有価証券報告書-第29期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/29 9:56
【資料】
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【項目】
91項目
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との対比の記載はしておりません。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、経済政策等の効果もあり、企業収益は改善傾向がみられ、雇用所得環境の改善を背景に緩やかな景気回復基調で推移しましたが、欧米諸国の政権運営に不透明感があることやアジア地域における地政学的リスクの高まりにより、国内景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。
また、広告業界における総広告費についても、持続する緩やかな景気拡大に伴い、インターネット広告費の好調が全体を押し上げる形で、前年比101.6%となりました。媒体別では、マスコミ四媒体広告費が前年より減少しましたが、インターネット広告費がモバイルでの運用型広告、動画広告が伸長し全体を牽引する形となりました。屋外広告費についても前年に引き続き増加しております。
このような環境の下、当社は安定的な収益が確保できる体制を強化するため、デジタルサイネージ関連事業において、DPS-150等の機器リースやコンテンツやメンテナンスといった安定収益事業を中心に展開してまいりました。また、デジタルプロモーション株式会社が運営するValue creating事業においても、積極的に拡大展開を図ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、1,348,030千円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、805,080千円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、542,949千円となりました。
(資産の部)
当連結会計年度末における資産の額は、1,348,030千円となりました。主な内訳は、現金及び預金857,830千円、売掛金166,901千円、商品及び製品91,349千円、レンタル資産97,974千円、リース資産31,513千円、投資その他の資産44,939千円であります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の額は、805,080千円となりました。主な内訳は買掛金25,703千円、1年内返済予定の長期借入金237,292千円、1年内償還予定の社債30,000千円、長期借入金421,242千円であります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の額は、542,949千円となりました。主な内訳は、資本金554,697千円、資本剰余金75,300千円、利益剰余金△97,779千円であります。

b.経営成績
当連結会計年度における業績は、売上高897,947千円、営業利益19,188千円、経常利益10,705千円、親会社株主に帰属する当期純利益は14,759千円となりました。
当連結会計年度における各セグメントの経営成績は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度において、デジタルプロモーション株式会社を設立し、本格稼動を開始したため、「デジタルサイネージ関連事業」、「Value creating」の2区分に変更しております。
(a)デジタルサイネージ関連事業
機器リース、運営につきましては、長期契約による収益安定事業であることから、今後も安定的な収益が見込めており、その中でも簡易映像制作ソフトiTemPoが堅調に推移しました。
情報機器につきましては、製品の低価格化、オリンピック需要などから市場は拡大傾向にあり、新規市場の開拓等については堅調に推移ましたが、従来からの市場であるパチンコホール業界において、遊技規則改正等が施行されたことを受け、業界全般として投資抑制傾向となったことから、情報機器の業績に影響を与えました。
以上の結果、デジタルサイネージ関連事業は売上高868,633千円、セグメント利益41,400千円となりました。
(b)Value creating事業
デジタルプロモーション株式会社が運営するValue creating事業につきましては、SNSと大型LED表示機を連動して地域に特化した販促、広告、マーケティングシステムの運営を行っており、当連結会計年度においては、将来的の展開に向けての初期投資、環境整備を中心に実施いたしました。そのような状況の中、当初の想定よりユーザーの反応が良いことから、当初計画より加速して準備、投資を進めたことから、費用が計画を上回る状況となりました。
そのため、Value creating事業は、売上高29,314千円、セグメント損失22,211千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金および現金同等物は、857,830千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
仕入債務の減少額28,769千円等があったものの、税金等調整前当期純利益10,705千円の計上や減価償却費68,650千円の計上、売上債権の減少額41,784千円及びたな卸資産の減少額32,199千円等の影響により、130,120千円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
工具、器具及び備品等の有形固定資産の取得による支出20,029千円及び投資有価証券の取得による支出6,256千円等により、27,158千円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済による支出237,566千円及び社債の償還による支出60,000千円等があったものの、長期借入による収入300,000千円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入61,927千円等により、80,388千円の収入となりました。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第29期
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
生産高(千円)前期比(%)
デジタルサイネージ関連事業22,691
Value creating事業
合計22,691

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記の金額には、工事加工費が含まれております。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第29期
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
仕入高(千円)前期比(%)
デジタルサイネージ関連事業161,826
Value creating事業
合計161,826

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは、一部受注生産しておりますが、基本的には代理店、ユーザー等から入手する設備投資情報に基づく見込生産を行っております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第29期
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
販売高(千円)前期比(%)
デジタルサイネージ関連事業868,633
Value creating事業29,314
合計897,947

(注) 1 金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、商品の購入、設備投資及びソフトウェア・コンテンツ開発によるものであります。
中長期的に安定した成長を遂げるため、「デジタルサイネージ関連事業」「Value creating事業」の両事業において、ソフトウェア・コンテンツの開発が必要と考えており、今後の機動的な開発投資に備えるべく、相応の現預金を保有しておく必要があると認識しております。そのため、財務基盤を強化するとともに、長期借入により必要資金を調達することを考えております。
なお、当連結会計年度末の借入金総額(社債を含む)688,534千円に対し、現金及び預金は857,830千円であります。
③経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等については、デジタルサイネージ関連事業において、パチンコホール業界の投資抑制傾向の影響を受けたことや、Value creating事業において、ユーザーの評価が高かったため、想定以上の投資を行ったものの、一方で機器リースやコンテンツといった継続収入ビジネスが堅調であったことから、上記の「経営成績等」となりました。
今後、デジタルサイネージ関連事業においては、パチンコホール業界以外の転換が必要であり、集客ノウハウの他業界への展開や、代理店との連携強化による販路拡大、既存顧客の深耕、新サービスの立ち上げなど、積極的に展開を図ってまいります。また、Value creating事業においては、初期投資段階にあるものの、地域に特化したデータベースを構築し、地域創生、シェアリングエコノミーへと展開していくことで、当社グループの基幹事業とするべく取り組んでまいります。