四半期報告書-第161期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/06 9:04
【資料】
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【項目】
34項目
(1) 業績の状況
当社グループは、「次の成長に向けた事業基盤の強化」を目標に、2019年度から2021年度までの3ヵ年を第6次中期経営計画として位置づけ、様々な取り組みを推進しています。安全・品質・コンプライアンス・環境を当社グループのコアバリューとした上で、「オペレーショナル・エクセレンス(競争力の不断の追求)」と「イノベーションへのチャレンジ(あたらしい価値の創造)」の2つの方針を掲げ、成長への新たな仕掛け、経営資源の強化、環境・社会への貢献の3つの経営課題に取り組んでいます。
当第1四半期連結累計期間の世界経済を概観すると、新型コロナウイルスの感染状況は国・地域でばらつきがみられましたが、段階的に経済活動の正常化が進んだことで、景気は持ち直しの動きが継続しました。
日本は海外経済の回復を背景に輸出が増加するなど持ち直しつつあるものの、個人消費の一部には依然として弱い動きがみられます。米国では大規模な経済対策や行動規制の緩和に伴う個人消費の回復などにより、景気は着実に持ち直しています。欧州はワクチン接種の進展により感染拡大にブレーキがかかり、経済再開による個人消費の高まりと設備投資の増加を受けて回復に転じました。中国では固定資産投資が堅調に推移したことに加えて、米国向けを中心に輸出の拡大基調が持続するなど緩やかに回復しています。
このような経済環境の下、当第1四半期連結累計期間の売上高は2,134億58百万円と前年同期に比べて65.6%の増収となりました。営業利益は91億77百万円(前年同期は129億3百万円の損失)、税引前四半期利益は94億78百万円(前年同期は125億27百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は48億33百万円(前年同期は96億99百万円の損失)となりました。
当社グループのセグメントごとの業績は次のとおりです。
① 産業機械事業
産業機械事業は、半導体需要の拡大に加えて収益環境の改善を受けた製造業を中心にグローバルで設備投資に回復の動きがみられ、対前年同期比で増収となりました。
地域別では、日本は工作機械、半導体及び電機・電装向けを中心に需要が増加しました。米州及び欧州では電機・電装やアフターマーケット向けの販売が増加し増収となりました。中国は工作機械やアフターマーケット向けの需要が堅調に推移し増収となりました。
この結果、産業機械事業の売上高は821億93百万円(前年同期比+40.6%)となりました。営業利益は各地域で販売が増加したことにより、65億31百万円(前年同期は6億79百万円の損失)となりました。
当事業では、今後も需要動向の変化に機動的な対応をしていきます。また、IoTや5Gの進展をはじめ、ロボティクスや再生可能エネルギーなどの社会的ニーズが高まる中、これらの成長分野に対応した新たな事業基盤の構築を進めていくことで、市場におけるプレゼンスの中長期的な向上と、収益を伴う事業の拡大を図っていきます。
② 自動車事業
自動車事業は、車載用半導体等一部部材の供給不足などにより自動車市場が伸び悩んだものの、前年同期に新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受けて自動車生産台数が大幅に落ち込んだ反動により、対前年同期比で増収となりました。
地域別では、日本は需要が低迷した前年同期からの回復により増収となりました。米州及び欧州では前年同期にコロナ禍によるロックダウンなどで落ち込んだ自動車販売が回復に転じたことで増収となりました。中国は、昨年春以降に自動車市場がいち早く回復しており微増となりました。その他アジアではアセアン、インドを中心に増収となりました。
この結果、自動車事業の売上高は1,217億32百万円(前年同期比+84.5%)、営業利益は各地域で販売が増加したことにより、16億75百万円(前年同期は119億39百万円の損失)となりました。
当事業では、オートマチックトランスミッションの搭載率向上や多段化、自動車の電動化などへ対応することでパワートレインビジネスの拡大を図るとともに、ステアリングビジネスの再成長や、搭載の義務化が期待される電動ブレーキシステムにも注力していきます。さらに、これまで蓄積してきた技術と新たに取り組む技術開発によって、電動化・自動運転といった自動車の技術革新への貢献を目指します。また、生産性向上や固定費抑制を進めることで、収益力の改善を図っていきます。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間は、業況が回復していることに伴い、前連結会計年度に新型コロナウイルス感染拡大をはじめとする不測の事態による流動性リスクに備えて調達した借入金の一部を返済しました。その結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べて150億32百万円減少し、その他の金融負債(流動)は132億6百万円減少しました。一方で、需要増加に備えて生産量を増やしたことにより、棚卸資産は135億27百万円増加しました。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末における資産合計は前連結会計年度末に比べ47億96百万円増加した1兆1,722億94百万円となり、負債合計は前連結会計年度末に比べ94億37百万円減少した5,846億32百万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は、剰余金の配当による減少があるものの、親会社の所有者に帰属する四半期利益、その他の資本の構成要素の増加等により、前連結会計年度末に比べて142億33百万円増加した5,876億61百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は1,616億6百万円となり、前連結会計年度末に比べて150億32百万円減少しました。また、前年同期末に比べて242億84百万円減少しました。
業況の回復に伴い借入金の一部返済を行ったこと等により、現金及び現金同等物の残高が減少しました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られたキャッシュ・フローは、税引前四半期利益94億78百万円から減価償却費及び償却費、運転資本等の加減算を行った結果、前年同期に比べて35億40百万円増加し、129億49百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、前年同期に比べて28億20百万円減少し、59億84百万円の支出となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出60億78百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用されたキャッシュ・フローは、227億57百万円の支出となりました(前年同期は473億13百万円の収入)。主な内訳は、配当金の支払額50億5百万円、短期借入金の純減額156億47百万円です。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(5) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、44億0百万円です。なお、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。