有価証券報告書-第86期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 16:13
【資料】
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【項目】
145項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は、以下を企業理念としております。
企業理念
1.常に先進の技術創造に努め、お客様に喜ばれる高品質で個性のある商品を提供します。
2.常に人、社会、環境の調和を目指し、豊かな社会づくりに貢献します。
3.常に未来を見つめ国際的な視野に立ち、進取の気性に富んだ活力ある企業を目指します。

当社は、2017年4月1日をもちまして、社名を株式会社SUBARUに変更いたしました。社名とブランド名の統一を実施することにより、現在、中期経営ビジョン「際立とう2020」で取り組んでいる「SUBARUブランドを磨く」ことをさらに加速させ、SUBARUを自動車と航空宇宙事業における魅力あるグローバルブランドとして成長させてまいります。
当社グループは、中期経営ビジョン「際立とう2020」におきまして、2020年のありたい姿を「大きくはないが強い特徴を持ち質の高い企業」と定め、“お客様の信頼№1”という評価をいただくことができるような高いブランド力と業界高位の利益率を実現することを目指しております。そして、その実現のため、個性的なSUBARUならではの特徴を活かし、付加価値経営のさらなる推進を目指す「SUBARUブランドを磨く」、経営環境変化への耐性を高め持続的な成長を確実なものとする「強い事業構造を創る」という2つの活動に集中した取り組みを進めております。その結果、世界の多くのお客様からご支持をいただくことができており、順調に成長してきております。
引き続き、短期的課題には迅速に対応しつつ、中長期的な課題にも並行して取り組むことで、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
(1)短期的課題
(品質向上の取り組み)
「安心と愉しさ」をお客様へ提供する当社におきまして、商品の品質向上は重要な経営課題のひとつであります。エアバッグインフレータに起因するリコール対応の本格化など、リコール対応件数は増加傾向にあることから、新たにCQO(最高品質責任者)を設置し、さらなる品質向上に向け、リソースを積極的に振り向けるとともに、コールセンターの拡充や対策部品のスムーズな供給、販売特約店での作業効率向上などを行い、お客様対応品質の向上に努めてまいります。
(生産能力の増強)
販売が好調に推移する中、能力増強投資は継続して行い、2016年度末の生産能力は、国内と海外の合計で103.8万台※となりました。また、2018年度末のグローバル生産能力113.2万台※に向け、計画どおりに能力増強を進めております。これらの対応により、お待ちいただいているお客様に1日でも早く商品をお届けできるよう、鋭意努力してまいります。
※:標準操業における生産能力
(2)中長期的課題
(SUBARUらしさを追求した商品の拡充)
各国の環境規制はさらに厳しくなることを見通しており、開発体制を強化し、プラグインハイブリッド、電気自動車などの電動車ならびに新型ダウンサイジングターボエンジンなどの開発を進め、規制への対応を図りながら、魅力的な商品を展開してまいります。
安全面では、先進運転支援システム「アイサイト」をさらに進化させ、2017年は車線中央維持機能の作動速度域の拡大や、ハンドル・アクセル・ブレーキを全車速域で自動制御し、運転負荷を大幅に軽減する機能を導入する予定です。また、2020年に、カーブ走行や車線変更など自動制御で走行できる機能を強化して運転負荷のさらなる軽減を目指しております。衝突安全性能に関する各国の評価基準が厳しくなる中、引き続きトップレベルの安全性能が堅持できるよう、開発を進めてまいります。
また、「安心と愉しさ」をさらに進化させるために、「SUBARU GLOBAL PLATFORM(スバルグローバルプラットフォーム)」を採用した新型車・全面改良車を、切れ目なく投入してまいります。
そして、自動車ビジネスにおいても情報化技術の進化や活用が加速・拡大しているため、CIO(最高情報責任者)ならびにIT戦略本部を設置し、デジタル分野の企画開発にさらに注力していきます。
(質の高い企業を目指す取り組み)
経営規模の拡大に伴い、経営と業務執行の分離による監督機能の強化と業務執行のスピードアップを狙いとする取締役会機能の強化、譲渡制限付株式報酬制度の導入による役員報酬制度の見直し、そして経営管理本部、CQO、CTO(最高技術責任者)、CIOを新設し、経営全般に係るグローバルでの経営管理、事業監視機能の強化を図ってまいります。
また、CSRや環境分野への社会の要請が強まるとともに、経営上の重要性も増していることから、専任部署を新設して取り組みを強化してまいります。環境への取り組みにつきましては、環境方針を改定し、地球環境保護こそが社会と当社の未来への持続性を可能とする最重要テーマとして、“『大地と空と自然』がSUBARUのフィールド”をコンセプトに活動をさらに加速してまいります。
人材育成、組織・風土改革の取り組みにつきましては、重要課題と位置付けている女性の活躍推進に向けて引き続き管理職への登用を進めており、さらに女性が活躍しやすい会社を目指してまいります。そして、当社グループの従業員の心と体の健康を守る職場環境づくりに取り組んでまいります。
以上の取り組みを通じ、コーポレートガバナンスの実効性を高め、コンプライアンスを遵守し、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指してまいります。