有価証券報告書-第90期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 中期経営ビジョン「STEP」の進捗報告
2018年7月に「STEP」を公表して以来、事業を取り巻く環境も急速に変化しています。気候変動への対応を含む持続的な社会の実現に向けた企業の貢献への関心の高まりや自動車業界を取り巻く「CASE」領域での急速なイノベーションの進化等です。加えて、新型コロナウイルス拡大により働き方が変化し、人財育成や働き甲斐の向上も重要性を増してきました。その中でSUBARUらしい次世代技術を実現しながら、企業姿勢や存続意義が問われる時代に変化してきたと捉えています。
① 販売の振り返り
2020年は新型コロナウイルスの影響により各市場の販売台数の絶対値は落ち込みましたが、当社の重点市場である米国では、暦年のマーケットシェアで過去最高となる4.2%を記録し、9年連続でシェアは前年を越えています。「STEP」でも目標の一つに掲げました米国シェア5%の将来目標に向け、着実に歩みを進めています。
② 収益の振り返り
業績は様々な要因があったものの、2018年7月に掲げた3年間の目標に対しては未達となりました。四半期単位ではまずまずの期はあるものの、一年を通した品質費用の抑制や半導体の供給不足への対応など不測の事態を乗り越えるには、まだ力不足だと実感しています。「STEP」の取り組みはいまだ道半ばであり、業績としてしっかり結果を示せるよう、今後も取り組みをさらに深めていきます。
③ 今後の収益イメージ・資本政策
2018年7月に「STEP」を公表してから、今後の収益と資本政策についての基本的な考え方に大きな変更はありませんが、昨今の事業環境の変化や足元の状況を踏まえ、一部見直しを行いました。
付加価値戦略を核としたビジネスモデルを推進することでお客様への提供価値を高め、SUBARUのブランド力を上げることによって、重点市場である米国でのシェア5%の獲得に挑戦し、業界高位の営業利益率(8%)、ネットキャッシュは2月商分、自己資本比率は50%を確保し、ROEは10%以上を目指します。「2030年に死亡交通事故ゼロ」、「個性と技術革新による脱炭素社会実現への貢献」に向けて、「SUBARUらしさ」を進化させる取り組みをより加速させるために必要な設備投資・研究開発支出を着実に進める計画とし、合わせて人財投資にも注力していきます。株主還元の考え方は不変とし、配当を主に継続的かつ安定的な還元を基本としつつ、業績連動の考え方に基づき、毎期の業績、投資計画、経営環境を勘案して決定(連結配当性向:30%~50%)します。
なお、自己株式取得については、キャッシュ・フローに応じて機動的に実施します。
<今後3年間>※( )内は2018~2020年度実績
設備投資 :売上収益比 3.5~4.0%(3.5%)
研究開発支出:1,200億円レベル/年(1,077億円/年)
(2) 経営成績
当連結会計年度の世界経済は新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の影響によって厳しい状況が続きました。経済活動の段階的な再開とともに一部では持ち直しの動きがみられるものの、自動車業界では第4四半期以降の世界的な半導体の供給不足などにより、依然として先行きの見通せない不透明な状況が続いています。
このような環境の中、当社グループではお客様やお取引先様、従業員の健康と安全を第一に新型コロナウイルス感染症の予防と拡大防止にグループ一丸となって取り組むとともに、中期経営ビジョン「STEP」を推進してきました。最重要テーマの一つである「組織風土改革」では、「意識を変え、行動を変え、会社を変える」を行動指針として掲げ、コロナ禍による働き方改革等の環境変化を従業員一人ひとりの意識変革につなげています。また、ブランドの根幹である信頼をより強固にするための「品質改革」では、品質最優先の意識の徹底と体制強化を土台として、開発・生産の各段階においてプロセスの変更や新たな仕組みの構築などの取り組みを進めています。「SUBARUづくりの刷新」では、安心と愉しさを支える安心・安全性能のさらなる進化や環境対応等への取り組みを進め、昨年の秋に発売した新型「レヴォーグ」に安全機能をさらに高度化した新世代の「アイサイトX」を搭載しました。
当連結会計年度の連結決算は、重点市場である北米の販売を中心に第2四半期以降は新型コロナウイルス感染症の影響から回復傾向となり、第3四半期には前年を上回る水準で推移しましたが、第4四半期には半導体の供給不足により生産が減少しました。
(売上収益)
自動車売上台数の減少により2兆8,302億円と前連結会計年度に比べ5,139億円(15.4%)の減収となりました。
(営業利益)
販管費の圧縮や保証修理費の減少により諸経費等が減少したものの、自動車売上台数の減少により、1,025億円と前連結会計年度に比べ1,079億円(51.3%)の減益となりました。
(税引前利益)
1,140億円と前連結会計年度に比べ937億円(45.1%)の減益となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
765億円と前連結会計年度に比べ761億円(49.9%)の減益となりました。
| (単位 金額:百万円、比率:%) | |||||
| 売上収益 | 親会社の所有者 | 為替レート | |||
| 営業利益 | 税引前利益 | に帰属する | |||
| (利益率) | (利益率) | 当期利益 | |||
| (利益率) | |||||
| 2021年3月期 | 2,830,210 | 102,468 | 113,954 | 76,510 | 106円/米ドル |
| (3.6) | (4.0) | (2.7) | 123円/ユーロ | ||
| 2020年3月期 | 3,344,109 | 210,319 | 207,656 | 152,587 | 109円/米ドル |
| (6.3) | (6.2) | (4.6) | 121円/ユーロ | ||
| 増減 | △513,899 | △107,851 | △93,702 | △76,077 | |
| 増減率 | △15.4 | △51.3 | △45.1 | △49.9 | |
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
| (単位 金額:百万円、比率:%) | ||||||||
| 売上収益 | セグメント利益 | |||||||
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 増減 | 増減率 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 増減 | 増減率 | |
| 自動車 | 3,193,949 | 2,737,503 | △456,446 | △14.3 | 200,263 | 109,067 | △91,196 | △45.5 |
| 航空宇宙 | 142,141 | 87,693 | △54,448 | △38.3 | 5,065 | △9,811 | △14,876 | - |
| その他 | 8,019 | 5,014 | △3,005 | △37.5 | 3,577 | 3,070 | △507 | △14.2 |
| 調整額 | - | - | - | - | 1,414 | 142 | △1,272 | △90.0 |
| 合計 | 3,344,109 | 2,830,210 | △513,899 | △15.4 | 210,319 | 102,468 | △107,851 | △51.3 |
| (注)1.売上収益は、外部顧客への売上収益です。 | ||||||||
| 2.セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去です。 | ||||||||
(自動車事業)
当社の重点市場である米国の自動車全体需要は、約1,500万台と前期を10%弱下回りました。また、国内の自動車全体需要は、約470万台と前期を8%弱下回る結果となりました。このような事業環境の中、第1四半期に受けた新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は大きいものの、海外では重点市場である北米で「クロストレック(日本名:SUBARU XV)」等を中心に小売販売は堅調に推移しております。また、国内においては「2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した新型「レヴォーグ」が販売に寄与しました。以上の結果、売上台数につきましては、海外は75.8万台と前期比15.0万台(16.5%)の減少、国内は10.2万台と前期比2.4万台(19.1%)の減少、海外と国内の売上台数の合計は86.0万台と前期比17.4万台(16.8%)の減少となりました。売上収益は2兆7,375億円と前連結会計年度に比べ4,564億円(14.3%)の減収となりました。また、セグメント利益も1,091億円と前連結会計年度に比べ912億円(45.5%)の減益となりました。
なお、当連結会計年度の連結売上台数は以下のとおりです。
| (単位 台数:万台、比率:%) | |||||
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 増減 | 増減率 | ||
| 国内合計 | 12.6 | 10.2 | △2.4 | △19.1 | |
| 登録車 | 10.2 | 8.2 | △2.0 | △19.7 | |
| 軽自動車 | 2.4 | 2.0 | △0.4 | △16.7 | |
| 海外合計 | 90.8 | 75.8 | △15.0 | △16.5 | |
| 北米 | 76.2 | 66.1 | △10.1 | △13.2 | |
| 欧州・ロシア | 4.6 | 1.8 | △2.7 | △60.0 | |
| 豪州 | 4.3 | 3.1 | △1.2 | △27.3 | |
| 中国 | 2.1 | 2.4 | 0.4 | 18.7 | |
| その他地域 | 3.7 | 2.3 | △1.4 | △37.5 | |
| 総合計 | 103.4 | 86.0 | △17.4 | △16.8 | |
(航空宇宙事業)
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受け、「ボーイング787」及び「ボーイング777」などの引き渡しが減少したため、売上収益は877億円と前連結会計年度に比べ544億円(38.3%)の減収となりました。また、セグメント損失は98億円と前連結会計年度に比べ149億円の減益となりました。
(その他事業)
売上収益は50億円と前連結会計年度に比べ30億円(37.5%)の減収となりました。また、セグメント利益は31億円と前連結会計年度に比べ5億円(14.2%)の減益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。なお、自動車の生産台数は、新型コロナウイルス感染症拡大や半導体供給課題等の影響を受け、前期を下回りました。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 自動車 | |||
| 小型・普通自動車 | (万台) | 81.0 | △21.4 |
| 航空宇宙 | (百万円) | 87,000 | △32.9 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
なお、自動車事業については見込生産を行っております。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 航空宇宙 | 55,843 | △46.1 | 214,551 | △18.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 自動車 | (百万円) | 2,737,503 | △14.3 |
| 航空宇宙 | (百万円) | 87,693 | △38.3 |
| その他 | (百万円) | 5,014 | △37.5 |
| 合計 | (百万円) | 2,830,210 | △15.4 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 財政状態
当連結会計年度末の資産は、3兆4,117億円と前連結会計年度末に比べ1,178億円の増加となりました。主な要因は、非流動資産の「その他の金融資産」の取得等により817億円、「現金及び現金同等物」が484億円、それぞれ増加したものの、「棚卸資産」が自動車販売の回復がある一方で半導体供給不足による生産調整をしたため409億円減少したこと等です。
負債は、1兆6,253億円と前連結会計年度末に比べ515億円の増加となりました。主な要因は、流動負債及び非流動負債の「資金調達に係る債務」が社債発行や長期借入金等で947億円増加したものの、「営業債務及びその他の債務」が半導体の供給不足に起因した生産調整によって684億円減少したこと等です。
資本は、1兆7,864億円と前連結会計年度末に比べ663億円の増加となりました。主な要因は、「利益剰余金」が381億円、「その他の資本の構成要素」が為替換算の影響等により266億円、それぞれ増加したこと等です。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減 | |
| 資産合計 | 3,293,908 | 3,411,712 | 117,804 |
| 負債合計 | 1,573,785 | 1,625,329 | 51,544 |
| 資本合計 | 1,720,123 | 1,786,383 | 66,260 |
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、9,073億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は2,894億円(前連結会計年度は2,101億円の増加)となりました。主な要因は、税引前利益1,140億円、減価償却費及び償却費2,063億円、営業債務及びその他の債務の減少620億円、棚卸資産の減少396億円等です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は2,722億円(前連結会計年度は258億円の減少)となりました。主な要因は、その他の金融資産の取得による支出3,287億円、有形固定資産の取得による支出1,247億円、その他の金融資産の売却または回収による収入2,475億円等です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は140億円(前連結会計年度は158億円の減少)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入655億円、親会社の所有者への配当金の支払429億円等です。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 210,134 | 289,376 | 79,242 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △25,844 | △272,174 | △246,330 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △15,818 | 13,966 | 29,784 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 858,966 | 907,326 | 48,360 |
(5)資本政策の方針
① 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、お客様第一を基軸に選択と集中を進め、経営資源を最大限活用することで高収益なビジネスモデルを展開し、強固な財務体質と高い資本効率を維持し、中長期的な企業価値の向上を図っています。中期経営ビジョン「STEP」において、「資本収益性」「財務健全性」「株主還元」の3つの要素を資本政策の重要な指標とし、中長期的に自己資本利益率(ROE)と自己資本比率のバランスを高次元で保ちつつ、適切な株主還元を行うことを基本方針としております。具体的には、自己資本比率50%を下限とし、ネットキャッシュについては売上収益2月商分の確保を行い、ROE10%以上を目標としています。
② 経営資源の配分に関する考え方と資金調達及び資金の流動性に係る分析
当社グループは、経営環境を考慮しつつ、適切な手元資金水準を維持しながら、資金調達計画を経営会議において審議し、戦略的投資と研究開発費等の成長に向けた経営資源の適切な配分を安定的に行っております。当社グループの資金調達及び資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、主要銀行からの借入とコミットメントライン契約の締結、ならびに社債の発行を行っており、現在必要とされる流動性の水準を満たしていると考えております。当連結会計年度末における有利子負債の残高(リース債務を含まず)は3,339億円と、前連結会計年度に比べて947億円の増加となりました。デット・エクイティ・レシオは0.19になり、安全性を維持しています。今後の設備投資や研究開発の投資計画によっては資金の追加調達、現預金残高の取り崩しをする可能性があります。
なお、当社は新型コロナウイルスの感染拡大の影響に伴う資金需要に備え、2020年4月から5月にかけて運転資金として金融機関から資金調達を行いました。またコミットメントライン約2,000億円(既借入分を含む)に加え、社債ならびにコマーシャル・ペーパー発行枠を設定する等、合計約3,400億円の資金調達枠を確保し、資金需要に機動的に対応できる体制を整えております。
また、当社は 国内の格付機関である格付投資情報センターから格付を取得しており、本報告書提出時点においての格付は 「 シングルAマイナス(安定的) 」となっております。強固な財務体質を維持し、上記資金調達枠を保持していることから、当社グループの事業運営に必要な運転資金及び投資資金に関しては問題なく確保できるものと認識しています。
(6) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、様々な見積りによる判断が行なわれておりますが、見積りに内在する不確実性により、実際の結果は異なることがあります。
連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針、4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しており、特に重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりです。
① 損失評価引当金
当社グループは、各報告日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価 しており、当該信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。また、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。ただし、営業債権、リース債権及び契約資産については、常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
将来、取引先等の財務状況が悪化するなどにより支払能力が低下した場合、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があるため、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えております。
② 製品保証引当金
当社グループは、製品販売時に付与した保証約款に基づく製品保証とともに、主務官庁への届出等に基づいて個別に無償の補修を行っております。
保証約款に基づく製品保証の対象は、各国における保証約款に基づき、期間および走行距離や不具合の原因等により決定しております。
保証約款に基づく製品保証の保証修理費用は、製品を販売した時点で引当金を認識しており、保証期間内に不具合が発生して部品を修理または交換する際に発生する費用の総額について、過去の補修実績、過去の売上台数を基礎として将来の発生見込みに基づく最善の見積りにより引当計上しております。
主務官庁への届出等に基づく個別の保証修理費用は、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に引当金を認識しており、製品の不具合に関する過去の経験を基礎として算定した1台当たり将来保証修理費用等及び対象台数に基づく最善の見積りにより引当計上しております。
当社グループは、発生が見込まれる保証修理費用について、現在入手可能な情報に基づき必要十分な金額を引当計上していると考えていますが、製品保証引当金の計算では将来複数年にわたり生じる保証修理費用を予測しているため、実際の保証修理費用が見積りと乖離することにより、製品保証引当金を追加計上する必要が生じる可能性があることから、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えております。
③ 従業員給付
当社グループは、将来の退職給付の支払いに備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、退職給付を計上しておりますが、この計算は主として数理計算上で算定される前提条件に基づいて行われております。この前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率などが含まれており、それぞれの条件は現時点で十分に合理的と考えられる方法で計算されております。当社は、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があるため、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えております。
④ 金融資産
当社グループは、価格変動性の高い公開会社の株式、株価の決定が困難である非公開会社の株式、国債、社債及び、投資信託等を保有しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、投資価値の変動により損失が発生することがあるため、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えております。
⑤ 繰延税金資産
繰延税金資産は将来減算一時差異等を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識し、繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識しております。当該見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の有価証券報告書において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。