有価証券報告書-第152期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン普及に伴い日本、欧米、アジア等の各々の地域で緩やかな回復が進みましたが、変異株の感染拡大により各国で経済活動の制限措置が断続的に取られたほか、世界的な半導体供給不足や資材価格高騰、物流停滞が深刻化し、さらに2022年2月以降はウクライナ情勢が緊迫化するなど、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、半導体等の部品不足による自動車生産の減産のほか、資材価格高騰、コンテナ不足や港湾混雑による物流費の上昇もあり、厳しいものとなりました。このような環境のもと、徹底したコスト低減とサプライチェーンの維持に取り組み、当連結会計年度の連結決算は、売上高は3,367,863百万円(前連結会計年度2,918,580百万円、15.4%増)と前連結会計年度比で増収となりました。営業利益は122,195百万円(前連結会計年度113,926百万円、7.3%増)と前連結会計年度に比べ増益、営業利益率は3.6%(前連結会計年度3.9%、0.3ポイント低下)となりました。営業外収益は、持分法による投資利益の増加などにより9,793百万円増の38,476百万円、営業外費用は、休止固定資産減価償却費の減少などにより6,026百万円減の22,511百万円となり、経常利益は138,160百万円(前連結会計年度114,072百万円、21.1%増)と前連結会計年度に比べ増益となりました。特別利益では固定資産売却益4,683百万円、投資有価証券売却益11,194百万円、子会社株式売却益3,409百万円、持分変動利益11,516百万円、退職給付信託返還益6,894百万円に加え、火災関連受取保険金2,668百万円を計上し、合計では40,364百万円となりました。特別損失では、固定資産除却損3,790百万円、減損損失6,456百万円、事業構造改善費用5,405百万円に加え、火災関連損失2,952百万円を計上し、合計では18,603百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は159,921百万円となりました。ここから法人税等50,219百万円及び非支配株主に帰属する当期純利益13,396百万円を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は96,306百万円(前連結会計年度56,344百万円、70.9%増)と前連結会計年度に比べ増益となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
自動車関連事業は、銅価格上昇や円安の影響により、売上高は1,754,195百万円と152,153百万円(前連結会計年度比9.5%)の増収となりました。営業利益は、資材価格の高騰やグローバルな物流混乱による物流費の大幅な増加があり、また、半導体供給不足などの影響で自動車生産の減産が相次いだことによる生産効率の低下もあり、12,264百万円と35,934百万円の減益となりました。売上高営業利益率は0.7%と2.3ポイント低下しました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ225,170百万円増加の1,760,585百万円となりました。
情報通信関連事業は、データセンター用の光配線機器や海底ケーブル用の光ファイバ、アクセス系ネットワーク機器などで拡販を進め、売上高は239,150百万円と14,574百万円(6.5%)の増収となりました。営業利益は、光・電子デバイスの品種構成の変化に伴う収益性の低下により、23,398百万円と945百万円の減益となりました。売上高営業利益率は9.8%と1.0ポイント低下しました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ16,683百万円増加の299,847百万円となりました。
エレクトロニクス関連事業は、電子ワイヤー製品や照射チューブで需要の捕捉を進めたほか、㈱テクノアソシエにおける拡販もあり、売上高は292,509百万円と39,891百万円(15.8%)の増収となりました。営業利益は、携帯機器用FPCの高機能品の売上増加に伴う採算改善もあり、19,825百万円と9,778百万円の増益となりました。売上高営業利益率は6.8%と2.8ポイント上昇しました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ26,970百万円増加の265,261百万円となりました。
環境エネルギー関連事業は、電力ケーブルや電動車用の平角巻線などの拡販や、住友電設㈱における電気工事の増加、日新電機㈱における受変電設備等の需要増加に加え、銅価格上昇の影響もあり、売上高は833,425百万円と199,234百万円(31.4%)の増収となり、営業利益は44,024百万円と19,000百万円の増益となりました。売上高営業利益率は5.3%と1.4ポイント上昇しました。なお、工事・プラント受注高は369,982百万円(当連結会計年度末の受注残高は384,610百万円)と、前連結会計年度比28,304百万円(8.3%)増加しました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ148,172百万円増加の913,024百万円となりました。
産業素材関連事業他は、超硬工具やダイヤ・CBN工具、焼結部品、PC鋼材、スチールコードなどの需要が増加し、売上高は327,883百万円と25,359百万円(8.4%)の増収となりました。営業利益は、工場の稼働率上昇に伴う収益性の改善もあり、23,024百万円と16,364百万円の増益となりました。売上高営業利益率は7.0%と4.8ポイント上昇しました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ95,079百万円増加の868,725百万円となりました。
なお、各セグメントの営業利益又は営業損失は、連結損益計算書の営業利益又は営業損失に対応しております。
② 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、半導体等の部品不足による客先の減産や港湾混雑による物流停滞並びに銅価格上昇や円安の影響により棚卸資産が増加したことに加え、受取手形及び売掛金の増加などもあり、前連結会計年度末に比べ425,476百万円増加し、3,807,390百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、支払手形及び買掛金や借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ265,044百万円増加し1,754,452百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、配当金支払の一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べ160,432百万円増加し2,052,938百万円となりました。自己資本比率は46.5%と、前連結会計年度末対比1.7ポイント低下しております。
③ キャッシュ・フロー
まず、営業活動によるキャッシュ・フローで76,002百万円の資金を獲得(前連結会計年度比93,654百万円の収入減少)しました。これは、税金等調整前当期純利益159,921百万円と減価償却費180,508百万円との合計、すなわち事業の生み出したキャッシュ・フローが340,429百万円あり、これに運転資本の増減などを差し引いた結果であります。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、165,447百万円の資金を使用(前連結会計年度比2,017百万円の支出増加)しました。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出174,059百万円などがあったことによるものであります。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・
キャッシュ・フローは、89,445百万円のマイナス(前連結会計年度は6,226百万円のプラス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、82,816百万円の資金の増加(前連結会計年度は13,099百万円の資金の減少)となりました。これは、社債の償還による支出や配当金の支払などがあった一方、借入金の増加による収入があったことによるものであります。
以上により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より4,099百万円(1.6%)増加し255,540百万円となりました。また、当連結会計年度末における有利子負債は、前連結会計年度末より174,707百万円増加し859,794百万円となり、有利子負債から現金及び現金同等物を差し引いたネット有利子負債は、170,608百万円増加し604,254百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社及び連結子会社の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績」に記載のセグメントごとの経営成績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 経営成績等の状況の分析
当社グループは、中期経営計画「22VISION」において、経営上の目標の達成状況を、売上高、営業利益、ROIC及びROEを重要な指標として測定することとしております。
当連結会計年度における「売上高」は3,367,863百万円(前連結会計年度比449,283百万円増)、「営業利益」は122,195百万円(前連結会計年度比8,269百万円増)、「ROIC」は4.5%(前連結会計年度比0.1ポイント低下)、「ROE」は5.7%(前連結会計年度比2.1ポイント上昇)となりました。なお、営業利益の前連結会計年度比での増減要因は以下のとおりとなっております。
② キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性に係る状況
当社グループの資金需要のうち主なものは、事業運営に必要な設備資金や運転資金であり、必要資金については自己資金の充当及び金融機関からの借入や社債発行等により調達しております。
当社グループは、中期経営計画「22VISION」において、健全かつ強固な財務体質を維持することを基本方針とし、自己資本比率を50%水準に維持することとしております。また、資金の流動性を確保するために、金融機関とコミットメントライン契約を締結するとともに、当連結会計年度末現在において、日本格付研究所(JCR)より「AA(長期)、J-1+(短期)」、格付投資情報センター(R&I)より「AA-(長期)、a-1+(短期)」の格付を取得しております。
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表を作成する際には、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載しております。また、当社グループが用いた会計上の見積りのうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「重要な会計上の見積り」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績
売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 経常利益 (百万円) | 親会社株主に帰属 する当期純利益 (百万円) | |
当連結会計年度 | 3,367,863 | 122,195 | 138,160 | 96,306 |
前連結会計年度 | 2,918,580 | 113,926 | 114,072 | 56,344 |
増減率(%) | 15.4 | 7.3 | 21.1 | 70.9 |
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン普及に伴い日本、欧米、アジア等の各々の地域で緩やかな回復が進みましたが、変異株の感染拡大により各国で経済活動の制限措置が断続的に取られたほか、世界的な半導体供給不足や資材価格高騰、物流停滞が深刻化し、さらに2022年2月以降はウクライナ情勢が緊迫化するなど、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、半導体等の部品不足による自動車生産の減産のほか、資材価格高騰、コンテナ不足や港湾混雑による物流費の上昇もあり、厳しいものとなりました。このような環境のもと、徹底したコスト低減とサプライチェーンの維持に取り組み、当連結会計年度の連結決算は、売上高は3,367,863百万円(前連結会計年度2,918,580百万円、15.4%増)と前連結会計年度比で増収となりました。営業利益は122,195百万円(前連結会計年度113,926百万円、7.3%増)と前連結会計年度に比べ増益、営業利益率は3.6%(前連結会計年度3.9%、0.3ポイント低下)となりました。営業外収益は、持分法による投資利益の増加などにより9,793百万円増の38,476百万円、営業外費用は、休止固定資産減価償却費の減少などにより6,026百万円減の22,511百万円となり、経常利益は138,160百万円(前連結会計年度114,072百万円、21.1%増)と前連結会計年度に比べ増益となりました。特別利益では固定資産売却益4,683百万円、投資有価証券売却益11,194百万円、子会社株式売却益3,409百万円、持分変動利益11,516百万円、退職給付信託返還益6,894百万円に加え、火災関連受取保険金2,668百万円を計上し、合計では40,364百万円となりました。特別損失では、固定資産除却損3,790百万円、減損損失6,456百万円、事業構造改善費用5,405百万円に加え、火災関連損失2,952百万円を計上し、合計では18,603百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は159,921百万円となりました。ここから法人税等50,219百万円及び非支配株主に帰属する当期純利益13,396百万円を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は96,306百万円(前連結会計年度56,344百万円、70.9%増)と前連結会計年度に比べ増益となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
売上高 | 営業利益又は営業損失 | |||||
前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | |
自動車 | 1,602,042 | 1,754,195 | 9.5 | 48,198 | 12,264 | △74.6 |
情報通信 | 224,576 | 239,150 | 6.5 | 24,343 | 23,398 | △3.9 |
エレクトロニクス | 252,618 | 292,509 | 15.8 | 10,047 | 19,825 | 97.3 |
環境エネルギー | 634,191 | 833,425 | 31.4 | 25,024 | 44,024 | 75.9 |
産業素材他 | 302,524 | 327,883 | 8.4 | 6,660 | 23,024 | 245.7 |
合計 | 3,015,951 | 3,447,162 | 14.3 | 114,272 | 122,535 | 7.2 |
調整額 | △97,371 | △79,299 | - | △346 | △340 | - |
連結損益計算書 計上額 | 2,918,580 | 3,367,863 | 15.4 | 113,926 | 122,195 | 7.3 |
自動車関連事業は、銅価格上昇や円安の影響により、売上高は1,754,195百万円と152,153百万円(前連結会計年度比9.5%)の増収となりました。営業利益は、資材価格の高騰やグローバルな物流混乱による物流費の大幅な増加があり、また、半導体供給不足などの影響で自動車生産の減産が相次いだことによる生産効率の低下もあり、12,264百万円と35,934百万円の減益となりました。売上高営業利益率は0.7%と2.3ポイント低下しました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ225,170百万円増加の1,760,585百万円となりました。
情報通信関連事業は、データセンター用の光配線機器や海底ケーブル用の光ファイバ、アクセス系ネットワーク機器などで拡販を進め、売上高は239,150百万円と14,574百万円(6.5%)の増収となりました。営業利益は、光・電子デバイスの品種構成の変化に伴う収益性の低下により、23,398百万円と945百万円の減益となりました。売上高営業利益率は9.8%と1.0ポイント低下しました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ16,683百万円増加の299,847百万円となりました。
エレクトロニクス関連事業は、電子ワイヤー製品や照射チューブで需要の捕捉を進めたほか、㈱テクノアソシエにおける拡販もあり、売上高は292,509百万円と39,891百万円(15.8%)の増収となりました。営業利益は、携帯機器用FPCの高機能品の売上増加に伴う採算改善もあり、19,825百万円と9,778百万円の増益となりました。売上高営業利益率は6.8%と2.8ポイント上昇しました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ26,970百万円増加の265,261百万円となりました。
環境エネルギー関連事業は、電力ケーブルや電動車用の平角巻線などの拡販や、住友電設㈱における電気工事の増加、日新電機㈱における受変電設備等の需要増加に加え、銅価格上昇の影響もあり、売上高は833,425百万円と199,234百万円(31.4%)の増収となり、営業利益は44,024百万円と19,000百万円の増益となりました。売上高営業利益率は5.3%と1.4ポイント上昇しました。なお、工事・プラント受注高は369,982百万円(当連結会計年度末の受注残高は384,610百万円)と、前連結会計年度比28,304百万円(8.3%)増加しました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ148,172百万円増加の913,024百万円となりました。
産業素材関連事業他は、超硬工具やダイヤ・CBN工具、焼結部品、PC鋼材、スチールコードなどの需要が増加し、売上高は327,883百万円と25,359百万円(8.4%)の増収となりました。営業利益は、工場の稼働率上昇に伴う収益性の改善もあり、23,024百万円と16,364百万円の増益となりました。売上高営業利益率は7.0%と4.8ポイント上昇しました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ95,079百万円増加の868,725百万円となりました。
なお、各セグメントの営業利益又は営業損失は、連結損益計算書の営業利益又は営業損失に対応しております。
② 財政状態
資産合計 (百万円) | 負債合計 (百万円) | 純資産合計 (百万円) | 自己資本比率 (%) | |
当連結会計年度末 | 3,807,390 | 1,754,452 | 2,052,938 | 46.5 |
前連結会計年度末 | 3,381,914 | 1,489,408 | 1,892,506 | 48.2 |
増減 | 425,476 | 265,044 | 160,432 | △1.7 |
当連結会計年度末の資産合計は、半導体等の部品不足による客先の減産や港湾混雑による物流停滞並びに銅価格上昇や円安の影響により棚卸資産が増加したことに加え、受取手形及び売掛金の増加などもあり、前連結会計年度末に比べ425,476百万円増加し、3,807,390百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、支払手形及び買掛金や借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ265,044百万円増加し1,754,452百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、配当金支払の一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べ160,432百万円増加し2,052,938百万円となりました。自己資本比率は46.5%と、前連結会計年度末対比1.7ポイント低下しております。
③ キャッシュ・フロー
営業活動による キャッシュ・フロー (百万円) | 投資活動による キャッシュ・フロー (百万円) | 財務活動による キャッシュ・フロー (百万円) | 現金及び現金同等物の残高 (百万円) | |
当連結会計年度 | 76,002 | △165,447 | 82,816 | 255,540 |
前連結会計年度 | 169,656 | △163,430 | △13,099 | 251,441 |
増減 | △93,654 | △2,017 | 95,915 | 4,099 |
まず、営業活動によるキャッシュ・フローで76,002百万円の資金を獲得(前連結会計年度比93,654百万円の収入減少)しました。これは、税金等調整前当期純利益159,921百万円と減価償却費180,508百万円との合計、すなわち事業の生み出したキャッシュ・フローが340,429百万円あり、これに運転資本の増減などを差し引いた結果であります。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、165,447百万円の資金を使用(前連結会計年度比2,017百万円の支出増加)しました。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出174,059百万円などがあったことによるものであります。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・
キャッシュ・フローは、89,445百万円のマイナス(前連結会計年度は6,226百万円のプラス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、82,816百万円の資金の増加(前連結会計年度は13,099百万円の資金の減少)となりました。これは、社債の償還による支出や配当金の支払などがあった一方、借入金の増加による収入があったことによるものであります。
以上により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より4,099百万円(1.6%)増加し255,540百万円となりました。また、当連結会計年度末における有利子負債は、前連結会計年度末より174,707百万円増加し859,794百万円となり、有利子負債から現金及び現金同等物を差し引いたネット有利子負債は、170,608百万円増加し604,254百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社及び連結子会社の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績」に記載のセグメントごとの経営成績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 経営成績等の状況の分析
当社グループは、中期経営計画「22VISION」において、経営上の目標の達成状況を、売上高、営業利益、ROIC及びROEを重要な指標として測定することとしております。
当連結会計年度における「売上高」は3,367,863百万円(前連結会計年度比449,283百万円増)、「営業利益」は122,195百万円(前連結会計年度比8,269百万円増)、「ROIC」は4.5%(前連結会計年度比0.1ポイント低下)、「ROE」は5.7%(前連結会計年度比2.1ポイント上昇)となりました。なお、営業利益の前連結会計年度比での増減要因は以下のとおりとなっております。
前期営業利益 | 113,926 | 百万円 |
売上数量の増加 | 57,000 | |
売値の低下・品種構成の変化 | △27,000 | |
物流費の増加 | △30,000 | |
銅価・資材価格変動の影響 | △36,000 | |
収益体質の改善 | 42,000 | |
為替変動の影響 | 13,000 | |
その他 | △10,731 | |
当期営業利益 | 122,195 |
② キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性に係る状況
当社グループの資金需要のうち主なものは、事業運営に必要な設備資金や運転資金であり、必要資金については自己資金の充当及び金融機関からの借入や社債発行等により調達しております。
当社グループは、中期経営計画「22VISION」において、健全かつ強固な財務体質を維持することを基本方針とし、自己資本比率を50%水準に維持することとしております。また、資金の流動性を確保するために、金融機関とコミットメントライン契約を締結するとともに、当連結会計年度末現在において、日本格付研究所(JCR)より「AA(長期)、J-1+(短期)」、格付投資情報センター(R&I)より「AA-(長期)、a-1+(短期)」の格付を取得しております。
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表を作成する際には、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載しております。また、当社グループが用いた会計上の見積りのうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「重要な会計上の見積り」に記載しております。