有価証券報告書-第111期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/07/29 14:02
【資料】
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【項目】
129項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用情勢の改善などを背景に景気は回復基調で推移しましたが、米中貿易摩擦や自然災害の影響に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、先行きが一層不透明な状況となりました。
こうした状況の中、当社グループでは、前中期経営計画を受けて、「成長性及び収益性の追求を加速する」ことを基本方針とした2022年3月期を最終年度とする中期経営計画「Dash! 2021」を策定し、前中期経営計画の課題を一つ一つクリアしながら、成長性及び収益性を追求してきました。
また、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、マレーシア政府による企業の活動制限令に伴う当社連結子会社である岩通マレーシア株式会社の操業停止、及び海外からの部品調達の一部遅延による影響もありました。これに対して、お取引先様をはじめとする関係者の皆様への感染拡大防止と従業員の安全・健康管理の確保を最優先とし、必要な対策を講じて生産能力の維持と納期の確保に努めました。
このような状況の下、当連結会計年度の売上高は22,294百万円で前連結会計年度に比べ6.9%の増収となりました。利益面では営業利益150百万円(前連結会計年度216百万円の損失)、経常利益215百万円(前連結会計年度151百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益57百万円(前連結会計年度410百万円の利益)となりました。
なお、経常利益が前連結会計年度に比べ367百万円改善したにもかかわらず、親会社株主に帰属する当期純利益が前連結会計年度に比べ悪化した主な要因は、当連結会計年度において訴訟の解決に伴う和解金119百万円を特別損失として計上したことに加え、前連結会計年度においては当社における退職金制度統合に伴う退職給付費用461百万円を特別損失として、保有不動産の売却に伴う土地売却益573百万円、建物売却益84百万円及び投資有価証券売却益69百万円を特別利益として、法人税、住民税及び事業税301百万円、繰延税金負債の取崩しによる法人税等調整額の戻入益623百万円をそれぞれ計上したことによるものです。
セグメントごとの状況を示すと、次のとおりです。
(情報通信事業)
情報通信事業の売上高は16,436百万円で、主に事業所向けコードレス案件及びプラント向けページングシステムの売上が堅調に推移したこと、並びにコンタクトセンタソリューションの売上高が増加したことにより、前連結会計年度に比べ9.7%の増収となりました。セグメント損益は売上高の増加に伴い、1,559百万円の利益(前連結会計年度1,172百万円の利益)となりました。
(印刷システム事業)
印刷システム事業の売上高は2,348百万円で、主に前連結会計年度の印刷機の特殊案件剥落により、前連結会計年度に比べ8.1%の減収となりました。セグメント損益は売上高の減少に対して原価率の改善により、72百万円の利益(前連結会計年度13百万円の利益)となりました。
(電子計測事業)
電子計測事業の売上高は3,130百万円で、主に航空宇宙関連の売上高が増加したことにより、前連結会計年度に比べ4.2%の増収となりました。セグメント損益は売上高構成の変化に伴う原価率の悪化により、56百万円の損失(前連結会計年度105百万円の利益)となりました。
(不動産事業)
不動産事業の売上高は379百万円で、主に当社本社敷地内の保有資産の有効活用により、前連結会計年度に比べ25.7%の増収となりました。セグメント損益は売上高の増加に伴い、141百万円の利益(前連結会計年度102百万円の利益)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ465百万円減少し28,944百万円となりました。
流動資産は、主に仕掛品が219百万円減少しましたが、受取手形及び売掛金が465百万円増加したため、前連結会計年度末に比べ197百万円増加し18,766百万円となりました。
固定資産は、無形固定資産が247百万円増加しましたが、有形固定資産が140百万円、投資その他の資産が769百万円それぞれ減少したため、前連結会計年度末に比べ662百万円減少し10,177百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ254百万円減少し9,478百万円となりました。
流動負債は、主に未払金が136百万円増加しましたが、未払法人税等が268百万円減少したため、前連結会計年度末に比べ127百万円減少し3,734百万円となりました。
固定負債は、主に繰延税金負債が64百万円、退職給付に係る負債が41百万円それぞれ減少したため、前連結会計年度末に比べ127百万円減少し5,744百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、主に退職給付に係る調整累計額が48百万円増加しましたが、剰余金の配当99百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益57百万円の計上により利益剰余金が41百万円減少し、また、その他有価証券評価差額金が206百万円、為替換算調整勘定が22百万円それぞれ減少したため、前連結会計年度末に比べ210百万円減少し19,465百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は7,944百万円と前連結会計年度末に比べ25百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産が減少しましたが、売上債権の増加及び法人税等の支払額が増加したため、362百万円の収入と前連結会計年度に比べ1,032百万円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の償還による収入が増加、有形固定資産の取得による支出が減少しましたが、無形固定資産の取得による支出が増加、投資有価証券の売却による収入が減少、その他の収入が減少したため、214百万円の支出と前連結会計年度に比べ831百万円の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、その他の支出が減少したため、111百万円の支出と前連結会計年度に比べ2百万円の増加となりました。
④ 生産実績
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
情報通信9,63214.5
印刷システム1,4772.0
電子計測2,8431.2
不動産--
合計13,95310.1

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については消去していません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
⑤ 受注実績
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
情報通信16,92412.11,49848.3
印刷システム2,338△5.121△31.5
電子計測2,843△1.9319△47.2
不動産38423.01545.7
合計22,4918.21,85511.9

(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
⑥ 販売実績
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
情報通信16,4369.7
印刷システム2,348△8.1
電子計測3,1304.2
不動産37925.7
合計22,2946.9

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
西日本電信電話株式会社2,21410.61,9458.7
東日本電信電話株式会社1,8318.81,7227.7

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績は、売上高は前連結会計年度に比べ1,447百万円増加し22,294百万円(前連結会計年度比6.9%増)となりました。これは、主に情報通信事業の売上高が増加したことによるものです。
売上原価は前連結会計年度に比べ928百万円増加し14,271百万円となり、全体での売上高に対する比率は前連結会計年度とおおむね同水準の64.0%となりました。
販売費及び一般管理費は研究開発費が増加したことにより、前連結会計年度に比べ151百万円増加し、7,872百万円となりました。
以上の結果、営業利益は売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ367百万円増加し150百万円の利益となりました。
営業外損益は、前連結会計年度の65百万円の利益(純額)から、前連結会計年度とおおむね同水準の64百万円の利益(純額)となりました。
特別損益は、前連結会計年度の239百万円の利益(純額)から、115百万円の損失(純額)となりました。この主な内容は、当連結会計年度において訴訟の解決に伴う和解金119百万円を特別損失として計上したことに加え、前連結会計年度においては、当社における退職給付制度統合に伴う退職給付費用461百万円を特別損失として、保有不動産の売却に伴う土地売却益573百万円、建物売却益84百万円及び投資有価証券売却益69百万円を特別利益として計上したことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は99百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税63百万円、法人税等調整額(貸方)21百万円により、親会社株主に帰属する当期純利益は57百万円(前連結会計年度410百万円の利益)となりました。
また、1株当たり当期純利益は、5.81円の利益(前連結会計年度41.42円の利益)となりました。
セグメントごとの経営成績及び財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
(情報通信事業)
情報通信事業の売上高は16,436百万円で、主に中小事業所向けビジネスホン及びコンタクトセンタソリューションの売上高が増加したことにより、前連結会計年度に比べ9.7%の増収となりました。売上原価は前連結会計年度に比べ794百万円増加し10,461百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度と比べ0.9ポイント減少の63.6%となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ267百万円増加し、4,415百万円となりました。この結果、セグメント損益は、前連結会計年度に比べ386百万円増益の1,559百万円となりました。
また、セグメント資産は主に現金及び預金、受取手形及び売掛金、無形固定資産がそれぞれ増加したことにより、前連結会計年度末に比べ804百万円増加し、12,695百万円となりました。
(印刷システム事業)
印刷システム事業の売上高は2,348百万円で、主に前連結会計年度の印刷機の特殊案件剥落により、前連結会計年度に比べ8.1%の減収となりました。売上原価は前連結会計年度に比べ192百万円減少し1,419百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度と比べ2.7ポイント減少の60.4%となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ72百万円減少し、857百万円となりました。この結果、セグメント損益は、前連結会計年度に比べ59百万円増益の72百万円となりました。
また、セグメント資産は主に受取手形及び売掛金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ73百万円減少し、1,732百万円となりました。
(電子計測事業)
電子計測事業の売上高は3,130百万円で、主に航空宇宙関連の売上高が増加したことにより、前連結会計年度に比べ4.2%の増収となりました。売上原価は前連結会計年度に比べ278百万円増加し2,158百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度と比べ6.4ポイント増加の69.0%となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ10百万円増加し、1,027百万円となりました。この結果、セグメント損益は、前連結会計年度に比べ162百万円減益の56百万円の損失となりました。
また、セグメント資産は主に受取手形及び売掛金は増加しましたが、棚卸資産、有形固定資産がそれぞれ減少したことにより、前連結会計年度末に比べ23百万円減少し、2,430百万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業の売上高は379百万円で、主に当社本社敷地内の保有資産の有効活用により、前連結会計年度に比べ25.7%の増収となりました。売上原価は前連結会計年度に比べ47百万円増加し232百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度と比べ0.0ポイント増加の61.2%となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ8百万円減少し、5百万円となりました。この結果、セグメント損益は、前連結会計年度に比べ38百万円増益の141百万円となりました。
また、セグメント資産は主に有形固定資産が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ55百万円減少し、3,999百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資です。これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金にて対応していくこととしています。
手許の運転資金については、当社及び一部の国内連結子会社において、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)の導入により、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っています。また、当社は適時に資金繰り計画を作成・更新し、手許流動性を検証することなどにより、流動性のリスクを管理しています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末における資産・負債の金額及び連結会計期間における収益・費用の金額に影響を与える見積り及び仮定を用いていますが、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、期末日以降連結財務諸表作成時までに入手可能な情報を考慮し、当社グループにおける業績への影響は軽微であることから、会計上の見積りに関して、現時点において当連結会計年度末の見積りに大きな影響を与えるものではないと判断しています。
a.棚卸資産の評価
当社グループは、棚卸資産の評価について、主として移動平均法に基づく原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切り下げの方法により算定)を採用しています。収益性の低下を反映させるため、営業循環から外れた滞留在庫については、過去の販売や廃却実績に基づいて算出された棚卸資産評価率を用いています。しかしながら、市場の需要変動による顧客の所用減少や保守期間を含めた比較的長い製品のライフサイクル対応のため保管すべき原材料が滞留化することにより、見積もりの不確実性が発生し、経営成績及び財政状態に影響が生じる場合があります。
b.固定資産の減損
当社グループは、事業用の設備、不動産等の固定資産を所有しています。固定資産の時価の下落や、期待していたキャッシュ・フローを生み出さない状況となる等、その収益性の低下によって投資額の回収が見込めなくなることにより、減損処理が必要となる可能性があります。

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