有価証券報告書-第78期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/23 10:39
【資料】
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【項目】
152項目
経営者の視点による当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績
当連結会計年度における国内経済は、雇用、所得環境の改善が継続し緩やかな拡大基調をたどっていましたが、海外経済の減速や自然災害の影響などから年度後半には景況感が悪化し、新型コロナウイルス感染症拡大以降は、世界的な経済活動の制約から国内外とも景気は大きく後退しました。
当社グループの主要市場の状況は、工作機械市況は米中貿易摩擦の影響などによる中国経済の落ち込みにより低迷が継続しました。半導体市況は年明け以降から回復の兆しが見え始めてきましたが、通年では半導体メーカーの設備投資抑制が影響し低調に推移しました。通信機器市場は、第5世代移動通信システム(5G)向け基地局投資が立ち上がり始め、新規格Wi-Fi6向け機器需要が本格化するなど新市場関連製品の需要は増加しましたが、米国市場における衛星放送からインターネット配信サービスへの移行や、車載用ラジオのモデルチェンジなどにより既存市場に対応した製品需要は減少しました。全体的な需要の低迷に対して、営業部門の戦略的な販売活動の推進や調達コストの削減等を推進してきましたが、固定費を吸収できず、収益は悪化しました。その結果、当連結会計年度の業績は、売上高89億16百万円(前期比11.8%減少)、営業損失4億38百万円(前期は2億円の利益)、経常損失4億34百万円(前期は2億42百万円の利益)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は、繰延税金資産の取り崩しに伴う法人税等調整額を計上したため、8億37百万円(前期は23百万円の利益)となりました。
足元の新型コロナウイルス感染症拡大による当社グループへの影響については、双信エレクトロニクスマレーシアの操業が、政府の要請により2020年3月18日に停止、4月に入り通常の半分程度の生産体制で再開しました。その後、5月4日より通常の操業に回復しましたが、この間の生産物量の減少がノイズフィルタの売上に影響を及ぼしています。また、一部材料の入手に支障をきたしているものがありますが、現状では業績に甚大な悪影響を与えるまでのレベルには至っていないと判断しています。ただし、新型コロナウイルス感染症拡大による影響が想定以上に長期化した場合には、業績に与える影響が拡大する可能性があります。
上記の不確定要因を除けば、ノイズフィルタにおいては当第4四半期からの半導体製造装置市場の回復が鮮明になっており、5G関連の需要として積層誘電体フィルタや厚膜印刷基板の市場も活況となっています。新製品を投入している新規格Wi-Fi6用の積層誘電体フィルタの需要も、お客様の量産が本格化する期後半より需要がさらに増加するものと期待しています。
新型コロナウイルス感染症拡大による当社の事業環境は予断を許さない状況ですが、市場に回復の兆しが見え始めている状況を捉えて黒字化を目指します。
当社グループの経営方針、経営戦略につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等」に、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
セグメント別の業績は以下のとおりです。なお、当連結会計年度より、各製品の事業戦略をより明確にし、その事業戦略を達成するため当社グループ内の組織再編を行い、報告セグメントの区分方法を変更しています。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。前連結会計年度と当連結会計年度との比較分析は、変更後の区分に基づいています。
[パワーエレクトロニクス事業]
当セグメントの売上高は39億71百万円(前期比15.1%減少)となりました。
電磁波ノイズ測定事業は、他社とのアライアンスによる業務範囲の拡大などにより微減に止まったものの、世界的な半導体メーカーの設備投資抑制や中国経済の落ち込みなどより、産業用機械、装置に使用されるノイズフィルタやコンデンサは大きく減少し、セグメント全体では売上高が減少しました。
営業損失は、売上高の減少により2億38百万円(前期は24百万円の利益)となりました。
[情報通信事業]
当セグメントの売上高は50億53百万円(前期比10.2%減少)となりました。
自動車や通信端末などに使用される厚膜印刷基板は、製品ラインアップ拡充による市場シェア拡大により自動車用は増加しましたが、通信端末用は中国経済の落ち込みなどにより減少しました。通信機器に使用される積層誘電体フィルタは、主に米国衛星放送用や車載ラジオ用が減少、またマイカコンデンサは半導体市況の低迷や大型案件の減少により減少し、セグメント全体では売上高が減少しました。
営業損失は、売上高の減少により2億39百万円(前期は1億67百万円の利益)となりました。
生産・受注および販売の実績は以下のとおりです。
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
前期比(%)
パワーエレクトロニクス事業 (千円)3,880,25985.8
情報通信事業 (千円)4,963,58388.2
合 計8,843,84287.1

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しており、金額は販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
ロ.受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
パワーエレクトロニクス事業4,088,96393.0710,375136.8
情報通信事業5,128,71294.8620,856121.6
合 計9,217,67594.01,331,231129.3

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
前期比(%)
パワーエレクトロニクス事業 (千円)3,897,76985.5
情報通信事業 (千円)5,018,46790.3
合 計8,916,23688.2

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社デンソー1,526,87415.11,485,43116.7
デクセリアルズ株式会社1,132,72411.2945,65510.6

3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による財政状態およびキャッシュ・フローの状況の分析
① 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、114億22百万円(前期末比14億57百万円の減少)となりました。
うち、流動資産は、売上高の減少、親会社株主に帰属する当期純損失等により現金及び預金や受取手形及び売掛金が減少したことで、58億73百万円(前期末比9億12百万円の減少)となりました。 また、固定資産は、既存設備の減価償却による有形固定資産の減少、退職給付に係る資産の減少および繰延税金資産の取り崩し等により、55億49百万円(前期末比5億44百万円の減少)となりました。
負債は、設備未払金の決済による未払金の減少等により、24億27百万円(前期末比1億88百万円の減少)となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失等による利益剰余金の減少および退職給付に係る調整累計額の減少等により、89億95百万円(前期末比12億69百万円の減少)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は78.8%(前期末79.7%)となり、1株当たり純資産額は576円69銭(前期末658円05銭)となりました。
セグメント別の資産は以下のとおりです。
[パワーエレクトロニクス事業]
当セグメントの総資産は、23億24百万円(前期比3.8%の減少)となりました。産業用機械、装置などに使用されるノイズフィルタの売上高の減少により売上債権が減少しました。
[情報通信事業]
当セグメントの総資産は、33億24百万円(前期比13.9%の減少)となりました。通信端末用の厚膜印刷基板や通信機器に使用される積層誘電体フィルタの売上高の減少による売上債権の減少および減価償却が進んだことにより有形固定資産が減少しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、12億1百万円(前期末は16億71百万円)となり、前期末と比べて4億70百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、49百万円の収入(前期は3億18百万円の収入)となり、前期と比べて収入が2億69百万円減少しました。主な要因は、増加項目として仕入債務の増加2億91百万円、売上債権の減少2億86百万円、たな卸資産の減少1億59百万円、減少項目として税金等調整前当期純利益の減少7億45百万円、退職給付に係る資産の増加1億79百万円等です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4億2百万円の支出(前期は1億7百万円の支出)となり、前期と比べて支出が2億95百万円増加しました。主な要因は、投資有価証券の売却による収入の減少1億73百万円、有形固定資産の取得による支出の増加65百万円、無形固定資産の取得による支出の増加53百万円等です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、93百万円の支出(前期は1億24百万円の支出)となり、前期と比べて支出が31百万円減少しました。要因は、配当金の支払額の減少31百万円です。
③ 資本の財源および資金の流動性に係る情報
資本の財源および資金の流動性について、当社グループの資金需要は製品製造のための原材料の購入、人件費、外注費などの製造費用、営業費用や研究開発費、本社費用などの販売費及び一般管理費および設備投資資金です。
当連結会計年度においては、運転資金および設備投資資金とも自己資金で賄っており、当連結会計年度末における金融機関他からの有利子負債はありません。
当社グループが当面必要な資金は営業活動によるキャッシュ・フローのほか、内部留保から充当します。なお、今後の資金需要に対応するため、第三者割当により発行される第1回無担保転換社債型新株予約券付社債を発行し、15億円の資金調達を実施することを2020年5月29日の取締役会で決議しました。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。
(3) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しています。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。これらのうち主なものは以下のとおりですが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
① たな卸資産の評価
たな卸資産は、取得原価で計上していますが、当連結会計年度末における正味売却価額が取得原価より下落している場合には、当該正味売却価額を連結貸借対照表価額とし、取得原価との差額を原則として売上原価に認識しています。正味売却価額は、販売実績に基づく価額から販売直接経費を控除するなどして算定しています。市場環境が想定よりも悪化した場合には追加の損失が発生し、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積って回収可能と判断される将来減算一時差異等について計上しています。将来の課税所得の見積り額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額され、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 退職給付債務および退職給付費用の計算
退職給付債務および退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しています。実際の計算が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合は、退職給付債務および退職給付費用が増額又は減額され、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ 固定資産の減損損失
有形固定資産、無形固定資産について、独立したキャッシュ・フローを生み出す管理会計上の最小単位でグルーピングを行っており、減損損失の測定のステップに至った場合に、各グループの単位で回収可能価額を見積り、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しています。回収可能価額の算定にあたっては、将来キャッシュ・フローについては社内における将来事業計画を根拠として見積り、正味売却価額については不動産鑑定評価額等から関連する経費等を差し引いた額で見積っています。
事業環境の悪化により、収益性が当初の想定を下回る場合には、回収可能価額が低下することで損失が発生し、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 引当金の計上
期末日において将来における費用又は損失が発生することが見込まれる場合に、入手可能な情報に基づいて見積りを行い、引当金を計上しています。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。

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