっております。当社といたしましては、第5次中期経営計画の中間年度として主要施策の着実な実行の為、各地域での変化を把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。
セグメント別の今後の見通し及び対処すべき課題については、以下のとおりです。
(日本)
国内事業につきましては、建築向け製品を中心に需要の回復が期待されます。一方、足元では市況が盛り上がりに欠けておりますが、販売価格を維持しつつ販売数量の確保に取組んでまいります。加えて、コイル価格は高止まり感の中での再値上げ要求の動きもあり、生産性の向上やコストダウンなどに努めてまいります。また、環境対応仕様のカラー製品需要の拡大に対応すべく、連結子会社である九州丸一鋼管㈱および北海道丸一鋼管㈱で新工場を建設し、カラー塗装設備の導入を進めてまいります。
(北米)
北米事業につきましては、米国輸入関税の発動により、米国内で急騰した鋼材価格が前年度後半より大幅に下がり、客先のパイプ購入控えが続き、スプレッドの悪化が拡大した状況にありますが、底打ち感も足元見られ下期に向けた取り組みを強化してまいります。一方、カナダ政府による報復関税が6月に撤廃されたことから、カナダ向け輸出販売の苦戦が続いていた米国MOST社の販売の回復が今後期待されます。なお、米国マルイチ・アメリカン・コーポレーション(MAC社)、米国マルイチ・レビット・パイプ・アンド・チューブLLC(Leavitt社)も含めた北米3拠点の連携強化を図りながら収益の確保に努めるとともに、3拠点ともに2インチラインを更新・増設済みであり、小径サイズの販売強化に取組んでまいります。メキシコのマルイチメックスS.A.de C.V.(Maruichimex社)では自動車向け鋼管拡販に向けた切断体制強化などの対応をしてまいります。
(アジア)
アジア事業につきましては、米国の通商問題やEUのセーフガード措置の影響でアジア地区全体の鉄鋼市況が混乱しております。これに伴いベトナムSUNSCO社では、国内メーカーの設備投資過多による生産能力の超過が原因で、販売量の低迷やスプレッド改善が難航する厳しい状況が続いておりますが、設備の減価償却を進め借入金を削減する経営に注力してまいります。また、冷間圧延能力不足の解消、コスト削減、品質向上などに向け第2冷延ミルの新設を進めてまいります。ベトナムSUNSCO(HNI)社では、材料の値上がりによるコスト高の吸収に取り組んでまいります。インドKUMA社では、4輪&2輪販売が踊り場となっておりますが、中・長期的には成長が見込まれることから、製造能力拡充により排気管用パイプのシェア維持のため、新工場の建屋建設も予定どおり進めてまいります。また、今後の4輪&2輪販売の成長が見込まれるフィリピンで新たに設立したマルイチ・フィリピン・スチール・チューブ・インク(MPST社)では開業式を終えたことから、生産・販売の早期軌道化を図ってまいります。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は37百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。