有価証券報告書-第157期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/22 12:54
【資料】
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【項目】
61項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社は、2016年11月8日に創立100周年を迎えました。当社グループの企業理念の実現に向けて、創立100周年から10年後の2026年に目指していく姿を「NSKビジョン2026(あたらしい動きをつくる。)」として策定しました。
この「NSKビジョン2026」の下、当社グループは2016年度から2018年度迄の第5次中期経営計画を進めています。この中期経営計画では、「次の100年に向けた進化のスタート」をスローガンとし、「オペレーショナル・エクセレンス(競争力の不断の追求)」と「イノベーション&チャレンジ(あたらしい価値の創造)」を方針に据えて、持続的成長、収益基盤の再構築、新成長領域確立の3つの経営課題に取り組んでいます。
当連結会計年度の世界経済を概観すると、日本経済は消費の持ち直しや雇用情勢の着実な改善もあり、緩やかに回復しました。米国経済は雇用者数の増加や設備投資の増加を受け、引き続き堅調に推移しました。欧州では、消費の拡大や設備投資の緩やかな増加を受け、ユーロ圏を中心に回復傾向となりました。また、中国は各種政策効果もあり底堅く推移しました。その他アジアでは、各国で緩やかな回復の動きがみられました。
このような経済環境下、当連結会計年度の売上高は1兆203億38百万円と前期に比べて7.5%の増収となりました。営業利益は978億75百万円(前期比+49.8%)、税引前利益は972億48百万円(前期比+52.9%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は693億12百万円と前期に比べて52.1%の増益となりました。
当社グループのセグメントごとの市場環境と業績は次のとおりです。
(産業機械事業)
産業機械事業の回復が続いています。当社グループの状況を地域別にみると、日本では、工作機械及び電機向けを中心に増収となりました。米州は半導体製造装置や一般産業機械向けの売上高が増加しました。欧州においては、工作機械やアフターマーケット向けを中心に増収となりました。中国では、電機及びアフターマーケット向けが堅調に推移し売上高が増加しました。その他アジアにおいては、半導体製造装置向けを中心に需要の回復が続き増収となりました。
この結果、産業機械事業の売上高は2,662億49百万円(前期比+17.3%)、営業利益は283億33百万円(前期比+93.3%)となりました。
(自動車事業)
自動車事業は緩やかな拡大が続きました。当社グループの状況を地域別にみると、日本では、トランスミッション向けを中心に売上高が増加しました。米州は米国市場の減速により減収となりました。欧州は堅調な自動車販売を受け増収となりました。中国では、販売構成の影響もあり売上高は微増に留まりました。その他アジアにおいては、インドを中心に売上高が増加しました。
この結果、自動車事業の売上高は7,235億64百万円(前期比+3.9%)、営業利益は659億63百万円(前期比+2.1%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は1,312億83百万円となり、前連結会計年度末に比べて82億89百万円減少しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られたキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて158億10百万円増加し、837億46百万円の収入となりました。主な収入の内訳は、税引前利益972億48百万円、減価償却費及び償却費467億85百万円であり、一方で主な支出の内訳は、売上債権の増加124億64百万円、棚卸資産の増加103億82百万円、仕入債務の減少111億16百万円、法人所得税の支払額188億35百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて12億41百万円減少し、530億1百万円の支出となりました。主な支出の内訳は、有形固定資産の取得による支出613億97百万円であり、一方で主な収入の内訳は、その他の金融資産の売却及び償還による収入169億41百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて86億9百万円減少し、398億4百万円の支出となりました。主な収入の内訳は、長期借入れによる収入120億円、社債の発行による収入200億円であり、一方で主な支出の内訳は、長期借入金の返済による支出486億87百万円、配当金の支払額174億38百万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの販売・生産品目は極めて広範囲かつ多種多様であり、また見込み生産を行う製品もあるため、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示していません。このため、販売及び生産の状況については、「①財政状態及び経営成績の状況」に関連づけて記載しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月22日)現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告金額及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り・予測を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。
なお、連結財務諸表作成にあたっての重要な会計方針等は、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1) [連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 3.重要な会計方針の要約」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度における当社グループの経営成績の分析は次のとおりです。
当社グループでは、世界経済の緩やかな回復傾向の中で各事業セグメントの業績は好調に推移し、売上高及び営業利益ともに過去最高を更新することができました。
産業機械事業では、工作機械・半導体・電機などの各セクター向けが好調に推移し、旺盛な需要に伴う物量増加を背景に、売上高・営業利益ともに大きく伸ばすことができました。能力増強投資等により生産力強化を行うとともに、高付加価値製品や高収益セクターへ注力することでポートフォリオの改善を行い、収益力強化を進めております。今後も、市場におけるプレゼンスの中長期的拡大のため、成長分野に注力し、収益性を伴う事業の拡大を図っていきます。
また、自動車事業においては、グローバルに自動車生産台数の緩やかな拡大が継続し、特に日本のパワートレインビジネスが好調に推移したことで、過去最高の売上高を更新しました。材料価格の上昇などのコスト増要因はありましたが、生産性向上やその他の費用削減につとめたことにより、営業利益も9%台の利益率を維持することができました。今後も、パワートレインビジネスによる成長継続と、これまで蓄積してきた要素技術と新たに取組む技術開発によって、EV・自動運転などの自動車新技術への貢献を目指していきます。
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの事業展開、経営成績及び財務状況等に重要な影響を与えるリスク要因については、「2[事業等のリスク]」に記載のとおりです。
(資本の財源及び資金の流動性)
(a) 財政状態の分析
資産合計は1兆923億10百万円となり、前連結会計年度末に比べて483億55百万円増加しました。主な増加は売上債権及びその他の債権162億45百万円、棚卸資産112億42百万円、有形固定資産226億91百万円、退職給付に係る資産92億2百万円であり、主な減少はその他の金融資産(流動)103億30百万円です。負債合計は5,312億96百万円となり、前連結会計年度末に比べて276億47百万円減少しました。主な増加は繰延税金負債58億23百万円であり、主な減少は仕入債務及びその他の債務84億15百万円、その他の金融負債(流動)20億72百万円、金融負債(非流動)142億30百万円、退職給付に係る負債58億17百万円、引当金(非流動)32億10百万円です。資本合計は5,610億14百万円となり、前連結会計年度末に比べて760億3百万円増加しました。主な増加は親会社の所有者に帰属する当期利益 693億12百万円、その他の資本の構成要素206億49百万円です。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて50億61百万円増加し5,113億46百万円となり、また、流動負債は、前連結会計年度末に比べて106億42百万円減少し3,079億60百万円となりました。その結果、流動比率は、前連結会計年度末の1.59倍に対して1.66倍となりました。有利子負債につきましては、有利子負債総額は前連結会計年度末から164億91百万円減少して2,509億8百万円となり、純有利子負債(有利子負債残高から現金及び現金同等物残高を差し引いたもの)は前連結会計年度末から82億2百万円減少し1,196億24百万円となりました。ネットD/Eレシオは、前連結会計年度の0.28から0.22となりました。1株当たり親会社所有者帰属持分は、前連結会計年度の873.11円から1,016.30円へ増加しました。また親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の44.2%から49.2%となりました。
(b) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。また、資本的支出の状況については、「第3[設備の状況]」に記載のとおりです。
(c) 財政政策
当社グループは現在、自己資金及び借入れ等により資金調達することとしています。運転資金につきましては、借入れによる資金調達を行う場合、期限が一年以内の短期借入金で、各々の連結会社が使用する現地通貨で調達することが一般的です。2018年3月末現在、短期借入金の残高は620億39百万円となっています。また、生産設備などの長期資金は、主として長期借入金及び社債で調達しています。2018年3月末現在、長期借入金・社債の残高は1,888億68百万円となっており、内訳は金融機関からの借入金1,088億68百万円、無担保社債800億円となっています。
今後も当社グループは、財務及び収益体質の強化により、有利子負債の削減を目指します。当社グループは、その健全な財務状況、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力、コミットメントライン契約150億円及びコマーシャルペーパー発行枠500億円などにより、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えています。
(3) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
(並行開示情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに関する項目との差異に関する事項につきまして、当社は日本基準に基づく連結財務諸表を作成しておらず、差異の金額を算定することが困難であるため、以下の通り概算値を記載しています。
① 表示方法の変更
日本基準では、営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失に表示していた項目を、IFRSでは財務関連項目を金融収益又は金融費用へ、それ以外の項目については、持分法による投資利益、その他の営業費用等へ表示しています。
② 退職給付に係る費用
日本基準では、発生した数理計算上の差異及び過去勤務費用をその他の包括利益として認識した後に、一定の期間で償却していました。IFRSでは、発生した数理計算上の差異はその他の包括利益として認識し、過去勤務費用は純損益として認識することが求められています。
この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、売上原価、販売費及び一般管理費が約42億円減少しています。

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