有価証券報告書-第156期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
経営成績等の状況の概要
(1)財政状態
当連結会計年度末(以下「当期末」という。)の資産合計は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べ44,000百万円増加し、965,901百万円となりました。流動資産は33,960百万円増加の610,017百万円、非流動資産は10,040百万円増加の355,884百万円となりました。
流動資産の増加は、現金及び現金同等物が4,034百万円減少したこと、売上債権及びその他の債権が28,466百万円増加したこと、棚卸資産が11,543百万円増加したこと、その他の金融資産が1,242百万円減少したこと等によるものであります。
非流動資産の増加は、有形固定資産が前期末に比べ3,864百万円増加したこと、使用権資産が1,287百万円減少したこと、無形資産が3,422百万円増加したこと、金融資産が3,614百万円増加したこと等によるものであります。
当期末の負債合計は、前期末に比べ17,518百万円増加し、249,214百万円となりました。流動負債は20,887百万円増加の182,783百万円、非流動負債は3,368百万円減少の66,431百万円となりました。
流動負債の増加は、仕入債務及びその他の債務が9,979百万円増加したこと、未払法人所得税等が1,189百万円増加したこと、その他の金融負債が1,215百万円減少したこと、その他の流動負債が10,479百万円増加したこと等によるものであります。
非流動負債の減少は、その他の金融負債が1,814百万円減少したこと、確定給付負債が1,517百万円減少したこと等によるものであります。
当期末の資本合計は、前期末に比べ26,482百万円増加し、716,686百万円となりました。
これは、利益剰余金が、親会社の所有者に帰属する当期利益、配当金、自己株式の消却等により前期末に比べ7,604百万円減少したこと、自己株式が17,466百万円減少したこと、その他の資本の構成要素が16,760百万円増加したこと等によるものであります。
(2)経営成績
当連結会計年度における当社を取り巻く経済環境は、COVID-19拡大の影響により一時的に景気の減速感が強まりましたが、経済活動の再開に伴い消費の持ち直しが見られました。当社グループにおいては、新たな生活様式の広がりによるエレクトロニクス市場の進化やライフサイエンス市場の成長といった変化の中で、新たな需要として「伸ばすもの」が生まれました。一方、需要は「戻るもの」と「戻らないもの」に分かれ、それぞれの変化に合わせて柔軟かつスピーディーに対応しました。
このような環境の中、当社グループの主要な市場においては、テレワークの拡大などを背景に、電子機器の組み立て用部材および半導体の生産における工程用部材並びにノートパソコン、タブレット端末用光学フィルムの需要が伸長しました。TV用光学フィルムは、当社グループの推進する知的財産戦略の一環として協業先との連携を強め、技術供与によるロイヤリティ収益を計上しました。今後、成長が期待されるプリント回路では、高精度基板を用いた新しい市場への取組みとして、スマートフォン用部材の業績への寄与が始まりました。また、核酸医薬市場においては、COVID-19治療薬やワクチン開発など核酸医薬への期待はこれまで以上に高まっており、受託製造事業および関連部材の需要が堅調に推移しました。加えて、医療用マスク材料として多孔質部材の需要も伸長しました。
一方、トランスポーテーションでは、自動車生産台数が第1四半期連結会計期間に大きく減少し、COVID-19の影響を強く受けました。その後、需要は回復基調となりましたが、前連結会計年度の水準には及びませんでした。スマートフォン用の光学フィルムは、ハイエンドモデルへの採用が進みましたが、需要は前連結会計年度の水準には及びませんでした。
当社グループにおけるCOVID-19への対応においては、すべての人の健康と安全を最優先に、感染拡大の防止とともに、お客様への供給継続に向けて取り組んでおります。その一環として、情報通信技術を活用し、テレワークやウェブ会議といった新しい働き方を積極的に推進することで生産性を高め、全社での活動経費を削減いたしました。
なお、第4四半期連結会計期間において構造改革などによる減損損失を計上しました。
以上の結果、売上収益は前連結会計年度と比較し、2.7%増(以下の比較はこれに同じ)の761,321百万円となりました。また、営業利益は34.5%増の93,809百万円、税引前当期利益は35.2%増の93,320百万円、当期利益は48.9%増の70,308百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は48.9%増の70,235百万円となりました。
セグメント別の経営成績
① インダストリアルテープ
基盤機能材料は、前連結会計年度に対して伸長しました。ディスプレイの進化に伴いハイエンドスマートフォンの生産が増加し、組み立て用部材の需要が伸長しました。また、テレワークの拡大などを背景にスマートフォン、タブレット端末、サーバーなどの電子機器に使用されるセラミックコンデンサーや半導体の需要が拡大し、それらの製造工程で使用される関連部材も伸長しました。一方、一般工業および住宅関連部材や金属向けの保護材料などは、第1四半期連結会計期間に大きく需要が減少しました。第2四半期連結会計期間以降において、需要は回復基調で推移しましたが、前連結会計年度の水準には及びませんでした。
トランスポーテーションにおける自動車材料は、前連結会計年度に対して低調に推移しました。第1四半期連結会計期間に欧米エリアを中心に大きく需要が減少しました。第2四半期連結会計期間以降において、需要は回復基調で推移しましたが、前連結会計年度の水準には及びませんでした。なお、第4四半期連結会計期間において構造改革による減損損失を計上しました。
以上の結果、売上収益は309,063百万円(3.0%減)、営業利益は27,311百万円(33.1%増)となりました。
② オプトロニクス
情報機能材料は、前連結会計年度に対して伸長しました。テレワークの拡大などを背景にノートパソコン、タブレット端末用光学フィルムの需要が拡大し、大きく業績に寄与しました。一方、スマートフォン用製品は、OLEDディスプレイ用光学フィルムなど新たに採用が進みましたが、全体として需要は減少しました。また、TV用製品は減収となりましたが、協業先との連携を強め、第1四半期連結会計期間において技術供与によるロイヤリティ収益を計上しました。
プリント回路は、前連結会計年度に対して伸長しました。ハードディスクドライブの生産が第1四半期連結会計期間に一時的に減少したものの、その後は回復が進みました。パーソナルコンピューター用途などは低調に推移しましたが、高容量化が続くデータセンター用途は堅調に推移しました。また、高精度基板を用いた新しい市場への取組みとして、スマートフォン用部材の業績への寄与が始まり、この変化に合わせて生産能力の増強を図るなどの対応を進めました。
以上の結果、売上収益は428,886百万円(7.7%増)、営業利益は80,727百万円(40.9%増)となりました。
③ ライフサイエンス
ライフサイエンスは、前連結会計年度に対して伸長しました。核酸医薬の受託製造において、COVID-19の治療薬やワクチンとして核酸医薬への期待がこれまで以上に高まっており、需要は堅調に推移しました。加えて、核酸医薬合成材料(NittoPhase)の需要も拡大しました。
一方、病院への通院者数の減少などにより経皮吸収型テープ製剤や医療用衛生材料の需要が減少しました。需要は回復しつつありますが、前連結会計期間の水準には及びませんでした。なお、第4四半期連結会計期間において、既存設備などの整理に伴い減損損失を計上しました。
核酸医薬の創薬においては、引き続き、肺線維症および難治性の癌治療薬の治験に取り組んでおります。
以上の結果、売上収益は29,855百万円(10.0%増)、営業損失は3,011百万円(前年同期は営業損失2,546百万円)となりました。
④ その他
メンブレン(高分子分離膜)は、COVID-19の影響を大きく受け、前連結会計期間に対して低調に推移しました。各種産業用途やエネルギー分野をはじめ需要が停滞しました。なお、当セグメントには未だ十分な売上収益を伴っていない新規事業が含まれております。
以上の結果、売上収益は23,266百万円(13.6%減)、営業損失は7,496百万円(前年同期は営業損失2,622百万円)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は300,888百万円となり、前連結会計年度末より4,034百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は116,309百万円(前連結会計年度は123,641百万円の増加)となりました。
これは主に、税引前当期利益93,320百万円、減価償却費及び償却費47,950百万円、減損損失6,011百万円、確定給付負債の増減額1,878百万円、仕入債務及びその他の債務の増減額9,234百万円による増加、売上債権及びその他の債権の増減額21,058百万円、棚卸資産の増減額7,607百万円、法人税等の支払額又は還付額24,560百万円による減少の結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は57,538百万円(前連結会計年度は59,991百万円の減少)となりました。
これは主に、有形固定資産及び無形資産の取得による支出57,724百万円による減少の結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は68,297百万円(前連結会計年度は51,637百万円の減少)となりました。
これは主に、リース負債の返済による支出5,199百万円、自己株式の増減額33,312百万円、配当金の支払額30,188百万円による減少の結果であります。
なお当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移は以下のとおりであります。
(注)1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。
親会社所有者帰属持分比率(%) 親会社所有者帰属持分÷総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) 株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) 有利子負債÷キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) キャッシュ・フロー÷利払い
2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4 有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5 2020年3月期よりIFRS第16号「リース」を適用しております。これに伴い、新たにリース負債が計上されるとともに、リース料の一部を支払利息として計上しております。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、売価換算値によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当連結会計年度において、マネジメント体制の変更を行った結果、報告セグメントの分類に一部変更があります。前年同期比は、当該変更を反映した前連結会計年度の数値に基づき算定しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当社グループは、おおむね需要動向から見た見込み生産を行い、それ以外の製品については一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対応する割合は、販売実績が総販売実績の100分の10以上の相手が無いため記載を省略しております。
3 当連結会計年度において、マネジメント体制の変更を行った結果、報告セグメントの分類に一部変更があります。前年同期比は、当該変更を反映した前連結会計年度の数値に基づき算定しております。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度(以下「当期」という。)は、売上収益は前連結会計年度(以下「前期」という。)と比べて2.7%増の761,321百万円となりました。これは情報機能材料、プリント回路等の売上収益が増加したこと等によるものです。
売上原価は、前期比0.2%減の517,872百万円となりました。売上収益に対する売上原価の比率は、前期比2.1ポイント減の68.0%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比3.3%減の107,722百万円となりました。売上収益に対する販売費及び一般管理費の比率は、前期比0.9ポイント減の14.1%となりました。研究開発費は、前期比4.4%増の35,261百万円となりました。売上収益に対する研究開発費の比率は、前期より増減なく4.6%となりました。
以上の結果、営業利益は前期比34.5%増の93,809百万円となりました。
税引前当期利益は前期比35.2%増の93,320百万円となりました。
法人所得税費用は、前期の21,788百万円から、当期は23,012百万円となり、税効果会計適用後の法人税等の負担率は24.7%(前期は31.6%)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比48.9%増の70,235百万円となりました。基本的1株当たり当期利益は、前期比56.9%増の472円71銭となりました。
当社グループでは、2018年度から2020年度までの3か年を対象期間とする中期経営計画「Jitsugen-2020」でグループ全体の業績目標として、2020年度に売上収益1,000,000百万円、営業利益175,000百万円を掲げておりましたが、国内外の様々な要因により経営環境が大きく変化し、達成はできませんでした。今年度、2021年度から2023年度までの3か年を対象期間とした新たな中期経営計画の発表を予定しており、新たな成長戦略のもと、さらなる成長を目指します。成長戦略と構造改革の両輪を回すことで、外部環境の影響を受けにくい企業体質の構築を図ってまいります。また、資本コストを意識した経営を推進し、継続的にROE10%以上を目指していきます。
なお、経営成績の概況およびセグメント別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、変化の激しい事業環境下においても継続的に企業価値を向上させていくために、資金の使途を①設備投資、②配当、③M&A、④自社株買いと順位付けし、経営の目安としています。
当社グループの資金の源泉は、主として自己資金であり、トレジャリーマネジメントシステムを活用し、グループ内資金をタイムリーに漏れなく把握すると共に、各エリアに設置した資金統括拠点へ配当やキャッシュ・プーリングを活用して集約し、資金効率の向上に努めています。
なお、当連結会計年度末の連結借入金総額は前連結会計年度末に比べ454百万円増加し、545百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は300,888百万円となっております。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針の要約 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
(1)財政状態
当連結会計年度末(以下「当期末」という。)の資産合計は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べ44,000百万円増加し、965,901百万円となりました。流動資産は33,960百万円増加の610,017百万円、非流動資産は10,040百万円増加の355,884百万円となりました。
流動資産の増加は、現金及び現金同等物が4,034百万円減少したこと、売上債権及びその他の債権が28,466百万円増加したこと、棚卸資産が11,543百万円増加したこと、その他の金融資産が1,242百万円減少したこと等によるものであります。
非流動資産の増加は、有形固定資産が前期末に比べ3,864百万円増加したこと、使用権資産が1,287百万円減少したこと、無形資産が3,422百万円増加したこと、金融資産が3,614百万円増加したこと等によるものであります。
当期末の負債合計は、前期末に比べ17,518百万円増加し、249,214百万円となりました。流動負債は20,887百万円増加の182,783百万円、非流動負債は3,368百万円減少の66,431百万円となりました。
流動負債の増加は、仕入債務及びその他の債務が9,979百万円増加したこと、未払法人所得税等が1,189百万円増加したこと、その他の金融負債が1,215百万円減少したこと、その他の流動負債が10,479百万円増加したこと等によるものであります。
非流動負債の減少は、その他の金融負債が1,814百万円減少したこと、確定給付負債が1,517百万円減少したこと等によるものであります。
当期末の資本合計は、前期末に比べ26,482百万円増加し、716,686百万円となりました。
これは、利益剰余金が、親会社の所有者に帰属する当期利益、配当金、自己株式の消却等により前期末に比べ7,604百万円減少したこと、自己株式が17,466百万円減少したこと、その他の資本の構成要素が16,760百万円増加したこと等によるものであります。
(2)経営成績
当連結会計年度における当社を取り巻く経済環境は、COVID-19拡大の影響により一時的に景気の減速感が強まりましたが、経済活動の再開に伴い消費の持ち直しが見られました。当社グループにおいては、新たな生活様式の広がりによるエレクトロニクス市場の進化やライフサイエンス市場の成長といった変化の中で、新たな需要として「伸ばすもの」が生まれました。一方、需要は「戻るもの」と「戻らないもの」に分かれ、それぞれの変化に合わせて柔軟かつスピーディーに対応しました。
このような環境の中、当社グループの主要な市場においては、テレワークの拡大などを背景に、電子機器の組み立て用部材および半導体の生産における工程用部材並びにノートパソコン、タブレット端末用光学フィルムの需要が伸長しました。TV用光学フィルムは、当社グループの推進する知的財産戦略の一環として協業先との連携を強め、技術供与によるロイヤリティ収益を計上しました。今後、成長が期待されるプリント回路では、高精度基板を用いた新しい市場への取組みとして、スマートフォン用部材の業績への寄与が始まりました。また、核酸医薬市場においては、COVID-19治療薬やワクチン開発など核酸医薬への期待はこれまで以上に高まっており、受託製造事業および関連部材の需要が堅調に推移しました。加えて、医療用マスク材料として多孔質部材の需要も伸長しました。
一方、トランスポーテーションでは、自動車生産台数が第1四半期連結会計期間に大きく減少し、COVID-19の影響を強く受けました。その後、需要は回復基調となりましたが、前連結会計年度の水準には及びませんでした。スマートフォン用の光学フィルムは、ハイエンドモデルへの採用が進みましたが、需要は前連結会計年度の水準には及びませんでした。
当社グループにおけるCOVID-19への対応においては、すべての人の健康と安全を最優先に、感染拡大の防止とともに、お客様への供給継続に向けて取り組んでおります。その一環として、情報通信技術を活用し、テレワークやウェブ会議といった新しい働き方を積極的に推進することで生産性を高め、全社での活動経費を削減いたしました。
なお、第4四半期連結会計期間において構造改革などによる減損損失を計上しました。
以上の結果、売上収益は前連結会計年度と比較し、2.7%増(以下の比較はこれに同じ)の761,321百万円となりました。また、営業利益は34.5%増の93,809百万円、税引前当期利益は35.2%増の93,320百万円、当期利益は48.9%増の70,308百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は48.9%増の70,235百万円となりました。
セグメント別の経営成績
① インダストリアルテープ
基盤機能材料は、前連結会計年度に対して伸長しました。ディスプレイの進化に伴いハイエンドスマートフォンの生産が増加し、組み立て用部材の需要が伸長しました。また、テレワークの拡大などを背景にスマートフォン、タブレット端末、サーバーなどの電子機器に使用されるセラミックコンデンサーや半導体の需要が拡大し、それらの製造工程で使用される関連部材も伸長しました。一方、一般工業および住宅関連部材や金属向けの保護材料などは、第1四半期連結会計期間に大きく需要が減少しました。第2四半期連結会計期間以降において、需要は回復基調で推移しましたが、前連結会計年度の水準には及びませんでした。
トランスポーテーションにおける自動車材料は、前連結会計年度に対して低調に推移しました。第1四半期連結会計期間に欧米エリアを中心に大きく需要が減少しました。第2四半期連結会計期間以降において、需要は回復基調で推移しましたが、前連結会計年度の水準には及びませんでした。なお、第4四半期連結会計期間において構造改革による減損損失を計上しました。
以上の結果、売上収益は309,063百万円(3.0%減)、営業利益は27,311百万円(33.1%増)となりました。
② オプトロニクス
情報機能材料は、前連結会計年度に対して伸長しました。テレワークの拡大などを背景にノートパソコン、タブレット端末用光学フィルムの需要が拡大し、大きく業績に寄与しました。一方、スマートフォン用製品は、OLEDディスプレイ用光学フィルムなど新たに採用が進みましたが、全体として需要は減少しました。また、TV用製品は減収となりましたが、協業先との連携を強め、第1四半期連結会計期間において技術供与によるロイヤリティ収益を計上しました。
プリント回路は、前連結会計年度に対して伸長しました。ハードディスクドライブの生産が第1四半期連結会計期間に一時的に減少したものの、その後は回復が進みました。パーソナルコンピューター用途などは低調に推移しましたが、高容量化が続くデータセンター用途は堅調に推移しました。また、高精度基板を用いた新しい市場への取組みとして、スマートフォン用部材の業績への寄与が始まり、この変化に合わせて生産能力の増強を図るなどの対応を進めました。
以上の結果、売上収益は428,886百万円(7.7%増)、営業利益は80,727百万円(40.9%増)となりました。
③ ライフサイエンス
ライフサイエンスは、前連結会計年度に対して伸長しました。核酸医薬の受託製造において、COVID-19の治療薬やワクチンとして核酸医薬への期待がこれまで以上に高まっており、需要は堅調に推移しました。加えて、核酸医薬合成材料(NittoPhase)の需要も拡大しました。
一方、病院への通院者数の減少などにより経皮吸収型テープ製剤や医療用衛生材料の需要が減少しました。需要は回復しつつありますが、前連結会計期間の水準には及びませんでした。なお、第4四半期連結会計期間において、既存設備などの整理に伴い減損損失を計上しました。
核酸医薬の創薬においては、引き続き、肺線維症および難治性の癌治療薬の治験に取り組んでおります。
以上の結果、売上収益は29,855百万円(10.0%増)、営業損失は3,011百万円(前年同期は営業損失2,546百万円)となりました。
④ その他
メンブレン(高分子分離膜)は、COVID-19の影響を大きく受け、前連結会計期間に対して低調に推移しました。各種産業用途やエネルギー分野をはじめ需要が停滞しました。なお、当セグメントには未だ十分な売上収益を伴っていない新規事業が含まれております。
以上の結果、売上収益は23,266百万円(13.6%減)、営業損失は7,496百万円(前年同期は営業損失2,622百万円)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は300,888百万円となり、前連結会計年度末より4,034百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は116,309百万円(前連結会計年度は123,641百万円の増加)となりました。
これは主に、税引前当期利益93,320百万円、減価償却費及び償却費47,950百万円、減損損失6,011百万円、確定給付負債の増減額1,878百万円、仕入債務及びその他の債務の増減額9,234百万円による増加、売上債権及びその他の債権の増減額21,058百万円、棚卸資産の増減額7,607百万円、法人税等の支払額又は還付額24,560百万円による減少の結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は57,538百万円(前連結会計年度は59,991百万円の減少)となりました。
これは主に、有形固定資産及び無形資産の取得による支出57,724百万円による減少の結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は68,297百万円(前連結会計年度は51,637百万円の減少)となりました。
これは主に、リース負債の返済による支出5,199百万円、自己株式の増減額33,312百万円、配当金の支払額30,188百万円による減少の結果であります。
なお当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移は以下のとおりであります。
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 親会社所有者帰属持分比率(%) | 73.9 | 76.7 | 74.8 | 74.1 |
| 時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) | 136.3 | 99.9 | 80.6 | 144.9 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 0.0 | 0.0 | 0.2 | 0.2 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 292.1 | 275.8 | 190.1 | 188.3 |
(注)1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。
親会社所有者帰属持分比率(%) 親会社所有者帰属持分÷総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) 株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) 有利子負債÷キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) キャッシュ・フロー÷利払い
2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4 有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5 2020年3月期よりIFRS第16号「リース」を適用しております。これに伴い、新たにリース負債が計上されるとともに、リース料の一部を支払利息として計上しております。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| インダストリアルテープ | 205,744 | 94.9 |
| オプトロニクス | 412,697 | 114.0 |
| ライフサイエンス | 27,646 | 113.4 |
| その他 | 22,562 | 85.6 |
| 合計 | 668,650 | 106.2 |
(注)1 金額は、売価換算値によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当連結会計年度において、マネジメント体制の変更を行った結果、報告セグメントの分類に一部変更があります。前年同期比は、当該変更を反映した前連結会計年度の数値に基づき算定しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当社グループは、おおむね需要動向から見た見込み生産を行い、それ以外の製品については一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| インダストリアルテープ | 293,529 | 96.8 |
| オプトロニクス | 420,073 | 107.6 |
| ライフサイエンス | 25,901 | 114.4 |
| その他 | 21,816 | 88.0 |
| 合計 | 761,321 | 102.7 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対応する割合は、販売実績が総販売実績の100分の10以上の相手が無いため記載を省略しております。
3 当連結会計年度において、マネジメント体制の変更を行った結果、報告セグメントの分類に一部変更があります。前年同期比は、当該変更を反映した前連結会計年度の数値に基づき算定しております。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度(以下「当期」という。)は、売上収益は前連結会計年度(以下「前期」という。)と比べて2.7%増の761,321百万円となりました。これは情報機能材料、プリント回路等の売上収益が増加したこと等によるものです。
売上原価は、前期比0.2%減の517,872百万円となりました。売上収益に対する売上原価の比率は、前期比2.1ポイント減の68.0%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比3.3%減の107,722百万円となりました。売上収益に対する販売費及び一般管理費の比率は、前期比0.9ポイント減の14.1%となりました。研究開発費は、前期比4.4%増の35,261百万円となりました。売上収益に対する研究開発費の比率は、前期より増減なく4.6%となりました。
以上の結果、営業利益は前期比34.5%増の93,809百万円となりました。
税引前当期利益は前期比35.2%増の93,320百万円となりました。
法人所得税費用は、前期の21,788百万円から、当期は23,012百万円となり、税効果会計適用後の法人税等の負担率は24.7%(前期は31.6%)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比48.9%増の70,235百万円となりました。基本的1株当たり当期利益は、前期比56.9%増の472円71銭となりました。
当社グループでは、2018年度から2020年度までの3か年を対象期間とする中期経営計画「Jitsugen-2020」でグループ全体の業績目標として、2020年度に売上収益1,000,000百万円、営業利益175,000百万円を掲げておりましたが、国内外の様々な要因により経営環境が大きく変化し、達成はできませんでした。今年度、2021年度から2023年度までの3か年を対象期間とした新たな中期経営計画の発表を予定しており、新たな成長戦略のもと、さらなる成長を目指します。成長戦略と構造改革の両輪を回すことで、外部環境の影響を受けにくい企業体質の構築を図ってまいります。また、資本コストを意識した経営を推進し、継続的にROE10%以上を目指していきます。
なお、経営成績の概況およびセグメント別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、変化の激しい事業環境下においても継続的に企業価値を向上させていくために、資金の使途を①設備投資、②配当、③M&A、④自社株買いと順位付けし、経営の目安としています。
当社グループの資金の源泉は、主として自己資金であり、トレジャリーマネジメントシステムを活用し、グループ内資金をタイムリーに漏れなく把握すると共に、各エリアに設置した資金統括拠点へ配当やキャッシュ・プーリングを活用して集約し、資金効率の向上に努めています。
なお、当連結会計年度末の連結借入金総額は前連結会計年度末に比べ454百万円増加し、545百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は300,888百万円となっております。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針の要約 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。