有価証券報告書-第60期(平成31年3月16日-令和2年3月15日)

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2020/06/05 12:03
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144項目

(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、前半は、雇用・所得環境の改善が続くなか、緩やかな回復基調で推移し
ました。しかしながら、後半は、自然災害や消費増税などが景気の下振れリスクとして懸念される状況となりまし
た。一方、海外では、米中通商問題や日韓問題などの長期化の影響により依然として先行き不透明感が続くなか、更に、年明け以降、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が世界経済に大きな影響を与える事態となったことか
ら、経済の減速懸念が一層強まる状況となりました。
このような状況のなか、当社グループは、金属製品事業につきましては、多様化する顧客ニーズに対応すべくマ
ーケティングオートメーションを活用した営業活動や、製造・販売・技術開発部門一体での新製品開発、社内プロ
ジェクトチームによる製品提案などの取り組みを行ってまいりました。生産活動においては、生産効率向上、原価
低減を目指した機械設備の導入やレイアウト変更などを行ってまいりました。また、社内コミュニケーション活性
化を目的とした施策などにより、組織力強化にも取り組んでまいりました。
環境関連事業につきましては、固定価格買取制度改正後、厳しい事業環境ではありますが、大口の設備投資案件
の受注を軸に、事情環境の変化に対応すべく、機動的な営業活動と売上確保に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比18.3%増の8,838百万円(前連結会計年度
は、7,469百万円)となりました。また利益面につきましては、環境関連事業の売上構成比の上昇などにより、営
業利益は前連結会計年度比2.2%減の925百万円(前連結会計年度は、946百万円)、経常利益は前連結会計年度比
2.8%減の830百万円(前連結会計年度は、853百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比
7.9%減の554百万円(前連結会計年度は、601百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[金属製品事業]
国内経済は、製造業を中心に弱さがみられるなか、国内販売では、全国各地の展示会への出展や、刷新された効
果的な販売企画、多様な顧客ニーズに合わせた商品提案、情報発信など細やかな営業活動を行った結果、作業工具
の分野では、作業ごとに適した種類とサイズを揃えたプーラー類の販売が堅調に推移いたしました。また、産業機
器の分野においては、作業性と安全性を併せ持った吊クランプが堅調に推移いたしました。しかしながら、年明け
からの新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、幅広い産業で使用される当社製品の一部において販売が伸び悩
む状況が見受けられました。
海外市場では、メイドインジャパンをアピールした積極的な営業活動や展示会への出展により、製品の拡販と新
規取引先の獲得に注力いたしました。また、当社の主要市場である韓国において、販売子会社が現地法人の強みを
活かした営業施策を展開し売上確保に努めましたが、日韓関係悪化による日本製品不買運動や新型コロナウイルス
の影響などにより販売が伸び悩みました。
これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比8.9%減の5,238百万円(前連結会計年度は、5,750百万円)、セグメント利益は前連結会計年度比15.0%減の1,056百万円(前連結会計年度は、1,243百万円)となりました。
[環境関連事業]
法改正により、取り巻く事業環境は厳しさを増すなか、従前より引き合いのあった大口の設備投資案件の受注、設置コストや運用面で有利な水上設置型メガソーラーなどを軸とし、太陽光関連部材のラインナップ拡充などによ
り筋肉質な事業体制の構築に取り組んでまいりました。また、新たなニーズに応えるべく、セカンダリー市場への
参入や自家消費用への展開など幅広い取り組みを行ってまいりました。また、売電部門では、大阪府河南町及び柏
原市に設置しています3ヵ所の発電所が順調に稼働しており、収益の安定化に寄与しています。
これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比109.4%増の3,599百万円(前連結会計年度は、1,718百万
円)、セグメント利益は前連結会計年度比113.2%増の278百万円(前連結会計年度は、130百万円)となりました。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度比4.1%減の12,266百万円(前連結会計年度は、12,791百万円)、となり前連結会計年度末に比べ524百万円減少しました。
この主な要因は、流動資産では、現金及び預金の減少976百万円、前渡金の減少654百万円、受取手形及び売掛金減少228百万円、商品及び製品の増加1,009百万円、未収入金の増加523百万円等であり、固定資産では、投資有価証券の減少129百万円等であります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度比19.3%減の3,263百万円(前連結会計年度は、4,044百万円)となり前連結会計年度末に比べ780百万円減少しました。
この主な要因は、流動負債では、前受金の減少638百万円、短期借入金の減少450百万円、未払金の増加505百万円等であり、固定負債では、長期借入金の減少130百万円等であります。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度比2.9%増の9,002百万円(前連結会計年度は、8,747百万円)となり前連結会計年度末に比べ255百万円増加しました。
この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加554百万円、配当金の支払いによる減少204百万円、その他有価証券評価差額金の減少93百万円等であります。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当連結会計年度前連結会計年度増減
営業活動によるキャッシュ・フロー△10△3020
投資活動によるキャッシュ・フロー△133△56△76
財務活動によるキャッシュ・フロー△827△72△755
現金及び現金同等物の期首残高2,4542,611△156
現金及び現金同等物の期末残高1,4782,454△976

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ976百万円減少し、1,478百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、税金等調整前当期純利益829百万円、前渡金の減少654百万円、未払金の増加505百万円等により資金の増加がありましたが、たな卸資産の増加1,006百万円、前受金の減少638百万円及び法人税等の支払377百万円等により10百万円資金が減少(前連結会計年度は30百万円の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、有形固定資産の取得による支出123百万円及び投資有価証券の取得による支出5百万円等により、133百万円資金が減少(前連結会計年度は56百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、短期借入金の純減少450百万円、長期借入金の返済による支出173百万円及び配当金の支払額204百万円等により827百万円資金が減少(前連結会計年度は72百万円の減少)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
金属製品事業4,705,379△8.6
環境関連事業--
合計4,705,379△8.6

(注)1 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 環境関連事業における生産はありません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)
金属製品事業336,850△14.7
環境関連事業3,375,280+159.9
合計3,712,131+119.1

(注)1 各セグメントの金額にはセグメント間取引を含んでおります。
2 金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載は行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
金属製品事業5,238,962△8.9
環境関連事業3,599,256+109.4
合計8,838,218+18.3

(注)1 各セグメントの金額にはセグメント間取引を含んでおります。
2 主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
JFEプラントエンジ㈱997,70613.42,160,50624.4
トラスコ中山㈱1,539,87920.61,531,43617.3
㈱山善1,298,18017.41,103,50612.5

3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項については合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は8,838百万円(前年同期比18.3%増)となりました。セグメント別の分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
当連結会計年度の売上総利益は2,350百万円(前年同期比0.0%増)となりました。売上原価の増加等により売上総利益率は前連結会計年度より4.9ポイント下降し26.6%となりました。
当連結会計年度の営業利益は925百万円(前年同期比2.2%減)となりました。事務用品費及び支払手数料の増加等により販売費及び一般管理費が1,425百万円(前年同期比1.5%増)となり、営業利益率は前連結会計年度より2.2ポイント下降し10.5%となりました。
当連結会計年度の経常利益は830百万円(前年同期比2.8%減)となりました。営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、受取配当金等により△95百万円(前年同期は△92百万円)となりました。
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は固定資産除売却損等により829百万円(前年同期比2.7%減)となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社製品製造のための材料及び部品の購入費、その他の製造費用、販売費及び一般管理費、連結子会社が環境関連商品を仕入れるための購入費等の営業費用によるものであります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当社グループは、①売上高経常利益率9.2%以上、②ROE(自己資本利益率)・EPS(1株当たり当期純利益金額)・自己資本率の向上を目標としております。
当連結会計年度におきましては、EPS・自己資本比率は前期と比較して増加致しました。
全ての指標について目標を達成するため、さらなる企業価値向上に努めてまいります。
(参考)売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)・EPS(1株当たり当期純利益金額)・自己資本比率の状況
(連結)売上高経常利益率ROE
(自己資本利益率)
EPS
(1株当たり当期純利益金額)
自己資本比率
2019年3月期11.4%7.0%4,284.36円68.4%
2020年3月期9.4%6.2%4,393.70円73.4%