有価証券報告書-第61期(令和2年3月16日-令和3年3月15日)

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2021/06/04 10:59
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年4月の緊急事態宣言発令
などにより経済活動が抑制され、企業収益は大幅な減少が継続したため、雇用情勢の弱含みが顕著となり設備投資
も減少傾向で推移いたしました。その後、個人消費や生産に持ち直しの動きがみられるなど、一部に改善の兆しも
ありましたが、再び感染拡大傾向に転じ、今年1月、2度目の緊急事態宣言発令などにより景気は厳しい状況で推
移いたしました。また、世界経済につきましても、新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況のなか、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは、新型コロナウイルス感染症予防・拡大防止対策として濃厚接触回避な
どの徹底した取り組みを継続し、事業活動を行ってまいりました。金属製品事業につきましては、新型コロナウイ
ルス感染症の影響により、営業活動が制限されるなか、効率的な営業活動に取り組むとともに、情報収集に努め、
顧客ニーズに合致した販売企画により、積極的に販売に努めるとともにブランドの認知度向上などにも取り組んで
まいりました。また、開発型企業として、多様化する顧客ニーズに対応するため、社内提案制度などを活用し、既
存製品から派生した製品なども含め、あらゆる産業に対応する新製品の開発に注力しながら、人員配置見直しなど
による効率的な生産体制の構築や、最適な事業体制を目指した組織改革などを推し進め、生産効率向上、コストダ
ウンを目指した設備の導入や加工方法の改善なども行い、収益の安定化に取り組んでまいりました。
一方、環境関連事業につきましては、依然として厳しい事業環境となっておりますが、設備投資案件の受注を軸
に、環境関連事業への後押しが期待される脱炭素社会実現に向けた仕組みや、FIT(固定価格買取制度)終了後の
事業環境の変化に対応すべく、商材の拡充にも注力し、売上確保に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比17.3%減の7,305百万円(前連結会計年度
は、8,838百万円)となりました。また利益面につきましては、効率的な事業活動に取り組み、利益確保に努めま
したが、売上高の減少により、営業利益は前連結会計年度比39.5%減の559百万円(前連結会計年度は、925百万
円)、経常利益は前連結会計年度比41.4%減の486百万円(前連結会計年度は、830百万円)、親会社株主に帰属す
る当期純利益は前連結会計年度比41.8%減の322百万円(前連結会計年度は、554百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[金属製品事業]
国内販売において、作業工具の分野では、豊富なラインナップとユーザー視点で付加された早送り機構により作
業効率に優れたクイックワイドモンキレンチなどのレンチ類や配管工具類、産業機器の分野では、作業性と安全性
を兼ね備えた吊クランプ類や、足をコの字タイプとし、さらにコンパクトさを追求したマルチクレーンなどのクレ
ーン類など、多彩な製品群と新製品を軸に工夫を凝らした販促ツールなどによる商品提案や、効果的な販売企画な
どを行い、売上確保に努めてまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、国内経
済では、設備投資の減少傾向などにより、特に工作機械に使用される治工具類の販売が厳しい状況となったことも
あり、総じて幅広い産業で使用される当社製品において販売が伸び悩みました。
海外市場につきましても、新型コロナウイルス感染症の影響により、営業活動が制限され、特に当社の主要市場
である韓国においても、段階的に部分的な都市封鎖が行われるなど、多大な影響を受け、非常に厳しい状況で推移
しました。このような状況のなか、安全性と日本企業の製品であることをアピールポイントとし、ブランドの認知
度とイメージ向上を目指した新たなプロモーション施策の実施や、販売力強化のための組織体制の構築なども行い
売上確保に努めましたが、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、販売が伸び悩みました。
これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比11.7%減の4,628百万円(前連結会計年度は、5,238百万円)、セグメント利益は前連結会計年度比18.3%減の863百万円(前連結会計年度は、1,056百万円)となりました。
[環境関連事業]
継続する厳しい事業環境に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により、設備投資も減少がみられるなか、よ
り筋肉質な事業体制を構築すべく、設置コストや運用面でメリットが多い水上設置型メガソーラーなどの大口の設
備投資案件やセカンダリー案件の受注獲得に注力してまいりました。また、FIT終了後を見据え、FITに頼らない
「非FIT」の筆頭事業モデルとされる自家消費型太陽光発電の模索や太陽光関連部材のラインナップ拡充など、建
設から販売まで幅広く展開し、売上確保に努めてまいりました。また、売電部門では、大阪府南河内郡河南町及び大阪府柏原市に設置しています3ヵ所の発電所が順調に稼働しており、収益の安定化に寄与しています。
これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比25.6%減の2,676百万円(前連結会計年度は、3,599百万円)、セグメント利益は前連結会計年度比66.7%減の92百万円(前連結会計年度は、278百万円)となりました。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度比21.1%増の14,852百万円(前連結会計年度は、12,266百
万円)、となり前連結会計年度末に比べ2,585百万円増加しました。
この主な要因は、流動資産では、前渡金の増加1,182百万円、現金及び預金の増加637百万円、受取手形及び売掛
金の増加620百万円、商品及び製品の減少255百万円、固定資産では、土地の増加411百万円等であります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度比72.0%増の5,613百万円(前連結会計年度は、3,263百万
円)となり前連結会計年度末に比べ2,349百万円増加しました。
この主な要因は、流動負債では、短期借入金の増加1,520百万円、支払手形及び買掛金の増加590百万円、未払法
人税等の減少86百万円等であり、固定負債では、長期借入金の増加245百万円等であります。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度比2.6%増の9,238百万円(前連結会計年度は、9,002百万
円)となり前連結会計年度末に比べ235百万円増加しました。
この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加322百万円、配当金の支払いによる減少153
百万円、その他有価証券評価差額金の増加65百万円等であります。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当連結会計年度前連結会計年度増減
営業活動によるキャッシュ・フロー△414△10△404
投資活動によるキャッシュ・フロー△497△133△364
財務活動によるキャッシュ・フロー1,545△8272,373
現金及び現金同等物の期首残高1,4782,454△976
現金及び現金同等物の期末残高2,1161,478637

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ637百万円増加し、2,116百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、仕入債務の増加590百万円、税金等調整前当期純利益481百万円、たな卸資産の減少331百
万円等により資金の増加がありましたが、前渡金の増加1,182百万円、売上債権の増加620百万円等により414百万
円資金が減少(前連結会計年度は10百万円の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、有形固定資産の取得による支出441百万円及び無形固定資産の取得による支出48百万円等
により、497百万円資金が減少(前連結会計年度は133百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、短期借入金の増加1,520百万円、長期借入金による収入400百万円、長期借入金の返済によ
る支出170百万円及び配当金の支払額153百万円等により1,545百万円資金が増加(前連結会計年度は827百万円の減少)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
金属製品事業4,446,086△5.5
環境関連事業--
合計4,446,086△5.5

(注)1 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 環境関連事業における生産はありません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)
金属製品事業228,387△32.2
環境関連事業1,737,066△48.5
合計1,965,453△47.1

(注)1 各セグメントの金額にはセグメント間取引を含んでおります。
2 金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載は行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
金属製品事業4,628,428△11.7
環境関連事業2,676,650△25.6
合計7,305,078△17.3

(注)1 各セグメントの金額にはセグメント間取引を含んでおります。
2 主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
トラスコ中山㈱1,531,43617.31,291,52217.7
㈱山善1,103,50612.5937,25212.8

3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項については合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は7,305百万円(前年同期比17.3%減)となりました。セグメント別の分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
当連結会計年度の売上総利益は1,874百万円(前年同期比20.2%減)となりました。新型コロナウイルス感染症の影響などにより営業活動が制限された結果、販売が厳しい状況となり、売上総利益率は前連結会計年度より0.9ポイント下降し25.7%となりました。
当連結会計年度の営業利益は559百万円(前年同期比39.5%減)となりました。旅費交通費及び荷造発送費の減少等により販売費及び一般管理費が1,315百万円(前年同期比7.7%減)となりましたが、コロナ禍による売上低迷にともない、営業利益率は前連結会計年度より2.8ポイント下降し7.7%となりました。
当連結会計年度の経常利益は486百万円(前年同期比41.4%減)となりました。営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、売上割引等により△73百万円(前年同期は△95百万円)となりました。
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は固定資産除売却損等により481百万円(前年同期比42.0%減)となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社製品製造のための材料及び部品の購入費、その他の製造費用、販売費及び一般管理費、連結子会社が環境関連商品を仕入れるための購入費等の営業費用によるものであります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当社グループは、①売上高経常利益率9.2%以上、②ROE(自己資本利益率)・EPS(1株当たり当期純利益金額)・自己資本比率の向上を目標としております。
当連結会計年度におきましては、主に新型コロナウィルス感染拡大が経営成績に大きな影響をもたらしたことにより、売上高経常利益率、ROE及び自己資本比率は前期と比較して減少致しました。
全ての指標について目標を達成するため、さらなる企業価値向上に努めてまいります。
(参考)売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)・EPS(1株当たり当期純利益金額)・自己資本比率の状況
(連結)売上高経常利益率ROE
(自己資本利益率)
EPS
(1株当たり当期純利益金額)
自己資本比率
2020年3月期9.4%6.2%4,393.70円73.4%
2021年3月期6.7%3.5%4,542.85円62.2%