有価証券報告書-第155期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
経営成績等の状況の概要
(1)財政状態
当連結会計年度末(以下「当期末」という。)の資産合計は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べ8,481百万円増加し、921,900百万円となりました。流動資産は5,479百万円減少の576,056百万円、非流動資産は13,960百万円増加の345,843百万円となりました。
流動資産の減少は、現金及び現金同等物が7,240百万円増加したこと、売上債権及びその他の債権が15,294百万円減少したこと、その他の金融資産が2,229百万円増加したこと等によるものであります。
非流動資産の増加は、使用権資産が前期末に比べ16,266百万円増加したこと、その他の非流動資産が4,085百万円増加したこと等によるものであります。使用権資産の増加は、IFRS第16号「リース」の適用によるものであります。
当期末の負債合計は、前期末に比べ19,464百万円増加し、231,696百万円となりました。流動負債は3,416百万円増加の161,895百万円、非流動負債は16,047百万円増加の69,800百万円となりました。
流動負債の増加は、仕入債務及びその他の債務が6,076百万円減少したこと、未払法人所得税等が4,962百万円増加したこと、その他の金融負債が2,440百万円増加したこと、その他の流動負債が2,448百万円増加したこと等によるものであります。
非流動負債の増加は、その他の金融負債が18,473百万円増加したこと、確定給付負債が2,048百万円減少したこと等によるものであります。
当期末の資本合計は、前期末に比べ10,983百万円減少し、690,204百万円となりました。
これは、利益剰余金が、親会社の所有者に帰属する当期利益、配当金等により前期末に比べ21,496百万円増加したこと、自己株式が16,424百万円増加したこと、その他の資本の構成要素が16,020百万円減少したこと等によるものであります。
(2)経営成績
当連結会計年度における経済環境は、米中貿易摩擦のみならず経済の先行きに対する不確実性が高まり、世界経済全体にマイナスの影響を与えました。米州においてはGDP成長率の鈍化がみられ、欧州においては英国のEU離脱問題もあり需要は低調に推移しました。中国においては対米を中心とした輸出入の減少や製造業における景況感の低下が見られました。当社グループの主要な市場においては、自動車市場において生産台数の減少が顕著となりました。スマートフォンも同様に生産台数は伸長しなかったものの、ディスプレイにおける新たな変化が見られました。また、年度末にかけてCOVID-19が拡大し、世界の各エリア・地域における外出規制や物流の停滞などによる実体経済への影響が深刻化しました。これらへの対応として、Nittoグループでは従業員の安全を最優先にテレワークなどを推進し、各国政府の要請に応じた形での対応を図っています。生産においては、中国エリアで一時的に稼働を停止したものの、春節以降、順次再開を進めました。一方、米州、EMEA、アジアの一部の現地法人では稼働が停止した状況が継続しました。なお、当連結会計年度においては、COVID-19による経営成績への影響は限定的でした。
以上の結果、売上収益は前連結会計年度と比較し、8.1%減(以下の比較はこれに同じ)の741,018百万円となりました。また、営業利益は24.8%減の69,733百万円、税引前当期利益は24.9%減の69,013百万円、当期利益は29.1%減の47,224百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は29.2%減の47,156百万円となりました。
セグメント別の経営成績
① インダストリアルテープ
基盤機能材料では、エレクトロニクスの市場が低迷し、スマートフォン用途、電子部品の製造工程で使用される材料の需要が伸びませんでした。一方、半導体市況が低調ななかで、製造工程で使用される関連材料は堅調に推移しました。また、新たな地域への拡販に対応するため、トルコのグループ会社で製造開発しているおむつ用部材の生産体制を強化しました。当部材は市場エリアの拡張と成人用途への展開を見込んでおります。また、「有機溶剤フリーの両面接着テープ」に対する需要が堅調であり、引き続き、モノ作りにおける環境への貢献を進めてまいります。
トランスポーテーション事業は、欧米や中国をはじめ世界の主要な自動車市場において生産台数が減少し需要が低調に推移しました。加えて、年度末にかけてCOVID-19の影響により、欧米やアジアにおいてグループの工場での稼働が停止となるなどの影響が出ました。
以上の結果、売上収益は317,921百万円(10.5%減)、営業利益は20,752百万円(33.2%減)となりました。
② オプトロニクス
情報機能材料は、スマートフォンに関して、生産台数の伸長は見られませんでしたが、ディスプレイの大型化に伴う光学フィルムの異形加工に対応しました。その結果、当用途の経営成績は前連結会計年度に比して好調に推移しました。TV市場は、パネルメーカーの供給能力の拡大にともない、需給バランスが大きく変化しております。このような環境のなか、当用途では高付加価値領域へ注力いたしました。なお、汎用偏光板の技術供与によるロイヤリティ収益は、前連結会計年度にその一部を計上しましたが、新たな収益は翌連結会計年度以降において実現する見通しです。
プリント回路では、HDDの生産台数がパーソナルコンピューター用途をはじめ低調に推移したものの、データセンター用途の高容量化にともない、需要が回復基調で推移しました。HDD以外の用途では、ワイヤレス充電システムで補聴器用部材の生産が始まりました。今後も、高精度基板の新たな用途の開拓に取り組んでまいります。
なお、COVID-19による当セグメントへの影響は、一時的に中国での生産を停止するといった影響が生じたものの限定的でした。
以上の結果、売上収益は398,942百万円(7.2%減)、営業利益は57,067百万円(7.9%減)となりました。
③ ライフサイエンス
前連結会計年度に、核酸医薬の受託製造において、お客様の新薬開発停止による最終の収益を計上しております。これにより、当連結会計年度の経営成績は前年同期に及びませんが、順調に成長する核酸医薬市場のニーズに応えて、売上収益は回復傾向にあります。また、経皮吸収型テープ製剤においては、大日本住友製薬株式会社様と共同開発を進めてきた、非定型抗精神病薬「ロナセン®テープ」が寄与しました。
核酸医薬の創薬においては、引き続き、肺線維症および難治性のがん治療薬での治験に取り組んでおります。
以上の結果、売上収益は27,129百万円(9.4%減)、営業損失は2,546百万円(前年同期は営業利益1,920百万円)となりました。
④ その他
メンブレンでは、海水淡水化と環境対策に向けた各種産業用途の需要が堅調でした。また、エネルギー分野において油田採掘注入水用新規ナノフィルトレーション膜の需要が伸長しました。なお、当セグメントには未だ十分な売上収益を伴っていない新規事業が含まれております。
以上の結果、売上収益は26,943百万円(2.3%増)、営業損失は2,782百万円(前年同期は営業損失1,970百万円)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は304,922百万円となり、前連結会計年度末より7,240百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は123,641百万円(前連結会計年度は98,569百万円の増加)となりました。
これは主に、税引前当期利益69,013百万円、減価償却費及び償却費49,390百万円による増加、法人税等の支払額又は還付額13,332百万円による減少の結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は59,991百万円(前連結会計年度は49,955百万円の減少)となりました。
これは主に、有形固定資産及び無形資産の取得による支出59,797百万円による減少の結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は51,637百万円(前連結会計年度は58,419百万円の減少)となりました。
これは主に、リース負債の返済による支出4,735百万円、自己株式の増加額16,701百万円、配当金の支払額29,820百万円による減少の結果であります。
なお当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移は以下のとおりであります。
(注)1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。
親会社所有者帰属持分比率(%) 親会社所有者帰属持分÷総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) 株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) 有利子負債÷キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) キャッシュ・フロー÷利払い
2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4 有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を
対象としております。
5 2020年3月期よりIFRS第16号「リース」を適用しております。これに伴い、新たにリース負債が計上されるとともに、リース料の一部を支払利息として計上しております。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、売価換算値によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当連結会計年度において、プロセス材料の帰属をオプトロニクスからインダストリアルテープの基盤機能材料へ変更しました。前年同期比は、当該変更を反映した前連結会計年度の数値に基づき算定しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当社グループは、おおむね需要動向から見た見込み生産を行い、それ以外の製品については一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対応する割合は、販売実績が総販売実績の100分の10以上の相手が無いため記載を省略しております。
3 当連結会計年度において、プロセス材料の帰属をオプトロニクスからインダストリアルテープの基盤機能材料へ変更しました。前年同期比は、当該変更を反映した前連結会計年度の数値に基づき算定しております。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度(以下「当期」という。)は、売上収益は前連結会計年度(以下「前期」という。)と比べて8.1%減の741,018百万円となりました。これは情報機能材料、トランスポーテーション等の売上収益が減少したこと等によるものです。
売上原価は、前期比8.1%減の519,090百万円となりました。売上収益に対する売上原価の比率は、前期比0.1
ポイント増の70.1%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比7.6%減の111,368百万円となりました。売上収益に対する販売費及び一般管理費の比率は、前期より増減なく15.0%となりました。研究開発費は、前期比5.5%増の33,765百万円となりました。売上収益に対する研究開発費の比率は、前期より0.6ポイント増加し4.6%となりました。
以上の結果、営業利益は前期比24.8%減の69,733百万円となりました。
税引前当期利益は前期比24.9%減の69,013百万円となりました。
法人所得税費用は、前期の25,293百万円から、当期は21,788百万円となり、税効果会計適用後の法人税等の負担率は31.6%(前期は27.5%)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比29.2%減の47,156百万円となりました。基本的1株当たり当期利益は、前期比28.9%減の301円32銭となりました。
当社グループでは、2018年度から2020年度までの3か年を対象期間とする中期経営計画「Jitsugen-2020」でグループ全体の業績目標として、2020年度に売上収益1,000,000百万円、営業利益175,000百万円を掲げておりましたが、経営環境が大きく変化し、前提条件の見直しが必要となりました。当初掲げた業績目標は達成したい水準として据え置くものの、成長戦略の推進と構造改革の両輪で、外部環境に影響されにくい収益基盤の構築を図ってまいります。又、資本コストを意識した経営を推進し、持続的にROE10%以上を目指していきます。
なお、経営成績の概況およびセグメント別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、変化の激しい事業環境下においても継続的に企業価値を向上させていくために、資金の使途を①設備投資、②配当、③M&A、④自社株買いと順位付けし、経営の目安としています。
当社グループの資金の源泉は、主として自己資金であり、トレジャリーマネジメントシステムを活用し、グループ内資金をタイムリーに漏れなく把握すると共に、各エリアに設置した資金統括拠点へ配当やキャッシュ・プーリングを活用して集約し、資金効率の向上に努めています。
なお、当連結会計年度末の連結借入金総額は前連結会計年度末に比べ357百万円減少し、90百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は304,922百万円となっております。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針の要約 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
COVID-19の影響については、直近の受注動向や生産状況をもとに現時点で見通すことのできる需要を織り込んで見積り及び判断を行っております。
なお、需要の予測については上期後半にかけて影響が徐々に軽減し、需要が回復すると仮定しております。
(1)財政状態
当連結会計年度末(以下「当期末」という。)の資産合計は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べ8,481百万円増加し、921,900百万円となりました。流動資産は5,479百万円減少の576,056百万円、非流動資産は13,960百万円増加の345,843百万円となりました。
流動資産の減少は、現金及び現金同等物が7,240百万円増加したこと、売上債権及びその他の債権が15,294百万円減少したこと、その他の金融資産が2,229百万円増加したこと等によるものであります。
非流動資産の増加は、使用権資産が前期末に比べ16,266百万円増加したこと、その他の非流動資産が4,085百万円増加したこと等によるものであります。使用権資産の増加は、IFRS第16号「リース」の適用によるものであります。
当期末の負債合計は、前期末に比べ19,464百万円増加し、231,696百万円となりました。流動負債は3,416百万円増加の161,895百万円、非流動負債は16,047百万円増加の69,800百万円となりました。
流動負債の増加は、仕入債務及びその他の債務が6,076百万円減少したこと、未払法人所得税等が4,962百万円増加したこと、その他の金融負債が2,440百万円増加したこと、その他の流動負債が2,448百万円増加したこと等によるものであります。
非流動負債の増加は、その他の金融負債が18,473百万円増加したこと、確定給付負債が2,048百万円減少したこと等によるものであります。
当期末の資本合計は、前期末に比べ10,983百万円減少し、690,204百万円となりました。
これは、利益剰余金が、親会社の所有者に帰属する当期利益、配当金等により前期末に比べ21,496百万円増加したこと、自己株式が16,424百万円増加したこと、その他の資本の構成要素が16,020百万円減少したこと等によるものであります。
(2)経営成績
当連結会計年度における経済環境は、米中貿易摩擦のみならず経済の先行きに対する不確実性が高まり、世界経済全体にマイナスの影響を与えました。米州においてはGDP成長率の鈍化がみられ、欧州においては英国のEU離脱問題もあり需要は低調に推移しました。中国においては対米を中心とした輸出入の減少や製造業における景況感の低下が見られました。当社グループの主要な市場においては、自動車市場において生産台数の減少が顕著となりました。スマートフォンも同様に生産台数は伸長しなかったものの、ディスプレイにおける新たな変化が見られました。また、年度末にかけてCOVID-19が拡大し、世界の各エリア・地域における外出規制や物流の停滞などによる実体経済への影響が深刻化しました。これらへの対応として、Nittoグループでは従業員の安全を最優先にテレワークなどを推進し、各国政府の要請に応じた形での対応を図っています。生産においては、中国エリアで一時的に稼働を停止したものの、春節以降、順次再開を進めました。一方、米州、EMEA、アジアの一部の現地法人では稼働が停止した状況が継続しました。なお、当連結会計年度においては、COVID-19による経営成績への影響は限定的でした。
以上の結果、売上収益は前連結会計年度と比較し、8.1%減(以下の比較はこれに同じ)の741,018百万円となりました。また、営業利益は24.8%減の69,733百万円、税引前当期利益は24.9%減の69,013百万円、当期利益は29.1%減の47,224百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は29.2%減の47,156百万円となりました。
セグメント別の経営成績
① インダストリアルテープ
基盤機能材料では、エレクトロニクスの市場が低迷し、スマートフォン用途、電子部品の製造工程で使用される材料の需要が伸びませんでした。一方、半導体市況が低調ななかで、製造工程で使用される関連材料は堅調に推移しました。また、新たな地域への拡販に対応するため、トルコのグループ会社で製造開発しているおむつ用部材の生産体制を強化しました。当部材は市場エリアの拡張と成人用途への展開を見込んでおります。また、「有機溶剤フリーの両面接着テープ」に対する需要が堅調であり、引き続き、モノ作りにおける環境への貢献を進めてまいります。
トランスポーテーション事業は、欧米や中国をはじめ世界の主要な自動車市場において生産台数が減少し需要が低調に推移しました。加えて、年度末にかけてCOVID-19の影響により、欧米やアジアにおいてグループの工場での稼働が停止となるなどの影響が出ました。
以上の結果、売上収益は317,921百万円(10.5%減)、営業利益は20,752百万円(33.2%減)となりました。
② オプトロニクス
情報機能材料は、スマートフォンに関して、生産台数の伸長は見られませんでしたが、ディスプレイの大型化に伴う光学フィルムの異形加工に対応しました。その結果、当用途の経営成績は前連結会計年度に比して好調に推移しました。TV市場は、パネルメーカーの供給能力の拡大にともない、需給バランスが大きく変化しております。このような環境のなか、当用途では高付加価値領域へ注力いたしました。なお、汎用偏光板の技術供与によるロイヤリティ収益は、前連結会計年度にその一部を計上しましたが、新たな収益は翌連結会計年度以降において実現する見通しです。
プリント回路では、HDDの生産台数がパーソナルコンピューター用途をはじめ低調に推移したものの、データセンター用途の高容量化にともない、需要が回復基調で推移しました。HDD以外の用途では、ワイヤレス充電システムで補聴器用部材の生産が始まりました。今後も、高精度基板の新たな用途の開拓に取り組んでまいります。
なお、COVID-19による当セグメントへの影響は、一時的に中国での生産を停止するといった影響が生じたものの限定的でした。
以上の結果、売上収益は398,942百万円(7.2%減)、営業利益は57,067百万円(7.9%減)となりました。
③ ライフサイエンス
前連結会計年度に、核酸医薬の受託製造において、お客様の新薬開発停止による最終の収益を計上しております。これにより、当連結会計年度の経営成績は前年同期に及びませんが、順調に成長する核酸医薬市場のニーズに応えて、売上収益は回復傾向にあります。また、経皮吸収型テープ製剤においては、大日本住友製薬株式会社様と共同開発を進めてきた、非定型抗精神病薬「ロナセン®テープ」が寄与しました。
核酸医薬の創薬においては、引き続き、肺線維症および難治性のがん治療薬での治験に取り組んでおります。
以上の結果、売上収益は27,129百万円(9.4%減)、営業損失は2,546百万円(前年同期は営業利益1,920百万円)となりました。
④ その他
メンブレンでは、海水淡水化と環境対策に向けた各種産業用途の需要が堅調でした。また、エネルギー分野において油田採掘注入水用新規ナノフィルトレーション膜の需要が伸長しました。なお、当セグメントには未だ十分な売上収益を伴っていない新規事業が含まれております。
以上の結果、売上収益は26,943百万円(2.3%増)、営業損失は2,782百万円(前年同期は営業損失1,970百万円)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は304,922百万円となり、前連結会計年度末より7,240百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は123,641百万円(前連結会計年度は98,569百万円の増加)となりました。
これは主に、税引前当期利益69,013百万円、減価償却費及び償却費49,390百万円による増加、法人税等の支払額又は還付額13,332百万円による減少の結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は59,991百万円(前連結会計年度は49,955百万円の減少)となりました。
これは主に、有形固定資産及び無形資産の取得による支出59,797百万円による減少の結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は51,637百万円(前連結会計年度は58,419百万円の減少)となりました。
これは主に、リース負債の返済による支出4,735百万円、自己株式の増加額16,701百万円、配当金の支払額29,820百万円による減少の結果であります。
なお当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移は以下のとおりであります。
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 親会社所有者帰属持分比率(%) | 74.3 | 73.9 | 76.7 | 74.8 |
| 時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) | 158.7 | 136.3 | 99.9 | 80.6 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.2 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 311.2 | 292.1 | 275.8 | 190.1 |
(注)1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。
親会社所有者帰属持分比率(%) 親会社所有者帰属持分÷総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) 株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) 有利子負債÷キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) キャッシュ・フロー÷利払い
2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4 有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を
対象としております。
5 2020年3月期よりIFRS第16号「リース」を適用しております。これに伴い、新たにリース負債が計上されるとともに、リース料の一部を支払利息として計上しております。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| インダストリアルテープ | 216,124 | 87.4 |
| オプトロニクス | 362,797 | 90.1 |
| ライフサイエンス | 24,377 | 90.3 |
| その他 | 26,347 | 106.4 |
| 合計 | 629,648 | 89.7 |
(注)1 金額は、売価換算値によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当連結会計年度において、プロセス材料の帰属をオプトロニクスからインダストリアルテープの基盤機能材料へ変更しました。前年同期比は、当該変更を反映した前連結会計年度の数値に基づき算定しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当社グループは、おおむね需要動向から見た見込み生産を行い、それ以外の製品については一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| インダストリアルテープ | 302,678 | 90.1 |
| オプトロニクス | 390,905 | 92.8 |
| ライフサイエンス | 22,638 | 89.8 |
| その他 | 24,795 | 102.7 |
| 合計 | 741,018 | 91.9 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対応する割合は、販売実績が総販売実績の100分の10以上の相手が無いため記載を省略しております。
3 当連結会計年度において、プロセス材料の帰属をオプトロニクスからインダストリアルテープの基盤機能材料へ変更しました。前年同期比は、当該変更を反映した前連結会計年度の数値に基づき算定しております。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度(以下「当期」という。)は、売上収益は前連結会計年度(以下「前期」という。)と比べて8.1%減の741,018百万円となりました。これは情報機能材料、トランスポーテーション等の売上収益が減少したこと等によるものです。
売上原価は、前期比8.1%減の519,090百万円となりました。売上収益に対する売上原価の比率は、前期比0.1
ポイント増の70.1%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比7.6%減の111,368百万円となりました。売上収益に対する販売費及び一般管理費の比率は、前期より増減なく15.0%となりました。研究開発費は、前期比5.5%増の33,765百万円となりました。売上収益に対する研究開発費の比率は、前期より0.6ポイント増加し4.6%となりました。
以上の結果、営業利益は前期比24.8%減の69,733百万円となりました。
税引前当期利益は前期比24.9%減の69,013百万円となりました。
法人所得税費用は、前期の25,293百万円から、当期は21,788百万円となり、税効果会計適用後の法人税等の負担率は31.6%(前期は27.5%)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比29.2%減の47,156百万円となりました。基本的1株当たり当期利益は、前期比28.9%減の301円32銭となりました。
当社グループでは、2018年度から2020年度までの3か年を対象期間とする中期経営計画「Jitsugen-2020」でグループ全体の業績目標として、2020年度に売上収益1,000,000百万円、営業利益175,000百万円を掲げておりましたが、経営環境が大きく変化し、前提条件の見直しが必要となりました。当初掲げた業績目標は達成したい水準として据え置くものの、成長戦略の推進と構造改革の両輪で、外部環境に影響されにくい収益基盤の構築を図ってまいります。又、資本コストを意識した経営を推進し、持続的にROE10%以上を目指していきます。
なお、経営成績の概況およびセグメント別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、変化の激しい事業環境下においても継続的に企業価値を向上させていくために、資金の使途を①設備投資、②配当、③M&A、④自社株買いと順位付けし、経営の目安としています。
当社グループの資金の源泉は、主として自己資金であり、トレジャリーマネジメントシステムを活用し、グループ内資金をタイムリーに漏れなく把握すると共に、各エリアに設置した資金統括拠点へ配当やキャッシュ・プーリングを活用して集約し、資金効率の向上に努めています。
なお、当連結会計年度末の連結借入金総額は前連結会計年度末に比べ357百万円減少し、90百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は304,922百万円となっております。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針の要約 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
COVID-19の影響については、直近の受注動向や生産状況をもとに現時点で見通すことのできる需要を織り込んで見積り及び判断を行っております。
なお、需要の予測については上期後半にかけて影響が徐々に軽減し、需要が回復すると仮定しております。