四半期報告書-第87期第2四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/06 9:45
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間の売上高は9,201億円(前年同期比2,346億円・34.2%増加)、営業利益は1,092億円(同901億円・471.9%増加)、経常利益は1,151億円(同943億円・454.8%増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は931億円(前年同期:親会社株主に帰属する四半期純損失28億円)となりました。
売上高は、前年3月から新型コロナウイルス感染症が全世界に拡大し、販売台数や生産が減少しましたが、当期は、その影響が緩和し全事業で需要が回復したため、増収となりました。営業利益は売上高の増加に加え、販売単価の増加、リモートなどのデジタル活用による固定費削減、貸倒引当金の減少などの結果、物流費や原材料費高騰の影響を吸収し、大幅な増益となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間の為替換算レートは米ドル108円(前年同期比±0円)、ユーロ130円(同11円の円安)でした。
セグメント別の概況
[ランドモビリティ]
売上高5,959億円(前年同期比1,669億円・38.9%増加)、営業利益448億円(前年同期:営業損失67億円)となりました。
先進国二輪車では、コンテナ不足による供給遅延影響がありましたが、欧州での需要回復や、新商品効果により販売台数が増加しました。また、北米ではアウトドア・ファミリーレジャーの活況が前年から継続し、オフロード系モデルの販売好調により販売台数が増加しました。その結果、増収・増益となりました。
新興国二輪車では、全地域で販売台数が前年を上回り、増収・増益となりました。また、プレミアムモデルの販売増加によるモデルミックス改善が進み、インドネシア市場が完全に回復していない中、2019年比較でも増収・増益となりました。
RV(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV)、スノーモビル)では、旺盛な需要が継続しました。部品供給不足などによる生産遅延の影響はあるものの、販売台数が増加した結果、増収・増益となりました。
電動アシスト自転車では、公共交通機関の利用を避ける動きから自転車の有用性が高まり、日本向けの完成車や欧州向けE-kitの販売好調が続き、増収・増益となりました。
[マリン]
売上高2,059億円(前年同期比390億円・23.3%増加)、営業利益440億円(同186億円・73.2%増加)となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響から、前年同期は北米のボートビルダーや本社工場が一定期間操業停止した影響を受けましたが、アウトドア需要の活況が続き、先進国を中心に船外機やボートの需要が増加しました。船外機では、世界的なコンテナ不足による船積み遅れの影響はありますが、生産台数の増加により供給量が改善し、販売台数が増加しました。ウォータービークルでは、部品供給不足などによる生産遅延影響により販売台数は減少しましたが、スポーツボートや海外ボートの販売台数は増加しました。その結果、マリン事業全体では、増収・増益となりました。
[ロボティクス]
売上高592億円(前年同期比218億円・58.2%増加)、営業利益90億円(前年同期:営業利益6億円)となりました。
アジア(中国・台湾・韓国含む)での販売好調継続に加えて、欧米や日本の販売も回復し、サーフェスマウンターの販売台数が大幅に増加しました。また、ヤマハロボティクスホールディングス株式会社も販売好調に加えて、構造改革の成果が顕在化し、黒字転換しました。その結果、増収・増益となりました。
[金融サービス]
売上高236億円(前年同期比10億円・4.3%増加)、営業利益99億円(前年同期:営業利益3億円)となりました。
市場在庫が縮小した結果、卸販売債権は減少しましたが、小売ファイナンスの増加や貸倒引当金の減少などで、増収・増益となりました。
[その他]
売上高354億円(前年同期比59億円・20.2%増加)、営業利益14億円(前年同期:営業損失5億円)となりました。
ゴルフラウンド数の増加によりゴルフカー需要が増加し、販売台数が増加しました。また、汎用エンジンの販売台数も増加した結果、増収・増益となりました。
なお、各セグメントの主要な製品及びサービスは以下のとおりです。
セグメント主要な製品及びサービス
ランドモビリティ二輪車、中間部品、海外生産用部品、四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル、スノーモビル、電動アシスト自転車、電動車いす、自動車用エンジン、自動車用コンポーネント
マリン船外機、ウォータービークル、ボート、プール、漁船・和船
ロボティクスサーフェスマウンター、半導体製造装置、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプター
金融サービス当社製品に関わる販売金融及びリース
その他ゴルフカー、発電機、汎用エンジン、除雪機

(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前期末比1,569億円増加し、1兆7,978億円となりました。流動資産は、欧州やアセアンを中心とした受取手形及び売掛金の増加や、コンテナ不足による出荷遅延などで棚卸資産が増加したことなどにより同1,119億円増加しました。固定資産は、販売金融債権の増加などにより同450億円の増加となりました。
負債合計は、支払手形及び買掛金の増加や有利子負債の増加などにより同533億円増加し、9,451億円となりました。
純資産合計は、配当金の支払210億円はあったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益931億円、為替換算調整勘定の増加258億円などにより同1,036億円増加し、8,528億円となりました。
これらの結果、自己資本比率は45.4%(前期末:43.6%)、D/Eレシオ(ネット)は0.22倍(同:0.27倍)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前四半期純利益1,141億円(前年同期:205億円)や減価償却費252億円(同:244億円)、仕入債務の増加85億円(同:375億円の減少)などの収入に対して、売上債権の増加322億円(同:57億円の減少)、たな卸資産の増加275億円(同:222億円の減少)などの支出により、全体では881億円の収入(同:376億円の支出)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
固定資産の取得による支出300億円(前年同期:269億円の支出)などにより、290億円の支出(同:286億円の支出)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
長期借入れによる収入などがありましたが、配当金の支払による支出などにより、298億円の支出(前年同期:3,382億円の収入)となりました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間のフリー・キャッシュ・フローは591億円のプラス(前年同期:661億円のマイナス)、現金及び現金同等物の四半期末残高は3,017億円(前期末比:345億円の増加)となりました。当第2四半期連結会計期間末の有利子負債は4,846億円(同:177億円の増加)となりました。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、450億円となりました。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、ランドモビリティセグメント、マリンセグメントにおける生産の実績が著しく増加しました。また、ランドモビリティセグメント、ロボティクスセグメントにおける販売の実績が著しく増加しました。
生産実績の変動については、前第2四半期連結累計期間において、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う操業停止・減産により生産が減少していた一方、当第2四半期連結累計期間においては販売が好調に推移し、生産が回復したことによります。
販売実績の変動については、「(1)経営成績の分析」をご参照ください。