四半期報告書-第85期第1四半期(平成31年1月1日-平成31年3月31日)

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2019/05/08 10:32
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文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
以下の分析については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「同 (セグメント情報等) 報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおり、遡及・組替後の前第1四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表及び前連結会計年度の連結財務諸表の数値を用いて説明しています。
(1) 経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間の売上高は4,293億円(前年同期比238億円・5.9%増加)、営業利益は359億円(同53億円・12.8%減少)となりました。
売上高は、ランドモビリティ事業、マリン事業の販売台数増加により増収となりました。営業利益は、ユーロを中心とする為替差損、新興国二輪車の地域ミックスの悪化やロボティクス事業の販売台数減少により減益となりました。
経常利益は375億円(前年同期比26億円・6.5%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は283億円(同41億円・12.5%減少)となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間の為替換算レートは米ドル110円(前年同期比2円の円安)、ユーロ125円(同8円の円高)でした。
セグメント別の概況
[ランドモビリティ]
売上高2,759億円(前年同期比104億円・3.9%増加)、営業利益94億円(同56億円・37.4%減少)となりました。
先進国二輪車では、販売台数が欧州で増加しましたが、ユーロの為替差損や成長戦略費用の増加により増収・減益となりました。新興国二輪車では、販売台数がフィリピン・ブラジル・インドなどで増加しましたが、台湾・ベトナム・アルゼンチンなどで減少し、地域ミックスの悪化と為替差損により増収・減益となりました。
電動アシスト自転車では、欧州向けE-kitや日本での子乗せモデルの販売好調により、増収・増益となりました。その結果、ランドモビリティ事業全体では増収・減益となりました。
[マリン]
売上高1,030億円(前年同期比129億円・14.3%増加)、営業利益215億円(同19億円・9.5%増加)となりました。
大型船外機の増産が本格化し、増収・増益となりました。
[ロボティクス]
売上高153億円(前年同期比21億円・12.0%減少)、営業利益24億円(同19億円・43.8%減少)となりました。
米中貿易摩擦を懸念した中国での機械設備投資の鈍化により、サーフェスマウンターと産業用ロボットの販売台数が減少し、減収・減益となりました。
[金融サービス]
売上高101億円(前年同期比15億円・17.5%増加)、営業利益20億円(同4億円・21.3%増加)となりました。
全地域で債権残高が拡大し、増収・増益となりました。
[その他]
売上高251億円(前年同期比10億円・4.3%増加)、営業利益7億円(同1千万円・1.6%減少)となりました。
ゴルフカーや発電機の販売台数が増加し増収となりましたが、営業利益は前年並みとなりました。
なお、各セグメントの主要な製品及びサービスは以下のとおりです。
セグメント主要な製品及びサービス
ランドモビリティ二輪車、中間部品、海外生産用部品、四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル、スノーモビル、電動アシスト自転車
マリン船外機、ウォータービークル、ボート、プール、漁船・和船
ロボティクスサーフェスマウンター、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプター
金融サービス当社製品に関わる販売金融及びリース
その他ゴルフカー、発電機、汎用エンジン、除雪機、自動車用エンジン、自動車用コンポーネント、電動車いす

(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前期末比918億円増加し、1兆5,126億円となりました。流動資産は、北米・欧州などにおける販売シーズンに向けた製品出荷による売掛金及び短期販売金融債権の増加などにより同499億円増加しました。固定資産は、IFRS第16号「リース」の適用に伴う有形固定資産の増加、投資有価証券の増加及び米国財務会計基準審議会会計基準アップデート(ASU)第2014-09号「顧客との契約から生じる収益」の適用による投資その他の資産の増加などにより同419億円増加しました。
負債合計は、売掛金及び販売金融債権の増加などに伴う有利子負債の増加、ASU第2014-09号の適用に伴う流動負債の「その他」及び固定負債の「その他」の増加などにより同804億円増加し、8,055億円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益283億円、配当金の支払い157億円、ASU第2014-09号の適用に伴う期首利益剰余金の減少100億円、その他有価証券評価差額金の増加66億円、為替換算調整勘定の増加23億円などにより同114億円増加し、7,071億円となりました。
これらの結果、自己資本比率は44.3%(前期末:46.3%)、D/Eレシオ(ネット)は0.4倍(同:0.3倍)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前四半期純利益373億円(前年同期:404億円)、減価償却費122億円(同:111億円)などの収入に対して、売上債権及び販売金融債権の増加700億円(同:486億円の増加)などの支出により、全体では186億円の支出(同:273億円の支出)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資有価証券の取得による支出177億円(前年同期:5億円)、固定資産の取得による支出109億円(同:112億円)などにより、281億円の支出(同:100億円の支出)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
売上債権及び販売金融債権の増加に伴う借入金の増加448億円(前年同期:275億円)、非支配株主からの払込みによる収入22億円(同:なし)、配当金の支払い157億円(同:171億円)などにより、310億円のプラス(同:103億円のプラス)となりました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間のフリー・キャッシュ・フローは467億円のマイナス(前年同期:373億円のマイナス)、現金及び現金同等物の四半期末残高は1,236億円(前期末比:145億円の減少)となりました。当第1四半期連結会計期間末の有利子負債は4,009億円(同:442億円の増加)となりました。なお、有利子負債には金融サービス事業に関する借入金が2,991億円(同:362億円の増加)含まれています。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
① 基本方針の内容の概要
当社は、当社の事業領域である、ランドモビリティ事業、マリン事業等において、多くの世界市場をリードする商品を生み出してまいりました。独自技術の開発には長期的視野に立った継続的な資源の投入を必要としますが、その過程で得られた独創性の高い技術・ノウハウの蓄積、開発努力を通じて獲得された特定の市場分野における知識・情報、長年にわたる問題解決を通じて醸成された取引先との深い信頼関係、専門分野に通暁した質の高い人材等は、当社の競争優位性をさらに向上させており、将来においても当社の企業価値の源泉をなす重要な経営資源であると考えます。また、当社の活動領域は事業活動のみならず、社会貢献活動、環境保護活動等に及んでおり、これらがシナジー効果を生むことによってコーポレートブランドの価値となり、当社のブランド価値や企業価値を築いていると認識しております。かかるブランド価値、企業価値のさらなる向上を図るためには、ニューモデルの積極的な投入、特に新技術の導入による新たな付加価値のある製品の開発が不可欠ですが、これを可能とするためには、新技術を生むための研究・開発のさらなる推進が重要となります。また、環境に配慮した低燃費エンジンの開発や電動二輪車等の次世代環境技術は将来高収益・規模成長が期待できる事業領域ですが、かかる事業領域で当社グループが収益をあげていくためには、事業の基礎となる研究・開発を積極的に推進することが不可欠です。こうしたブランド価値、企業価値の源泉に対する理解に欠ける者が当社を買収して財務及び事業の方針の決定を支配し、短期的な経済的効率性のみを重視して競争力を毀損する過度な生産コストや研究開発コストの削減を行うなど、中長期的視点からの継続的・計画的な経営方針に反する行為を行うことは、企業価値及び株主共同の利益が毀損されることにつながります。また、これらに限らず株式の買付行為の中には、その態様によっては、企業価値及び株主共同の利益を害するものも存在します。
このようなことに対処するためには、当社株式の買収者が意図する経営方針や事業計画の内容、買収提案が当社株主や当社の経営に与える影響、当社を取り巻く多くの関係者に対する影響、製品の安全性をはじめとした社会的責任に対する考え方等について、事前の十分な情報開示がなされ、また、相応の検討期間等も確保される必要があると考えております。
② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
「感動創造企業-世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」という企業目的を達成するために中長期的視点から継続的・計画的な下記の諸施策を通じて企業価値・株主共同の利益の確保・向上に努めております。
(イ)中期経営計画に基づく企業価値向上の取組み
当社は、2016年からの中期経営計画において、売上高・営業利益目標は未達成であったものの、収益性の改善により安定的な財務基盤を構築することができました。
さらに2018年12月に、2019年からの新しい中期経営計画を策定しました。新しい中期経営計画は、既存事業の継続的な成長及び新規事業開発を進めながら売上高2兆円への再挑戦、営業利益率9%水準を目標とし、成長戦略投資を積極的に行い、株主の皆様への還元の充実を目指すものです。
(ロ)コーポレートガバナンス(企業統治)の強化による企業価値向上の取組み
当社取締役会は、将来への成長戦略を確実に実行するため、経営陣の適切なリスクテイクや果断な意思決定を支援する環境整備を行うとともに、株主・投資家の皆様をはじめとする様々なステークホルダーに対する責任の観点から、経営戦略の実行に伴う課題・リスクについて多面的に把握し適切に監督します。
当社は、このような迅速・果断な意思決定と適切な監督・モニタリングを透明・公正に行うための仕組みを当社のコーポレートガバナンスと捉え、以下に掲げるコーポレートガバナンス基本方針に定め、適切に実践します。
<コーポレートガバナンス基本方針>第1章 株主の権利・平等性の確保、株主との対話における基本的な考え方
第2章 様々なステークホルダーとの適切な協働
第3章 適切な情報開示と透明性の確保
第4章 取締役会等の責務
別紙1 独立社外役員の独立性判断基準
別紙2 株主との建設的な対話を促進するための方針
コーポレートガバナンス基本方針の全文はこちらでご覧下さい。
https://global.yamaha-motor.com/jp/ir/governance/pdf/corporate_governance_guidelines-j.pdf
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため
の取組みの概要
当社は、当社株式の大量取得行為を行おうとする者が現れた場合には、関係諸法令に従い、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の観点から、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、また、当社取締役会の意見等を開示するとともに、株主の皆様による大量取得行為の是非に係る検討のために必要な時間の確保に努めるなど適切な措置を講じてまいります。
④ 取締役会の判断及びその理由
上記②及び③に記載した取組みは、上記①に記載した基本方針に沿っており、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、232億円となりました。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。