有価証券報告書-第59期(平成30年3月16日-平成31年3月15日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、自然災害などにより一時的な鈍化はあったものの、省力化需要などの設備投資が堅調であり、雇用情勢も引き続き底堅く推移したことから、緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外では米国の通商政策の動向や欧州などの地政学的リスクから先行き不透明感が高まっており、中国経済を中心とした経済の減速、弱含みが依然として続きました。
このような状況の中、当社は2018年9月15日に創業100年を迎え、次の100年に向けてさらなる成長を目指し、様々な変革に取組んでまいりました。金属製品事業につきましては、100周年記念セールや顧客に密着した機動的な営業活動のもと、各種業界から潜在的ニーズの情報収集を行い、製品へのフィードバックを進めました。生産活動においては人員配置の見直しと省力化を行い、生産体制の最適化と原価低減を図りました。ジョブローテーションによる人材育成にも取り組み、組織力強化を目的とした社内コミュニケーションの活性化施策も実施してまいりました。
環境関連事業につきましては、市場規模が伸び悩み傾向にあるため、コストや運用面でメリットの多い設置施工方法を提案し、売上確保に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比11.0%増の7,469百万円(前連結会計年度は、6,730百万円)となりました。また利益面につきましては、原材料や仕入価格の上昇などがありましたが、販売・流通体制の強化と効率的な生産体制の推進及びコスト削減に努めた結果、営業利益は前連結会計年度比25.6%増の946百万円(前連結会計年度は、753百万円)、経常利益は前連結会計年度比29.7%増の853百万円(前連結会計年度は、658百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比47.1%増の601百万円(前連結会計年度は、409百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[金属製品事業]
国内販売では、東京オリンピックや再開発等によるインフラの整備、更新に伴い、建設関係や設備投資などの需要が拡大基調であったことから、作業工具の分野ではレンチ類や配管工具類関連の製品の販売が堅調に推移しました。また産業機器の分野では鋼材類の荷役作業で使用する機能的かつ安全な吊クランプ類や、メンテナンス時など狭小地での使用が可能なクレーン類の販売が順調に推移いたしました。
海外市場では、販売施策として多彩な製品群と日本製であることを訴求し、販売拡大を進めてまいりました。また、更なる販売強化のため、2018年9月には当社の主要市場である韓国に子会社を設立し、現地法人の強みを活かした営業活動を行うことにより売上は堅調に推移いたしました。
これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比7.4%増の5,750百万円(前連結会計年度は、5,355百万円)、セグメント利益は前連結会計年度比11.8%増の1,243百万円(前連結会計年度は、1,112百万円)となりました。
[環境関連事業]
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)の改正により市場規模が伸び悩み傾向にあり、厳しい経営環境となっています。そのような中、より筋肉質な事業体制を目指し、水上設置型等のようなコストや運用面でメリットの多い設計施工方法を提案の軸とするとともに、太陽光関連部材のラインアップを充実させ、幅広い顧客ニーズの対応と重要取組先との関係強化に努めました。また、売電部門では、大阪府河南町及び柏原市に設置しています3ヵ所の発電所(3.55MW)が順調に稼働しており、収益の安定化に寄与しています。
これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比25.0%増の1,718百万円(前連結会計年度は、1,374百万円)、セグメント利益は前連結会計年度比174.5%増の130百万円(前連結会計年度は、47百万円)となりました。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,454百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、税金等調整前当期純利益852百万円、前受金の増加701百万円、減価償却費165百万円等により資金の増加がありましたが、前渡金の増加873百万円、たな卸資産の増加383百万円、売上債権の増加304百万円及び法人税等の支払額169百万円等により30百万円資金が減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、投資有価証券の償還による収入49百万円及び有形固定資産の取得による支出111百万円等
により、56百万円資金が減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、短期借入金の増加450百万円、長期借入金の返済による支出236百万円及び配当金の支払額
186百万円及び自己株式の取得による支出99百万円等により72百万円資金が減少となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
金属製品事業 | 5,148,584 | +7.0 |
環境関連事業 | - | - |
合計 | 5,148,584 | +7.0 |
(注)1 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 環境関連事業における生産はありません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
金属製品事業 | 394,990 | +27.8 |
環境関連事業 | 1,298,888 | +200.8 |
合計 | 1,693,878 | +128.6 |
(注)1 各セグメントの金額にはセグメント間取引を含んでおります。
2 金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載は行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
金属製品事業 | 5,750,458 | +7.4 |
環境関連事業 | 1,718,860 | +25.0 |
合計 | 7,469,318 | +11.0 |
(注)1 各セグメントの金額にはセグメント間取引を含んでおります。
2 主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
トラスコ中山㈱ | 1,358,683 | 20.2 | 1,539,879 | 20.6 |
㈱山善 | 1,194,085 | 17.7 | 1,298,180 | 17.4 |
JFEプラントエンジ㈱ | 212,529 | 3.2 | 997,706 | 13.4 |
㈱オノマシン | 849,352 | 12.6 | 269,223 | 3.6 |
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項については合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度比12.4%増の12,808百万円(前連結会計年度は、11,391百万円)となり前連結会計年度末に比べ1,417百万円増加しました。
この主な要因は、流動資産では、前渡金の増加873百万円、受取手形及び売掛金の増加304百万円、仕掛品の増加273百万等であり、固定資産では、建物及び構築物の減少33百万円、機械装置及び運搬具の減少20百万円等であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度比36.3%増の4,061百万円(前連結会計年度は、2,981百万円)となり前連結会計年度末に比べ1,080百万円増加しました。
この主な要因は、流動負債では、前受金の増加701百万円、短期借入金の増加450百万円、未払法人税等の増加124百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少63百万円等であり、固定負債では、長期借入金の減少173百万円等であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度比4.0%増の8,747百万円(前連結会計年度は、8,409百万円)となり前連結会計年度末に比べ337百万円増加しました。
この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加601百万円、配当金の支払いによる減少186百万円、その他有価証券評価差額金の増加18百万円及び自己株式の取得による減少99百万円等であります。
b.経営成績
セグメントごとの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
c.資本の財源及び資金の流動性の分析
1) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,454百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
2) 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社製品製造のための材料及び部品の購入費、その他の製造費用、販売費及び一般管理費、連結子会社が環境関連商品を仕入れるための購入費等の営業費用によるものであります。