四半期報告書-第87期第3四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/09 10:38
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間の売上高は1兆3,626億円(前年同期比2,955億円・27.7%増加)、営業利益は1,546億円(同983億円・174.4%増加)、経常利益は1,606億円(同1,009億円・168.9%増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,370億円(同970億円・242.0%増加)と第3四半期連結累計期間で過去最高となりました。
売上高は、半導体をはじめとした部品供給不足を受けた生産減少などの影響を受けたものの、販売台数や販売単価の増加により、全社では増収となりました。営業利益は売上高の増加に加え、リモートワークなどのデジタル活用による固定費や製造経費の抑制、販売金融引当費用の減少などの結果、物流費や原材料費高騰の影響を吸収し、大幅な増益となりました。また、8月に実施したヤマハ株式会社の株式売却益128億円を特別利益に計上しています。
なお、当第3四半期連結累計期間の為替換算レートは米ドル109円(前年同期比1円の円安)、ユーロ130円(同9円の円安)でした。
セグメント別の概況
[ランドモビリティ]
売上高8,820億円(前年同期比1,997億円・29.3%増加)、営業利益604億円(前年同期:営業利益89億円)となりました。
先進国二輪車では、コロナ禍におけるアウトドア・ファミリーレジャーの活況により、オフロード系モデルを中心に需要が伸長したため、当社の販売台数も増加し、増収・増益となりました。一方で、半導体等の部品不足とコンテナ不足による物流の遅れで市場在庫不足が継続しています。
新興国二輪車では、東南アジアでの新型コロナウイルス感染症の再拡大影響による工場・販売店稼働率の低下がありましたが、インドネシア市場などでは活動制限も緩和され回復傾向にあります。また、プレミアムモデルの販売増加によるモデルミックス改善が進み、増収・増益となりました。
RV(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV)、スノーモビル)では、旺盛なレジャー需要が継続しました。部品供給不足などによる生産遅延の影響はあるものの、販売台数が増加した結果、増収・増益となりました。
電動アシスト自転車では、通園、通学、通勤における自転車の有用性が見直されていることもあり、日本向けの完成車や欧州向けE-kitの販売好調が続き、増収・増益となりました。
[マリン]
売上高3,026億円(前年同期比552億円・22.3%増加)、営業利益645億円(同239億円・58.7%増加)となりました。
船外機では、先進国での大型モデル需要が堅調に推移し、新興国での需要も回復しました。世界的なコンテナ不足による船積み遅れの影響はありますが、生産台数の増加により供給量が改善し、販売台数が増加しました。ウォータービークルでも、米国での寒波影響による原材料調達遅れへの対応が進み販売台数が増加しました。その結果、マリン事業全体では、増収・増益となりました。
[ロボティクス]
売上高886億円(前年同期比339億円・62.0%増加)、営業利益138億円(前年同期:営業利益10億円)となりました。
アジア(中国・台湾・韓国含む)での販売好調継続に加えて、国内および欧米の販売が好調となり、サーフェスマウンターの販売台数が増加しました。また、ヤマハロボティクスホールディングス株式会社も販売好調が継続し、当第2四半期連結会計期間以降、黒字に転換しています。その結果、増収・増益となりました。
[金融サービス]
売上高359億円(前年同期比16億円・4.6%増加)、営業利益150億円(同92億円・158.3%増加)となりました。
市場在庫が縮小した結果、卸販売債権は減少しましたが、小売ファイナンスの増加や一過性要因としての貸倒引当費用減少により、増収・増益となりました。
[その他]
売上高536億円(前年同期比52億円・10.7%増加)、営業利益9億円(前年同期:営業利益0.2億円)となりました。
ゴルフカーは、堅調な需要により販売台数が増加しました。その結果、増収・増益となりました。
なお、各セグメントの主要な製品及びサービスは以下のとおりです。
セグメント主要な製品及びサービス
ランドモビリティ二輪車、中間部品、海外生産用部品、四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル、スノーモビル、電動アシスト自転車、電動車いす、自動車用エンジン、自動車用コンポーネント
マリン船外機、ウォータービークル、ボート、プール、漁船・和船
ロボティクスサーフェスマウンター、半導体製造装置、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプター
金融サービス当社製品に関わる販売金融及びリース
その他ゴルフカー、発電機、汎用エンジン、除雪機

(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前期末比1,534億円増加し、1兆7,943億円となりました。流動資産は、アセアンを中心とした受取手形及び売掛金の増加や、コンテナ不足による出荷遅延などで棚卸資産が増加したことなどにより同1,116億円増加しました。固定資産は、販売金融債権の増加などにより同418億円の増加となりました。
負債合計は、支払手形及び買掛金の増加などにより同243億円増加し、9,161億円となりました。
純資産合計は、配当金の支払384億円はあったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益1,370億円、為替換算調整勘定の増加249億円などにより同1,291億円増加し、8,782億円となりました。
これらの結果、自己資本比率は46.8%(前期末:43.6%)、D/Eレシオ(ネット)は0.17倍(同:0.27倍)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前四半期純利益1,716億円(前年同期:595億円)や減価償却費373億円(同:363億円)、販売金融債権の減少90億円(同:567億円の増加)、仕入債務の増加61億円(同:100億円の減少)などの収入に対して、たな卸資産の増加460億円(同:442億円の減少)、売上債権の増加52億円(同:175億円の減少)などの支出により、全体では1,408億円の収入(同:787億円の収入)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資有価証券の売却による収入150億円(前年同期:5億円の収入)などがありましたが、固定資産の取得による支出452億円(前年同期:355億円の支出)などにより、286億円の支出(同:308億円の支出)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
長期借入れによる収入などがありましたが、配当金の支払による支出などにより、746億円の支出(前年同期:2,582億円の収入)となりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間のフリー・キャッシュ・フローは1,122億円のプラス(前年同期:479億円のプラス)、現金及び現金同等物の四半期末残高は3,122億円(前期末比:450億円の増加)となりました。当第3四半期連結会計期間末の有利子負債は4,580億円(同:89億円の減少)となりました。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、678億円となりました。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、マリンセグメント、ロボティクスセグメントにおける生産が著しく増加しました。また、ロボティクスセグメントにおける販売が著しく増加しました。
生産実績の変動については、マリンセグメントでは、前第3四半期連結累計期間において、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う操業停止・減産により生産が減少していた一方、当第3四半期連結累計期間においては販売が好調に推移し、生産が回復したことによります。ロボティクスセグメントでは、好調な販売状況が継続したことにより、当第3四半期連結累計期間における生産が増加しました。
販売実績の変動については、「(1)経営成績の分析」をご参照ください。