有価証券報告書-第111期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 11:38
【資料】
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【項目】
166項目
[業績等の概要]
(1) 業績
当社グループでは、2021年12月に次の5カ年を対象とする成長戦略を策定しました。高齢化社会における慢性疾患との共生や患者さんのQOL向上、ゲノム医療とAIの進化による個別化医療の進展といった、医療のパラダイムシフトに対応するための中長期ビジョンとして「デバイスからソリューションへ」を掲げました。製品軸から顧客軸へフォーカスを移し、医療のエコシステム全体とより積極的にかかわることで、顧客の課題に複合的なソリューションを提案できる企業を目指して経営を推進しています。
5カ年成長戦略の4年目となる当期の連結業績は以下のとおりです。
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
売上収益1,036,1711,131,87795,7069.2
(海外)818,964909,27490,30911.0
(日本)217,206222,6035,3962.5
調整後営業利益203,445219,36915,9237.8
営業利益157,668176,32018,65211.8
税引前利益154,574178,25223,67715.3
当期利益116,978135,91418,93516.2
親会社の所有者に帰属
する当期利益
116,978135,91418,93516.2

セグメントの業績は以下のとおりです。
セグメントの名称前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減額
(百万円)
心臓血管カンパニー売上収益624,357676,42152,063
調整後営業利益154,682163,9949,312
メディカルケア
ソリューションズ
カンパニー
売上収益211,235216,1384,903
調整後営業利益22,99321,568△1,424
血液・細胞テクノロジー
カンパニー
売上収益200,280231,03730,756
調整後営業利益26,48233,6357,152
オーガン
テクノロジーズ事業
売上収益-7,985-
調整後営業利益-1,665-

(注) 調整後営業利益は、営業利益から買収に伴い取得した無形資産の償却費及び一時的な損益を調整した利益です。
<心臓血管カンパニー>海外は、インターベンショナルシステムズ事業を中心に全事業で伸長し、前期比8.6%の増収となりました。日本は、インターベンショナルシステムズ事業及びニューロ事業の売上が好調に推移し、前期比5.9%の増収となりました。
その結果、心臓血管カンパニーの売上収益は前期比8.3%増の6,764億円となりました。

<メディカルケアソリューションズカンパニー>日本は、ホスピタルケアソリューション事業において、一部事業の終了等の影響を受けたものの、ファーマシューティカルソリューション事業が伸長し、前期比0.4%の増収となりました。海外は、北米及び欧州で売上が増加し、前期比7.2%の増収となりました。
その結果、メディカルケアソリューションズカンパニーの売上収益は前期比2.3%増の2,161億円となりました。

<血液・細胞テクノロジーカンパニー>海外は、北米における血漿イノベーションビジネスの展開加速に伴いグローバルブラッドソリューションが好調に推移し、前期比15.5%の増収となりました。日本は、採血関連製品の売上が増加し、前期比13.2%の増収となりました。
その結果、血液・細胞テクノロジーカンパニーの売上収益は前期比15.4%増の2,310億円となりました。

<オーガンテクノロジーズ事業>当社は、2025年10月29日付でオーガノックス, Ltd.の全株式を取得し、同社を完全子会社化したことに伴い、取得日以降の同社の業績を連結業績として開示しております。また、オーガノックス, Ltd.が手掛ける事業の名称を「オーガンテクノロジーズ事業」に決定しました。なお、本決定は事業内容の変更を伴うものではありません。
当該セグメントの売上高は、北米市場を中心とした事業拡大により、80億円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
≪キャッシュ・フロー計算書概要≫
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減額
(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー210,802230,85220,049
投資活動によるキャッシュ・フロー△82,481△344,102△261,620
財務活動によるキャッシュ・フロー△108,766155,503264,269
現金及び現金同等物の期末残高221,872280,49458,621

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,309億円となりました。税引前利益1,783億円、減価償却費及び償却費954億円、法人所得税の支払額416億円が主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3,441億円となりました。オーガノックス, Ltd.やドイツレバークーゼン工場の取得等に伴う関係会社又はその他の事業の取得による支出2,483億円、生産設備等への投資に伴う有形固定資産の取得による支出852億円、新ITシステムへの投資等に伴う無形資産の取得による支出168億円が主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、1,555億円となりました。オーガノックス, Ltd.の買収を目的とした借入れによる収入2,398億円、配当金の支払額413億円、長期借入金の返済による支出350億円が主な要因です。
また、上記に加えて、現金及び現金同等物に係る換算差額により164億円増加した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より586億円増加して2,805億円となりました。
[生産、受注及び販売の状況]
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
報告セグメント金額(百万円)前連結会計年度比(%)
心臓血管カンパニー703,93113.4
メディカルケアソリューションズカンパニー217,31710.3
血液・細胞テクノロジーカンパニー242,59918.0
合計1,163,84813.7

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.報告セグメントに含まれる製品は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 ⑥連結財務諸表注記 5.セグメント情報 (1) 報告セグメントに関する基礎」をご覧ください。
3.当連結会計年度の仕入製品の仕入実績は、当連結会計年度平均販売価格算出で、49,858百万円です。
4.オーガンテクノロジーズ事業につきましては、生産を定義することが困難であるため、記載を省略しております。
(2) 受注実績
当社グループは主として見込み生産を行っているため、受注実績の記載をしておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
報告セグメントサブセグメント金額(百万円)前連結会計年度比(%)
心臓血管カンパニーインターベンショナル
システムズ
443,5059.2
ニューロ106,90210.0
カーディオバスキュラー70,0204.0
アオルティック55,9934.6
メディカルケアソリューションズ
カンパニー
ホスピタルケアソリューション146,1160.6
ライフケアソリューション20,761△2.8
ファーマシューティカルソリューション49,26010.4
血液・細胞テクノロジーカンパニー231,03715.4
オーガンテクノロジーズ事業7,985-
調整額294△1.1
合計1,131,8779.2

(注) 1.調整額294百万円は、報告セグメントに帰属しない外部向け人材派遣による収入等です。
2.報告セグメントに含まれる製品は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 ⑥連結財務諸表注記 5.セグメント情報 (1) 報告セグメントに関する基礎」をご覧ください。
[財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在において判断したものです。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので将来生じる実際の結果と差異が生じる可能性があります。
(1) 経営成績
<連結業績について>
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
売上収益1,036,1711,131,87795,7069.2
売上総利益560,670594,67534,0056.1
調整後営業利益203,445219,36915,9237.8
営業利益157,668176,32018,65211.8
税引前利益154,574178,25223,67715.3
当期利益116,978135,91418,93516.2
親会社の所有者に帰属
する当期利益
116,978135,91418,93516.2

① 売上収益
売上収益は、前期比9.2%増の1兆1,319億円となりました。グローバルで医療需要の拡大が継続し、米州を中心に主要ビジネスが成長し、当社グループの販売は好調に推移しました。
海外は、アクセス製品を中心としたインターベンショナルシステムズ事業や、血漿イノベーションビジネスの展開加速を受けてグローバルブラッドソリューションが拡大し、前期比11.0%の増収となりました。
日本は、ファーマシューティカルソリューション事業の売上が好調に推移し、前期比2.5%の増収となりました。
なお、地域別の売上収益及びその前期比は、下図のとおりです。

② 利益
売上総利益は、米国における関税政策の影響を受けつつも売上収益の増加により、前期比6.1%増の5,947億円となりました。
調整後営業利益は、売上総利益の増加等により、前期比7.8%増の2,194億円となりました。
営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、売上総利益の増加等により、いずれも増益となりました。
なお、当社グループは、当社グループが適用する会計基準であるIFRSにおいて定義されていない、調整後営業利益という業績管理指標を追加的に開示しております。調整後営業利益は、営業利益から買収に伴い取得した無形資産の償却費及び一時的な損益を調整した利益であり、セグメント利益と一致しています。
調整後営業利益は、当社グループが中長期的に持続的な成長を目指す上で、各事業運営の業績を把握するために経営管理に利用している指標であり、財務諸表の利用者が当社グループの業績を評価する上でも、有用な情報であると考えております。
セグメントごとの業績の概況については、「[業績等の概要] (1) 業績」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
<主要財務指標>
前連結会計年度当連結会計年度
親会社所有者帰属持分当期利益率8.7%9.2%
資産合計当期利益率6.4%6.6%
親会社所有者帰属持分比率74.8%68.5%
1株当たり親会社所有者帰属持分927.851,074.18
フリー・キャッシュ・フロー128,321百万円△113,249百万円

① 資産
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,838億円増の2兆3,122億円となりました。
これは主に、オーガノックス, Ltd.の取得等によりのれん及び無形資産が2,582億円増加、生産設備への投資やドイツレバークーゼン工場の取得等により有形固定資産が754億円増加、事業規模の拡大等により現金及び現金同等物が586億円増加、為替相場が円安方向に推移した影響等により棚卸資産が412億円増加したことによるものです。
② 負債
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,679億円増の7,277億円となりました。
これは主に、オーガノックス, Ltd.の買収を目的とした借入れ等により社債及び借入金が2,050億円増加したことによるものです。
③ 資本
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ2,160億円増の1兆5,845億円となりました。
これは主に、当期利益の計上により1,359億円増加、為替相場が円安方向に推移した影響等に伴うその他の包括利益の計上により1,210億円増加した一方で、剰余金の配当により413億円減少したことによるものです。
なお、キャッシュ・フローの状況については、「[業績等の概要] (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度の「[業績等の概要] (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。
② 財務政策
当社グループは、資本政策の基本方針として「事業オペレーション改善などを通じた資産効率の向上と、財務健全性も考慮した適正な資本構成の構築を図りつつ、売上成長・利益率改善に加えて、投下資本利益率(ROIC)及び株主資本利益率(ROE)の改善を目指します」を掲げております。
運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料、部品購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。研究開発費は営業費用の一部として計上されます。また、持続的な成長のため、設備投資をはじめ、企業買収による投資などへの投資資金需要が発生します。
当連結会計年度における重要な資本的支出の予定とその主な財源は「第3設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、資本政策の基本方針に沿って、内部資金、借入、社債等により調達しております。具体的には、年度事業計画に基づく資金調達計画を策定・更新するとともに、定期的に手元流動性及び有利子負債の状況等を把握・集約しております。また、欧米・アジア・中国の拠点とキャッシュマネジメントシステムを運用し、グループ内余剰資金を活用するなど資金効率の向上に努めています。
さらに、金融機関には十分な借入枠を有しており、内部資金、資金調達と併せ、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備等投資資金を調達することは可能であると考えています。中長期的な成長投資は継続しつつ、さらにM&Aに関しても持続的かつ収益性のある成長に資する案件は、今後も継続し追求します。一方、不急とみなすことのできる経費や投資案件は見直していきます。
また、利益配分につきましては、「安定した増配に加えて、成長投資や財務健全性等を総合的に勘案しながら、総還元性向50%を水準に自己株式取得も検討する」を基本方針としております。2026年6月26日開催予定の定時株主総会における期末配当の議案により、当期の年間配当金は1株につき30円(うち中間配当金15円)となり、実質4円増配を予定しております。次期の年間配当金につきましては、1株につき36円(うち中間配当金18円)を予定しております。
なお、当連結会計年度の有利子負債の残高については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ⑥連結財務諸表注記 15.社債及び借入金」に記載のとおりです。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ⑥連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 見積り及び判断の利用」に記載のとおりです。
(5) 次期の見通し
2027年3月期においても、医療需要の増加傾向が継続し、欧米を中心に売上収益の拡大が見込まれます。マクロ環境は、サプライチェーンの混乱や、原材料価格の高騰リスクは継続するものと考えます。また、中東情勢をはじめとする地政学リスクも高まり、先行きは不透明な状況になっています。このような環境下において、業績予想については、売上収益、調整後営業利益において増収増益を見込んでいます。米国における関税政策と中東情勢の影響についても一定の想定に基づき影響額を推定し、業績見通しに織り込んでいます。製造現場における生産性の向上、コスト削減策等、市場環境に応じた適切な対策を今後も推進していきます。高成長が見込まれる分野では、引き続き生産能力の拡大を中心とする設備投資を進める予定です。また、5カ年成長戦略「GS26」の最終年度である今期においても、医療従事者の不足や院内業務効率化の推進等、医療現場の課題に向き合い、新たな価値・ソリューションを提供する事業の拡大・創出に取り組むことで、成長戦略で掲げた目標の達成を目指します。

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