有価証券報告書-第73期(令和1年8月1日-令和2年7月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2020年10月23日)現在において経営者が判断したものです。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、雇用・所得環境の改善が継続したものの、外需の伸び悩みから製造業の生産活動が落ち込み、景気の回復は緩やかなものとなりました。2020年に入り、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により経済活動の停滞などが引き起こされ、政府の緊急事態宣言や各自治体からの外出自粛・営業自粛要請により個人消費は減退し、生産活動の停滞等により企業業績は悪化しました。また、新型コロナウイルス感染症の収束時期の見通しが立たないことから、実体経済への影響が拡大し、国内経済は厳しい状況が続きました。
当社グループの経営環境について概観いたしますと、鋼製物置市場では、持家・分譲一戸建住宅の新設着工戸数が弱含みで推移しましたが、消費増税前の駆込み需要や緊急事態宣言解除後の需要増加により、鋼製物置の需要は堅調に推移しました。オフィス家具市場では、大規模オフィスビルの安定的な供給を背景にオフィスの移転需要及びリニューアル需要は堅調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大後は企業業績や景況感の悪化を背景に、需要は弱含みで推移しました。当連結会計年度における主要材料の平均鋼材価格は、引き続き高止まりで推移しました。
このような経営環境の中、当社は、代理店・販売店とのリレーション強化、物流拠点と販売拠点との連携強化、製品の強みを活かした積極的な用途提案などに加え、コスト低減及び品質・生産性向上の取り組みを進めてきました。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言の発出を受けて、当社グループは感染防止のため取引先への訪問自粛・出張禁止等、積極的な営業活動を自粛しました。しかしながら、取引先からの受注状況は想定していたほど悪化せず、当社は当感染症の感染防止策に留意したうえで、安定的な製品供給に努めてきました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高34,575百万円(前期比1.6%増)、営業利益1,891百万円(前期比6.4%増)、経常利益2,110百万円(前期比0.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,362百万円(前期比28.4%増)となりました。
また、売上高経常利益率は6.1%(前期比0.1ポイント減)、減価償却前営業利益は3,300百万円(前期比7.9%増)となりました。
当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症拡大による当社グループ業績への影響は軽微でありました。当感染症拡大による国内経済への影響は、徐々に解消していくものと思われますが、影響を解消するまで相当程度の時間を要し、不透明な状況が継続していくものと考えています。現時点で、当感染症拡大による当社グループ業績への影響は軽微であるものと予測していますが、今後、当感染症の感染状況やその経済環境への影響が大きく変化した場合には、当社グループを取り巻く経営環境は厳しさを増す可能性があるものと考えています。その場合の影響などについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (1)新型コロナウイルス感染症の影響」に記載しています。
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、34,575百万円(前期比1.6%増)となりました。鋼製物置の売上は、消費増税前の駆込み需要や緊急事態宣言解除後の需要増加により、前期に比べ579百万円の増収となりました。一方、オフィス家具の売上は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、前期に比べ44百万円の減収となりました。この結果、売上高は前期に比べ534百万円の増収となりました。
b.営業利益・経常利益
営業利益は、1,891百万円(前期比6.4%増)となりました。増収と原価率の低減により、売上総利益が前期に比べ281百万円の増益となりました。販売費及び一般管理費は前期に比べ167百万円の増加に留まりました。この結果、営業利益は前期に比べ113百万円の増益となりました。
経常利益は、2,110百万円(前期比0.3%減)となりました。スクラップ市況の低迷による作業屑売却益の減少に加え、前期に富岡工場建設に係る助成金収入を計上していたことによる反動減もあり、営業外収益が前期に比べ122百万円減少した影響が大きく、前期に比べ6百万円の減益となりました。
c.税金等調整前当期純利益
減損損失が前期の421百万円から減少し48百万円となったことから、特別損益は、前期の441百万円の損失(純額)に対し96百万円の損失(純額)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前期の1,676百万円に対し2,014百万円となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
法人税等費用は、前期の615百万円に対し652百万円となり、税効果会計適用後の法人税等の負担率は32.4%となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の1,060百万円に対し1,362百万円となりました。1株当たり当期純利益金額は、前期の60円39銭に対し77円56銭となりました。また、自己資本利益率は3.5%となりました。
e.セグメントの経営成績
当社グループは、「鋼製物置」「オフィス家具」の2つの報告セグメントに区分して評価、開示しています。
(鋼製物置)
鋼製物置事業においては、市場におけるシェアを維持・拡大し安定した収益を確保していくために、製品ラインナップの拡充や新たな用途開発に取り組んできました。
2020年2月に高級ガレージ「ARCIA(アルシア)」、ゴミ保管庫「大型ダストボックス」、自転車置場「BMタイプ」を発売し、製品ラインナップを充実させました。また、連結子会社イナバクリエイト株式会社は埼玉県越谷市にショールームを開設し、サテライトオフィスに活用可能な多目的スペース「NUUM CAMP(ヌーム キャンプ)」を展示しました。
鋼製物置の売上高は、23,488百万円(前期比2.5%増)となりました。上記の取り組みに加え、消費増税前の駆込み需要や緊急事態宣言解除後の需要増加もあり、小型製品、一般製品及びガレージ・倉庫等の大型製品などが堅調に推移し、前期に比べ579百万円の増収となりました。セグメント利益は、減価償却費や物流コストの増加などにより、前期から減益の2,752百万円(前期比3.4%減)となりました。鋼製物置事業の収益性の維持・改善については、課題を残す結果となりました。
(オフィス家具)
オフィス家具事業においては、高コスト体質による収益性に課題があり、引き続きコスト低減の取り組みを進めてきました。
オフィス家具の売上高は、11,087百万円(前期比0.4%減)となりました。オフィスでの働き方改革や健康への関心の高まりに対応した新しいオフィスづくりの提案を積極的に展開しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、売上高は前期に比べ44百万円の減収となりました。また、2020年1月に電動昇降デスク・エグゼクティブタイプ「Novie EX(ノヴィ イーエックス)」、ワゴンシリーズ「木目色タイプ」と「ショートタイプ」を追加し、製品ラインナップを充実させました。セグメント利益については、価格改定に加え、販管費のコスト抑制などにより、前期から増益の137百万円(前期は97百万円の損失)となり、収益性は改善しました。
f.目標との比較
当連結会計年度の目標「売上高34,700百万円、営業利益1,850百万円、経常利益2,120百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,330百万円、売上高経常利益率6.1%」に対し、実績は売上高34,575百万円(達成率99.6%)、営業利益1,891百万円(達成率102.2%)、経常利益2,110百万円(達成率99.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,362百万円(達成率102.4%)、売上高経常利益率6.1%となりました。
営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益及び売上高経常利益率は目標を達成しましたが、売上高及び経常利益は目標を達成できませんでした。
売上高は、目標に対し124百万円の未達となりました。未達の要因については、鋼製物置の売上高は消費増税前の駆込み需要等の影響を受けて、目標に対し458百万円上回りましたが、オフィス家具の売上高は厳しい価格競争が続き、目標に対し582百万円下回ったことによるものです。経常利益は、目標に対し9百万円の未達となりました。未達の要因は、売上高の未達によるものです。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は27,761百万円となり、前連結会計年度末に比べ465百万円減少しました。主な変動要因は、配当支払、納税、有価証券・投資有価証券の取得及び不動産の取得による現金及び預金の減少1,971百万円、受取手形及び売掛金の増加202百万円、電子記録債権の増加234百万円及び有価証券の増加1,000百万円です。
固定資産は26,426百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,339百万円増加しました。主な変動要因は、配送センター用地等の取得による土地の増加403百万円、新静岡営業所・配送センターの建設及び犬山工場の鋼製物置ライン再構築による建設仮勘定の増加1,062百万円、債券の取得による投資有価証券の増加206百万円、減価償却費の発生による機械装置及び運搬具の減少268百万円、及び無形固定資産のその他に含まれるソフトウェアの減少131百万円です。
この結果、当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ873百万円増加し、54,188百万円となりました。
(負債)
流動負債は12,126百万円となり、前連結会計年度末に比べ26百万円減少しました。主な変動要因は、支払手形及び買掛金の増加254百万円、納税による未払法人税等の減少377百万円、その他に含まれる未払金の減少545百万円と設備関係電子記録債務の増加306百万円です。
固定負債は2,820百万円となり、前連結会計年度末に比べ6百万円減少しました。主な変動要因は、役員株式給付引当金の増加39百万円、退職給付に係る負債の減少147百万円、その他に含まれる受入営業保証金の増加62百万円です。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ32百万円減少し、14,947百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末に比べ906百万円増加し、39,240百万円となりました。主な変動要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加1,362百万円、配当支払による利益剰余金の減少457百万円です。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は72.4%、1株当たり純資産額は、2,234円17銭となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により増加したキャッシュ・フローは、2,488百万円(前連結会計年度は3,465百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上2,014百万円及び減価償却費の発生1,439百万円の収入を計上した一方、法人税等の支払1,019百万円の支出を計上したことなどによるものです。
前期差の主な要因は、税金等調整前当期純利益の増加や仕入債務の増加に伴う収入があったものの、売上債権の増加や法人税等の支払額が前期に比べ増加したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により減少したキャッシュ・フローは、4,000百万円(前連結会計年度は1,628百万円の減少)となりました。これは、定期預金の払戻1,000百万円及び投資有価証券の償還200百万円の収入を計上した一方、定期預金の預入2,000百万円、有形固定資産の取得2,645百万円及び投資有価証券の取得506百万円の支出を計上したことなどによるものです。
前期差の主な要因は、定期預金の払戻や投資有価証券の償還等に伴う収入があったものの、定期預金の預入や設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出が前期と比べ増加したためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により減少したキャッシュ・フローは、458百万円(前連結会計年度は459百万円の減少)となりました。これは、配当金の支払457百万円の支出を計上したことなどによるものです。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は14,687百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,971百万円減少しました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.金額は販売価格としています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
b.受注実績
当社は、原則として見込生産を主体とする生産方式を採っていますが、オフィス家具の一部について、OEM先に対し受注生産を行っています。
(注)1.金額は販売価格としています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2020年10月23日)現在において経営者が判断したものです。
① 経営成績の分析
経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照下さい。
② 財政状態の分析
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照下さい。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
④ 流動性と資金の源泉
当社グループでは、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針としています。
当社グループは、資金需要として主に材料、商品等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用に加え、設備投資、研究開発や配当支払を見込んでいます。運転資金及び設備資金については、自己資金又は銀行からの資金調達を行うこととしています。
当連結会計年度末における借入金の残高はありませんが、本有価証券報告書提出日(2020年10月23日)現在において、総額7,350百万円の無担保の当座貸越契約を複数の金融機関との間で締結しています。
また、当社グループは当連結会計年度末において現金及び現金同等物14,687百万円を保有しています。また、換金性の高い金融資産も保有していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないものと認識しています。
⑤ 設備投資額と減価償却費
当連結会計年度の設備投資額(無形固定資産を含む)は、前期の1,872百万円から673百万円増加し、2,545百万円となりました。主要な設備投資は、犬山工場生産設備1,149百万円、柏工場生産設備267百万円、富岡工場社員寮226百万円です。
減価償却費(無形固定資産を含む)は前期の1,314百万円から125百万円増加し、1,439百万円となりました。なお、有形固定資産のみの減価償却費は、前期の1,170百万円から110百万円増加し、1,280百万円となりました。
(4) 経営成績等に重要な影響を与える要因について
「2 事業のリスク」に記載しています。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表を作成するために、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行っています。経営者は、これらの見積もりについて過去の経験・実績や現在及び見込まれる経済状況など勘案し、合理的に判断していますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果になる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針等、会計上の見積り及び見積りに用いた仮定については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。また、特に以下の重要な会計方針及び見積りの適用が、その作成において用いられる見積り及び予測により、当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の課税所得に関するものを含めた様々な予測・仮定に基づいて繰延税金資産を計上しており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。また、将来の課税所得に関する予測・課税に基づいて、当社又は子会社が繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご覧ください。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染状況や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しています。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2020年10月23日)現在において経営者が判断したものです。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、雇用・所得環境の改善が継続したものの、外需の伸び悩みから製造業の生産活動が落ち込み、景気の回復は緩やかなものとなりました。2020年に入り、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により経済活動の停滞などが引き起こされ、政府の緊急事態宣言や各自治体からの外出自粛・営業自粛要請により個人消費は減退し、生産活動の停滞等により企業業績は悪化しました。また、新型コロナウイルス感染症の収束時期の見通しが立たないことから、実体経済への影響が拡大し、国内経済は厳しい状況が続きました。
当社グループの経営環境について概観いたしますと、鋼製物置市場では、持家・分譲一戸建住宅の新設着工戸数が弱含みで推移しましたが、消費増税前の駆込み需要や緊急事態宣言解除後の需要増加により、鋼製物置の需要は堅調に推移しました。オフィス家具市場では、大規模オフィスビルの安定的な供給を背景にオフィスの移転需要及びリニューアル需要は堅調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大後は企業業績や景況感の悪化を背景に、需要は弱含みで推移しました。当連結会計年度における主要材料の平均鋼材価格は、引き続き高止まりで推移しました。
このような経営環境の中、当社は、代理店・販売店とのリレーション強化、物流拠点と販売拠点との連携強化、製品の強みを活かした積極的な用途提案などに加え、コスト低減及び品質・生産性向上の取り組みを進めてきました。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言の発出を受けて、当社グループは感染防止のため取引先への訪問自粛・出張禁止等、積極的な営業活動を自粛しました。しかしながら、取引先からの受注状況は想定していたほど悪化せず、当社は当感染症の感染防止策に留意したうえで、安定的な製品供給に努めてきました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高34,575百万円(前期比1.6%増)、営業利益1,891百万円(前期比6.4%増)、経常利益2,110百万円(前期比0.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,362百万円(前期比28.4%増)となりました。
また、売上高経常利益率は6.1%(前期比0.1ポイント減)、減価償却前営業利益は3,300百万円(前期比7.9%増)となりました。
当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症拡大による当社グループ業績への影響は軽微でありました。当感染症拡大による国内経済への影響は、徐々に解消していくものと思われますが、影響を解消するまで相当程度の時間を要し、不透明な状況が継続していくものと考えています。現時点で、当感染症拡大による当社グループ業績への影響は軽微であるものと予測していますが、今後、当感染症の感染状況やその経済環境への影響が大きく変化した場合には、当社グループを取り巻く経営環境は厳しさを増す可能性があるものと考えています。その場合の影響などについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (1)新型コロナウイルス感染症の影響」に記載しています。
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、34,575百万円(前期比1.6%増)となりました。鋼製物置の売上は、消費増税前の駆込み需要や緊急事態宣言解除後の需要増加により、前期に比べ579百万円の増収となりました。一方、オフィス家具の売上は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、前期に比べ44百万円の減収となりました。この結果、売上高は前期に比べ534百万円の増収となりました。
b.営業利益・経常利益
営業利益は、1,891百万円(前期比6.4%増)となりました。増収と原価率の低減により、売上総利益が前期に比べ281百万円の増益となりました。販売費及び一般管理費は前期に比べ167百万円の増加に留まりました。この結果、営業利益は前期に比べ113百万円の増益となりました。
経常利益は、2,110百万円(前期比0.3%減)となりました。スクラップ市況の低迷による作業屑売却益の減少に加え、前期に富岡工場建設に係る助成金収入を計上していたことによる反動減もあり、営業外収益が前期に比べ122百万円減少した影響が大きく、前期に比べ6百万円の減益となりました。
c.税金等調整前当期純利益
減損損失が前期の421百万円から減少し48百万円となったことから、特別損益は、前期の441百万円の損失(純額)に対し96百万円の損失(純額)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前期の1,676百万円に対し2,014百万円となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
法人税等費用は、前期の615百万円に対し652百万円となり、税効果会計適用後の法人税等の負担率は32.4%となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の1,060百万円に対し1,362百万円となりました。1株当たり当期純利益金額は、前期の60円39銭に対し77円56銭となりました。また、自己資本利益率は3.5%となりました。
e.セグメントの経営成績
当社グループは、「鋼製物置」「オフィス家具」の2つの報告セグメントに区分して評価、開示しています。
(鋼製物置)
鋼製物置事業においては、市場におけるシェアを維持・拡大し安定した収益を確保していくために、製品ラインナップの拡充や新たな用途開発に取り組んできました。
2020年2月に高級ガレージ「ARCIA(アルシア)」、ゴミ保管庫「大型ダストボックス」、自転車置場「BMタイプ」を発売し、製品ラインナップを充実させました。また、連結子会社イナバクリエイト株式会社は埼玉県越谷市にショールームを開設し、サテライトオフィスに活用可能な多目的スペース「NUUM CAMP(ヌーム キャンプ)」を展示しました。
鋼製物置の売上高は、23,488百万円(前期比2.5%増)となりました。上記の取り組みに加え、消費増税前の駆込み需要や緊急事態宣言解除後の需要増加もあり、小型製品、一般製品及びガレージ・倉庫等の大型製品などが堅調に推移し、前期に比べ579百万円の増収となりました。セグメント利益は、減価償却費や物流コストの増加などにより、前期から減益の2,752百万円(前期比3.4%減)となりました。鋼製物置事業の収益性の維持・改善については、課題を残す結果となりました。
(オフィス家具)
オフィス家具事業においては、高コスト体質による収益性に課題があり、引き続きコスト低減の取り組みを進めてきました。
オフィス家具の売上高は、11,087百万円(前期比0.4%減)となりました。オフィスでの働き方改革や健康への関心の高まりに対応した新しいオフィスづくりの提案を積極的に展開しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、売上高は前期に比べ44百万円の減収となりました。また、2020年1月に電動昇降デスク・エグゼクティブタイプ「Novie EX(ノヴィ イーエックス)」、ワゴンシリーズ「木目色タイプ」と「ショートタイプ」を追加し、製品ラインナップを充実させました。セグメント利益については、価格改定に加え、販管費のコスト抑制などにより、前期から増益の137百万円(前期は97百万円の損失)となり、収益性は改善しました。
f.目標との比較
当連結会計年度の目標「売上高34,700百万円、営業利益1,850百万円、経常利益2,120百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,330百万円、売上高経常利益率6.1%」に対し、実績は売上高34,575百万円(達成率99.6%)、営業利益1,891百万円(達成率102.2%)、経常利益2,110百万円(達成率99.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,362百万円(達成率102.4%)、売上高経常利益率6.1%となりました。
営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益及び売上高経常利益率は目標を達成しましたが、売上高及び経常利益は目標を達成できませんでした。
売上高は、目標に対し124百万円の未達となりました。未達の要因については、鋼製物置の売上高は消費増税前の駆込み需要等の影響を受けて、目標に対し458百万円上回りましたが、オフィス家具の売上高は厳しい価格競争が続き、目標に対し582百万円下回ったことによるものです。経常利益は、目標に対し9百万円の未達となりました。未達の要因は、売上高の未達によるものです。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は27,761百万円となり、前連結会計年度末に比べ465百万円減少しました。主な変動要因は、配当支払、納税、有価証券・投資有価証券の取得及び不動産の取得による現金及び預金の減少1,971百万円、受取手形及び売掛金の増加202百万円、電子記録債権の増加234百万円及び有価証券の増加1,000百万円です。
固定資産は26,426百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,339百万円増加しました。主な変動要因は、配送センター用地等の取得による土地の増加403百万円、新静岡営業所・配送センターの建設及び犬山工場の鋼製物置ライン再構築による建設仮勘定の増加1,062百万円、債券の取得による投資有価証券の増加206百万円、減価償却費の発生による機械装置及び運搬具の減少268百万円、及び無形固定資産のその他に含まれるソフトウェアの減少131百万円です。
この結果、当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ873百万円増加し、54,188百万円となりました。
(負債)
流動負債は12,126百万円となり、前連結会計年度末に比べ26百万円減少しました。主な変動要因は、支払手形及び買掛金の増加254百万円、納税による未払法人税等の減少377百万円、その他に含まれる未払金の減少545百万円と設備関係電子記録債務の増加306百万円です。
固定負債は2,820百万円となり、前連結会計年度末に比べ6百万円減少しました。主な変動要因は、役員株式給付引当金の増加39百万円、退職給付に係る負債の減少147百万円、その他に含まれる受入営業保証金の増加62百万円です。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ32百万円減少し、14,947百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末に比べ906百万円増加し、39,240百万円となりました。主な変動要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加1,362百万円、配当支払による利益剰余金の減少457百万円です。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は72.4%、1株当たり純資産額は、2,234円17銭となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により増加したキャッシュ・フローは、2,488百万円(前連結会計年度は3,465百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上2,014百万円及び減価償却費の発生1,439百万円の収入を計上した一方、法人税等の支払1,019百万円の支出を計上したことなどによるものです。
前期差の主な要因は、税金等調整前当期純利益の増加や仕入債務の増加に伴う収入があったものの、売上債権の増加や法人税等の支払額が前期に比べ増加したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により減少したキャッシュ・フローは、4,000百万円(前連結会計年度は1,628百万円の減少)となりました。これは、定期預金の払戻1,000百万円及び投資有価証券の償還200百万円の収入を計上した一方、定期預金の預入2,000百万円、有形固定資産の取得2,645百万円及び投資有価証券の取得506百万円の支出を計上したことなどによるものです。
前期差の主な要因は、定期預金の払戻や投資有価証券の償還等に伴う収入があったものの、定期預金の預入や設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出が前期と比べ増加したためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により減少したキャッシュ・フローは、458百万円(前連結会計年度は459百万円の減少)となりました。これは、配当金の支払457百万円の支出を計上したことなどによるものです。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は14,687百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,971百万円減少しました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年8月1日 至 2020年7月31日) | 前期比(%) |
| 鋼製物置(百万円) | 20,874 | 100.2 |
| オフィス家具(百万円) | 5,429 | 99.3 |
| 合計(百万円) | 26,304 | 100.0 |
(注)1.金額は販売価格としています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
b.受注実績
当社は、原則として見込生産を主体とする生産方式を採っていますが、オフィス家具の一部について、OEM先に対し受注生産を行っています。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| オフィス家具 | 2,787 | 107.4 | 276 | 244.8 |
(注)1.金額は販売価格としています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年8月1日 至 2020年7月31日) | 前期比(%) |
| 鋼製物置(百万円) | 23,488 | 102.5 |
| オフィス家具(百万円) | 11,087 | 99.6 |
| 合計(百万円) | 34,576 | 101.6 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年8月1日 至 2019年7月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年8月1日 至 2020年7月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ユアサ商事株式会社 | 8,947 | 26.3 | 9,221 | 26.7 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2020年10月23日)現在において経営者が判断したものです。
① 経営成績の分析
経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照下さい。
② 財政状態の分析
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照下さい。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
④ 流動性と資金の源泉
当社グループでは、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針としています。
当社グループは、資金需要として主に材料、商品等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用に加え、設備投資、研究開発や配当支払を見込んでいます。運転資金及び設備資金については、自己資金又は銀行からの資金調達を行うこととしています。
当連結会計年度末における借入金の残高はありませんが、本有価証券報告書提出日(2020年10月23日)現在において、総額7,350百万円の無担保の当座貸越契約を複数の金融機関との間で締結しています。
また、当社グループは当連結会計年度末において現金及び現金同等物14,687百万円を保有しています。また、換金性の高い金融資産も保有していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないものと認識しています。
⑤ 設備投資額と減価償却費
当連結会計年度の設備投資額(無形固定資産を含む)は、前期の1,872百万円から673百万円増加し、2,545百万円となりました。主要な設備投資は、犬山工場生産設備1,149百万円、柏工場生産設備267百万円、富岡工場社員寮226百万円です。
減価償却費(無形固定資産を含む)は前期の1,314百万円から125百万円増加し、1,439百万円となりました。なお、有形固定資産のみの減価償却費は、前期の1,170百万円から110百万円増加し、1,280百万円となりました。
(4) 経営成績等に重要な影響を与える要因について
「2 事業のリスク」に記載しています。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表を作成するために、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行っています。経営者は、これらの見積もりについて過去の経験・実績や現在及び見込まれる経済状況など勘案し、合理的に判断していますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果になる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針等、会計上の見積り及び見積りに用いた仮定については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。また、特に以下の重要な会計方針及び見積りの適用が、その作成において用いられる見積り及び予測により、当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の課税所得に関するものを含めた様々な予測・仮定に基づいて繰延税金資産を計上しており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。また、将来の課税所得に関する予測・課税に基づいて、当社又は子会社が繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご覧ください。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染状況や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しています。