有価証券報告書-第83期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 12:40
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資や個人消費が改善したことなどにより、引き続き緩やかな回復基調となりました。海外においては、米国経済は、企業業績や雇用情勢が堅調で、緩やかな拡大基調となりました。欧州経済は、地政学的リスクによる先行き不透明感はあるものの、企業収益が改善し、景気は緩やかな持ち直しが見られました。また、中国や新興国経済は、成長鈍化の懸念が出ているものの、政策効果により総じて堅調に推移いたしました。
このような状況において当社は、IoTやAIなど、新たなキーテクノロジーによって多様化する重点4市場「エネルギー・環境・医療機器」「自動車・車両関連機器」「白物家電・産業用インバータ機器」「情報通信機器」に引き続き注力しました。コンデンサ事業におきましては、高い成長が続く自動車、産業機器およびインバータ家電向けコンデンサの売上が増加しました。また、アルミ電解コンデンサでは自動車市場で求められる高い耐振動性、高温度化、低ESR化に対応した新製品の市場導入、そして導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサの新製品開発と量産立ち上げを行いました。
また、NECST事業を当社の経営の新たな柱にすべく注力しました。来る蓄電新時代に向け、太陽電池とEV・PHVの電池と蓄電池の3つの電池を効率よくつなぐ次世代蓄電システム「トライブリッド蓄電システム™」を開発しました。さらに、より手軽に蓄電システムを導入したいというニーズに応えるため設置工事が不要な「ポータブル蓄電システム」を開発し、新たな市場への提案を始めました。EV関連については頻発する自然災害への対応としてEV・PHV・FCVの大容量電池から電気を取り出し避難所などの照明、通信、空調などへの活用を可能にする可搬型給電器「パワー・ムーバー」の量産を開始しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は114,767百万円と前期比14.3%の増収となりました。また、利益につきましては、営業利益は6,197百万円と前期比105.3%の増益、経常利益は7,005百万円と前期比47.5%の増益、親会社株主に帰属する当期純損失は、独占禁止法関連損失を計上したことなどにより10,905百万円(前連結会計年度は2,623百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
製品区分別売上高につきましては、電子機器用は、自動車関連機器向けや産業機器向けの売上が増加したことに加え、インバータ家電機器向けが回復したことなどにより77,246百万円と前期比17.6%の増収となりました。
電力・機器用及び応用機器は、主として機器用フィルムコンデンサ、電力用コンデンサおよび応用機器の売上が増加したことなどにより13,374百万円と前期比17.0%の増収となりました。
回路製品は、事務機器向けスイッチング電源の売上が減少しましたが、家庭用蓄電システムは販路拡大により売上が増加したことなどにより23,191百万円と前期比2.9%の増収となりました。
海外売上高につきましては、アジア市場はインバータ機器向けなどの売上が回復したことなどにより前期比16.7%の増収となりました。また、欧州他については自動車関連機器向けなどが伸長したことにより、前期比18.6%の増収となり、海外市場全体でも前期比16.3%の増収となりました。国内市場につきましては、自動車関連機器向けや産業機器向けの売上が増加したことにより前期比11.6%の増収となりました。これらの結果、連結売上高に占める海外売上高の割合は、前期比1.0ポイント上昇し58.4%となりました。
設備投資につきましては、新規事業の成長を見据えた技術・開発投資および当社のコア事業の強化のための戦略的投資として生産能力拡大投資を行ったことなどにより、6,803百万円の設備投資を実施しました。
所在地別業績は、次のとおりです。
a.日 本
国内においては、自動車関連機器向けや産業機器向けの売上が増加したことにより、売上高は48,842百万円と前期比10.7%の増収となりました。営業利益につきましては、売上高の増収効果や為替円安の影響などにより1,423百万円(前連結会計年度は157百万円の営業損失)となりました。
b.米 国
米国地域においては、自動車および情報通信向け需要などが堅調に推移しましたことにより、売上高は7,702百万円と前期比11.8%の増収となりました。営業利益は、販売コストの削減などにより126百万円(前連結会計年度は92百万円の営業損失)となりました。
c.アジア
アジア地域においては、インバータ機器向けなどの売上が回復したことなどにより、売上高は49,208百万円と前期比17.8%の増収となりました。営業利益につきましては、売上高の増収効果やコスト削減を継続的に推進したことなどにより4,078百万円と前期比38.2%の増益となりました。
d.欧州他
欧州その他の地域においては、自動車関連機器向けなどが伸長したことにより、売上高は9,014百万円と前期比18.6%の増収となりました。営業利益につきましては、販売コストの削減などにより536百万円と前期比174.0%の増益となりました。
・所在地別業績
前連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
日本
(百万円)
米国
(百万円)
アジア
(百万円)
欧州他
(百万円)

(百万円)
消去又は
全社
(百万円)
連結
(百万円)
売上高
(1)外部顧客に対する売上高44,1356,88841,7767,600100,401-100,401
(2)所在地間の内部売上高又は振替高26,16909,336035,507△35,507-
70,3056,88951,1137,600135,909△35,507100,401
営業利益又は営業損失(△)△157△922,9501952,8951233,019

当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
日本
(百万円)
米国
(百万円)
アジア
(百万円)
欧州他
(百万円)

(百万円)
消去又は
全社
(百万円)
連結
(百万円)
売上高
(1)外部顧客に対する売上高48,8427,70249,2089,014114,767-114,767
(2)所在地間の内部売上高又は振替高30,363011,760042,125△42,125-
79,2067,70260,9699,014156,892△42,125114,767
営業利益1,4231264,0785366,164326,197

・海外売上高
前連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
米州アジア欧州他
Ⅰ 海外売上高(百万円)6,89543,1197,60757,622
Ⅱ 連結売上高(百万円)100,401
Ⅲ 連結売上高に占める海外売上高の割合(%)6.942.97.657.4

当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
米州アジア欧州他
Ⅰ 海外売上高(百万円)7,70950,3039,02167,033
Ⅱ 連結売上高(百万円)114,767
Ⅲ 連結売上高に占める海外売上高の割合(%)6.743.87.958.4

②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ3,561百万円増加し24,841百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ4,679百万円増加し7,989百万円の収入となりました。これは主に、売上債権の増加額が791百万円、たな卸資産の増加額が776百万円となりましたが、減価償却費を3,142百万円計上したことに加え、仕入債務の増加額が827百万円となったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ2,499百万円支出が減少し2,858百万円の支出となりました。これは主に、有価証券・投資有価証券の売却及び償還による収入が10,977百万円となりましたが、一方で、有形固定資産の取得による支出が4,276百万円、有価証券・投資有価証券の取得による支出が9,773百万円となったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ156百万円支出が増加し1,840百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額が1,532百万円となったことなどによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)における製品区分の生産実績は、次のとおりです。
製品区分当連結会計年度(百万円)前期比(%)
電子機器用78,162119.8
電力・機器用及び応用機器13,692118.4
回路製品23,031100.7
その他955125.6
合計115,841115.3

(注)1.金額は、販売価格によります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
b.受注実績
当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)における製品区分の受注実績は、次のとおりです。
製品区分受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期末比(%)
電子機器用85,520120.223,744153.5
電力・機器用及び応用機器12,681102.02,41977.7
回路製品23,334103.21,850108.4
その他965117.3129108.9
合計122,501114.528,143137.9

(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
c.販売実績
当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)における製品区分の販売実績は、次のとおりです。
製品区分当連結会計年度(百万円)前期比(%)
電子機器用77,246117.6
電力・機器用及び応用機器13,374117.0
回路製品23,191102.9
その他955125.6
合計114,767114.3

(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態および経営成績の分析は、以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたって、財政状態および経営成績に影響を与える項目は下記のとおりです。
a.貸倒引当金
当社グループは、売掛債権、貸付金等による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は追加引当が必要となる可能性があります。
b.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客および金融機関の株式を所有しています。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、株価の決定が困難である非上場会社の株式が含まれています。当社グループは連結会計年度末において、上場会社では株価が取得価額を50%以上下落した場合、非上場会社では会社の純資産額が欠損により50%以上下落した場合に減損損失を計上しています。また、株価が取得価額の30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損損失を計上しています。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
c.退職給付に係る負債および年金制度
当社の退職金規程では、勤続年数3年以上の従業員については、原則として退職時に退職一時金の受給資格を有することになります。この退職給付金は、通常、勤務年数、退職の事由、退職時の算定基礎額により算出されています。
当社および一部の国内連結子会社は、従業員の退職給付に関し、確定給付型年金制度および退職一時金制度を採用しており、当社および在外連結子会社の一部につきましては、確定拠出型年金制度を採用しています。退職給付に係る負債および退職給付費用の計算は、数理計算上で設定された前提条件に基づいて算出されており、これらの前提条件には割引率、年金資産の長期期待運用収益率、将来の昇給率、退職率、死亡率などが含まれます。当社グループが使用した前提条件は妥当なものと考えていますが、実際の結果が異なる場合、または前提条件が変更された場合は、退職給付に係る負債および退職給付費用に影響を与える可能性があります。
d.製品保証引当金
当社は、製品の販売に係る一定期間内の無償サービスの費用に備えるため、当該費用の発生割合および支出実績を勘案した見積額を計上していますが、実際の製品不良率や保証費用が見積りと異なる場合には、追加の引当が必要となる可能性があります。
②財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前期末に比べて14,208百万円増加して155,414百万円(前年同期比10.1%増)となりました。
流動資産は、前期末に比べて4,884百万円増加して85,135百万円(前年同期比6.1%増)となりました。これは主に、現金及び預金が前期末に比べて2,343百万円増加し24,841百万円となったことに加え、有価証券が前期末に比べて1,295百万円増加し6,326百万円となったことなどによるものです。
有形固定資産は、前期末に比べて3,049百万円増加して28,346百万円(前年同期比12.1%増)となりました。これは主に、当連結会計年度における設備投資実施額が6,803百万円となり、減価償却費3,142百万円を上回ったことなどによるものです。
投資その他の資産は、前期末に比べて5,686百万円増加して40,590百万円(前年同期比16.3%増)となりました。これは主に、投資有価証券が前期末に比べて5,765百万円増加して38,507百万円となったことなどによるものです。
流動負債は、前期末に比べて18,022百万円増加して49,058百万円(前年同期比58.1%増)となりました。これは主に、電子記録債務が前期末に比べて2,689百万円増加し9,216百万円となったことに加え、未払金が前期末に比べて15,474百万円増加して17,607百万円となったことなどによるものです。
固定負債は、前期末に比べて2,206百万円増加して10,593百万円(前年同期比26.3%増)となりました。これは主に、繰延税金負債が前期末に比べて2,450百万円増加して6,093百万円となったことなどによるものです。
利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純損失10,905百万円を計上したことなどにより前期末に比べて12,437百万円減少して57,199百万円となりました。その他有価証券評価差額金は、前期末に比べて5,773百万円増加して14,266百万円となりました。また、為替換算調整勘定は、前期末に比べて353百万円増加して1,004百万円となりました。
自己株式の期末残高は、前期末に比べて1百万円増加して10,123百万円となりました。
以上の結果、純資産は前期末に比べて5.9%減少し95,762百万円となりました。
なお、直近3事業年度の自己資本比率および時価ベースの自己資本比率は次のとおりです。
平成28年3月期平成29年3月期平成30年3月期
自己資本比率(%)70.970.860.3
時価ベースの
自己資本比率(%)
39.951.153.9

(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
③経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、前期に比べ14,366百万円増加し、114,767百万円(前年同期比14.3%増)となりました。
国内売上は、自動車関連機器向けや産業機器向けの売上が増加したことにより前期比11.6%の増収となりました。海外売上高については、アジア市場はインバータ機器向けなどの売上が回復したことなどにより前期比16.7%の増収となりました。また、欧州他については自動車関連機器向けなどが伸長したことにより、前期比18.6%の増収となり、海外市場全体でも前期比16.3%の増収となりました。これらの結果、連結売上高に占める海外売上高の割合は、前期比1.0ポイント上昇し58.4%となりました。
b.売上原価・販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、生産性向上によるコストダウンや仕損じ等の低減などにより92,977百万円となりました。この結果、売上原価率は前期比1.3ポイント下降して81.0%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期に比べ831百万円増加し15,592百万円となりました。この結果、売上高販管費比率は前期比1.1ポイント下降して13.6%となりました。
c.営業利益と親会社株主に帰属する当期純損失
当連結会計年度の営業利益は、上記a.およびb.の結果、前期に比べ3,178百万円増加し6,197百万円(前年同期比105.3%増)となりました。
営業外損益項目では、為替差損益が978百万円減少したことなどにより純額で922百万円のマイナスとなりました。この結果、経常利益は前期に比べ2,255百万円増加し7,005百万円(前年同期比47.5%増)となりました。
特別損益項目では、特別損失として独占禁止法関連損失を15,719百万円計上したことなどにより純額で15,441百万円のマイナスとなりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は10,905百万円(前連結会計年度は2,623百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
④キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ3,561百万円増加し24,841百万円となりました。
変動要因は「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、5,130百万円となりました。

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