有価証券報告書-第115期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 12:00
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善などにより、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、継続する物価上昇、米国における関税政策や不安定な国際情勢に伴う地政学リスクの高まりなど、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは、第16次中期経営計画「Aggressive Challenge One NETUREN 2026」(2024年4月より2027年3月までの3ヵ年計画)に掲げた4つの基本戦略である「成長ドライバーの創生」、「成長エンジンの育成」、「グローバルマーケットの拡大」、「自発的貢献意欲のある人財の育成」を推進するとともに、人件費の上昇を含むコストアップに対する販売価格への転嫁などの営業活動や徹底した原価低減活動を継続しております。
この中期経営計画に掲げた基本戦略に基づき、株式会社ドーケン(連結子会社)、MDI株式会社(連結子会社)及び株式会社 ANDO Imagineering Group(持分法非適用関連会社)を当社グループに迎えました。
株式会社ドーケンが製造販売するプレキャスト・コンクリート製品は、あらかじめ工場でコンクリート部材を製作、施工現場へ運び、組み上げるプレキャスト工法で使用されます。この工法は、施工現場での工期短縮や品質管理などの観点から、建築業界が抱える人手不足などの課題を解決する方法として、今後の需要が伸びると判断しております。MDI株式会社は、熱マネジメント企業として工場などのCO2削減・省エネ、暑熱対策、環境改善などを目的とする排熱回収コンサルティング、省エネシステムの設計・製造・販売及びメンテナンスサービスを行っております。昨今、企業への対応が強く求められている熱中症対策はもとより、地球温暖化防止などの環境面に役立つノウハウであり、今後も需要が見込まれると判断しております。また、株式会社 ANDO Imagineering Groupにつきましては、建築におけるプレストレスト・コンクリート造をはじめとするさまざまな構造設計技術をコアに据え、建築設計を自社で手掛ける組織設計事務所であります。この設計技術やノウハウを当社グループが有する高強度PC鋼材製造加工技術や高強度プレキャスト・コンクリート製品製造技術と組み合わせることによる相乗効果の創出を見込んでおります。いずれの会社も、それぞれに独自の分野に強みがあり、当社グループの事業領域の拡大、収益面に寄与するものと考えております
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、取引業界の市況低迷の影響を受けたものの、コスト上昇分を販売価格へ転嫁したことや株式会社ドーケンが連結グループに加わったことなどにより、58,277百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は1,892百万円(前年同期比17.0%増)、経常利益は2,663百万円(前年同期比14.8%増)となりました。
一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失に固定資産の減損損失を257百万円計上したことや前連結会計年度の特別利益に投資有価証券売却益を1,217百万円計上したこともあり、1,329百万円(前年同期比26.8%減)となりました。
引き続き、収益向上のための受注拡大はもとより、高止まりするコストの販売価格への転嫁を含む積極的な営業活動とともに、徹底した原価低減活動を継続し、企業価値の向上に努めてまいります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(製品事業部関連事業)
土木・建築関連製品の売上高は、建設業界の低迷や人手不足、建設資材高騰による工事遅延、着工遅れの影響が継続しており、前年同期と比較し減少いたしました。
自動車関連製品の高強度ばね鋼線の売上高は、国内では一部顧客向けに継続していた生産応援が減少したことや当社製品を採用する一部自動車メーカーの販売台数が伸びず減少しましたが、海外での販売が堅調に推移したため、前年同期と比較し増加いたしました。
建設機械関連製品の売上高は、顧客からの受注が増加したことや販売価格の改定効果などにより、国内、中国ともに前年同期と比較し増加いたしました。
以上の結果、売上高は36,335百万円(前年同期比0.6%減)、利益面では、堅調に推移した海外での高強度ばね鋼線及び建設機械関連製品の増収効果や土木・建築関連製品で販売価格の改定が進んだことなどにより、営業利益は464百万円(前年同期比157.8%増)となりました。
(IH事業部関連事業)
熱処理受託加工関連の売上高は、自動車業界では米国関税長期化の影響により、下期にかけて顧客からの受注が減少いたしました。一方、下期後半から工作機械向けの受注が徐々に回復してきたものの、全体の落ち込みをカバーするには至らず、前年同期と比較し減少いたしました。
誘導加熱装置関連の売上高は、国内では顧客側の設備投資計画先送りなどによる影響、海外では中国で製造する装置が景気低迷と顧客のスケジュール変更による影響で国内外ともに販売量が落ち込み、前年同期と比較し減少いたしました。
以上の結果、売上高は19,526百万円(前年同期比6.4%減)、営業利益は1,301百万円(前年同期比5.5%減)となりました。
(その他)
当該セグメントは、報告セグメントに含まれない不動産賃貸事業及び新たに当社グループに加わった株式会社ドーケン及びMDI株式会社の事業を含むその他の事業であります。
不動産賃貸事業における当社保有の賃貸物件は、小規模ではありますが安定的に業績に寄与しております。
また、新規連結対象となった株式会社ドーケンの損益を取り込むとともに、同社の株式取得関連費用133百万円を計上しております。なお、MDI株式会社の損益については、次年度からの連結対象となりますが、当連結会計年度において、同社の株式取得関連費用56百万円を計上しております。
以上の結果、売上高は2,416百万円(前年同期比1,586.0%増)、営業利益は122百万円(前年同期比115.8%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
製品事業部関連事業31,77598.0
IH事業部関連事業14,923103.2
その他1,371-
合計48,070102.5

(注) 1 金額は、製造費によっており、セグメント間の取引については消去しております。
2 その他は、当連結会計年度から連結の範囲に含めた株式会社ドーケンの生産実績であります。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前期比
(%)
受注残高
(百万円)
前期比
(%)
製品事業部関連事業37,058102.73,883122.9
IH事業部関連事業
(誘導加熱装置関連)
6,54594.54,76595.1
その他1,857-842-

(注) 1 IH事業部関連事業のうち、熱処理受託加工関連は継続的な取引が多く、加工賃収入のため受注高及び受注残高の把握が困難のため、誘導加熱装置関連の受注状況を記載しております。
2 受注金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については消去しております。
3 その他は、当連結会計年度から連結の範囲に含めた株式会社ドーケンの受注実績であります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
製品事業部関連事業36,33599.4
IH事業部関連事業19,52693.6
その他2,4161,686.0
合計58,277101.2

(注) 上記の金額は、セグメント間の内部売上高を消去しております。
(2)財政状態
当連結会計年度末における総資産は88,146百万円(前年同期比5.2%増)となりました。この主な要因は、株式会社ドーケン及びMDI株式会社の株式取得に係る支出、自己株式の取得や配当金の支払いにより現金及び預金が減少しましたが、新規連結子会社が2社増加したことによるのれんを含む資産を計上したことなどによります。
セグメントごとの資産は、製品事業部関連事業においては増加いたしました。この主な要因は、売上債権が増加したことなどによります。また、IH事業部関連事業においても増加いたしました。この主な要因は、有形固定資産が増加したことなどによります。
なお、セグメントごとの資産は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載しております。
当連結会計年度末における負債は22,768百万円(前年同期比30.6%増)となりました。この主な要因は、借入金が増加したことなどによります。
当連結会計年度末における純資産は65,378百万円(前年同期比1.4%減)となりました。この主な要因は、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定などが増加したものの、配当金の支払いや自己株式を取得したことなどによります。以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は66.0%となりました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は14,204百万円(前連結会計年度末と比べて3,375百万円の減少)となっておりますが、その内訳は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,773百万円(前年同期は4,107百万円の収入)であります。
これは、税金等調整前当期純利益を2,344百万円計上したものの、売上債権が1,108百万円増加したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は5,235百万円(前年同期は3,404百万円の支出)であります。
これは、有形固定資産の取得による支出が3,990百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が2,128百万円あったことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は121百万円(前年同期は1,713百万円の収入)であります。
これは、借入れによる収入が9,602百万円あったものの、借入金の返済が5,244百万円、自己株式の取得による支出が2,000百万円、配当金の支払額が2,005百万円あったことなどによります。
キャッシュ・フロー関連指標
項目前連結会計年度当連結会計年度
自己資本比率71.166.0
時価ベースの自己資本比率39.646.5
キャッシュ・フロー対有利子負債比率1.76.6
インタレスト・カバレッジ・レシオ58.715.3

(注) 1 各指標の算出方法
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額(株価終値×発行済株式総数)/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い金額
2 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金を対象としております。また、利払い金額については、連結損益及び包括利益計算書に計上されている支払利息の金額を使用しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、短期的な運転資金(原材料、電力、各種資材等の調達及び人件費等の支払いに必要な資金)は、主に自己資金及び金融機関等からの借入でまかなっております。
また、設備投資資金については、各年度ごとに設備予算を作成し、予算額、支払い予定時期及び資金残高などを勘案したうえで、基本的に自己資金で実行しておりますが、大規模な設備投資が計画される場合には金融機関等からの借入を含めて対応しております。当連結会計年度の設備投資額及び翌連結会計年度の設備投資予定額につきましては、「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。
なお、グループ内資金を有効に活用する観点で、当社からグループ会社へ、グループ会社から当社への貸付及び借入を機動的に実行しております。
現在進行中の第16次中期経営計画におけるキャピタルアロケーションにおいて、キャッシュイン「営業キャッシュフロー、借入、資産売却資金、手元資金」とキャッシュアウト「定常投資(増産、省人化・合理化、工場耐震補強、設備修繕に関する投資)、戦略投資(研究開発、新商品、DX、環境・省エネ、CO2削減、M&A、人的資本に関する投資)、株主還元(配当、自己株式取得)」に区分し、資金の調達状況と使途について予測と実績を管理しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。
当社は、これらの見積りは合理的であると考えておりますが、不確定要素が多く、想定を超えた変化等が生じた場合、当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼすことがあります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、原則として、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、見積られた割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の諸前提の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。
(のれんの評価)
当社グループは、株式会社ドーケン及びMDI株式会社の株式を取得した際に計上したのれんについて、減損の兆候の有無を検討し、兆候を識別した場合、のれんの残存償却期間に対応する期間における割引前将来キャッシュ・フローを事業計画に基づいて算定し、帳簿価額と比較して減損損失の認識の要否を判定しております。必要と判断した場合には、当該のれんについて回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の諸前提の変化により、新たに減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性及び必要額を評価するにあたっては、課税主体ごとに将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収見込みを慎重に検討しておりますが、課税所得見積りの前提とした諸条件・諸前提の変化により、追加引当又は引当額の取崩しが必要となる可能性があります。

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