有価証券報告書-第62期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/29 12:10
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137項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績
当期における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により大きな打撃を受け、米中間の緊張にも緩和の兆しが見えないなど、非常に厳しい状況で推移しました。
自動制御機器の需要は、中国ではすべての業種向けで大幅に増加したほか、半導体関連向けがその他のアジア、北米、欧州、日本など各地域で好調で、北米の自動車関連、欧州の工作機械向けなどでも年度後半から回復基調に転じました。
(地域別の販売の状況)
日本では、新型コロナウイルス感染症の影響により急速に落ち込んだ需要は、2020年8月を底に回復に転じましたが、回復の動きは力強さを欠きました。半導体関連向けの売上は堅調でしたが、自動車関連及び工作機械向けの売上減少を補うことはできず、全体としては前期を下回る結果となりました。
北米では、半導体関連向けの売上は好調が続いたほか、基幹産業である自動車関連の設備投資の回復に伴って、関連する工作機械向けなども含めた幅広い業種で、年度後半にかけて需要の立ち上がりが鮮明になりました。一方で半導体の不足や物流の停滞の懸念も引続き残っています。
欧州では、新型コロナウイルス感染症の影響は継続しており、当社グループの営業活動も引続き制約を受けていますが、半導体・電機関連及び工作機械向けを中心に需要は回復傾向にあり、全体としては前期並みの売上を確保しました。
中国では、すべての業種向けの売上が好調を持続しました。その他のアジア地域における売上は、半導体関連向けの需要が主体である台湾、韓国、シンガポール、マレーシアでは好調でしたが、自動車関連向けの需要が主体であるインドやタイでは低調でした。
南米・オセアニアなどその他の地域では、新型コロナウイルス感染症により深刻な打撃を受け、売上は前期を下回りました。
このような状況の中で当社グループは、新型コロナ対策を徹底して製品供給能力の維持に努める一方、省エネ性能に優れた新製品の開発、グローバル連携による積極的な販売活動の推進などの課題に引続き取り組みました。
この結果、当期の連結売上高は552,178百万円(前期比5.0%増)となり、主に増収の効果と販管費の減少により営業利益は153,355百万円(同4.9%増)となりました。受取利息は減少したものの為替差益の計上などから経常利益は171,827百万円(同8.4%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は121,790百万円(同10.2%増)となりました。
自己資本当期純利益率(ROE)は、前期に比べ0.4ポイント上昇して9.3%となりました。
なお、単一の報告セグメントである自動制御機器事業の売上高は550,398百万円(同5.1%増)、セグメント利益は159,201百万円(同5.6%増)となりました。報告セグメントに含まれないその他の売上高は1,948百万円(同20.0%減)、セグメント利益は152百万円(同30.9%減)となりました。
② 財政状態
当期末における総資産は149,331百万円(前期末比10.7%)増の1,539,871百万円となりました。
(a) 資産の状況
流動資産は132,403百万円(前期末比13.7%)増の1,096,953百万円となりました。主な要因は、増収増益に伴い現金及び預金が80,979百万円(同14.8%)、受取手形及び売掛金が31,797百万円(同22.2%)、戦略的な在庫の積み増しによりたな卸資産が16,192百万円(同7.0%)それぞれ増加したことです。
固定資産は16,927百万円(前期末比4.0%)増の442,917百万円となりました。主な要因は、売却により投資有価証券が2,408百万円(同3.2%)減少した一方、設備投資により有形固定資産が10,063百万円(同5.3%)、契約に基づく積み増しにより保険積立金が6,146百万円(同4.4%)、退職給付に係る資産が4,792百万円(同13,411.1%)それぞれ増加したことです。
(b) 負債の状況
当期末における負債合計は22,610百万円(前期末比16.5%)増の159,883百万円となりました。
主な要因は、増収増益に伴い支払手形及び買掛金が5,711百万円(同14.9%)、未払法人税等が15,359百万円(同104.7%)それぞれ増加したことです。
(c) 純資産の状況
当期末における純資産合計は126,721百万円(前期末比10.1%)増の1,379,987百万円となりました。
主な要因は、市場買付により自己株式が28,706百万円(同94.3%)減少(マイナス項目の増加)した一方、円安に伴い為替換算調整勘定が52,141百万円(前期末は40,084百万円のマイナス、当期末は12,056百万円のプラス)、利益の獲得に伴い利益剰余金が95,183百万円(同8.1%)それぞれ増加したことです。
自己資本比率は、前期末の89.9%から当期末は89.4%となり、1株当たり純資産額は、前期末の18,794円58銭から当期末は20,835円47銭となりました。
③ キャッシュ・フロー
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前期末比162,411百万円増の561,540百万円となりました。
(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は120,473百万円(前期比4,137百万円の収入減)となりました。
主な変動要因は、増益に伴う税金等調整前当期純利益の増加14,348百万円及び法人税等の支払額の減少9,580百万円による資金の増加と、売上債権が減少から増加に転じたことによる28,464百万円、利息及び配当金の受取額の減少7,237百万円による資金の減少です。
(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により得られた資金は73,440百万円(前期比48,516百万円の収入増)となりました。
主な変動要因は、定期預金の預入による支出の減少43,543百万円、設備投資の進捗遅れに伴う有形固定資産の取得による支出の減少10,216百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出の減少9,535百万円による資金の増加並びに定期預金の払戻による収入の減少18,558百万円による資金の減少です。
(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により使用した資金は56,009百万円(前期比6,084百万円の支出増)となりました。
主な変動要因は、短期借入金が純減に転じたことによる4,386百万円及び自己株式の取得による支出の増加1,359百万円による資金の減少です。
④ 生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントについて示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
自動制御機器事業538,110+0.7

(注)1 金額は、販売価格によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 その他のセグメントは、該当ありません。
(b) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントについて示すと、次のとおりです。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
自動制御機器事業571,189+7.066,409+45.6

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2 その他のセグメントは、該当ありません。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントについて示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
自動制御機器事業550,398+5.1
その他1,779△20.8
合計552,178+5.0

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績の分析
当期の売上高は、552,178百万円(前期比5.0%増)となりました。需要動向及び販売の状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績」に記載のとおりです。
売上総利益は、265,852百万円(同2.3%増)となりました。期末にかけての受注の急増に対応するための派遣社員費用の増加、素材価格及び物流費の高騰などにより売上総利益率は前期比1.3ポイント低下して48.1%となりました。
販売費及び一般管理費は112,496百万円(同1.0%減)で、増収に伴い販管費負担率は前期比1.2ポイント低下して20.4%となりました。営業利益は153,355百万円(同4.9%増)となり、営業利益率は前期比横ばいの27.8%となりました。
営業外損益では、円安に伴い8,570百万円の為替差益(前期は3,335百万円の為替差損)が発生した一方、受取利息が3,750百万円減少したことなどから、経常利益は171,827百万円(同8.4%増)となり、経常利益率は前期比1.0ポイント上昇して31.1%となりました。
関係会社株式売却益が929百万円発生したこと及び増益に伴い法人税等が3,116百万円増加したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は121,790百万円(同10.2%増)となりました。
なお当期の期中平均為替レートは、USドル=106円12銭、ユーロ=123円72銭、人民元=15円67銭、期末為替レートは、USドル=110円72銭、ユーロ=129円76銭、人民元=16円86銭でした。
(b) 財政状態の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載のとおりです。
(c) 新型コロナウイルス感染症の影響
当期の前半において売上の減少が見られましたが、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (1) 海外での事業展開に伴うカントリーリスク」に記載のとおり、生産活動が維持できたこと及び平常時から厚めの在庫を保持する戦略が奏功したことなどから、新型コロナウイルス感染症の拡大が当社グループの経営成績及び財政状態に与えた影響は、限定的なものにとどまりました。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。作成に当たっては、経営者による会計方針の選択と適用並びに資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等に基づき合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。
また、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「2 財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しています。
(棚卸資産の評価に関する事項)
(ⅰ) 当社グループの製品の特性(需要及び材質)
当社グループの主要製品である空気圧機器をはじめとする自動制御機器は、お客様の工場の生産・搬送ライン、半導体製造装置、工作機械、産業用ロボットなどに組み込まれる要素部品です。自動制御機器製品の単価は比較的低廉ですが、その不具合や欠品によってラインの停止や稼働遅れが生じた場合、お客様は多大な損失を被ります。そのため、お客様のニーズに合致した製品を短納期で即納することができるかどうかが、競争上、極めて重要な要件となります。
当社グループの製品を採用してくださったお客様は、次にラインや装置の図面を更新するまで長期間にわたり継続して同一の製品を購入される傾向があります。
また、当社グループの製品の主要な材質は、アルミニウムや樹脂など腐食に強い素材であり、製品は経年劣化しにくい特性を持っています。
さらに、在庫の陳腐化リスクを低減するため、最終製品に組み上げる前の段階で在庫として保持する等の対応も行っています。
(ⅱ) 当社グループの在庫保有方針
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境 ② 当社グループの競争優位性」に記載のとおり、豊富な品揃えと潤沢な在庫は当社グループの競争優位性の重要な要素であり、戦略的に厚めの在庫を保持するという方針を変更する予定はありません。
(ⅲ) 棚卸資産の評価減金額の算定方法
当社は、上記の製品の特性及び在庫保有方針を踏まえつつ、時間の経過に応じた販売実績の減少に伴う収益性の低下を棚卸資産の評価に適切に反映するため、当社及び各連結子会社が保有する在庫の品番別の残高、過去の一定期間(概ね10年)の販売・使用の実績データ等を分析し、滞留状況に応じた評価減率を設定して、棚卸資産の評価減金額を算定しています。
(ⅳ) 重要な会計上の見積りに関する注記との関係
上記(ⅰ)~(ⅲ)に記載のとおり、当社は、在庫需要の長期的な安定性は来期以降も継続するものと仮定し、在庫の短期的な廃棄や陳腐化を想定しておらず、当連結会計年度における会計上の見積りが翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがないと判断していることから、連結財務諸表及び財務諸表における重要な会計上の見積りに関する注記には、棚卸資産の評価に関する記載を行っていません。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。
② 資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料・部品等の購入費用、製造経費、販売費及び一般管理費、研究開発費です。投資を目的とする資金需要の主なものは、土地、建物、機械設備等の購入など設備投資です。
③ 財務政策
当社グループは、通常の事業活動に必要な流動性を確保しつつ、機動的な設備投資を実施するための資金需要にも対応できる資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。
長期運転資金及び設備投資資金については自己資金により賄い、短期運転資金については自己資金のほか必要に応じて金融機関からの借入により調達することを基本としています。
当期末における借入金の残高は10,788百万円、現金及び現金同等物の残高は561,540百万円です。
なお当社は、2021年2月12日開催の取締役会の決議に基づき、当期中に440,000株、28,502百万円の自己株式の取得を実施しました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(5) 経営戦略の現状及び見通し
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

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