有価証券報告書-第71期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 16:21
【資料】
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【項目】
154項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)業績報告
概要
当連結会計年度の事業環境は、欧米経済は英国のEU離脱交渉の行方に不透明感が漂うものの、内外需要の回復に加え米国新政権が掲げる財政出動、減税等への期待が高まる中で緩やかに景気拡大が続きました。一方、中国経済は公共投資の下支えを背景に景気減速からの回復が期待されていますが、依然景気の先行きに対する不透明感を払拭できない状況にあります。
その中で、機械加工品事業では、ボールベアリングは需要増により外販として過去最高の販売数量を更新し、ピボットアッセンブリーはHDD市場規模縮小の影響を受ける中で販売数量が増加しましたが、為替の影響等で売上は減少しました。
電子機器事業も、液晶用バックライトは、スマートフォン市場における薄型技術に優位性を持つ当社製品への需要は依然として堅調に推移しました。ステッピングモーターをはじめとするモーターでは自動車向けを中心に好調に推移したものの、為替の影響等により売上は減少しました。
また、本年1月27日付でミツミ電機株式会社との株式交換による経営統合を実施し、同統合日より同社を連結対象に組み入れたことにより、ミツミ事業を新たに報告セグメントとして開示しております。
当連結会計年度の業績は、売上高は前連結会計年度に比べ4.8%増収の638,926百万円となり、創業以来の過去最高売上高を更新しました。営業利益は4.7%減益の49,015百万円、経常利益は3.7%増益の48,393百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は13.1%増益の41,146百万円となりました。なお、上記には、統合日以降のミツミ電機株式会社の損益に加えて、企業結合手続により発生した負ののれん14,619百万円(特別利益)及び株式希薄化対策として買い戻した転換社債の償還損6,196百万円(特別損失)が含まれております。
機械加工品事業
主力製品であるボールベアリングは、自動車向けでの省エネや安全装置用のニーズ拡大による需要増により外販として過去最高の販売数量を更新しましたが、為替の影響等により売上は減少しました。一方、ロッドエンドベアリングは、民間航空機市場での大型機の生産減、為替の影響等により売上は減少しました。ピボットアッセンブリーは、HDD市場規模縮小の影響を受ける中で販売数量は増加しましたが、為替の影響等により売上は減少しました。これらの結果、売上高は前連結会計年度に比べ4.6%減収の156,310百万円となり、営業利益は4.2%減益の39,147百万円となりました。
電子機器事業
液晶用バックライトは、スマートフォン市場における薄型技術に優位性を持つ当社への需要は、依然として堅調に推移しております。ステッピングモーターをはじめとするモーターでは自動車向けを中心に好調に推移しました。しかしながら、為替の影響等により売上は減少しました。これらの結果、売上高は前連結会計年度に比べ0.9%減収の441,615百万円となり、営業利益は2.0%減益の21,898百万円となりました。
ミツミ事業
カメラ用アクチュエーター、スイッチ、保護IC等スマートフォン向け製品は、北米、中国向けで堅調に推移しました。また、アンテナ、通信モジュール、コネクタ等の車載製品も売上を伸ばしました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は40,342百万円となり、営業利益は2,315百万円となりました。
その他の事業
自社製機械が主な製品であります。当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ22.8%増収の658百万円となり、営業損失は120百万円と前連結会計年度に比べ4百万円の改善となりました。
販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ5,129百万円増加し、76,833百万円となりました。売上高比率では12.0%で前連結会計年度に比べ0.2ポイント悪化しました。
営業外損益
営業外損益は、前連結会計年度の4,777百万円の費用(純額)に対して4,155百万円改善し622百万円の費用(純額)となりました。
特別損益
特別利益の主なものは、ミツミ電機株式会社との経営統合及び株式交換に伴う負ののれん発生益14,619百万円であります。また、特別損失の主なものは、社債償還損6,196百万円、減損損失3,921百万円、固定資産除却損1,926百万円であります。
(2)流動性及び資金の源泉
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は78,832百万円と、ミツミ電機株式会社及びその子会社の新規連結による増加32,472百万円があり、前連結会計年度末に比べ49,690百万円増加しました。
当連結会計年度の各活動におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ90.7%増加の83,125百万円の収入となりました。収入の主なものは、税金等調整前当期純利益48,473百万円、たな卸資産の減少25,847百万円、減価償却費28,164百万円、支出の主なものは、売上債権の増加15,179百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ4.8%増加の46,800百万円の支出となりました。支出の主なものは、有形固定資産の取得による支出29,216百万円及び有価証券の取得による支出13,896百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ312.8%増加の17,339百万円の支出となりました。支出の主なものは、長短借入金の返済(純額)13,946百万円及び配当金の支払額6,368百万円であります。