有価証券報告書-第48期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。
また、前第1四半期連結会計期間よりセコップ社の冷蔵庫向けコンプレッサー事業を非継続事業に分類しております。これにより、売上高、営業利益及び税引前利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.非継続事業」に記載のとおりであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
この連結財務諸表の作成において、連結決算日における資産・負債の金額と連結会計年度の収益・費用に影響を及ぼす見積り・判断・仮定が必要となります。これらの実際の結果は見積り・判断・仮定と異なる場合があります。
もし会計上の見積りが行われる時点で高い不確実性に対する見積りを作成しなければならない場合、その会計上の見積りは、直近の会計期間にて合理的に見積った見積りや、該当する発生期間において合理的に見積ることができる場合とは異なり、財政状態やその変化、経営成績に重要な影響を与えると予想されます。
重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載しております。
(2)経営成績の状況
国際通貨基金(IMF)は2020暦年の世界経済全体の成長率が-3.3%で着地したと推定しております。同成長率想定は2020年10月時点予想を1.1ポイント上回っており、暦年後半の経済活動が想定以上に強かったことを反映した内容となっております。2020年度は世界各地域において新型コロナウイルス感染症拡大による経済減速期間と減速からの回復期間を経験した年度となりました。足許はワクチン接種による新型コロナウイルス感染症収束や各国の財政刺激策への期待も高まりつつありますが、変異種の出現等による感染拡大や都市封鎖再開の傾向、各国財政の圧迫懸念に加えて、原材料価格高騰傾向や半導体等一部部材の供給不足等のリスク要因もあり、不透明感の強く残る状況となっています。
当連結会計年度における主な経営成績は次のとおりであります。
当期の継続事業からの連結売上高は、家電、IT、ゲーム機等の新規需要を次々に取り込み、前期比5.4%増収の1兆6,180億64百万円となり、過去最高を更新致しました。このような新規需要の取込による増収効果に加えてWPR4プロジェクトによる徹底した原価改善及び固定費適正化等を実行致しました。一方、需要が急拡大しているトラクションモータシステム(E-Axle)等の先行開発費等を継続して計上したことにより、営業利益は前期比47.4%増益の1,600億11百万円となりました。税引前当期利益は前期比45.5%増益の1,529億78百万円、継続事業からの当期利益は前期比63.0%増益の1,228億45百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、継続事業からの当期利益の大幅な増益に加え、前期の事業譲渡による非継続事業からの当期損失が減少したことにより、前期比108.7%増益の1,219億77百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1.総売上高は外部顧客に対する売上高とセグメント間の売上高の合計です。
2.第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりであります。
3.前第1四半期連結会計期間より、「ACIM」セグメントのうち、セコップ社の冷蔵庫向けコンプレッサー事業を非継続事業に分類しております。
「SPMS」の総売上高は3,666億92百万円(前年度比193億85百万円増)となりました。これは、その他小型モータの売上増加によるものであります。また、営業利益は590億77百万円(前年度比169億88百万円増)となりました。これは、製品構成の良化及び徹底的な原価改善によるものであります。
「AMEC」の総売上高は1,833億99百万円(前年度比93億58百万円減)となりました。これは、日本電産モーターズアンドアクチュエーターズのアクチュエータ製品の売上減少によるものであります。また、営業損益は売上の減少及び開発費等を継続して計上していることにより、4億81百万円の営業損失となりました。
「ACIM」の総売上高は5,314億13百万円(前年度比430億13百万円増)となりました。これは、エンブラコ社買収の影響、搬送用ロボット向けモータ及びギアの増収によるものであります。また、営業利益は422億85百万円(前年度比190億25百万円増)となりました。これは、構造改革費用を計上したものの、増収及び徹底的な原価改善等によるものであります。
「日本電産サンキョー」の総売上高は1,325億36百万円(前年度比66億37百万円減)となりました。これは、カードリーダー及び電子光学部品の売上減少によるものであります。一方、営業利益は128億10百万円(前年度比46億13百万円増)となりました。これは、製品構成の良化及び原価改善によるものであります。
「日本電産テクノモータ」の総売上高は752億73百万円(前年度比44億21百万円減)となりました。これは、中国市場におけるエアコン向けモータの売上減少によるものであります。一方、営業利益は108億11百万円(前年度比1億27百万円増)となりました。これは、売上の減少があったものの、固定費適正化によるものであります。
「日本電産モビリティ」の総売上高は898億33百万円となりました。また、営業利益は81億33百万円となりました。前第3四半期連結会計期間にオムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社を買収したことを受け、第1四半期連結会計期間より新たに報告対象セグメントとしております。
「日本電産シンポ」の総売上高は740億7百万円(前年度比19億14百万円増)となりました。これは、減速機の売上増加によるものであります。また、営業利益は101億34百万円(前年度比52百万円増)となりました。これは、前期の一部事業販売権譲渡があったものの、売上の増加及び原価改善の影響等によるものであります。
「その他」の総売上高は2,345億32百万円(前年度比54億58百万円減)となりました。これは、半導体検査装置売上が増加したものの、その他小型モータ及び車載用製品等の売上減少によるものであります。一方、営業利益は299億86百万円(前年度比95億95百万円増)となりました。これは、半導体検査装置売上増加による増益、及び原価改善によるものであります。
製品グループ別の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 前第1四半期連結会計期間において、「家電・商業・産業用」製品グループのうち、セコップ社の冷蔵庫向けコンプレッサー事業を非継続事業に分類しております。
「精密小型モータ」製品グループは、スリー新活動等による技術優位性を生かした新たな需要の創造と競争優位を生かした収益性改善に注力しております。売上高は前期比4.6%増収の4,435億98百万円、為替の影響は前期比約51億円の減収要因となりました。HDD用モータは販売数量が前期比で約22%減少したものの、製品構成の良化等により売上高は前期比8.4%減収の1,440億29百万円となりました。一方、その他小型モータにおいては、IT用ファンモータ、高効率の家電用モータ、ゲーム機等のサーマルソリューション商材等の新製品を数多市場投入することで新規需要を次々に取り込んだことにより売上高は前期比12.2%増収の2,995億69百万円となりました。営業利益はHDD用モータにおける製品構成の良化等及びIT用ファンモータをはじめとするその他小型モータの高付加価値新製品の売上増加による増益に加えて、部品内製化等の徹底的な原価改善等を実行し、前期比48.3%増益の669億23百万円となりました。為替の影響は前期比約9億円の増益要因となりました。
「車載」製品グループは、基幹モータ技術と先進技術によりEV・PHEV向け駆動用モータの高付加価値モジュール製品の提供を目指し、研究開発等に取り組んでまいりました。自動車電動化の進展による需要到来に備え、多様な車種構成に対応すべく、製品のラインナップ拡充に注力しております。売上高は第1四半期連結会計期間を底に急回復したことに加え、オムロンオートモーティブエレクトロニクス買収の影響により、前期比7.5%増収の3,580億75百万円となりました。為替の影響は前期比約1億円の減収要因となりました。営業利益はWPR4プロジェクトによるあらゆる原価改善に総力を挙げて取り組んだ結果、トラクションモータ以外の既存製品の利益は第1四半期連結会計期間を底に急回復し、二桁を超える営業利益率までの改善を継続しているものの、需要が急拡大しているトラクションモータシステム(E-Axle)等の先行開発費等を継続して計上しているため、前期比7.9%減益の195億26百万円となりました。為替の影響は前期比約1億円の減益要因となりました。
「家電・商業・産業用」製品グループは、重点成長事業として、売上・コスト両面でのシナジー効果の追求と収益性の改善に注力しております。売上高は家電向けコンプレッサの売上が大幅に増加しているエンブラコ買収の影響に加え、欧米での搬送用ロボット向けモータ及びギアの増収により、前期比6.9%増収の6,016億11百万円となりました。為替の影響は前期比約117億円の減収要因となりました。営業利益は欧州等で当連結会計年度に構造改革費用約57億円を計上したものの、増収及び徹底的な原価改善等を実行したことにより、営業利益率が2.8%改善し、前期比56.2%増益の530億25百万円となりました。その結果、第3四半期連結会計期間、当第4四半期連結会計期間と連続して構造改革費用を除く営業利益率10%超を確保しました。為替の影響は前期比約17億円の減益要因となりました。
「機器装置」製品グループは、減速機の需要増加に伴い、小型ロボット用減速機の生産能力を増強するとともに生産能力拡大を通じたコスト競争力の向上に取り組んでおります。売上高は5G向け需要が好調な半導体検査装置の増収等により、前期比0.6%増収の1,505億75百万円となりました。為替の影響は前期比約11億円の減収要因となりました。営業利益は5G向け新製品需要の取り込みによる増益や原価改善及び固定費適正化の効果により前期比21.5%増益の264億5百万円となりました。為替の影響は前期比約4億円の減益要因となりました。
「電子・光学部品」製品グループの売上高は前期比0.7%増収の608億24百万円、為替の影響は前期比約8億円の減収要因となりました。営業利益は新製品投入による増収及び固定費改善を主因に、前期比97.3%増益の63億15百万円となりました。為替の影響は前期比約4億円の減益要因となりました。
「その他」製品グループの売上高は前期比25.4%減収の33億81百万円、営業利益は前期比36.1%減益の3億91百万円となりました。
(3)財政状態の状況
NIDECの現金及び現金同等物は、当連結会計年度末は2,195億24百万円であり、前連結会計年度末は2,069億86百万円で125億38百万円増加致しました。この主な要因は、営業キャッシュ・フローが2,191億56百万円の収入となった一方で、有形固定資産の取得等による投資キャッシュ・フローが1,005億68百万円の支出と、財務キャッシュ・フローが1,361億91百万円の支出となったことによります。また、手元現金の有効活用のため、日本、中国及び米国等各地域内においてキャッシュマネジメントシステム(CMS)を活用したグループ間での余剰資金活用を継続しており、さらに各国を結ぶCMSを既に導入し、全世界ベースでCMS網を拡大させております。なお、当連結会計年度末時点において、現金及び現金同等物の約76%を日本以外の子会社で保有しております。
NIDECの資金の効率化を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のノーショナルプーリングシステムを特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限に参加会社は借入を行っております。そのため、現金及び現金同等物に含まれる銀行預金には、単一の会計単位として認識したノーショナルプーリングシステムにおける預入金及び借入金の純額が含まれております。
グループ会社間での送金には、一部の特定された状況下において制限事項があります。特定地域における送金制限は、資金の効率的なグループ内移動、特に海外子会社から当社への送金を妨害する場合がありますが、後述の継続的なキャッシュ・フロー、外部借入を通じて流動性の需要を満たすように努めております。なお、この制限によるNIDECの流動性や財政状態、経営成績への重大な影響はございません。
短期借入金は前年度比859億77百万円減少の309億77百万円となりました。この主な減少理由は、ユーロ建借入の返済によるものであります。当連結会計年度末時点での短期借入金は主に、コマーシャル・ペーパーの残高300億円となります。
1年以内返済予定長期債務は前年度比362億78百万円減少の755億96百万円となりました。この主な要因は、主に1年以内返済予定長期借入金の551億90百万円返済による減少、及び長期借入金288億74百万円の長期債務からの振り替えによる増加によるものであります。当連結会計年度末時点での1年以内返済予定長期債務は主に、無担保社債及び銀行からのドル建、ユーロ建の借入で構成されております。
長期債務は前年度比537億77百万円増加の4,249億円となりました。この主な要因は、第12回無担保社債500億円、2026年満期ユーロ建て無担保普通社債を発行したことによる増加及び1年以内返済予定長期債務への振り替えによる646億73百万円の減少であります。当連結会計年度末時点での長期債務は主に、無担保社債及び銀行からのドル建、ユーロ建の借入で構成されております。
社債について、期末時点で連結財政状態計算書に含まれる額面総額は次のとおりです。
なお、ユーロ建無担保普通社債を除く上記社債は2012年3月に関東財務局長へ提出した2012年4月5日から2014年4月4日の期間に有効となる2,000億円の社債発行登録書及び、2016年3月に関東財務局長へ提出した2016年4月5日から2018年4月4日の期間に有効となる2,000億円の社債発行登録書及び2019年3月に関東財務局長へ提出した2019年4月5日から2020年4月4日の期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書及び2020年3月に関東財務局長へ提出した2020年4月9日から2021年4月8日期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書を基に発行しております。本発行登録は、資金調達手段の多様化による財務安定性の向上を企図し、金融機関からの間接金融による資金調達等と合わせて、NIDECの必要資金を機動的に調達できる体制を構築することを目的としております。NIDECの無担保資金調達の大部分は、当社が調達した後、それぞれのグループ会社の資本要件を満たすために貸与しております。NIDECは、資金調達コストの低減及び十分な信用枠を維持し、グループ会社全体の機動的な資金を確保致します。
NIDECは、将来のM&A、研究開発活動、設備投資のために追加融資を検討しています。また、今後もM&A、研究開発活動、及び設備投資を機動的に行う基盤構築のため、追加的な資金を得ることを検討しております。
有価証券報告書の提出日現在において、2021年1月26日から2022年1月25日の期間に4百万株及び500億円を上限とする自己株式取得が決議されております。当プログラムにおいて2021年1月26日から2021年3月31日、及び2021年4月1日から2021年5月31日までの期間には自己株式の購入はありませんでした。なお、2020年1月24日から2021年1月22日の期間に4百万株及び500億円を上限とする自己株式取得が決議されております。当プログラムにおいて2020年1月24日から2020年3月31日までの期間に約184億円で2,830,400株、及び2020年4月1日から2021年1月22日までの期間に約1億円で19,800株を取得しております。
NIDECは、これらの資金源と営業活動から得るキャッシュ・フロー及び未実行の与信枠は、将来の資金需要に十分対応するものであると考えております。
NIDECの資産合計は2兆2,560億67百万円で前年度比1,335億74百万円の増加となりました。この主な要因は、営業債権及びその他の債権が468億19百万円、棚卸資産が184億46百万円、有形固定資産が290億55百万円増加したことによります。
負債合計は1兆1,420億98百万円で前年度比127億62百万円の減少となりました。この主な要因は、有利子負債が684億78百万円減少したことによります。一方で、営業債務及びその他の債務が551億14百万円増加しました。有利子負債の内訳は、短期借入金が859億77百万円減少の309億77百万円、1年以内返済予定長期債務が362億78百万円減少の755億96百万円、長期債務が537億77百万円増加の4,249億円であります。
ワーキングキャピタル(流動資産-流動負債)は3,944億44百万円で前年度比1,577億83百万円の増加となりました。
売上債権(営業債権及びその他の債権)回転率(売上÷売上債権)は3.7で、前年度比0.2ポイントの減少となりました。また、棚卸資産回転率(売上原価÷棚卸資産)は4.2で、前年度比0.1ポイントの減少となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は1兆960億54百万円で前年度比1,487億64百万円の増加となりました。この主な要因は、利益剰余金が922億98百万円、在外営業活動体の換算差額等によりその他の資本の構成要素が661億60百万円増加したことによります。これらの結果、NIDECの親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末44.6%から当連結会計年度末48.6%に増加致しました。
(4)キャッシュ・フローの状況
(1)資金需要の状況
NIDECの資金需要は、主に設備投資・研究開発費・材料購入のための支払・従業員への給料、賃金やその他人件費の支払・M&A・関係会社に対する投資・長期及び短期債務の返済・自己株式の取得があります。当連結会計年度末時点において、NIDECは営業債務及びその他の債務を4,003億7百万円、短期借入金を309億77百万円、1年以内返済予定長期債務を含む長期債務を5,004億96百万円保有しております。
当連結会計年度の設備投資による支払は889億11百万円であり、翌連結会計年度は1,300億円を計画しております。また、当連結会計年度末の固定資産購入契約残高は269億40百万円であります。
当連結会計年度の研究開発費は672億80百万円であり、翌連結会計年度は約850億円を計画しております。
当連結会計年度に、NIDECは下記の会社を買収完了しております。
NIDECは今後も子会社への追加投資と新たな買収の機会を模索し続けます。
(2)資金調達の状況
NIDECの必要資金については、営業活動によるキャッシュ・フローに加えて、良好な取引関係にある複数の金融機関からの借入や、3,000億円の国内社債発行登録枠及び1,000億円のコマーシャル・ペーパー発行枠に基づく社債の発行等により調達を行っており、資金調達手段の多様化を図っております。なお、グループ会社については原則として金融機関からの資金調達を行わず、統括会社のキャッシュマネジメントシステム等を利用したグループ内ファイナンスにより、資金調達の一元化と資金効率化を継続して推進しております。
(5)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前第3四半期連結会計期間においてオムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社を買収したことに
伴い、第1四半期連結会計期間より新たに報告対象セグメントとなった「日本電産モビリティ」セグメントの追加により、生産実績が前年同期比で増加しております。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.「日本電産モビリティ」セグメントは見込生産を行っております。
4.受注残高「その他」セグメントは半導体検査装置の需要増加により、著しく増加しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前第3四半期連結会計期間においてオムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社を買収したことに
伴い、第1四半期連結会計期間より新たに報告対象セグメントとなった「日本電産モビリティ」セグメントの追加により、販売実績が前年同期比で増加しております。
当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。
また、前第1四半期連結会計期間よりセコップ社の冷蔵庫向けコンプレッサー事業を非継続事業に分類しております。これにより、売上高、営業利益及び税引前利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.非継続事業」に記載のとおりであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
この連結財務諸表の作成において、連結決算日における資産・負債の金額と連結会計年度の収益・費用に影響を及ぼす見積り・判断・仮定が必要となります。これらの実際の結果は見積り・判断・仮定と異なる場合があります。
もし会計上の見積りが行われる時点で高い不確実性に対する見積りを作成しなければならない場合、その会計上の見積りは、直近の会計期間にて合理的に見積った見積りや、該当する発生期間において合理的に見積ることができる場合とは異なり、財政状態やその変化、経営成績に重要な影響を与えると予想されます。
重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載しております。
(2)経営成績の状況
国際通貨基金(IMF)は2020暦年の世界経済全体の成長率が-3.3%で着地したと推定しております。同成長率想定は2020年10月時点予想を1.1ポイント上回っており、暦年後半の経済活動が想定以上に強かったことを反映した内容となっております。2020年度は世界各地域において新型コロナウイルス感染症拡大による経済減速期間と減速からの回復期間を経験した年度となりました。足許はワクチン接種による新型コロナウイルス感染症収束や各国の財政刺激策への期待も高まりつつありますが、変異種の出現等による感染拡大や都市封鎖再開の傾向、各国財政の圧迫懸念に加えて、原材料価格高騰傾向や半導体等一部部材の供給不足等のリスク要因もあり、不透明感の強く残る状況となっています。
当連結会計年度における主な経営成績は次のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 1,534,800 | 1,618,064 | 83,264 | 5.4% |
| 営業利益 | 108,558 | 160,011 | 51,453 | 47.4% |
| (利益率) | (7.1%) | (9.9%) | - | - |
| 税引前当期利益 | 105,160 | 152,978 | 47,818 | 45.5% |
| 継続事業からの当期利益 | 75,376 | 122,845 | 47,469 | 63.0% |
| 非継続事業からの当期損失 | △15,707 | △228 | 15,479 | - |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 58,459 | 121,977 | 63,518 | 108.7% |
当期の継続事業からの連結売上高は、家電、IT、ゲーム機等の新規需要を次々に取り込み、前期比5.4%増収の1兆6,180億64百万円となり、過去最高を更新致しました。このような新規需要の取込による増収効果に加えてWPR4プロジェクトによる徹底した原価改善及び固定費適正化等を実行致しました。一方、需要が急拡大しているトラクションモータシステム(E-Axle)等の先行開発費等を継続して計上したことにより、営業利益は前期比47.4%増益の1,600億11百万円となりました。税引前当期利益は前期比45.5%増益の1,529億78百万円、継続事業からの当期利益は前期比63.0%増益の1,228億45百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、継続事業からの当期利益の大幅な増益に加え、前期の事業譲渡による非継続事業からの当期損失が減少したことにより、前期比108.7%増益の1,219億77百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 総売上高 | 営業損益 | |||||
| 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減額 | 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減額 | |
| SPMS | 347,307 | 366,692 | 19,385 | 42,089 | 59,077 | 16,988 |
| AMEC | 192,757 | 183,399 | △9,358 | 9,749 | △481 | △10,230 |
| ACIM | 488,400 | 531,413 | 43,013 | 23,260 | 42,285 | 19,025 |
| 日本電産サンキョー | 139,173 | 132,536 | △6,637 | 8,197 | 12,810 | 4,613 |
| 日本電産テクノモータ | 79,694 | 75,273 | △4,421 | 10,684 | 10,811 | 127 |
| 日本電産モビリティ | 43,966 | 89,833 | 45,867 | 1,164 | 8,133 | 6,969 |
| 日本電産シンポ | 72,093 | 74,007 | 1,914 | 10,082 | 10,134 | 52 |
| その他 | 239,990 | 234,532 | △5,458 | 20,391 | 29,986 | 9,595 |
| 調整及び消去/全社 | △68,580 | △69,621 | △1,041 | △17,058 | △12,744 | 4,314 |
| 連結 | 1,534,800 | 1,618,064 | 83,264 | 108,558 | 160,011 | 51,453 |
(注) 1.総売上高は外部顧客に対する売上高とセグメント間の売上高の合計です。
2.第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりであります。
3.前第1四半期連結会計期間より、「ACIM」セグメントのうち、セコップ社の冷蔵庫向けコンプレッサー事業を非継続事業に分類しております。
「SPMS」の総売上高は3,666億92百万円(前年度比193億85百万円増)となりました。これは、その他小型モータの売上増加によるものであります。また、営業利益は590億77百万円(前年度比169億88百万円増)となりました。これは、製品構成の良化及び徹底的な原価改善によるものであります。
「AMEC」の総売上高は1,833億99百万円(前年度比93億58百万円減)となりました。これは、日本電産モーターズアンドアクチュエーターズのアクチュエータ製品の売上減少によるものであります。また、営業損益は売上の減少及び開発費等を継続して計上していることにより、4億81百万円の営業損失となりました。
「ACIM」の総売上高は5,314億13百万円(前年度比430億13百万円増)となりました。これは、エンブラコ社買収の影響、搬送用ロボット向けモータ及びギアの増収によるものであります。また、営業利益は422億85百万円(前年度比190億25百万円増)となりました。これは、構造改革費用を計上したものの、増収及び徹底的な原価改善等によるものであります。
「日本電産サンキョー」の総売上高は1,325億36百万円(前年度比66億37百万円減)となりました。これは、カードリーダー及び電子光学部品の売上減少によるものであります。一方、営業利益は128億10百万円(前年度比46億13百万円増)となりました。これは、製品構成の良化及び原価改善によるものであります。
「日本電産テクノモータ」の総売上高は752億73百万円(前年度比44億21百万円減)となりました。これは、中国市場におけるエアコン向けモータの売上減少によるものであります。一方、営業利益は108億11百万円(前年度比1億27百万円増)となりました。これは、売上の減少があったものの、固定費適正化によるものであります。
「日本電産モビリティ」の総売上高は898億33百万円となりました。また、営業利益は81億33百万円となりました。前第3四半期連結会計期間にオムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社を買収したことを受け、第1四半期連結会計期間より新たに報告対象セグメントとしております。
「日本電産シンポ」の総売上高は740億7百万円(前年度比19億14百万円増)となりました。これは、減速機の売上増加によるものであります。また、営業利益は101億34百万円(前年度比52百万円増)となりました。これは、前期の一部事業販売権譲渡があったものの、売上の増加及び原価改善の影響等によるものであります。
「その他」の総売上高は2,345億32百万円(前年度比54億58百万円減)となりました。これは、半導体検査装置売上が増加したものの、その他小型モータ及び車載用製品等の売上減少によるものであります。一方、営業利益は299億86百万円(前年度比95億95百万円増)となりました。これは、半導体検査装置売上増加による増益、及び原価改善によるものであります。
製品グループ別の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 売上高 | 営業損益 | |||||
| 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減額 | 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減額 | |
| 精密小型モータ | 424,288 | 443,598 | 19,310 | 45,116 | 66,923 | 21,807 |
| 車載 | 333,241 | 358,075 | 24,834 | 21,196 | 19,526 | △1,670 |
| 家電・商業・産業用 | 562,604 | 601,611 | 39,007 | 33,940 | 53,025 | 19,085 |
| 機器装置 | 149,740 | 150,575 | 835 | 21,738 | 26,405 | 4,667 |
| 電子・光学部品 | 60,396 | 60,824 | 428 | 3,201 | 6,315 | 3,114 |
| その他 | 4,531 | 3,381 | △1,150 | 612 | 391 | △221 |
| 消去/全社 | - | - | - | △17,245 | △12,574 | 4,671 |
| 連結 | 1,534,800 | 1,618,064 | 83,264 | 108,558 | 160,011 | 51,453 |
(注) 前第1四半期連結会計期間において、「家電・商業・産業用」製品グループのうち、セコップ社の冷蔵庫向けコンプレッサー事業を非継続事業に分類しております。
「精密小型モータ」製品グループは、スリー新活動等による技術優位性を生かした新たな需要の創造と競争優位を生かした収益性改善に注力しております。売上高は前期比4.6%増収の4,435億98百万円、為替の影響は前期比約51億円の減収要因となりました。HDD用モータは販売数量が前期比で約22%減少したものの、製品構成の良化等により売上高は前期比8.4%減収の1,440億29百万円となりました。一方、その他小型モータにおいては、IT用ファンモータ、高効率の家電用モータ、ゲーム機等のサーマルソリューション商材等の新製品を数多市場投入することで新規需要を次々に取り込んだことにより売上高は前期比12.2%増収の2,995億69百万円となりました。営業利益はHDD用モータにおける製品構成の良化等及びIT用ファンモータをはじめとするその他小型モータの高付加価値新製品の売上増加による増益に加えて、部品内製化等の徹底的な原価改善等を実行し、前期比48.3%増益の669億23百万円となりました。為替の影響は前期比約9億円の増益要因となりました。
「車載」製品グループは、基幹モータ技術と先進技術によりEV・PHEV向け駆動用モータの高付加価値モジュール製品の提供を目指し、研究開発等に取り組んでまいりました。自動車電動化の進展による需要到来に備え、多様な車種構成に対応すべく、製品のラインナップ拡充に注力しております。売上高は第1四半期連結会計期間を底に急回復したことに加え、オムロンオートモーティブエレクトロニクス買収の影響により、前期比7.5%増収の3,580億75百万円となりました。為替の影響は前期比約1億円の減収要因となりました。営業利益はWPR4プロジェクトによるあらゆる原価改善に総力を挙げて取り組んだ結果、トラクションモータ以外の既存製品の利益は第1四半期連結会計期間を底に急回復し、二桁を超える営業利益率までの改善を継続しているものの、需要が急拡大しているトラクションモータシステム(E-Axle)等の先行開発費等を継続して計上しているため、前期比7.9%減益の195億26百万円となりました。為替の影響は前期比約1億円の減益要因となりました。
「家電・商業・産業用」製品グループは、重点成長事業として、売上・コスト両面でのシナジー効果の追求と収益性の改善に注力しております。売上高は家電向けコンプレッサの売上が大幅に増加しているエンブラコ買収の影響に加え、欧米での搬送用ロボット向けモータ及びギアの増収により、前期比6.9%増収の6,016億11百万円となりました。為替の影響は前期比約117億円の減収要因となりました。営業利益は欧州等で当連結会計年度に構造改革費用約57億円を計上したものの、増収及び徹底的な原価改善等を実行したことにより、営業利益率が2.8%改善し、前期比56.2%増益の530億25百万円となりました。その結果、第3四半期連結会計期間、当第4四半期連結会計期間と連続して構造改革費用を除く営業利益率10%超を確保しました。為替の影響は前期比約17億円の減益要因となりました。
「機器装置」製品グループは、減速機の需要増加に伴い、小型ロボット用減速機の生産能力を増強するとともに生産能力拡大を通じたコスト競争力の向上に取り組んでおります。売上高は5G向け需要が好調な半導体検査装置の増収等により、前期比0.6%増収の1,505億75百万円となりました。為替の影響は前期比約11億円の減収要因となりました。営業利益は5G向け新製品需要の取り込みによる増益や原価改善及び固定費適正化の効果により前期比21.5%増益の264億5百万円となりました。為替の影響は前期比約4億円の減益要因となりました。
「電子・光学部品」製品グループの売上高は前期比0.7%増収の608億24百万円、為替の影響は前期比約8億円の減収要因となりました。営業利益は新製品投入による増収及び固定費改善を主因に、前期比97.3%増益の63億15百万円となりました。為替の影響は前期比約4億円の減益要因となりました。
「その他」製品グループの売上高は前期比25.4%減収の33億81百万円、営業利益は前期比36.1%減益の3億91百万円となりました。
(3)財政状態の状況
NIDECの現金及び現金同等物は、当連結会計年度末は2,195億24百万円であり、前連結会計年度末は2,069億86百万円で125億38百万円増加致しました。この主な要因は、営業キャッシュ・フローが2,191億56百万円の収入となった一方で、有形固定資産の取得等による投資キャッシュ・フローが1,005億68百万円の支出と、財務キャッシュ・フローが1,361億91百万円の支出となったことによります。また、手元現金の有効活用のため、日本、中国及び米国等各地域内においてキャッシュマネジメントシステム(CMS)を活用したグループ間での余剰資金活用を継続しており、さらに各国を結ぶCMSを既に導入し、全世界ベースでCMS網を拡大させております。なお、当連結会計年度末時点において、現金及び現金同等物の約76%を日本以外の子会社で保有しております。
NIDECの資金の効率化を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のノーショナルプーリングシステムを特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限に参加会社は借入を行っております。そのため、現金及び現金同等物に含まれる銀行預金には、単一の会計単位として認識したノーショナルプーリングシステムにおける預入金及び借入金の純額が含まれております。
グループ会社間での送金には、一部の特定された状況下において制限事項があります。特定地域における送金制限は、資金の効率的なグループ内移動、特に海外子会社から当社への送金を妨害する場合がありますが、後述の継続的なキャッシュ・フロー、外部借入を通じて流動性の需要を満たすように努めております。なお、この制限によるNIDECの流動性や財政状態、経営成績への重大な影響はございません。
短期借入金は前年度比859億77百万円減少の309億77百万円となりました。この主な減少理由は、ユーロ建借入の返済によるものであります。当連結会計年度末時点での短期借入金は主に、コマーシャル・ペーパーの残高300億円となります。
1年以内返済予定長期債務は前年度比362億78百万円減少の755億96百万円となりました。この主な要因は、主に1年以内返済予定長期借入金の551億90百万円返済による減少、及び長期借入金288億74百万円の長期債務からの振り替えによる増加によるものであります。当連結会計年度末時点での1年以内返済予定長期債務は主に、無担保社債及び銀行からのドル建、ユーロ建の借入で構成されております。
長期債務は前年度比537億77百万円増加の4,249億円となりました。この主な要因は、第12回無担保社債500億円、2026年満期ユーロ建て無担保普通社債を発行したことによる増加及び1年以内返済予定長期債務への振り替えによる646億73百万円の減少であります。当連結会計年度末時点での長期債務は主に、無担保社債及び銀行からのドル建、ユーロ建の借入で構成されております。
社債について、期末時点で連結財政状態計算書に含まれる額面総額は次のとおりです。
| 銘柄 | 発行月 | 額面総額 | 償還期限 | 資金使途 |
| 第3回無担保社債 (社債間限定同順位特約付) | 2012年11月 | 200億円 | 2022年9月 | コマーシャル・ペーパー 及び短期借入金の返済 |
| 第7回無担保社債 (社債間限定同順位特約付) | 2017年8月 | 650億円 | 2022年8月 | 社債の償還 及び短期借入金の返済 |
| ユーロ建無担保普通社債 | 2018年9月 | 3億ユーロ | 2021年9月 | 欧州における設備投資等 |
| 第8回無担保社債 (社債間限定同順位特約付) | 2019年7月 | 1,000億円 | 2024年7月 | 社債の償還 及び短期借入金の返済 |
| 第9回無担保社債 (社債間限定同順位特約付) (グリーンボンド) | 2019年11月 | 500億円 | 2022年11月 | 電気自動車向けトラクションモータの製造 |
| 第10回無担保社債 (社債間限定同順位特約付) (グリーンボンド) | 2019年11月 | 300億円 | 2024年11月 | 電気自動車向けトラクションモータの製造 |
| 第11回無担保社債 (社債間限定同順位特約付) (グリーンボンド) | 2019年11月 | 200億円 | 2026年11月 | 電気自動車向けトラクションモータの製造 |
| 第12回無担保社債 | 2020年6月 | 500億円 | 2023年6月 | 社債の償還 及び短期借入金の返済 |
| ユーロ建無担保普通社債 (グリーンボンド) | 2021年3月 | 5億ユーロ | 2026年3月 | 電気自動車向けトラクションモータの製造 |
なお、ユーロ建無担保普通社債を除く上記社債は2012年3月に関東財務局長へ提出した2012年4月5日から2014年4月4日の期間に有効となる2,000億円の社債発行登録書及び、2016年3月に関東財務局長へ提出した2016年4月5日から2018年4月4日の期間に有効となる2,000億円の社債発行登録書及び2019年3月に関東財務局長へ提出した2019年4月5日から2020年4月4日の期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書及び2020年3月に関東財務局長へ提出した2020年4月9日から2021年4月8日期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書を基に発行しております。本発行登録は、資金調達手段の多様化による財務安定性の向上を企図し、金融機関からの間接金融による資金調達等と合わせて、NIDECの必要資金を機動的に調達できる体制を構築することを目的としております。NIDECの無担保資金調達の大部分は、当社が調達した後、それぞれのグループ会社の資本要件を満たすために貸与しております。NIDECは、資金調達コストの低減及び十分な信用枠を維持し、グループ会社全体の機動的な資金を確保致します。
NIDECは、将来のM&A、研究開発活動、設備投資のために追加融資を検討しています。また、今後もM&A、研究開発活動、及び設備投資を機動的に行う基盤構築のため、追加的な資金を得ることを検討しております。
有価証券報告書の提出日現在において、2021年1月26日から2022年1月25日の期間に4百万株及び500億円を上限とする自己株式取得が決議されております。当プログラムにおいて2021年1月26日から2021年3月31日、及び2021年4月1日から2021年5月31日までの期間には自己株式の購入はありませんでした。なお、2020年1月24日から2021年1月22日の期間に4百万株及び500億円を上限とする自己株式取得が決議されております。当プログラムにおいて2020年1月24日から2020年3月31日までの期間に約184億円で2,830,400株、及び2020年4月1日から2021年1月22日までの期間に約1億円で19,800株を取得しております。
NIDECは、これらの資金源と営業活動から得るキャッシュ・フロー及び未実行の与信枠は、将来の資金需要に十分対応するものであると考えております。
NIDECの資産合計は2兆2,560億67百万円で前年度比1,335億74百万円の増加となりました。この主な要因は、営業債権及びその他の債権が468億19百万円、棚卸資産が184億46百万円、有形固定資産が290億55百万円増加したことによります。
負債合計は1兆1,420億98百万円で前年度比127億62百万円の減少となりました。この主な要因は、有利子負債が684億78百万円減少したことによります。一方で、営業債務及びその他の債務が551億14百万円増加しました。有利子負債の内訳は、短期借入金が859億77百万円減少の309億77百万円、1年以内返済予定長期債務が362億78百万円減少の755億96百万円、長期債務が537億77百万円増加の4,249億円であります。
ワーキングキャピタル(流動資産-流動負債)は3,944億44百万円で前年度比1,577億83百万円の増加となりました。
売上債権(営業債権及びその他の債権)回転率(売上÷売上債権)は3.7で、前年度比0.2ポイントの減少となりました。また、棚卸資産回転率(売上原価÷棚卸資産)は4.2で、前年度比0.1ポイントの減少となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は1兆960億54百万円で前年度比1,487億64百万円の増加となりました。この主な要因は、利益剰余金が922億98百万円、在外営業活動体の換算差額等によりその他の資本の構成要素が661億60百万円増加したことによります。これらの結果、NIDECの親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末44.6%から当連結会計年度末48.6%に増加致しました。
(4)キャッシュ・フローの状況
(1)資金需要の状況
NIDECの資金需要は、主に設備投資・研究開発費・材料購入のための支払・従業員への給料、賃金やその他人件費の支払・M&A・関係会社に対する投資・長期及び短期債務の返済・自己株式の取得があります。当連結会計年度末時点において、NIDECは営業債務及びその他の債務を4,003億7百万円、短期借入金を309億77百万円、1年以内返済予定長期債務を含む長期債務を5,004億96百万円保有しております。
当連結会計年度の設備投資による支払は889億11百万円であり、翌連結会計年度は1,300億円を計画しております。また、当連結会計年度末の固定資産購入契約残高は269億40百万円であります。
当連結会計年度の研究開発費は672億80百万円であり、翌連結会計年度は約850億円を計画しております。
当連結会計年度に、NIDECは下記の会社を買収完了しております。
| 会社名 | 地域 | 主要な事業内容 |
| メタルスタンピングサポートグループLLC社 | 米国 | プレス機周辺機器の製造・販売 |
NIDECは今後も子会社への追加投資と新たな買収の機会を模索し続けます。
(2)資金調達の状況
NIDECの必要資金については、営業活動によるキャッシュ・フローに加えて、良好な取引関係にある複数の金融機関からの借入や、3,000億円の国内社債発行登録枠及び1,000億円のコマーシャル・ペーパー発行枠に基づく社債の発行等により調達を行っており、資金調達手段の多様化を図っております。なお、グループ会社については原則として金融機関からの資金調達を行わず、統括会社のキャッシュマネジメントシステム等を利用したグループ内ファイナンスにより、資金調達の一元化と資金効率化を継続して推進しております。
(5)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年度比(%) |
| SPMS | 341,837 | 105.2 |
| AMEC | 144,365 | 92.2 |
| ACIM | 491,495 | 104.2 |
| 日本電産サンキョー | 131,064 | 94.3 |
| 日本電産テクノモータ | 71,438 | 91.2 |
| 日本電産モビリティ | 91,764 | 229.3 |
| 日本電産シンポ | 62,097 | 85.3 |
| その他 | 209,091 | 95.4 |
| 合計 | 1,543,151 | 102.7 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前第3四半期連結会計期間においてオムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社を買収したことに
伴い、第1四半期連結会計期間より新たに報告対象セグメントとなった「日本電産モビリティ」セグメントの追加により、生産実績が前年同期比で増加しております。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年度比(%) | 受注残高(百万円) | 前年度比(%) |
| SPMS | 361,425 | 104.2 | 32,281 | 93.3 |
| AMEC | 182,878 | 97.4 | 6,623 | 118.4 |
| ACIM | 578,733 | 112.2 | 170,403 | 144.5 |
| 日本電産サンキョー | 129,127 | 98.9 | 22,578 | 98.9 |
| 日本電産テクノモータ | 68,439 | 91.8 | 1,676 | 93.0 |
| 日本電産モビリティ | - | - | - | - |
| 日本電産シンポ | 72,317 | 99.6 | 34,016 | 129.2 |
| その他 | 210,346 | 106.3 | 50,470 | 178.2 |
| 合計 | 1,603,265 | 105.1 | 318,047 | 134.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.「日本電産モビリティ」セグメントは見込生産を行っております。
4.受注残高「その他」セグメントは半導体検査装置の需要増加により、著しく増加しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年度比(%) |
| SPMS | 364,262 | 106.5 |
| AMEC | 181,925 | 94.8 |
| ACIM | 530,961 | 108.8 |
| 日本電産サンキョー | 129,377 | 96.0 |
| 日本電産テクノモータ | 68,566 | 91.7 |
| 日本電産モビリティ | 88,803 | 202.0 |
| 日本電産シンポ | 65,902 | 96.6 |
| その他 | 188,268 | 98.5 |
| 合計 | 1,618,064 | 105.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前第3四半期連結会計期間においてオムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社を買収したことに
伴い、第1四半期連結会計期間より新たに報告対象セグメントとなった「日本電産モビリティ」セグメントの追加により、販売実績が前年同期比で増加しております。