半期報告書-第91期(2024/04/01-2025/03/31)
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態の状況
総資産は、前年度比240億4千9百万円増加し4,535億7千9百万円となりました。
流動資産は、133億6千2百万円増加し2,355億2千8百万円となりました。主な増減要因は、原材料及び貯蔵品が58億6千万円、製品が23億7千5百万円、譲渡性預金の設定などから有価証券が41億2千7百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が24億3千6百万円減少しました。
固定資産は、106億8千7百万円増加し2,180億5千1百万円となりました。主な増減要因は、ステンレス鋼管事業の拡大のために丸一ステンレス鋼管㈱に隣接する中国電力の土地32.6万㎡を取得したこと等で、土地が39億2千7百万円、造管工場において空調設備や次世代造管機の導入等により有形固定資産のその他が100億4千6百万円増加した一方で、投資有価証券が時価評価の影響等により55億8千7百万円減少したことによります。
負債は、127億4千2百万円増加し817億7千1百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金が59億7千5百万円増加し、中国電力から現状有姿で土地を取得したため、中国電力が負担する既存設備の撤去費用を長期仮受金として94億8千9百万円計上した一方で、繰延税金負債が投資有価証券の時価評価の影響等により22億5千1百万円減少したことによります。
純資産につきましては、113億7百万円増加し3,718億8百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する中間純利益を73億6千9百万円確保、為替換算調整勘定が82億4千5百万円増加、従業員を対象とした譲渡制限付株式付与制度を導入したことで従業員に対して自己株式の処分をしたこと等により自己株式が37億5千4百万円増加した一方で、配当金の支払いを60億6千8百万円おこない、その他有価証券評価差額金が投資有価証券の時価評価の影響で56億5千9百万円減少したことによります。
なお、資本の財源および資金の流動性については、前連結会計年度と大きな変動は無く、運転資金及び設備資金は自己資金を中心に充当し、国内及び海外子会社の借入金の返済の流動性は満たしておりますが、経営環境の先行き不透明感からも、当社グループ全体での円滑な事業活動の資金について留意してまいります。
(2) 経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、国内需要を中心に景気は緩やかな持ち直しが続いているものの、力強さを欠いております。海外経済では、米国はインフレ鈍化がみられるなか、個人消費を中心に景気は総じて底堅く推移しております。中国では内需回復ペースは鈍く、景気は持ち直しの動きに足踏みと不透明感がみられます。
鉄鋼業界は、国内では、建設業は非住宅着工床面積の減少・製造業は四輪車生産の停滞など需要の低迷が見られ、粗鋼生産量が減少しております。また、海外では中国内部不振もあり、世界粗鋼生産量は横這い傾向にあります。
事業全体の状況は、以下のとおりであります。
販売数量面では、日本(単体)と北米が前年同期割れとなったことから、アジアが2桁伸長したものの、全体では前年同期比1.6%の減少となりました。売上高は、日本・北米の減収をアジアの増収でカバーしきれず、1,335億6百万円(前年同期比1.2%減)と減収になりました。利益面も、日本・北米の減益幅が大きく、アジアの増益でカバーしきれず、営業利益は130億円(同32.5%減)と減益になりました。営業外損益は、受取利息の増加や支払利息を削減したものの、受取配当金や持分法による投資利益の減少などから前年同期比1億1千8百万円悪化し、経常利益は146億6千3百万円(同30.3%減)と減益になりました。特別損益は、従業員に対する譲渡制限付株式の付与による特別損失38億5千万円の発生もあり、前年同期比37億8千8百万円悪化しました。これらの結果、親会社株主に帰属する中間純利益は73億6千9百万円(同47.7%減)と減益になりました。対米ドル換算レートは、1米ドル152円25銭であります。
セグメント別の状況は、以下のとおりであります。
(日本)
国内事業につきましては、工場・倉庫等の着工床面積の減少等から当社主力の中小建築案件の需要が盛り上がらない中、単体の販売数量は前年同期比△4.6%の実績となりました。パイプ販売単価については、需要低迷の中で製造コストや運送費アップ分の転嫁に鋭意努めており、一部ユーザーおよび店売りで部分的に了解頂いておりますが、全体的には進捗が遅れております。また、数量面の不振から製品価格を値下げする他メーカーもあり、単価は一進一退の状況にあります。売上高は、単体は数量減から減収となり、丸一ステンレス鋼管㈱もBA管の数量減により減収となったことから、合計は768億6千8百万円(前年同期比5.9%減)と減収になりました。セグメント利益は、単体が数量減による固定費負担増及びコストアップで減益、丸一ステンレス鋼管㈱もBA管の高採算品などの数量減に加え在庫評価差額もあり減益となり、全体で102億6千1百万円(同19.5%減)と減益になりました。
(北米)
北米事業につきましては、(決算期が1~12月とズレており)米国の熱間圧延コイル(HRC)価格(英国CRU社による米国中西部コイル価格指数)が、年初1,210$/トンでスタートしたものが下がり始め、6月末には743$まで下がり続けました。米国マルイチ・アメリカン・コーポレーション(MAC社)、米国マルイチ・レビット・パイプ・アンド・チューブLLC(Leavitt社)、米国マルイチ・オレゴン・スチール・チューブLLC(MOST社)、米国マルイチ・ネブラスカ・チューブLLC(MNT社)の米国4拠点合計の販売数量は、価格下落の中での様子見感から当用買いとなり前年同期比△12.6%となりました。一方、メキシコのマルイチメックスS.A.de C.V.(Maruichimex社)の販売数量は、日系自動車メーカーへの販売が好調で前年同期比+27.3%の伸長となりました。
売上高は、販売数量の減少から292億6千9百万円(前年同期比5.1%減)と減収になりました。また、セグメント利益も、スプレッドの悪化に加え、6月末のHRC価格の下落に伴う在庫評価損の発生もあり、1億5百万円(同97.7%減)と大幅な減益になりました。
(アジア)
アジア事業につきましては、ベトナムのマルイチ・サン・スチール・ジョイント・ストック・カンパニー(SUNSCO社)では、引き続きベトナム市況に勢いが無く国内需要も回復の兆しが無い中で、輸出の増加で販売数量は前年同期比+16.5%となりました。一方、マルイチ・サン・スチール・(ハノイ)・カンパニー・リミテッド(SUNSCO(HNI)社)では、日系二輪メーカーの販売台数減少から、販売数量は前年同期比△1.4%となりました。フィリピンのマルイチ・フィリピン・スチール・チューブ・インク(MPST社)の販売数量は、二輪メーカーの現地生産の拡大を背景に受注を確実に取込み、前年同期比+96.0%と大幅に増加しました。インドのマルイチ・クマ・スチール・チューブ・プライベート・リミテッド(KUMA社)では、四輪販売が好調で販売数量は前年同期比+6.5%増加しました。
結果、売上高は、各社が増収を確保したことで、全体では273億6千8百万円(前年同期比20.8%増)と増収になりました。セグメント利益も、各社が増益になったことに加えMPST社の利益伸長も寄与し、全体では24億2千3百万円(同43.1%増)と増益になりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前年度末より61億9千6百万円増加し、836億1千5百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって増加した資金は134億7千6百万円(前年同期比14億2千7百万円の収入減)となりました。主な収入内容は、税金等調整前中間純利益113億1千3百万円、非資金支出である減価償却費35億5千4百万円のほか仕入債務の増減額52億8百万円、従業員を対象とした譲渡制限付株式報酬を導入したこと等による株式報酬費用39億3千3百万円であります。それに対し、主な支出内容は、棚卸資産の増減額58億1千万円、法人税等の支払額39億6千万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって減少した資金は22億6千8百万円(前年同期比86億7千5百万円の支出減)となりました。主な収入内容は、中国電力から現状有姿で土地を取得したため、中国電力が負担する既存設備の撤去費用を工事負担金等受入による収入として104億6千万円計上したほか、定期預金の純増減額36億1千6百万円などであります。支出につきましては、有形及び無形固定資産の取得による支出111億4千7百万円、投資有価証券の取得による支出38億9千2百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって減少した資金は72億6千万円(前年同期比5億9千万円の支出減)となりました。主な内容は、配当金の支払額60億6千4百万円などであります。
(4) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
①経営方針について
前連結会計年度末より重要な変更はありません。
②事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、日本経済の持ち直しの力強さが欠ける先行き不透明感、世界的な地政学リスクなどの種々の景気後退懸念リスクもあり、引き続き厳しい状況が見込まれます。日本国内では、足元では需要が盛り上がりに欠ける中で販売数量の確保が難しい状況となっています。米国では、(決算期が3ケ月ズレており)米国のHRC価格は、7月末の723$/トンの下げ止まりから反転しており回復に期待しております。
このような情勢のもと、当社といたしましては、第7次中期経営計画のスタート年度として主要施策の着実な実行の為、各地域での状況変化を的確に把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。セグメント別には以下の通りとなっております。
(日本)
国内単体事業につきましては、中小建築分野を始め需要回復は期待薄で、足元の販売実績からも下期の販売予定数量は前年度割れの見通しとしております。コイル仕入価格はスクラップ相場価格の下落等から軟化傾向にあるものの、パイプ販売価格も値下げ圧力が強くなりつつあるなかで、販売数量の増加が見込めないため、スプレッドの確保を優先に取り組んでまいります。更には、エネルギーコストや副資材等の製造コストやパイプの切断加工賃等の外注コスト等に加え、2024年問題からの物流費の上昇もあり、コスト上昇分の製品販価への転嫁を急ぎ継続しますが、販売数量の落ち込みが想定以上に大きく単体利益は厳しい見通しとならざるを得ない状況です。丸一ステンレス鋼管㈱は、ステンレス管が管種構成比変動や原材料他コストアップ等から前年度比で減益となる見通しであり、またBA管は半導体不況の煽りで客先での在庫調整が続く為、年明けの回復を待たざるを得ない状況です。
設備投資関連では、女性も扱える次世代造管機をコンセプトとして造管機メーカーと共同で開発を進め、名古屋工場3号機(6インチミル)の老朽化更新への採用を進めております。更には、ステンレス鋼管事業の拡大のために丸一ステンレス鋼管㈱に隣接する中国電力の土地32.6万㎡を取得し、丸一鋼管としてステンレス溶接管工場を約220億円で、丸一ステンレス鋼管㈱として大型プレス工場を約260億円で建設する準備を進めております。
(北米)
北米事業につきましては、米国の更なるインフレ再燃や利上げ影響への懸念もあり、問屋の在庫補充もスローとなってきましたが、米国HRC価格は下げ止まりから足元は上昇傾向にあり、需要回復とスプレッド確保を期待しております。また、米国の半導体需要拡大に伴いテキサス州に新規設立したBA管製造子会社マルイチ・ステンレス・チューブ・テキサス・コーポレーション(MST-X社)では、品質確認サンプル出荷も始まり本格稼働に向けて鋭意進めておりますが、2024年度は初期立上げ費用や受注量からの固定費負担が重く、赤字見通しとしております。メキシコMaruichimex社では、モントレーの第2工場用の土地取得を終え、工場建設を進めております。
(アジア)
アジア事業につきましては、中国の輸出コイル価格の影響で下落していたものの、足元は徐々に上昇傾向にあります。ベトナムSUNSCO社では、中期的にはベトナム国内の販売比率拡大や日系家電メーカーへの鋼板拡販を目指すものの、国内建築需要の回復遅れへの対応として、短期的には輸出に注力しております。ベトナムSUNSCO(HNI)社では、バイク販売台数の落ち込みは一巡し、年間販売数量予想は前年度微増としています。インドKUMA社では、四輪市場の需要が急回復し、加えて環境規制強化から商用車向け大径排気管需要が増加しており、四輪および二輪車用排気管需要増に対応してグジャラート工場に新ライン建設を決定しました。フィリピンのMPST社では、足元二輪メーカーの現地生産の拡大を背景に受注を確実に取込み販売数量は前年度比の1.5倍の伸長を見込んでおり、次年度の供給不足の懸念から造管ラインと自動高速切断設備の増強を進めております。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は1億4千2百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の重要な変更はありません。
(6) 主要な設備
当中間連結会計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。
(1) 財政状態の状況
総資産は、前年度比240億4千9百万円増加し4,535億7千9百万円となりました。
流動資産は、133億6千2百万円増加し2,355億2千8百万円となりました。主な増減要因は、原材料及び貯蔵品が58億6千万円、製品が23億7千5百万円、譲渡性預金の設定などから有価証券が41億2千7百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が24億3千6百万円減少しました。
固定資産は、106億8千7百万円増加し2,180億5千1百万円となりました。主な増減要因は、ステンレス鋼管事業の拡大のために丸一ステンレス鋼管㈱に隣接する中国電力の土地32.6万㎡を取得したこと等で、土地が39億2千7百万円、造管工場において空調設備や次世代造管機の導入等により有形固定資産のその他が100億4千6百万円増加した一方で、投資有価証券が時価評価の影響等により55億8千7百万円減少したことによります。
負債は、127億4千2百万円増加し817億7千1百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金が59億7千5百万円増加し、中国電力から現状有姿で土地を取得したため、中国電力が負担する既存設備の撤去費用を長期仮受金として94億8千9百万円計上した一方で、繰延税金負債が投資有価証券の時価評価の影響等により22億5千1百万円減少したことによります。
純資産につきましては、113億7百万円増加し3,718億8百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する中間純利益を73億6千9百万円確保、為替換算調整勘定が82億4千5百万円増加、従業員を対象とした譲渡制限付株式付与制度を導入したことで従業員に対して自己株式の処分をしたこと等により自己株式が37億5千4百万円増加した一方で、配当金の支払いを60億6千8百万円おこない、その他有価証券評価差額金が投資有価証券の時価評価の影響で56億5千9百万円減少したことによります。
なお、資本の財源および資金の流動性については、前連結会計年度と大きな変動は無く、運転資金及び設備資金は自己資金を中心に充当し、国内及び海外子会社の借入金の返済の流動性は満たしておりますが、経営環境の先行き不透明感からも、当社グループ全体での円滑な事業活動の資金について留意してまいります。
(2) 経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、国内需要を中心に景気は緩やかな持ち直しが続いているものの、力強さを欠いております。海外経済では、米国はインフレ鈍化がみられるなか、個人消費を中心に景気は総じて底堅く推移しております。中国では内需回復ペースは鈍く、景気は持ち直しの動きに足踏みと不透明感がみられます。
鉄鋼業界は、国内では、建設業は非住宅着工床面積の減少・製造業は四輪車生産の停滞など需要の低迷が見られ、粗鋼生産量が減少しております。また、海外では中国内部不振もあり、世界粗鋼生産量は横這い傾向にあります。
事業全体の状況は、以下のとおりであります。
販売数量面では、日本(単体)と北米が前年同期割れとなったことから、アジアが2桁伸長したものの、全体では前年同期比1.6%の減少となりました。売上高は、日本・北米の減収をアジアの増収でカバーしきれず、1,335億6百万円(前年同期比1.2%減)と減収になりました。利益面も、日本・北米の減益幅が大きく、アジアの増益でカバーしきれず、営業利益は130億円(同32.5%減)と減益になりました。営業外損益は、受取利息の増加や支払利息を削減したものの、受取配当金や持分法による投資利益の減少などから前年同期比1億1千8百万円悪化し、経常利益は146億6千3百万円(同30.3%減)と減益になりました。特別損益は、従業員に対する譲渡制限付株式の付与による特別損失38億5千万円の発生もあり、前年同期比37億8千8百万円悪化しました。これらの結果、親会社株主に帰属する中間純利益は73億6千9百万円(同47.7%減)と減益になりました。対米ドル換算レートは、1米ドル152円25銭であります。
セグメント別の状況は、以下のとおりであります。
(日本)
国内事業につきましては、工場・倉庫等の着工床面積の減少等から当社主力の中小建築案件の需要が盛り上がらない中、単体の販売数量は前年同期比△4.6%の実績となりました。パイプ販売単価については、需要低迷の中で製造コストや運送費アップ分の転嫁に鋭意努めており、一部ユーザーおよび店売りで部分的に了解頂いておりますが、全体的には進捗が遅れております。また、数量面の不振から製品価格を値下げする他メーカーもあり、単価は一進一退の状況にあります。売上高は、単体は数量減から減収となり、丸一ステンレス鋼管㈱もBA管の数量減により減収となったことから、合計は768億6千8百万円(前年同期比5.9%減)と減収になりました。セグメント利益は、単体が数量減による固定費負担増及びコストアップで減益、丸一ステンレス鋼管㈱もBA管の高採算品などの数量減に加え在庫評価差額もあり減益となり、全体で102億6千1百万円(同19.5%減)と減益になりました。
(北米)
北米事業につきましては、(決算期が1~12月とズレており)米国の熱間圧延コイル(HRC)価格(英国CRU社による米国中西部コイル価格指数)が、年初1,210$/トンでスタートしたものが下がり始め、6月末には743$まで下がり続けました。米国マルイチ・アメリカン・コーポレーション(MAC社)、米国マルイチ・レビット・パイプ・アンド・チューブLLC(Leavitt社)、米国マルイチ・オレゴン・スチール・チューブLLC(MOST社)、米国マルイチ・ネブラスカ・チューブLLC(MNT社)の米国4拠点合計の販売数量は、価格下落の中での様子見感から当用買いとなり前年同期比△12.6%となりました。一方、メキシコのマルイチメックスS.A.de C.V.(Maruichimex社)の販売数量は、日系自動車メーカーへの販売が好調で前年同期比+27.3%の伸長となりました。
売上高は、販売数量の減少から292億6千9百万円(前年同期比5.1%減)と減収になりました。また、セグメント利益も、スプレッドの悪化に加え、6月末のHRC価格の下落に伴う在庫評価損の発生もあり、1億5百万円(同97.7%減)と大幅な減益になりました。
(アジア)
アジア事業につきましては、ベトナムのマルイチ・サン・スチール・ジョイント・ストック・カンパニー(SUNSCO社)では、引き続きベトナム市況に勢いが無く国内需要も回復の兆しが無い中で、輸出の増加で販売数量は前年同期比+16.5%となりました。一方、マルイチ・サン・スチール・(ハノイ)・カンパニー・リミテッド(SUNSCO(HNI)社)では、日系二輪メーカーの販売台数減少から、販売数量は前年同期比△1.4%となりました。フィリピンのマルイチ・フィリピン・スチール・チューブ・インク(MPST社)の販売数量は、二輪メーカーの現地生産の拡大を背景に受注を確実に取込み、前年同期比+96.0%と大幅に増加しました。インドのマルイチ・クマ・スチール・チューブ・プライベート・リミテッド(KUMA社)では、四輪販売が好調で販売数量は前年同期比+6.5%増加しました。
結果、売上高は、各社が増収を確保したことで、全体では273億6千8百万円(前年同期比20.8%増)と増収になりました。セグメント利益も、各社が増益になったことに加えMPST社の利益伸長も寄与し、全体では24億2千3百万円(同43.1%増)と増益になりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前年度末より61億9千6百万円増加し、836億1千5百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって増加した資金は134億7千6百万円(前年同期比14億2千7百万円の収入減)となりました。主な収入内容は、税金等調整前中間純利益113億1千3百万円、非資金支出である減価償却費35億5千4百万円のほか仕入債務の増減額52億8百万円、従業員を対象とした譲渡制限付株式報酬を導入したこと等による株式報酬費用39億3千3百万円であります。それに対し、主な支出内容は、棚卸資産の増減額58億1千万円、法人税等の支払額39億6千万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって減少した資金は22億6千8百万円(前年同期比86億7千5百万円の支出減)となりました。主な収入内容は、中国電力から現状有姿で土地を取得したため、中国電力が負担する既存設備の撤去費用を工事負担金等受入による収入として104億6千万円計上したほか、定期預金の純増減額36億1千6百万円などであります。支出につきましては、有形及び無形固定資産の取得による支出111億4千7百万円、投資有価証券の取得による支出38億9千2百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって減少した資金は72億6千万円(前年同期比5億9千万円の支出減)となりました。主な内容は、配当金の支払額60億6千4百万円などであります。
(4) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
①経営方針について
前連結会計年度末より重要な変更はありません。
②事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、日本経済の持ち直しの力強さが欠ける先行き不透明感、世界的な地政学リスクなどの種々の景気後退懸念リスクもあり、引き続き厳しい状況が見込まれます。日本国内では、足元では需要が盛り上がりに欠ける中で販売数量の確保が難しい状況となっています。米国では、(決算期が3ケ月ズレており)米国のHRC価格は、7月末の723$/トンの下げ止まりから反転しており回復に期待しております。
このような情勢のもと、当社といたしましては、第7次中期経営計画のスタート年度として主要施策の着実な実行の為、各地域での状況変化を的確に把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。セグメント別には以下の通りとなっております。
(日本)
国内単体事業につきましては、中小建築分野を始め需要回復は期待薄で、足元の販売実績からも下期の販売予定数量は前年度割れの見通しとしております。コイル仕入価格はスクラップ相場価格の下落等から軟化傾向にあるものの、パイプ販売価格も値下げ圧力が強くなりつつあるなかで、販売数量の増加が見込めないため、スプレッドの確保を優先に取り組んでまいります。更には、エネルギーコストや副資材等の製造コストやパイプの切断加工賃等の外注コスト等に加え、2024年問題からの物流費の上昇もあり、コスト上昇分の製品販価への転嫁を急ぎ継続しますが、販売数量の落ち込みが想定以上に大きく単体利益は厳しい見通しとならざるを得ない状況です。丸一ステンレス鋼管㈱は、ステンレス管が管種構成比変動や原材料他コストアップ等から前年度比で減益となる見通しであり、またBA管は半導体不況の煽りで客先での在庫調整が続く為、年明けの回復を待たざるを得ない状況です。
設備投資関連では、女性も扱える次世代造管機をコンセプトとして造管機メーカーと共同で開発を進め、名古屋工場3号機(6インチミル)の老朽化更新への採用を進めております。更には、ステンレス鋼管事業の拡大のために丸一ステンレス鋼管㈱に隣接する中国電力の土地32.6万㎡を取得し、丸一鋼管としてステンレス溶接管工場を約220億円で、丸一ステンレス鋼管㈱として大型プレス工場を約260億円で建設する準備を進めております。
(北米)
北米事業につきましては、米国の更なるインフレ再燃や利上げ影響への懸念もあり、問屋の在庫補充もスローとなってきましたが、米国HRC価格は下げ止まりから足元は上昇傾向にあり、需要回復とスプレッド確保を期待しております。また、米国の半導体需要拡大に伴いテキサス州に新規設立したBA管製造子会社マルイチ・ステンレス・チューブ・テキサス・コーポレーション(MST-X社)では、品質確認サンプル出荷も始まり本格稼働に向けて鋭意進めておりますが、2024年度は初期立上げ費用や受注量からの固定費負担が重く、赤字見通しとしております。メキシコMaruichimex社では、モントレーの第2工場用の土地取得を終え、工場建設を進めております。
(アジア)
アジア事業につきましては、中国の輸出コイル価格の影響で下落していたものの、足元は徐々に上昇傾向にあります。ベトナムSUNSCO社では、中期的にはベトナム国内の販売比率拡大や日系家電メーカーへの鋼板拡販を目指すものの、国内建築需要の回復遅れへの対応として、短期的には輸出に注力しております。ベトナムSUNSCO(HNI)社では、バイク販売台数の落ち込みは一巡し、年間販売数量予想は前年度微増としています。インドKUMA社では、四輪市場の需要が急回復し、加えて環境規制強化から商用車向け大径排気管需要が増加しており、四輪および二輪車用排気管需要増に対応してグジャラート工場に新ライン建設を決定しました。フィリピンのMPST社では、足元二輪メーカーの現地生産の拡大を背景に受注を確実に取込み販売数量は前年度比の1.5倍の伸長を見込んでおり、次年度の供給不足の懸念から造管ラインと自動高速切断設備の増強を進めております。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は1億4千2百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の重要な変更はありません。
(6) 主要な設備
当中間連結会計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。