有価証券報告書-第37期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/29 15:21
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の継続的な拡大を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、物価高騰に伴う個人消費への影響に加え、中東情勢の緊迫化や米国の通商政策の動向、為替相場の変動等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。また広告業界においては、株式会社電通が2026年3月に発表した「2025年日本の広告費」によると、2025年(1~12月)の日本の総広告費は8兆623億円(前年比105.1%)と4年連続で過去最高を更新し、企業の好業績を背景としたデジタル投資の加速や大型イベントの開催が市場の拡大を牽引しました。とりわけ当社グループの主たる事業領域であるデジタルサイネージ市場は、構造的な拡大局面にあります。背景には、DOOH(デジタル・アウト・オブ・ホーム)広告の浸透、HD/UHDディスプレイへの高度化、AI・IoT・顔認識・機械学習を組み込んだスマートサイネージへの進化があり、単なる表示装置から、収益創出や顧客体験向上に資するマーケティング基盤へと、その役割を拡大しております。加えて、クラウド型CMSによる遠隔一括配信が業界標準となりつつあり、市場全体が着実に成長しております。こうした市場環境の変化は、当社のサブスクリプション型ビジネスとの親和性もますます高まっております。
このような追い風の一方で、市場拡大は競合参入を呼び込み価格競争の影響も生じておりますが、当社グループは「デジタルサイネージ業界No.1」のビジョンの下、スタジアム・大型商業施設をはじめとする他社が容易に参入できない領域において、長年培ってきた実績と信頼を強みに差別化を図り、積極的な事業拡大策を推進してまいりました。新製品の投入、品質管理体制の強化、デジタルマーケティングを活用した案件創出の各施策が着実に成果を上げ、売上高は前連結会計年度を上回る水準で推移いたしました。一方、営業利益及び経常利益は、事業拡大に伴う人員増強等による販売費及び一般管理費の増加といった戦略的な先行投資を実施したため、前連結会計年度を下回る結果となりました。
また、次期以降においても着実な収益拡大が見込まれることを加味して繰延税金資産の回収可能性を見直した結果、法人税等調整額が期間利益にプラスの影響となりました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益については増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は3,698,125千円となり、前連結会計年度末に比べ515,033千円増加しました。
流動資産は、3,162,569千円となり、前連結会計年度末に比べ596,076千円増加しました。主な要因は、現金及び預金、売上債権が増加したことであります
固定資産は、535,556千円となり、前連結会計年度末に比べ81,042千円減少しました。主な要因は、償却によるのれんが減少したことであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は1,714,711千円となり、前連結会計年度末に比べ268,918千円増加しました。
流動負債は、1,436,697千円となり、前連結会計年度末に比べ433,561千円増加しました。主な要因は買掛金及び短期借入金が増加したことによるものであります。
また、固定負債は、278,013千円となり、前連結会計年度末に比べ164,643千円減少しました。主な要因は、長期借入金及び繰延税金負債が減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は1,983,414千円となり、前連結会計年度末に比べ246,115千円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における業績は、売上高5,406,080千円と前年同期と比べ1,058,944千円(24.4%増)の増収、営業利益は、228,629千円と前年同期と比べ40,178千円(14.9%減)の減益、経常利益は、226,687千円と前年同期と比べ18,233千円(7.4%減)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は、233,189千円と前年同期と比べ51,572千円(28.4%増)増益となりました。
当連結会計年度における各セグメントの経営成績は、次のとおりです。
(a)デジタルサイネージ関連事業
デジタルサイネージ関連事業は3部門あり、機器リース部門では主にデジタルサイネージのリース、運営部門ではデジタルサイネージ向けを中心とした販促支援サービス(コンテンツ配信等のソフト面でのサービスやメンテナンスに加え、新たな販促支援サービス)の提供、情報機器部門ではデジタルサイネージの製造・販売を行っております。
機器リース部門及び運営部門につきましては、リースや月額利用料の契約といったサブスクリプションサービスです。契約数の積み上げが安定的かつ継続的な収益基盤を形成しており、景気変動の影響を受けにくく、当社の収益構造を中長期的に下支えする重要な強みとなっております。
特に、CMS(コンテンツマネジメントシステム)「DiSi cloud」は堅調に推移し、契約数、売上ともに大きく伸長いたしました。「DiSi cloud」はハードウェアと一体で導入されることで、お客様にとっての運用利便性と当社案件全体の付加価値を高める重要なサービスとなっております。今後は「DiSi cloud」を中核に据え、AIサイネージソリューション等を統合したデジタルプラットフォーム「MiRAi PORT」を積極的に展開し、ハード・ソフト・運用を一気通貫で提供できる体制を一層強化することで、他社との差別化と案件獲得力の向上につなげてまいります。
情報機器部門につきましては、大規模スタジアム・アリーナをはじめ、大手商業施設、スポーツマーケット、オフィスエントランス、シネコンなど多様な業界での案件を着実に受注しており、用途・業界の多様化が進んでいます。これらの分野は、高い技術力・施工力・運用品質が求められ、長期にわたる導入実績、専門的なノウハウ、安定稼働を支える保守体制が不可欠であり、新規参入が容易ではないことから、当社の競争優位性が発揮される領域となっております。今後も社会インフラとしてのデジタルサイネージ需要の高まりを背景に、さらなる拡大を図ってまいります。
以上の結果、デジタルサイネージ関連事業は売上高5,147,987千円(前年同期比23.5%増)、セグメント利益210,345千円(前年同期比18.0%減)となりました。
(b)Value creating事業
デジタルプロモーション株式会社が運営するValue creating事業につきましては、自ら運営するハイパーローカルメディア「タウンビジョン」や地元密着の記者、各種SNSサービスの活用、Web制作及びアプリ制作といったターゲットユーザーに響くコンテンツ(記事、動画、Web)制作により、地域での企業のPR、ファン作り、集客からブランディング、また地方自治体の魅力あるコンテンツ開発など地域に係るエリアファンマーケティング(地域密着型マーケティング)を行っております。
当期は、既存顧客との取引継続に加え、新規案件の受注も順調に推移したことから、サブスクリプションモデルを中心に売上を拡大いたしました。
以上の結果、Value creating事業は、売上高258,093千円(前年同期比45.6%増)、セグメント利益18,284千円(前年同期比15.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ472,897千円増の1,134,314千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益216,414千円の計上や、のれん償却額107,164千円等があり、398,295千円の収入(前年同期は219,792千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出76,167千円等により、78,340千円の支出(前年同期は55,970千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入による収入300,000千円に対して、長期借入金の返済による支出143,825千円等があったことにより、152,942千円の収入(前年同期は204,871千円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループは、一部生産活動を行っておりますが、グループ全体における重要性が低いため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは、受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第37期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
販売高(千円)前期比(%)
デジタルサイネージ関連事業5,147,98723.5
Value creating事業258,09345.6
合計5,406,08024.4

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。特に以下の事項は、会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損)
減損損失の算定にあたっては、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分を基礎として資産のグルーピングを行い、遊休資産については当該資産単独でグルーピングをしています。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、将来キャッシュ・フローの見積額を用いた回収可能額により検討しております。
将来キャッシュ・フローの見積額は事業計画や市場環境を基に慎重に検討しておりますが、その前提とした条件や仮定に変化が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(のれんの評価)
のれんの評価につきましては、連結財務諸表注記の「(重要な会計上の見積り)のれんの評価 (2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報」に記載のとおりであります。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、商品及び製品の購入等の設備投資及びソフトウェア・コンテンツ開発によるものであります。
中長期的に安定した成長を遂げるため、「デジタルサイネージ関連事業」「Value creating事業」の両事業において、ソフトウェア・コンテンツの開発が必要と考えており、今後の機動的な開発投資に備えるべく、当面は相応の現預金を保有しておく必要があると認識しております。そのため、財務基盤を強化するとともに、長期借入により必要資金を調達することを考えております。
なお、当連結会計年度末の借入金総額531,200千円に対し、現金及び預金は1,134,314千円であります。
③当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの重要な経営指標であるROA・ROEについて、当連結会計年度の実績は次のとおりであります。
指標第36期
(前連結会計年度)
第37期
(当連結会計年度)
ROA8.2%6.6%
ROE11.1%12.6%

当連結会計年度における総資産利益率(ROA)は6.6%となり、前連結会計年度(8.2%)に比べ1.6ポイント低下いたしました。これは、固定資産が減少した一方で、現金及び預金並びに売掛金が増加したことにより、総資産が拡大したことによるものであります。
一方で、自己資本利益率(ROE)は12.6%となり、前連結会計年度(11.1%)に比べ1.5ポイント上昇いたしました。これは、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益の増加に伴い、自己資本に対する利益率が向上したことによるものであります。
具体的な経営戦略につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」をご参照下さい。

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