半期報告書-第90期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2024/08/07 13:55
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
なお、当社グループは第1四半期連結会計期間より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前中間連結会計期間及び前連結会計年度の数値もIFRSベースに組み替えて比較・分析を行っています。
(1) 経営成績の分析
当中間連結会計期間の売上収益は1兆3,484億円(前年同期比1,220億円・10.0%増加)、営業利益は1,544億円(同129億円・9.1%増加)、親会社の所有者に帰属する中間利益は1,131億円(同98億円・9.5%増加)となり、中間連結会計期間において過去最高の売上収益、営業利益を達成しました。
なお、当中間連結会計期間の為替換算レートは、米ドル152円(前年同期比17円の円安)、ユーロ165円(同19円の円安)でした。
売上収益は、コア事業の二輪車のうち、ブラジル、インドにおいて販売台数の増加及び台当たり単価が向上したことにより、増収となりました。営業利益は、二輪車事業の増収効果とコストダウンに加え、円安によるプラスの効果もあり、増益となりました。
セグメント別の概況
[ランドモビリティ]
売上収益8,961億円(前年同期比986億円・12.4%増加)、営業利益907億円(同228億円・33.6%増加)となりました。
二輪車事業について、先進国の販売台数は、欧米の販売が増加した結果、前年を上回りました。新興国は、ブラジル、インド、インドネシアを中心に需要が増加した結果、当社の販売台数は新興国全体で増加しました。その結果、事業全体の販売台数は増加となりました。売上収益は、ブラジル、インドにおける販売台数の増加及び台当たり単価の向上により、増収となりました。営業利益は、増収効果に加えて新興国でのプレミアムモデルの供給改善やコストダウン、円安によるプラス影響により、増益となりました。
RV事業(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV))では、需要が前年を下回り、当社の販売台数は前年並みだったものの、モデルミックスの悪化により、減収となりました。また、競争環境の激化に伴う販促費や製造経費の増加により、減益となりました。
SPV事業(電動アシスト自転車、e-Kit、電動車いす)では、国内向け電動アシスト自転車は、販売台数が前年を上回りました。一方、e-Kitは、メイン市場である欧州での在庫調整局面継続により、販売台数が減少し、減収となりました。営業利益は、販売減少ならびに販促費の増加により、減益となりました。
[マリン]
売上収益2,977億円(前年同期比13億円・0.4%減少)、営業利益532億円(同126億円・19.2%減少)となりました。
船外機の需要は、中南米では堅調な需要が継続した一方、欧米では物価及び金利上昇の影響により需要が減少しました。なお、北米の大型船外機の需要は、安定的に推移しました。当社販売のうち、新モデルは好調だったものの、船外機全体では減少となりました。ウォータービークルは、金利上昇を懸念した買い控えにより、需要が減少しました。一方、当社の販売台数は、昨年の部品不足やサプライチェーン混乱による供給制約が改善されたことにより増加しました。この結果、マリン事業全体では減収・減益となりました。なお、当中間連結会計期間の業績には、当該期間に取得したドイツのマリン電動推進機メーカー Torqeedo GmbHの第2四半期連結会計期間(2024年4月~6月)の業績を含んでいます。
[ロボティクス]
売上収益459億円(前年同期比4億円・0.8%減少)、営業損失40億円(前年同期:営業利益5億円)となりました。
サーフェスマウンターは、欧州における設備投資の需要が減少した結果、当社の販売も減少しました。産業用ロボットは、中国での需要が引き続き停滞し、当社の販売も減少しました。また、半導体製造後工程装置は生成AIや先端パッケージ向けの需要が増加し、販売が増加しました。これらの結果、ロボティクス事業全体では減収・減益となりました。
[金融サービス]
売上収益559億円(前年同期比174億円・45.3%増加)、営業利益108億円(同42億円・63.2%増加)となりました。
当社の売上収益は、販売金融債権が増加する中、調達金利の顧客転嫁を進めたことにより、増収となりました。営業利益は、金利収入の増加に加えて、前期に発生した金利スワップ評価損が当期は評価益に転じたことで増益となりました。
[その他]
売上収益529億円(前年同期比77億円・17.1%増加)、営業利益36億円(前年同期:営業利益6億円)となりました。
ゴルフカーの北米での需要増加を背景に販売台数が増加し、増収となった結果、増収・増益となりました。
なお、各セグメントの主要な製品及びサービスは以下のとおりです。
セグメント主要な製品及びサービス
ランドモビリティ二輪車、中間部品、海外生産用部品、四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル、電動アシスト自転車、電動アシスト自転車ドライブユニット(e-Kit)、電動車いす、自動車用エンジン、自動車用コンポーネント
マリン船外機、ウォータービークル、ボート、漁船・和船
ロボティクスサーフェスマウンター、半導体製造後工程装置、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプター
金融サービス当社製品に関わる販売金融及びリース
その他ゴルフカー、発電機、汎用エンジン、除雪機

(2) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末の総資産は、前期末比2,420億円増加し、2兆8,055億円となりました。流動資産は、販売金融債権の増加や営業債権及びその他の債権の増加などにより同1,115億円増加しました。非流動資産は、販売金融債権の増加や固定資産の増加などにより同1,305億円の増加となりました。
負債合計は、社債及び借入金の増加や営業債務及びその他の債務の増加などにより同974億円増加し、1兆5,266億円となりました。
資本合計は、配当金の支払240億円、自己株式の取得200億円、中間利益1,229億円、在外営業活動体の換算差額の増加699億円などにより同1,446億円増加し、1兆2,790億円となりました。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は43.4%(前期末:42.0%)、D/Eレシオ(ネット)は0.49倍(同:0.47倍)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税引前中間利益1,544億円(前年同期:1,407億円)、棚卸資産の減少512億円(同:81億円の減少)及び減価償却費411億円(同:333億円)などの収入に対して、販売金融債権の増加709億円(同:812億円の増加)、法人所得税の支払額546億円(同:470億円)、営業債権及びその他の債権の増加249億円(同:136億円の増加)などの支出により、全体では997億円の収入(同:509億円の収入)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
固定資産の取得による支出553億円(前年同期:481億円の支出)やTorqeedo GmbHの支配獲得による支出123億円などにより、697億円の支出(同:523億円の支出)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
長期借入による収入や短期借入金の増加、社債の発行などがありましたが、長期借入金の返済や配当金の支払、自己株式の増加などにより651億円の支出(前年同期:130億円の収入)となりました。
これらの結果、当中間連結会計期間のフリー・キャッシュ・フローは301億円のプラス(前年同期:14億円のマイナス)、現金及び現金同等物の中間期末残高は3,381億円(前期末比:89億円の減少)となりました。当中間連結会計期間末の有利子負債(リース負債を除く)は9,255億円(同:817億円の増加)となりました。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発支出は、612億円となりました。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当中間連結会計期間において、金融サービスセグメントにおける売上収益が著しく増加しました。詳細は、「(1)経営成績の分析」をご参照ください。
(7) 主要な設備
当中間連結会計期間において、当社の設備の状況に著しい変動がありました。主な変動の内容及び当中間連結会計期間末における設備の状況は以下のとおりです。
浜松ロボティクス事業所を増改築しました。
事業所名所在地セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)
浜松ロボティクス
事業所
静岡県浜松市中央区ロボティクスサーフェスマウンター等の製造設備・研究開発設備17,488