有価証券報告書-第87期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が続いたことに加え、ロシアのウクライナ侵攻で地政学的リスクが高まり、エネルギーをはじめとする原燃料価格が高騰するなど、景気の先行きは不透明な状況が続きました。一方、ワクチン接種の普及により行動制限が緩和されるなど経済活動が段階的に再開しました。また、海外経済の緩やかな回復に伴い、企業の設備投資、輸出などを中心に底入れの動きが見られ概ね回復基調となりました。米国経済は、景気対策や経済活動の制限緩和などにより、景気は回復基調で推移しました。欧州経済は、各国で経済活動の制限が段階的に緩和され、輸出の増加などにより回復に向かいました。中国経済は、感染症拡大の封じ込めのためのロックダウンや電力制限などの政府の規制に加え、資源価格の高騰で景気の回復ペースは減速しています。
このような状況において当社は、中期成長目標「Vision 2025」を策定し、目標達成を通して持続可能な成長の実現を目指しています。今期の取り組みとしてはコンデンサ事業では、拡大する自動車市場や5Gなどの情報通信機器および再生可能エネルギー市場に向けて、各種アルミ電解コンデンサの新製品を開発、市場導入しました。xEV向けフィルムコンデンサは世界各国のEV化が急速に進むなか、旺盛な需要に対応しています。
また、当社の経営の新たな柱であるNECST事業におきましては、蓄電による再生可能エネルギーの活用拡大と温室効果ガス排出削減に寄与する蓄電システムやV2Hシステムなどに注力しています。家庭用蓄電システムでは「蓄電のニチコン」として、脱炭素社会の実現に貢献する太陽光発電とEVと蓄電池の3つをつなぐ「トライブリッド蓄電システム®」の新製品を開発し、市場から高い評価をいただいています。さらに、自社の取り組みとしてカーボンニュートラル実現に向けて、車両のゼロエミッション化を目指す国際イニシアティブ「EV100」への加盟をするなど、ESGでも評価される企業を目指しています。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は142,198百万円と前期比22.5%の増収となり過去最高を更新しました。また、利益につきましては、営業利益は6,427百万円と前期比4.1倍の増益、経常利益は為替差益を1,332百万円計上し8,594百万円と前期比2.9倍の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は7,902百万円と前期比4.6倍の増益となり過去最高を更新しました。
製品区分別売上高につきましては、電子機器用は、車載関連機器向けに加え、産業機器や白物家電などのインバータ関連機器向けなどのアルミ電解コンデンサの売上が増加したことなどにより81,966百万円と前期比30.8%の大幅増収となりました。
電力・機器用及び応用機器は、主としてxEV向け機器用フィルムコンデンサの売上が大幅に増加したことなどにより19,435百万円と前期比21.7%の増収となりました。
回路製品は、スイッチング電源が部品調達難の影響により伸び悩みましたが、NECST事業の家庭用蓄電システムやV2Hシステムの売上が伸長したことなどにより40,416百万円と前期比8.6%の増収となりました。
設備投資につきましては、新規事業の成長を見据えた技術・開発投資や当社のコア事業であるアルミ電解コンデンサの生産能力増強、xEV向けフィルムコンデンサのグローバル生産体制の構築を中心に10,127百万円の設備投資を実施しました。
所在地別の経営成績は、次のとおりです。
a.日 本
国内においては、アルミ電解コンデンサの車載関連機器向けやインバータ関連機器向けの売上が増加したことに加え、家庭用蓄電システムやV2Hシステムの売上が伸長したことなどにより、売上高は63,474百万円と前期比18.9%の増収となりました。営業利益は、売上高の増収による稼働益や為替の円安影響などにより2,528百万円(前期は923百万円の営業損失)となりました。
b.米 国
米国地域においては、主に電気自動車向け需要が大幅に増加したことなどにより、売上高は12,017百万円と前期比48.9%の増収となりました。営業利益は、売上高の増収などにより572百万円と前期比95.8%の増益となりました。
c.アジア
アジア地域においては、車載関連機器向けやインバータ関連機器向けの売上が増加したことなどにより、売上高は58,079百万円と前期比21.3%の増収となりました。営業利益は、製造コストの削減や売上高の増収による稼働益などにより3,077百万円と前期比61.0%の増益となりました。
d.欧州他
欧州その他の地域においては、車載関連機器向けおよび産業機器向け需要が増加したことなどにより、売上高は8,627百万円と前期比27.5%の増収となりました。営業利益は、売上高の増収などにより413百万円と前期比94.8%の増益となりました。
・所在地別の経営成績
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
・海外売上高
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,967百万円減少し17,799百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年に比べ1,831百万円収入が減少し5,264百万円の収入となりました。これは主に、棚卸資産の増加額が8,369百万円、売掛債権の増加額が6,615百万円となった一方で、税金等調整前当期純利益9,587百万円、減価償却費6,055百万円を計上したことに加え、仕入債務の増加額が5,798百万円となったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年に比べ1,960百万円支出が増加し、5,974百万円の支出となりました。これは主に、有価証券・投資有価証券の売却及び償還による収入が3,355百万円となりましたが、一方で、有形固定資産の取得による支出が7,889百万円、有価証券・投資有価証券の取得による支出が549百万円となったことに加え長期貸付金による支出が440百万円となったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年に比べ178百万円支出が増加し、2,303百万円の支出となりました。これは主に、短期借入金の純増額が4,600百万円となった一方で、配当金の支払額が1,778百万円、長期借入金の返済による支出が4,672百万円となったことなどによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)における製品区分の生産実績は、次のとおりです。
(注)金額は、販売価格によります。
b.受注実績
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)における製品区分の受注実績は、次のとおりです。
c.販売実績
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)における製品区分の販売実績は、次のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針および見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたって、財政状態および経営成績に影響を与える項目は下記のとおりです。なお、当社グループの重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載しています。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
a.固定資産の減損
当社グループは、事業用の様々な有形固定資産および無形資産を所有しています。毎期、資産または資産グループに減損が生じている可能性を示す事象(減損の兆候)があるかどうかを判定し、減損の兆候がある資産または資産グループについて、帳簿価額がこれらの資産の継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる割引前の将来キャッシュ・フローの総額を超える場合に、減損損失を認識することとしています。また、資産または資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの割引現在価値と、正味売却価額のいずれか高い方の金額を資産の回収可能価額とし、帳簿価額が回収可能価額を上回る額を減損損失として測定しています。今後の事業計画との乖離や市況・需要の変化等によって、期待される収益やキャッシュ・フローが生み出せない可能性を示す事象(減損の兆候)が見られる場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
b.貸倒引当金
当社グループは、売掛債権、貸付金等による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は追加引当が必要となる可能性があります。
c.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客等および金融機関の株式を所有しています。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、株価の決定が困難である非上場会社の株式が含まれています。当社グループは連結会計年度末において、上場会社では株価が取得価額を50%以上下落した場合、非上場会社では会社の純資産額が欠損により50%以上下落した場合に減損損失を計上しています。また、株価が取得価額の30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損損失を計上しています。将来の市況悪化または投資先の経営成績不振により、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
d.繰延税金資産の回収可能性
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り) 2.繰延税金資産の回収可能性」に記載のとおりです。
e.退職給付に係る負債および年金制度
当社の退職金規程では、勤続年数3年以上の従業員については、原則として退職時に退職一時金の受給資格を有することになります。この退職給付金は、通常、勤務年数、退職の事由、退職時の算定基礎額により算出されています。
当社および一部の国内連結子会社は、従業員の退職給付に関し、確定給付型年金制度および退職一時金制度を採用しており、当社および在外連結子会社の一部につきましては、確定拠出型年金制度を採用しています。退職給付に係る負債および退職給付費用の計算は、数理計算上で設定された前提条件に基づいて算出されており、これらの前提条件には割引率、年金資産の長期期待運用収益率、将来の昇給率、退職率、死亡率などが含まれます。当社グループが使用した前提条件は妥当なものと考えていますが、実際の結果が異なる場合、または前提条件が変更された場合は、退職給付に係る負債および退職給付費用に影響を与える可能性があります。
f.製品保証引当金
当社は、製品の販売に係る一定期間内の無償サービスの費用に備えるため、当該費用の発生割合および支出実績を勘案した見積額を計上していますが、実際の製品不良率や保証費用が見積りと異なる場合には、追加の引当が必要となる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
イ.財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前期末に比べて14,103百万円増加し170,112百万円(前期末比9.0%増)となりました。
流動資産は、前期末に比べて17,132百万円増加して94,997百万円(前期末比22.0%増)となりました。これは主に、現金及び預金が前期末に比べて1,967百万円減少し17,799百万円となった一方で、棚卸資産が前期末に比べ9,581百万円増加し31,142百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が前期末に比べ7,171百万円増加し37,099百万円となったことなどによるものです。
有形固定資産は、前期末に比べて4,050百万円増加して39,556百万円(前期末比11.4%増)となりました。これは主に、当連結会計年度における設備投資実施額が10,127百万円となり、減価償却費6,055百万円を上回ったことなどによるものです。
投資その他の資産は、前期末に比べて7,314百万円減少して34,236百万円(前期末比17.6%減)となりました。これは主に、投資有価証券が前期末に比べて7,311百万円減少して31,293百万円となったことなどによるものです。
流動負債は、前期末に比べて11,926百万円増加して53,109百万円(前期末比29.0%増)となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が前期末に比べ4,969百万円増加し16,697百万円、電子記録債務が前期末に比べ2,992百万円増加し11,556百万円となったことに加え、その他の流動負債が前期末に比べ1,979百万円増加し7,701百万円となったことなどによります。
固定負債は、前期末に比べて3,208百万円減少して22,349百万円(前期末比12.6%減)となりました。これは主に、繰延税金負債が前期末に比べて2,136百万円減少して5,754百万円となったことに加え、長期借入金が前期末に比べ1,152百万円減少したことなどによるものです。
利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益7,902百万円を計上し、配当金の支払いを1,778百万円行ったことで、前期末に比べて6,123百万円増加して55,039百万円となりました。その他有価証券評価差額金は、前期末に比べて4,562百万円減少して13,950百万円となりました。また、為替換算調整勘定は、前期末に比べて3,672百万円増加して3,908百万円となりました。
自己株式の期末残高は、前期末に比べて1百万円増加して11,626百万円となりました。
以上の結果、純資産は前期末に比べて6.0%増加し94,652百万円となりました。
直近3事業年度の自己資本比率および時価ベースの自己資本比率は次のとおりです。
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
ロ.経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、前期に比べ26,124百万円増加し、142,198百万円(前期比22.5%増)となり過去最高を更新しました。
国内売上は、アルミ電解コンデンサの車載関連機器向けやインバータ関連機器向けの売上が増加したことに加え、家庭用蓄電システムやV2Hシステムの売上が伸長したことなどにより、売上高は62,463百万円と前期比19.0%の増収となりました。海外売上高については、アジア市場において車載関連機器向けやインバータ関連機器向けの売上が増加したことなどにより、売上高は59,074百万円と前期比21.2%の増収となりました。米州については主に電気自動車向け需要が大幅に増加したことなどにより、売上高は12,023百万円と前期比48.9%の増収となりました。また、欧州他は車載関連機器向けおよび産業機器向け需要が増加したことなどにより、売上高は8,637百万円と前期比27.7%の増収となり、海外市場全体では79,735百万円となり前期比25.4%の増収となりました。これらの結果、連結売上高に占める海外売上高の割合は、前期比1.3ポイント上昇し56.1%となりました。
b.売上原価・販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、生産性向上や品質改善による仕損じの削減を図りましたが、電力料をはじめとする燃料費や部材調達コストの高騰などにより、前期に比べ18,608百万円増加し117,794百万円(前期比18.8%増)となりました。売上原価率は前期比2.7ポイント下降して82.8%となりました。
販売費及び一般管理費は、運送コストの高騰などにより前期に比べ2,662百万円増加し17,977百万円(前期比17.4%増)となりました。売上高販管費比率は前期比0.6ポイント下降して12.6%となりました。
c.営業利益と親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の営業利益は、上記a.およびb.の結果、前期に比べ4,853百万円増加し6,427百万円(前期比4.1倍)となりました。
営業外損益項目では、為替差益を1,332百万円計上したことなどにより、経常利益は前期に比べ5,578百万円増加し8,594百万円(前期比2.9倍)となりました。
特別損益項目では、特別利益として投資有価証券売却益を1,088百万円(前期は289百万円)計上し、特別損失には減損損失69百万円を計上しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ6,198百万円増加し7,902百万円(前期比4.6倍)となり過去最高を更新しました。
ハ.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,967百万円減少し17,799百万円となりました。
変動要因は「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、710百万円のマイナスとなりました。資金調達の方法および状況ならびに資金需要の動向については次項「ニ.資本の財源及び資金の流動性」に記載のとおりです。
ニ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、設備投資、改修等に係る投資資金や、当社製品製造のための人件費や経費、材料および部品などの製造費用、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等の運転資金です。
これらに必要な資金の主な源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入による資金調達および社債の発行により対応します。当連結会計年度においては、経常的な運転資金を金融機関からの短期借入金にて調達していますが、特筆すべき重要な事項はありません。
当社グループは、手許資金ならびに直接・間接金融による資金調達を実施し、事業の拡大に必要な資金の流動性を確保できるものと考えています。
ホ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
翌期(2023年3月期)の経済環境の見通しは、地政学リスクの高まりを背景とする原燃料価格の高騰や部材調達網の寸断懸念に加え、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う世界経済への影響など、先行きの不透明感と不確実性が高い状況が続いています。
重点4市場と位置付ける「エネルギー・環境・医療機器」「自動車・車両関連機器」「白物家電・産業用インバータ機器」「情報通信機器」の各市場ともに、半導体をはじめとする部材不足や素材価格の上昇圧力があるものの、カーボンニュートラルの動きの加速により環境関連需要は拡大する見通しです。
当連結会計年度の期初計画の達成状況は以下のとおりです。
当社グループは、2021年11月、2026年3月期を最終年度とする中期成長目標「Vision 2025」を公表しています。2026年3月期において売上高2,000億円、営業利益率10%以上の目標としており、初年度となる当連結会計年度においては売上高、営業利益率ともに年度計画を達成しています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が続いたことに加え、ロシアのウクライナ侵攻で地政学的リスクが高まり、エネルギーをはじめとする原燃料価格が高騰するなど、景気の先行きは不透明な状況が続きました。一方、ワクチン接種の普及により行動制限が緩和されるなど経済活動が段階的に再開しました。また、海外経済の緩やかな回復に伴い、企業の設備投資、輸出などを中心に底入れの動きが見られ概ね回復基調となりました。米国経済は、景気対策や経済活動の制限緩和などにより、景気は回復基調で推移しました。欧州経済は、各国で経済活動の制限が段階的に緩和され、輸出の増加などにより回復に向かいました。中国経済は、感染症拡大の封じ込めのためのロックダウンや電力制限などの政府の規制に加え、資源価格の高騰で景気の回復ペースは減速しています。
このような状況において当社は、中期成長目標「Vision 2025」を策定し、目標達成を通して持続可能な成長の実現を目指しています。今期の取り組みとしてはコンデンサ事業では、拡大する自動車市場や5Gなどの情報通信機器および再生可能エネルギー市場に向けて、各種アルミ電解コンデンサの新製品を開発、市場導入しました。xEV向けフィルムコンデンサは世界各国のEV化が急速に進むなか、旺盛な需要に対応しています。
また、当社の経営の新たな柱であるNECST事業におきましては、蓄電による再生可能エネルギーの活用拡大と温室効果ガス排出削減に寄与する蓄電システムやV2Hシステムなどに注力しています。家庭用蓄電システムでは「蓄電のニチコン」として、脱炭素社会の実現に貢献する太陽光発電とEVと蓄電池の3つをつなぐ「トライブリッド蓄電システム®」の新製品を開発し、市場から高い評価をいただいています。さらに、自社の取り組みとしてカーボンニュートラル実現に向けて、車両のゼロエミッション化を目指す国際イニシアティブ「EV100」への加盟をするなど、ESGでも評価される企業を目指しています。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は142,198百万円と前期比22.5%の増収となり過去最高を更新しました。また、利益につきましては、営業利益は6,427百万円と前期比4.1倍の増益、経常利益は為替差益を1,332百万円計上し8,594百万円と前期比2.9倍の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は7,902百万円と前期比4.6倍の増益となり過去最高を更新しました。
製品区分別売上高につきましては、電子機器用は、車載関連機器向けに加え、産業機器や白物家電などのインバータ関連機器向けなどのアルミ電解コンデンサの売上が増加したことなどにより81,966百万円と前期比30.8%の大幅増収となりました。
電力・機器用及び応用機器は、主としてxEV向け機器用フィルムコンデンサの売上が大幅に増加したことなどにより19,435百万円と前期比21.7%の増収となりました。
回路製品は、スイッチング電源が部品調達難の影響により伸び悩みましたが、NECST事業の家庭用蓄電システムやV2Hシステムの売上が伸長したことなどにより40,416百万円と前期比8.6%の増収となりました。
設備投資につきましては、新規事業の成長を見据えた技術・開発投資や当社のコア事業であるアルミ電解コンデンサの生産能力増強、xEV向けフィルムコンデンサのグローバル生産体制の構築を中心に10,127百万円の設備投資を実施しました。
所在地別の経営成績は、次のとおりです。
a.日 本
国内においては、アルミ電解コンデンサの車載関連機器向けやインバータ関連機器向けの売上が増加したことに加え、家庭用蓄電システムやV2Hシステムの売上が伸長したことなどにより、売上高は63,474百万円と前期比18.9%の増収となりました。営業利益は、売上高の増収による稼働益や為替の円安影響などにより2,528百万円(前期は923百万円の営業損失)となりました。
b.米 国
米国地域においては、主に電気自動車向け需要が大幅に増加したことなどにより、売上高は12,017百万円と前期比48.9%の増収となりました。営業利益は、売上高の増収などにより572百万円と前期比95.8%の増益となりました。
c.アジア
アジア地域においては、車載関連機器向けやインバータ関連機器向けの売上が増加したことなどにより、売上高は58,079百万円と前期比21.3%の増収となりました。営業利益は、製造コストの削減や売上高の増収による稼働益などにより3,077百万円と前期比61.0%の増益となりました。
d.欧州他
欧州その他の地域においては、車載関連機器向けおよび産業機器向け需要が増加したことなどにより、売上高は8,627百万円と前期比27.5%の増収となりました。営業利益は、売上高の増収などにより413百万円と前期比94.8%の増益となりました。
・所在地別の経営成績
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
| 日本 (百万円) | 米国 (百万円) | アジア (百万円) | 欧州他 (百万円) | 計 (百万円) | 消去又は 全社 (百万円) | 連結 (百万円) | |
| 売上高 | |||||||
| (1)外部顧客に対する売上高 | 53,373 | 8,069 | 47,866 | 6,764 | 116,073 | - | 116,073 |
| (2)所在地間の内部売上高又は振替高 | 34,422 | 2 | 9,445 | - | 43,870 | △43,870 | - |
| 計 | 87,796 | 8,072 | 57,311 | 6,764 | 159,944 | △43,870 | 116,073 |
| 営業利益または 営業損失(△) | △923 | 292 | 1,911 | 212 | 1,492 | 81 | 1,573 |
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
| 日本 (百万円) | 米国 (百万円) | アジア (百万円) | 欧州他 (百万円) | 計 (百万円) | 消去又は 全社 (百万円) | 連結 (百万円) | |
| 売上高 | |||||||
| (1)外部顧客に対する売上高 | 63,474 | 12,017 | 58,079 | 8,627 | 142,198 | - | 142,198 |
| (2)所在地間の内部売上高又は振替高 | 47,207 | 0 | 14,844 | - | 62,051 | △62,051 | - |
| 計 | 110,681 | 12,017 | 72,923 | 8,627 | 204,250 | △62,051 | 142,198 |
| 営業利益 | 2,528 | 572 | 3,077 | 413 | 6,592 | △165 | 6,427 |
・海外売上高
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
| 米州 | アジア | 欧州他 | 計 | |
| Ⅰ 海外売上高(百万円) | 8,074 | 48,730 | 6,766 | 63,571 |
| Ⅱ 連結売上高(百万円) | 116,073 | |||
| Ⅲ 連結売上高に占める海外売上高の割合(%) | 7.0 | 42.0 | 5.8 | 54.8 |
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
| 米州 | アジア | 欧州他 | 計 | |
| Ⅰ 海外売上高(百万円) | 12,023 | 59,074 | 8,637 | 79,735 |
| Ⅱ 連結売上高(百万円) | 142,198 | |||
| Ⅲ 連結売上高に占める海外売上高の割合(%) | 8.5 | 41.5 | 6.1 | 56.1 |
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,967百万円減少し17,799百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年に比べ1,831百万円収入が減少し5,264百万円の収入となりました。これは主に、棚卸資産の増加額が8,369百万円、売掛債権の増加額が6,615百万円となった一方で、税金等調整前当期純利益9,587百万円、減価償却費6,055百万円を計上したことに加え、仕入債務の増加額が5,798百万円となったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年に比べ1,960百万円支出が増加し、5,974百万円の支出となりました。これは主に、有価証券・投資有価証券の売却及び償還による収入が3,355百万円となりましたが、一方で、有形固定資産の取得による支出が7,889百万円、有価証券・投資有価証券の取得による支出が549百万円となったことに加え長期貸付金による支出が440百万円となったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年に比べ178百万円支出が増加し、2,303百万円の支出となりました。これは主に、短期借入金の純増額が4,600百万円となった一方で、配当金の支払額が1,778百万円、長期借入金の返済による支出が4,672百万円となったことなどによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)における製品区分の生産実績は、次のとおりです。
| 製品区分 | 当連結会計年度(百万円) | 前期比(%) |
| 電子機器用 | 86,821 | 138.1 |
| 電力・機器用及び応用機器 | 20,314 | 129.4 |
| 回路製品 | 40,409 | 109.7 |
| その他 | 379 | 160.2 |
| 合計 | 147,925 | 128.0 |
(注)金額は、販売価格によります。
b.受注実績
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)における製品区分の受注実績は、次のとおりです。
| 製品区分 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期末比(%) |
| 電子機器用 | 110,781 | 142.0 | 56,824 | 202.9 |
| 電力・機器用及び応用機器 | 22,372 | 136.4 | 7,184 | 169.1 |
| 回路製品 | 45,001 | 120.2 | 8,909 | 206.0 |
| その他 | 803 | 242.2 | 766 | 223.6 |
| 合計 | 178,957 | 135.4 | 73,685 | 199.5 |
c.販売実績
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)における製品区分の販売実績は、次のとおりです。
| 製品区分 | 当連結会計年度(百万円) | 前期比(%) |
| 電子機器用 | 81,966 | 130.8 |
| 電力・機器用及び応用機器 | 19,435 | 121.7 |
| 回路製品 | 40,416 | 108.6 |
| その他 | 379 | 160.2 |
| 合計 | 142,198 | 122.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針および見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたって、財政状態および経営成績に影響を与える項目は下記のとおりです。なお、当社グループの重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載しています。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
a.固定資産の減損
当社グループは、事業用の様々な有形固定資産および無形資産を所有しています。毎期、資産または資産グループに減損が生じている可能性を示す事象(減損の兆候)があるかどうかを判定し、減損の兆候がある資産または資産グループについて、帳簿価額がこれらの資産の継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる割引前の将来キャッシュ・フローの総額を超える場合に、減損損失を認識することとしています。また、資産または資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの割引現在価値と、正味売却価額のいずれか高い方の金額を資産の回収可能価額とし、帳簿価額が回収可能価額を上回る額を減損損失として測定しています。今後の事業計画との乖離や市況・需要の変化等によって、期待される収益やキャッシュ・フローが生み出せない可能性を示す事象(減損の兆候)が見られる場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
b.貸倒引当金
当社グループは、売掛債権、貸付金等による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は追加引当が必要となる可能性があります。
c.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客等および金融機関の株式を所有しています。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、株価の決定が困難である非上場会社の株式が含まれています。当社グループは連結会計年度末において、上場会社では株価が取得価額を50%以上下落した場合、非上場会社では会社の純資産額が欠損により50%以上下落した場合に減損損失を計上しています。また、株価が取得価額の30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損損失を計上しています。将来の市況悪化または投資先の経営成績不振により、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
d.繰延税金資産の回収可能性
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り) 2.繰延税金資産の回収可能性」に記載のとおりです。
e.退職給付に係る負債および年金制度
当社の退職金規程では、勤続年数3年以上の従業員については、原則として退職時に退職一時金の受給資格を有することになります。この退職給付金は、通常、勤務年数、退職の事由、退職時の算定基礎額により算出されています。
当社および一部の国内連結子会社は、従業員の退職給付に関し、確定給付型年金制度および退職一時金制度を採用しており、当社および在外連結子会社の一部につきましては、確定拠出型年金制度を採用しています。退職給付に係る負債および退職給付費用の計算は、数理計算上で設定された前提条件に基づいて算出されており、これらの前提条件には割引率、年金資産の長期期待運用収益率、将来の昇給率、退職率、死亡率などが含まれます。当社グループが使用した前提条件は妥当なものと考えていますが、実際の結果が異なる場合、または前提条件が変更された場合は、退職給付に係る負債および退職給付費用に影響を与える可能性があります。
f.製品保証引当金
当社は、製品の販売に係る一定期間内の無償サービスの費用に備えるため、当該費用の発生割合および支出実績を勘案した見積額を計上していますが、実際の製品不良率や保証費用が見積りと異なる場合には、追加の引当が必要となる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
イ.財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前期末に比べて14,103百万円増加し170,112百万円(前期末比9.0%増)となりました。
流動資産は、前期末に比べて17,132百万円増加して94,997百万円(前期末比22.0%増)となりました。これは主に、現金及び預金が前期末に比べて1,967百万円減少し17,799百万円となった一方で、棚卸資産が前期末に比べ9,581百万円増加し31,142百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が前期末に比べ7,171百万円増加し37,099百万円となったことなどによるものです。
有形固定資産は、前期末に比べて4,050百万円増加して39,556百万円(前期末比11.4%増)となりました。これは主に、当連結会計年度における設備投資実施額が10,127百万円となり、減価償却費6,055百万円を上回ったことなどによるものです。
投資その他の資産は、前期末に比べて7,314百万円減少して34,236百万円(前期末比17.6%減)となりました。これは主に、投資有価証券が前期末に比べて7,311百万円減少して31,293百万円となったことなどによるものです。
流動負債は、前期末に比べて11,926百万円増加して53,109百万円(前期末比29.0%増)となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が前期末に比べ4,969百万円増加し16,697百万円、電子記録債務が前期末に比べ2,992百万円増加し11,556百万円となったことに加え、その他の流動負債が前期末に比べ1,979百万円増加し7,701百万円となったことなどによります。
固定負債は、前期末に比べて3,208百万円減少して22,349百万円(前期末比12.6%減)となりました。これは主に、繰延税金負債が前期末に比べて2,136百万円減少して5,754百万円となったことに加え、長期借入金が前期末に比べ1,152百万円減少したことなどによるものです。
利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益7,902百万円を計上し、配当金の支払いを1,778百万円行ったことで、前期末に比べて6,123百万円増加して55,039百万円となりました。その他有価証券評価差額金は、前期末に比べて4,562百万円減少して13,950百万円となりました。また、為替換算調整勘定は、前期末に比べて3,672百万円増加して3,908百万円となりました。
自己株式の期末残高は、前期末に比べて1百万円増加して11,626百万円となりました。
以上の結果、純資産は前期末に比べて6.0%増加し94,652百万円となりました。
直近3事業年度の自己資本比率および時価ベースの自己資本比率は次のとおりです。
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 54.2 | 55.9 | 54.3 |
| 時価ベースの 自己資本比率(%) | 33.2 | 49.2 | 47.3 |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
ロ.経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、前期に比べ26,124百万円増加し、142,198百万円(前期比22.5%増)となり過去最高を更新しました。
国内売上は、アルミ電解コンデンサの車載関連機器向けやインバータ関連機器向けの売上が増加したことに加え、家庭用蓄電システムやV2Hシステムの売上が伸長したことなどにより、売上高は62,463百万円と前期比19.0%の増収となりました。海外売上高については、アジア市場において車載関連機器向けやインバータ関連機器向けの売上が増加したことなどにより、売上高は59,074百万円と前期比21.2%の増収となりました。米州については主に電気自動車向け需要が大幅に増加したことなどにより、売上高は12,023百万円と前期比48.9%の増収となりました。また、欧州他は車載関連機器向けおよび産業機器向け需要が増加したことなどにより、売上高は8,637百万円と前期比27.7%の増収となり、海外市場全体では79,735百万円となり前期比25.4%の増収となりました。これらの結果、連結売上高に占める海外売上高の割合は、前期比1.3ポイント上昇し56.1%となりました。
b.売上原価・販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、生産性向上や品質改善による仕損じの削減を図りましたが、電力料をはじめとする燃料費や部材調達コストの高騰などにより、前期に比べ18,608百万円増加し117,794百万円(前期比18.8%増)となりました。売上原価率は前期比2.7ポイント下降して82.8%となりました。
販売費及び一般管理費は、運送コストの高騰などにより前期に比べ2,662百万円増加し17,977百万円(前期比17.4%増)となりました。売上高販管費比率は前期比0.6ポイント下降して12.6%となりました。
c.営業利益と親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の営業利益は、上記a.およびb.の結果、前期に比べ4,853百万円増加し6,427百万円(前期比4.1倍)となりました。
営業外損益項目では、為替差益を1,332百万円計上したことなどにより、経常利益は前期に比べ5,578百万円増加し8,594百万円(前期比2.9倍)となりました。
特別損益項目では、特別利益として投資有価証券売却益を1,088百万円(前期は289百万円)計上し、特別損失には減損損失69百万円を計上しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ6,198百万円増加し7,902百万円(前期比4.6倍)となり過去最高を更新しました。
ハ.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,967百万円減少し17,799百万円となりました。
変動要因は「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、710百万円のマイナスとなりました。資金調達の方法および状況ならびに資金需要の動向については次項「ニ.資本の財源及び資金の流動性」に記載のとおりです。
ニ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、設備投資、改修等に係る投資資金や、当社製品製造のための人件費や経費、材料および部品などの製造費用、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等の運転資金です。
これらに必要な資金の主な源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入による資金調達および社債の発行により対応します。当連結会計年度においては、経常的な運転資金を金融機関からの短期借入金にて調達していますが、特筆すべき重要な事項はありません。
当社グループは、手許資金ならびに直接・間接金融による資金調達を実施し、事業の拡大に必要な資金の流動性を確保できるものと考えています。
ホ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
翌期(2023年3月期)の経済環境の見通しは、地政学リスクの高まりを背景とする原燃料価格の高騰や部材調達網の寸断懸念に加え、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う世界経済への影響など、先行きの不透明感と不確実性が高い状況が続いています。
重点4市場と位置付ける「エネルギー・環境・医療機器」「自動車・車両関連機器」「白物家電・産業用インバータ機器」「情報通信機器」の各市場ともに、半導体をはじめとする部材不足や素材価格の上昇圧力があるものの、カーボンニュートラルの動きの加速により環境関連需要は拡大する見通しです。
当連結会計年度の期初計画の達成状況は以下のとおりです。
| 指標 | 当連結会計年度 (計画) | 当連結会計年度 (実績) | 当連結会計年度 (計画比) |
| 売上高(百万円) | 130,000 | 142,198 | 12,198( 9.4%) |
| 営業利益(百万円) | 4,000 | 6,427 | 2,427( 60.7%) |
| 営業利益率(%) | 3.1 | 4.5 | +1.4ポイント |
| 経常利益(百万円) | 4,500 | 8,594 | 4,094( 91.0%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 3,300 | 7,902 | 4,602(139.5%) |
当社グループは、2021年11月、2026年3月期を最終年度とする中期成長目標「Vision 2025」を公表しています。2026年3月期において売上高2,000億円、営業利益率10%以上の目標としており、初年度となる当連結会計年度においては売上高、営業利益率ともに年度計画を達成しています。