有価証券報告書-第91期(2025/01/01-2025/12/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
以下の分析については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント (4)報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおり、遡及・組替後の前連結会計年度のセグメント情報の数値を用いて説明しています。
(1) 経営成績の概要及び分析
当連結会計年度の当社グループを取り巻く環境は、米国の関税政策を含む各国の経済政策や為替変動など、先行き不透明な状況が続きました。一方で、米国・欧州の政策金利の引き下げなど、政府の景気刺激策が経済を下支えしました。
コア事業であるMC事業の需要は底堅く推移した一方で、マリン事業と戦略事業(ロボティクス事業、SPV事業、アウトドアランドビークル(OLV)事業)では、一部需要が想定を下回る市場もあり、厳しい事業環境となりました。
引き続き2025年からの中期経営計画に基づき、コア事業の競争力の再強化や、ポートフォリオ戦略を推進していきます。
当連結会計年度の売上収益は、MC事業のインドネシアやフィリピン、タイで販売台数が増加したものの、ベトナムで発生した生産・出荷停止の影響や、マリン事業のウォータービークル、OLV事業の販売台数が減少したことなどにより、2兆5,342億円と前連結会計年度に比べ420億円(1.6%)の減収となりました。
営業利益は、米国関税の影響や、調達コストの上昇、研究開発費や人件費などの販売費及び一般管理費の増加、OLV事業の有形固定資産の減損損失などを計上した結果、1,264億円と前連結会計年度に比べ551億円(30.4%)の減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の減少や繰延税金資産の取り崩しにより、161億円と前連結会計年度に比べ920億円(85.1%)の減益となりました。
なお、当連結会計年度の為替換算レートは、米ドル150円(前期比2円の円高)、ユーロ169円(同5円の円安)でした。
財務体質については、ROEは1.4%(前期比8.3ポイント減少)、ROICは0.8%(同4.6ポイント減少)、ROAは4.4%(同2.3ポイント減少)となりました。親会社の所有者に帰属する持分は1兆1,322億円(前期末比293億円減少)、親会社所有者帰属持分比率は39.0%(同2.7ポイント減少)となりました。また、フリー・キャッシュ・フロー(販売金融含む)は525億円のプラス(前期比44億円増加)となりました。
セグメント別の概況
[ランドモビリティ]
売上収益1兆6,151億円(前期比56億円・0.3%増加)、営業利益1,087億円(同49億円・4.7%増加)となりました。
部門別の経営成績の概要は、次のとおりです。
MC事業では、売上収益1兆5,781億円(前期比70億円・0.4%増加)、営業利益1,235億円(同30億円・2.3%減少)となりました。先進国は日本の販売が伸長しましたが、欧米の需要減少に伴い全体の販売台数はわずかに減少しました。その結果、売上収益3,864億円(前期比129億円・3.2%減少)となりました。新興国では、生産・出荷停止が発生したベトナムの販売台数は減少したものの、インドネシアやフィリピン、タイで販売台数が増加した結果、売上収益1兆1,916億円(前期比199億円・1.7%増加)となりました。MC事業全体の営業利益は、調達コストの上昇や、研究開発費や人件費などの販売費及び一般管理費の増加、米国関税の影響などにより減益となりました。
なお、MC事業全体の販売台数は、500万台(前期比0.8%増加)となりました。
SPV事業(電動アシスト自転車、e-Kit、電動車椅子)では、売上収益371億円(前期比14億円・3.7%減少)、営業損失148億円(前期:営業損失227億円)となりました。海外完成車事業の見直しに伴い販売台数が減少した結果、売上収益も前年を下回りました。一方、販売費及び一般管理費の減少に加え、前期に計上した固定資産減損等の反動により営業損失は縮小しました。
なお、当連結会計年度の業績には、ドイツで設立したYamaha Motor eBike Systems GmbHの2025年8月~12月の業績を含んでいます。
[マリン]
売上収益5,276億円(前期比101億円・1.9%減少)、営業利益536億円(同342億円・39.0%減少)となりました。
船外機の需要は、主要市場である米国では軟調に推移しましたが、全体では前年並みとなりました。当社の販売は、欧米で堅調に推移しましたが、アジアを中心に減少した結果、全体では前年並みとなりました。ウォータービークルでは、主要市場である米国の需要が減少し、当社の販売台数も前年を下回りました。この結果、マリン事業全体では減収となりました。営業利益は、ウォータービークルの販売台数の減少や、研究開発費や人件費などの販売費及び一般管理費の増加、米国関税の影響などにより減益となりました。
[アウトドアランドビークル]
売上収益1,485億円(前期比310億円・17.2%減少)、営業損失398億円(前期:営業損失174億円)となりました。
RV事業(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV))では、需要は前年並みとなりました。当社の販売は、四輪バギーは堅調に推移したものの、ROVの減少に加え、米国関税の影響や有形固定資産の減損損失を計上した結果、事業全体で減収・減益となりました。
LSM事業(ゴルフカー等)では、市場全体で需要は減少しました。主要市場である米国を中心に当社の販売も減少し、販売費及び一般管理費なども増加した結果、減収・減益となりました。
[ロボティクス]
売上収益1,115億円(前期比18億円・1.6%減少)、営業損失6億円(前期:営業損失30億円)となりました。
半導体製造後工程装置は、生成AIや先端パッケージ向けの需要が伸長し、販売が増加しました。一方、サーフェスマウンター及び産業用ロボットの販売台数は前年を下回った結果、事業全体の売上収益は前年並みとなりました。営業損失は製造経費の減少や限界利益率の改善により縮小しました。
[金融サービス]
売上収益1,140億円(前期比19億円・1.7%増加)、営業利益211億円(同16億円・7.3%減少)となりました。
売上収益は、販売金融債権の増加に伴い増収となりました。営業利益は、前期に発生した金利スワップ評価益が当期は評価損に転じた結果、減益となりました。
[その他]
売上収益174億円(前期比66億円・27.4%減少)、営業損失166億円(前期:営業損失124億円)となりました。
営業損失は、パワープロダクツ事業の事業譲渡に伴う費用が発生したことなどにより、減益となりました。
なお、各セグメントの主要な製品及びサービスは以下のとおりです。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しているため、前期比については変更後のセグメント区分の数値と比較しています。報告セグメントの変更の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント(4)報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりです。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 主要製品について記載しています。
② 受注実績
当社グループは主に見込み生産をしています。
③ 販売実績
(a)当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間取引については相殺消去しています。
(b)ランドモビリティの主要製品である二輪車の当連結会計年度における当社グループの販売実績は、次のとおりです。
(3) 財政状態の概要及び分析
当連結会計年度末の総資産は、前期末比1,191億円増加し、2兆9,026億円となりました。流動資産は、販売金融債権の増加や現金及び現金同等物の増加などにより同819億円増加しました。非流動資産は、繰延税金資産取り崩しによる減少などがある一方、販売金融債権の増加やのれん及び無形資産の増加、有形固定資産の増加などにより同372億円の増加となりました。
負債合計は、社債及び借入金の増加やその他の流動負債の増加、営業債務及びその他の債務の増加などにより同1,473億円増加し、1兆7,043億円となりました。
資本合計は、当期利益349億円、その他の包括利益309億円などにより増加した一方、配当金の支払により576億円、自己株式の取得により100億円、支配継続子会社に対する持分変動により276億円減少したことにより同283億円減少し、1兆1,983億円となりました。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は39.0%(前期末:41.7%)、D/Eレシオ(ネット)は0.58倍(同:0.50倍)となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税引前当期利益1,332億円(前期:1,832億円)や減価償却費及び償却費888億円(同:831億円)、営業債権及びその他の債権の減少79億円(同:138億円の減少)、棚卸資産の減少36億円(同:313億円の減少)などの収入に対して、販売金融債権の増加534億円(同:622億円の増加)や法人所得税の支払額527億円(同:966億円)などの支出により、全体では1,386億円の収入(同:1,768億円の収入)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
有形固定資産及び無形資産の売却による収入293億円や投資有価証券の売却による収入118億円などがありましたが、有形固定資産及び無形資産の取得による支出1,133億円(前期:1,159億円の支出)などにより、861億円の支出(同:1,287億円の支出)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
社債の発行や長期借入れによる収入がありましたが、配当金の支払、自己株式の増加などにより304億円の支出(前期:464億円の支出)となりました。
これらの結果、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは525億円のプラス(前期:481億円のプラス)、現金及び現金同等物の残高は3,989億円(前期末比:259億円の増加)となりました。当連結会計年度末の有利子負債(リース負債を除く)は1兆443億円(同:923億円の増加)となりました。
(5) 金融サービス事業を区分した経営成績情報
以下の表は金融サービス事業と金融サービス事業以外の事業を区分した要約連結財政状態計算書、要約連結損益計算書及び要約連結キャッシュ・フロー計算書です。金融サービス事業はそれ以外の事業とは性質が異なるため、これらの要約連結財務諸表が連結財務諸表の理解と分析に役立つものと考えています。なお、以下の「金融サービス事業以外の事業及び消去」は連結計から金融サービス事業の数値を差し引いたものとしています。
要約連結財政状態計算書
要約連結損益計算書
要約連結キャッシュ・フロー計算書
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料・部品等の購入費、製造費用、製品・商品の仕入、販売費及び一般管理費、運転資金、設備投資資金、投融資及び当社製品に関わる販売金融です。
運転資金については返済期限が一年以内の短期借入金で、通常各々の会社が運転資金として使用する現地の通貨で調達しています。設備投資資金については主に資本金、内部留保といった自己資金でまかなうこととしています。
資金の流動性管理にあたっては、適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、手元流動性を適度に維持することで、必要な流動性を確保しています。
当連結会計年度においては、設備投資や子会社の支配獲得に係る投資活動による支出があったものの、営業活動による収入に加え、台湾子会社の土地売却やヤマハ株式会社等の株式売却による収入があったことにより、フリー・キャッシュ・フローを確保しました。また、株主還元と資本効率の向上を図るために自己株式の取得を行いました。
当社は株主の皆様の利益向上を重要な経営課題と位置付け、企業価値の向上に努めています。株主配当については、2026年2月2日に開示した「2025年12月期通期連結業績予想および配当予想の修正並びに個別業績見込みと前期実績との差異に関するお知らせ」のとおり、期末配当1株当たり10円の実施を2026年3月25日開催予定の第91期定時株主総会に上程する予定です。2026年については年間配当1株当たり50円を予定しています。加えて、自己株式の取得についても、中期経営計画の還元方針に則り、機動的な実施を目指します。
また、2026年の設備投資は1,400億円、研究開発支出は1,700億円を計画しています。
(7) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。なお、当連結会計年度における重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。
① 棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の、推定される将来需要及び市場状況に基づく時価の見積額と総平均法による原価法(貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しています。)による評価額との差額に相当する陳腐化の見積額について、評価減を計上しています。実際の将来需要又は市場状況が、当社グループ経営者による見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
② 損失評価引当金
当社グループは、売掛金、販売金融債権及び貸付金その他これらに準ずる債権を適正に評価するため、営業債権及びその他の債権については常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。金融サービス事業に係る債権については、報告日ごとに予想信用損失を見積り、予想信用損失に対して損失評価引当金を計上しています。なお、米国内のインフレの急激な進行等の外部環境の変化により債権の信用リスクが増加した場合には、必要に応じて見積りに対し補正を加えています。将来、債権の相手先の財務状況がさらに悪化して支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は追加の損失が発生する可能性があります。
③ 非金融資産の減損
当社グループは、減損の兆候のある資金生成単位または資金生成単位グループごとに将来キャッシュ・フローの見積りを行い、当該資産の減損要否の判定を行っています。資金生成単位または資金生成単位グループの減損が必要であると判断した場合、帳簿価額が回収可能価額を超える部分について減損損失を認識します。のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず回収可能価額を毎年同じ時期に見積っています。将来、回収可能価額が減少した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
④ 繰延税金資産
当社グループは、将来の一定期間における課税所得の見積りやタックスプランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を検討しています。これらの将来に係る見積りは、市場の動向や経済環境、また、当社グループの事業計画等の変動の影響を受けるため、回収可能性が大きく変動した場合、税金費用が大きく変動する可能性があります。
⑤ 製品保証引当金
当社グループは、販売済製品の保証期間中のアフターサービス費用、その他販売済製品の品質問題に対処する費用の見積額を計上しています。当該見積りは、過去の実績若しくは個別の発生予想額に基づいていますが、実際の製品不良率又は修理コストが見積りと異なる場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。
⑥ 退職給付に係る負債
従業員の退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件には、割引率、長期期待運用収益率、将来の給与水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。当社及び一部の国内連結子会社が加入する年金制度においては、割引率は優良社債を基礎とした複数の割引率を退職給付の支払見込期間ごとに設定しています。長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類毎の期待収益率の加重平均に基づいて計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に計上されるため、一般的には将来期間において認識される収益・費用、計上される資産・負債及び純資産に影響を及ぼします。
確定給付制度の当期勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息の純額は純損益として認識しています。確定給付制度の再測定額は、発生した期に一括してその他の包括利益で認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。制度の改訂による従業員の過去の勤務に係る確定給付制度債務の増減は、純損益として認識しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
以下の分析については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント (4)報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおり、遡及・組替後の前連結会計年度のセグメント情報の数値を用いて説明しています。
(1) 経営成績の概要及び分析
当連結会計年度の当社グループを取り巻く環境は、米国の関税政策を含む各国の経済政策や為替変動など、先行き不透明な状況が続きました。一方で、米国・欧州の政策金利の引き下げなど、政府の景気刺激策が経済を下支えしました。
コア事業であるMC事業の需要は底堅く推移した一方で、マリン事業と戦略事業(ロボティクス事業、SPV事業、アウトドアランドビークル(OLV)事業)では、一部需要が想定を下回る市場もあり、厳しい事業環境となりました。
引き続き2025年からの中期経営計画に基づき、コア事業の競争力の再強化や、ポートフォリオ戦略を推進していきます。
当連結会計年度の売上収益は、MC事業のインドネシアやフィリピン、タイで販売台数が増加したものの、ベトナムで発生した生産・出荷停止の影響や、マリン事業のウォータービークル、OLV事業の販売台数が減少したことなどにより、2兆5,342億円と前連結会計年度に比べ420億円(1.6%)の減収となりました。
営業利益は、米国関税の影響や、調達コストの上昇、研究開発費や人件費などの販売費及び一般管理費の増加、OLV事業の有形固定資産の減損損失などを計上した結果、1,264億円と前連結会計年度に比べ551億円(30.4%)の減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の減少や繰延税金資産の取り崩しにより、161億円と前連結会計年度に比べ920億円(85.1%)の減益となりました。
なお、当連結会計年度の為替換算レートは、米ドル150円(前期比2円の円高)、ユーロ169円(同5円の円安)でした。
財務体質については、ROEは1.4%(前期比8.3ポイント減少)、ROICは0.8%(同4.6ポイント減少)、ROAは4.4%(同2.3ポイント減少)となりました。親会社の所有者に帰属する持分は1兆1,322億円(前期末比293億円減少)、親会社所有者帰属持分比率は39.0%(同2.7ポイント減少)となりました。また、フリー・キャッシュ・フロー(販売金融含む)は525億円のプラス(前期比44億円増加)となりました。
セグメント別の概況
[ランドモビリティ]
売上収益1兆6,151億円(前期比56億円・0.3%増加)、営業利益1,087億円(同49億円・4.7%増加)となりました。
部門別の経営成績の概要は、次のとおりです。
MC事業では、売上収益1兆5,781億円(前期比70億円・0.4%増加)、営業利益1,235億円(同30億円・2.3%減少)となりました。先進国は日本の販売が伸長しましたが、欧米の需要減少に伴い全体の販売台数はわずかに減少しました。その結果、売上収益3,864億円(前期比129億円・3.2%減少)となりました。新興国では、生産・出荷停止が発生したベトナムの販売台数は減少したものの、インドネシアやフィリピン、タイで販売台数が増加した結果、売上収益1兆1,916億円(前期比199億円・1.7%増加)となりました。MC事業全体の営業利益は、調達コストの上昇や、研究開発費や人件費などの販売費及び一般管理費の増加、米国関税の影響などにより減益となりました。
なお、MC事業全体の販売台数は、500万台(前期比0.8%増加)となりました。
SPV事業(電動アシスト自転車、e-Kit、電動車椅子)では、売上収益371億円(前期比14億円・3.7%減少)、営業損失148億円(前期:営業損失227億円)となりました。海外完成車事業の見直しに伴い販売台数が減少した結果、売上収益も前年を下回りました。一方、販売費及び一般管理費の減少に加え、前期に計上した固定資産減損等の反動により営業損失は縮小しました。
なお、当連結会計年度の業績には、ドイツで設立したYamaha Motor eBike Systems GmbHの2025年8月~12月の業績を含んでいます。
[マリン]
売上収益5,276億円(前期比101億円・1.9%減少)、営業利益536億円(同342億円・39.0%減少)となりました。
船外機の需要は、主要市場である米国では軟調に推移しましたが、全体では前年並みとなりました。当社の販売は、欧米で堅調に推移しましたが、アジアを中心に減少した結果、全体では前年並みとなりました。ウォータービークルでは、主要市場である米国の需要が減少し、当社の販売台数も前年を下回りました。この結果、マリン事業全体では減収となりました。営業利益は、ウォータービークルの販売台数の減少や、研究開発費や人件費などの販売費及び一般管理費の増加、米国関税の影響などにより減益となりました。
[アウトドアランドビークル]
売上収益1,485億円(前期比310億円・17.2%減少)、営業損失398億円(前期:営業損失174億円)となりました。
RV事業(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV))では、需要は前年並みとなりました。当社の販売は、四輪バギーは堅調に推移したものの、ROVの減少に加え、米国関税の影響や有形固定資産の減損損失を計上した結果、事業全体で減収・減益となりました。
LSM事業(ゴルフカー等)では、市場全体で需要は減少しました。主要市場である米国を中心に当社の販売も減少し、販売費及び一般管理費なども増加した結果、減収・減益となりました。
[ロボティクス]
売上収益1,115億円(前期比18億円・1.6%減少)、営業損失6億円(前期:営業損失30億円)となりました。
半導体製造後工程装置は、生成AIや先端パッケージ向けの需要が伸長し、販売が増加しました。一方、サーフェスマウンター及び産業用ロボットの販売台数は前年を下回った結果、事業全体の売上収益は前年並みとなりました。営業損失は製造経費の減少や限界利益率の改善により縮小しました。
[金融サービス]
売上収益1,140億円(前期比19億円・1.7%増加)、営業利益211億円(同16億円・7.3%減少)となりました。
売上収益は、販売金融債権の増加に伴い増収となりました。営業利益は、前期に発生した金利スワップ評価益が当期は評価損に転じた結果、減益となりました。
[その他]
売上収益174億円(前期比66億円・27.4%減少)、営業損失166億円(前期:営業損失124億円)となりました。
営業損失は、パワープロダクツ事業の事業譲渡に伴う費用が発生したことなどにより、減益となりました。
なお、各セグメントの主要な製品及びサービスは以下のとおりです。
| セグメント | 主要な製品及びサービス |
| ランドモビリティ | 二輪車、中間部品、海外生産用部品、電動アシスト自転車、電動アシスト自転車ドライブユニット(e-Kit)、電動車椅子、自動車用エンジン、自動車用コンポーネント |
| マリン | 船外機、ウォータービークル、ボート、漁船・和船 |
| アウトドアランドビークル | 四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル、ゴルフカー |
| ロボティクス | サーフェスマウンター、半導体製造後工程装置、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプター |
| 金融サービス | 当社製品に関わる販売金融及びリース |
| その他 | 発電機、汎用エンジン、除雪機、モビリティサービス |
(2) 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しているため、前期比については変更後のセグメント区分の数値と比較しています。報告セグメントの変更の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント(4)報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりです。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 製品 | 台数(台) | 前期比(%) |
| ランドモビリティ | 二輪車 | 4,966,442 | 99.9 |
| 電動アシスト自転車、電動アシスト自転車ドライブユニット(e-Kit) | 338,319 | 116.0 | |
| マリン | 船外機 | 271,174 | 120.0 |
| ウォータービークル | 42,078 | 78.0 | |
| ボート、漁船・和船 | 6,768 | 104.1 | |
| アウトドアランドビークル | 四輪バギー、 レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル | 45,809 | 95.4 |
| ゴルフカー | 52,345 | 72.3 | |
| ロボティクス | サーフェスマウンター、産業用ロボット | 29,166 | 87.5 |
(注) 主要製品について記載しています。
② 受注実績
当社グループは主に見込み生産をしています。
③ 販売実績
(a)当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ランドモビリティ | 1,615,138 | 100.3 |
| マリン | 527,630 | 98.1 |
| アウトドアランドビークル | 148,526 | 82.8 |
| ロボティクス | 111,478 | 98.4 |
| 金融サービス | 114,033 | 101.7 |
| 報告セグメント計 | 2,516,807 | 98.6 |
| その他 | 17,395 | 72.6 |
| 合計 | 2,534,203 | 98.4 |
(注) セグメント間取引については相殺消去しています。
(b)ランドモビリティの主要製品である二輪車の当連結会計年度における当社グループの販売実績は、次のとおりです。
| 地域 | 台数(台) | 前期比(%) | |
| 日本 | 76,103 | 105.7 | |
| 海外 | 4,923,029 | 100.7 | |
| 地 域 別 内 訳 | 北米 | 79,083 | 96.1 |
| 欧州 | 210,061 | 93.1 | |
| アジア | 3,902,542 | 101.0 | |
| その他 | 731,343 | 101.9 | |
| 合計 | 4,999,132 | 100.8 | |
(3) 財政状態の概要及び分析
当連結会計年度末の総資産は、前期末比1,191億円増加し、2兆9,026億円となりました。流動資産は、販売金融債権の増加や現金及び現金同等物の増加などにより同819億円増加しました。非流動資産は、繰延税金資産取り崩しによる減少などがある一方、販売金融債権の増加やのれん及び無形資産の増加、有形固定資産の増加などにより同372億円の増加となりました。
負債合計は、社債及び借入金の増加やその他の流動負債の増加、営業債務及びその他の債務の増加などにより同1,473億円増加し、1兆7,043億円となりました。
資本合計は、当期利益349億円、その他の包括利益309億円などにより増加した一方、配当金の支払により576億円、自己株式の取得により100億円、支配継続子会社に対する持分変動により276億円減少したことにより同283億円減少し、1兆1,983億円となりました。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は39.0%(前期末:41.7%)、D/Eレシオ(ネット)は0.58倍(同:0.50倍)となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税引前当期利益1,332億円(前期:1,832億円)や減価償却費及び償却費888億円(同:831億円)、営業債権及びその他の債権の減少79億円(同:138億円の減少)、棚卸資産の減少36億円(同:313億円の減少)などの収入に対して、販売金融債権の増加534億円(同:622億円の増加)や法人所得税の支払額527億円(同:966億円)などの支出により、全体では1,386億円の収入(同:1,768億円の収入)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
有形固定資産及び無形資産の売却による収入293億円や投資有価証券の売却による収入118億円などがありましたが、有形固定資産及び無形資産の取得による支出1,133億円(前期:1,159億円の支出)などにより、861億円の支出(同:1,287億円の支出)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
社債の発行や長期借入れによる収入がありましたが、配当金の支払、自己株式の増加などにより304億円の支出(前期:464億円の支出)となりました。
これらの結果、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは525億円のプラス(前期:481億円のプラス)、現金及び現金同等物の残高は3,989億円(前期末比:259億円の増加)となりました。当連結会計年度末の有利子負債(リース負債を除く)は1兆443億円(同:923億円の増加)となりました。
(5) 金融サービス事業を区分した経営成績情報
以下の表は金融サービス事業と金融サービス事業以外の事業を区分した要約連結財政状態計算書、要約連結損益計算書及び要約連結キャッシュ・フロー計算書です。金融サービス事業はそれ以外の事業とは性質が異なるため、これらの要約連結財務諸表が連結財務諸表の理解と分析に役立つものと考えています。なお、以下の「金融サービス事業以外の事業及び消去」は連結計から金融サービス事業の数値を差し引いたものとしています。
要約連結財政状態計算書
| (単位:百万円) | |||||||||||||||
| 金融サービス事業 | 金融サービス事業以外 の事業及び消去 | 連結計 | |||||||||||||
| 2024年 12月期 | 2025年 12月期 | 2024年 12月期 | 2025年 12月期 | 2024年 12月期 | 2025年 12月期 | ||||||||||
| 資産 | |||||||||||||||
| 現金及び現金同等物 | 33,461 | 18,214 | 339,537 | 380,689 | 372,999 | 398,904 | |||||||||
| 営業債権及びその他の債権 | 251 | 778 | 177,934 | 180,943 | 178,186 | 181,721 | |||||||||
| 販売金融債権 | 372,582 | 403,581 | - | - | 372,582 | 403,581 | |||||||||
| 棚卸資産 | - | - | 574,105 | 591,369 | 574,105 | 591,369 | |||||||||
| その他 | 16,120 | 15,687 | 94,373 | 98,967 | 110,493 | 114,655 | |||||||||
| 流動資産合計 | 422,416 | 438,262 | 1,185,951 | 1,251,970 | 1,608,368 | 1,690,233 | |||||||||
| 有形固定資産、のれん及び無形資産 | 27,969 | 29,952 | 536,343 | 576,712 | 564,313 | 606,664 | |||||||||
| 販売金融債権 | 367,709 | 395,672 | - | - | 367,709 | 395,672 | |||||||||
| その他 | 28,898 | 28,309 | 214,212 | 181,704 | 243,110 | 210,014 | |||||||||
| 非流動資産合計 | 424,577 | 453,934 | 750,555 | 758,417 | 1,175,133 | 1,212,351 | |||||||||
| 資産合計 | 846,994 | 892,197 | 1,936,507 | 2,010,387 | 2,783,501 | 2,902,584 | |||||||||
| 負債 | |||||||||||||||
| 営業債務及びその他の債務 | 2,365 | 1,781 | 147,557 | 158,601 | 149,922 | 160,382 | |||||||||
| 社債及び借入金 | 380,913 | 340,967 | 299,417 | 274,839 | 680,330 | 615,807 | |||||||||
| その他 | 16,457 | 32,482 | 301,151 | 318,224 | 317,608 | 350,707 | |||||||||
| 流動負債合計 | 399,735 | 375,232 | 748,126 | 751,665 | 1,147,861 | 1,126,898 | |||||||||
| 社債及び借入金 | 211,758 | 263,690 | 59,884 | 164,826 | 271,643 | 428,516 | |||||||||
| その他 | 19,311 | 20,253 | 118,097 | 128,586 | 137,409 | 148,840 | |||||||||
| 非流動負債合計 | 231,070 | 283,943 | 177,982 | 293,413 | 409,053 | 577,356 | |||||||||
| 負債合計 | 630,806 | 659,175 | 926,108 | 1,045,079 | 1,556,915 | 1,704,255 | |||||||||
| 資本 | |||||||||||||||
| 資本金 | 53,153 | 63,247 | 32,947 | 22,853 | 86,100 | 86,100 | |||||||||
| 資本剰余金 | 12 | - | 63,363 | 46,010 | 63,375 | 46,010 | |||||||||
| 利益剰余金 | 120,827 | 139,385 | 858,360 | 809,297 | 979,188 | 948,682 | |||||||||
| 自己株式 | - | - | △54,064 | △53,633 | △54,064 | △53,633 | |||||||||
| その他の資本の構成要素 | 42,194 | 30,388 | 44,774 | 74,687 | 86,969 | 105,076 | |||||||||
| 非支配持分 | - | - | 65,017 | 66,091 | 65,017 | 66,091 | |||||||||
| 資本合計 | 216,187 | 233,021 | 1,010,398 | 965,308 | 1,226,586 | 1,198,329 | |||||||||
| 負債及び資本合計 | 846,994 | 892,197 | 1,936,507 | 2,010,387 | 2,783,501 | 2,902,584 | |||||||||
要約連結損益計算書
| (単位:百万円) | |||||||||||||||
| 金融サービス事業 | 金融サービス事業以外 の事業及び消去 | 連結計 | |||||||||||||
| 2024年 12月期 | 2025年 12月期 | 2024年 12月期 | 2025年 12月期 | 2024年 12月期 | 2025年 12月期 | ||||||||||
| 売上収益 | 112,172 | 114,033 | 2,464,006 | 2,420,170 | 2,576,179 | 2,534,203 | |||||||||
| 売上原価 | △66,156 | △67,053 | △1,688,058 | △1,682,605 | △1,754,214 | △1,749,658 | |||||||||
| 売上総利益 | 46,016 | 46,980 | 775,948 | 737,564 | 821,964 | 784,544 | |||||||||
| 販売費及び一般管理費 | △24,077 | △26,414 | △618,447 | △654,724 | △642,525 | △681,139 | |||||||||
| その他の収益費用(純額) | 766 | △202 | △5,752 | 13,091 | △4,985 | 12,888 | |||||||||
| 持分法による投資損益 | - | 692 | 7,062 | 9,386 | 7,062 | 10,079 | |||||||||
| 営業利益 | 22,705 | 21,056 | 158,810 | 105,316 | 181,515 | 126,373 | |||||||||
| 金融収益 | 234 | 432 | 15,445 | 18,637 | 15,679 | 19,069 | |||||||||
| 金融費用 | △34 | △18 | △13,984 | △12,227 | △14,019 | △12,245 | |||||||||
| 税引前当期利益 | 22,904 | 21,470 | 160,271 | 111,726 | 183,175 | 133,196 | |||||||||
| 法人所得税費用 | △6,363 | △5,188 | △52,241 | △93,069 | △58,605 | △98,258 | |||||||||
| 当期利益 | 16,540 | 16,281 | 108,029 | 18,656 | 124,570 | 34,938 | |||||||||
| 親会社の所有者 | 16,540 | 16,281 | 91,528 | △172 | 108,069 | 16,109 | |||||||||
| 非支配持分 | - | - | 16,500 | 18,829 | 16,500 | 18,829 | |||||||||
要約連結キャッシュ・フロー計算書
| (単位:百万円) | |||||||||||||||
| 金融サービス事業 | 金融サービス事業以外 の事業及び消去 | 連結計 | |||||||||||||
| 2024年 12月期 | 2025年 12月期 | 2024年 12月期 | 2025年 12月期 | 2024年 12月期 | 2025年 12月期 | ||||||||||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | |||||||||||||||
| 税引前当期利益 | 22,904 | 21,470 | 160,271 | 111,726 | 183,175 | 133,196 | |||||||||
| 減価償却費及び償却費 | 2,705 | 5,602 | 80,362 | 83,163 | 83,067 | 88,766 | |||||||||
| 金融事業に係る利息収益及び利息費用 | △44,812 | △51,753 | - | - | △44,812 | △51,753 | |||||||||
| 販売金融債権の増減額(△は増加) | △62,199 | △53,441 | - | - | △62,199 | △53,441 | |||||||||
| その他 | 39,888 | 55,977 | △22,271 | △34,141 | 17,616 | 21,835 | |||||||||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | △41,513 | △22,142 | 218,361 | 160,748 | 176,847 | 138,605 | |||||||||
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | |||||||||||||||
| 有形固定資産及び無形資産の取得による支出 | △7,424 | △1,144 | △108,458 | △112,121 | △115,882 | △113,266 | |||||||||
| その他 | 1,343 | 315 | △14,209 | 26,825 | △12,865 | 27,141 | |||||||||
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △6,080 | △828 | △122,667 | △85,295 | △128,748 | △86,124 | |||||||||
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | |||||||||||||||
| 借入金の増減額(△は減少) | 71,271 | 15,846 | △28,649 | 43,488 | 42,622 | 59,335 | |||||||||
| 社債の増減額(△は減少) | △11,600 | △12,168 | 19,915 | 29,876 | 8,314 | 17,707 | |||||||||
| その他 | 960 | - | △98,323 | △107,471 | △97,363 | △107,471 | |||||||||
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 60,631 | 3,678 | △107,058 | △34,106 | △46,426 | △30,428 | |||||||||
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △2,912 | 4,047 | 21,693 | △193 | 18,781 | 3,853 | |||||||||
| 現金及び現金同等物の増減額 (△は減少) | 10,124 | △15,246 | 10,330 | 41,151 | 20,454 | 25,905 | |||||||||
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 22,134 | 33,461 | 324,882 | 339,537 | 347,016 | 372,999 | |||||||||
| 新規連結に伴う現金及び 現金同等物の増加額 | 1,203 | - | 4,325 | - | 5,528 | - | |||||||||
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 33,461 | 18,214 | 339,537 | 380,689 | 372,999 | 398,904 | |||||||||
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料・部品等の購入費、製造費用、製品・商品の仕入、販売費及び一般管理費、運転資金、設備投資資金、投融資及び当社製品に関わる販売金融です。
運転資金については返済期限が一年以内の短期借入金で、通常各々の会社が運転資金として使用する現地の通貨で調達しています。設備投資資金については主に資本金、内部留保といった自己資金でまかなうこととしています。
資金の流動性管理にあたっては、適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、手元流動性を適度に維持することで、必要な流動性を確保しています。
当連結会計年度においては、設備投資や子会社の支配獲得に係る投資活動による支出があったものの、営業活動による収入に加え、台湾子会社の土地売却やヤマハ株式会社等の株式売却による収入があったことにより、フリー・キャッシュ・フローを確保しました。また、株主還元と資本効率の向上を図るために自己株式の取得を行いました。
当社は株主の皆様の利益向上を重要な経営課題と位置付け、企業価値の向上に努めています。株主配当については、2026年2月2日に開示した「2025年12月期通期連結業績予想および配当予想の修正並びに個別業績見込みと前期実績との差異に関するお知らせ」のとおり、期末配当1株当たり10円の実施を2026年3月25日開催予定の第91期定時株主総会に上程する予定です。2026年については年間配当1株当たり50円を予定しています。加えて、自己株式の取得についても、中期経営計画の還元方針に則り、機動的な実施を目指します。
また、2026年の設備投資は1,400億円、研究開発支出は1,700億円を計画しています。
(7) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。なお、当連結会計年度における重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。
① 棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の、推定される将来需要及び市場状況に基づく時価の見積額と総平均法による原価法(貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しています。)による評価額との差額に相当する陳腐化の見積額について、評価減を計上しています。実際の将来需要又は市場状況が、当社グループ経営者による見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
② 損失評価引当金
当社グループは、売掛金、販売金融債権及び貸付金その他これらに準ずる債権を適正に評価するため、営業債権及びその他の債権については常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。金融サービス事業に係る債権については、報告日ごとに予想信用損失を見積り、予想信用損失に対して損失評価引当金を計上しています。なお、米国内のインフレの急激な進行等の外部環境の変化により債権の信用リスクが増加した場合には、必要に応じて見積りに対し補正を加えています。将来、債権の相手先の財務状況がさらに悪化して支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は追加の損失が発生する可能性があります。
③ 非金融資産の減損
当社グループは、減損の兆候のある資金生成単位または資金生成単位グループごとに将来キャッシュ・フローの見積りを行い、当該資産の減損要否の判定を行っています。資金生成単位または資金生成単位グループの減損が必要であると判断した場合、帳簿価額が回収可能価額を超える部分について減損損失を認識します。のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず回収可能価額を毎年同じ時期に見積っています。将来、回収可能価額が減少した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
④ 繰延税金資産
当社グループは、将来の一定期間における課税所得の見積りやタックスプランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を検討しています。これらの将来に係る見積りは、市場の動向や経済環境、また、当社グループの事業計画等の変動の影響を受けるため、回収可能性が大きく変動した場合、税金費用が大きく変動する可能性があります。
⑤ 製品保証引当金
当社グループは、販売済製品の保証期間中のアフターサービス費用、その他販売済製品の品質問題に対処する費用の見積額を計上しています。当該見積りは、過去の実績若しくは個別の発生予想額に基づいていますが、実際の製品不良率又は修理コストが見積りと異なる場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。
⑥ 退職給付に係る負債
従業員の退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件には、割引率、長期期待運用収益率、将来の給与水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。当社及び一部の国内連結子会社が加入する年金制度においては、割引率は優良社債を基礎とした複数の割引率を退職給付の支払見込期間ごとに設定しています。長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類毎の期待収益率の加重平均に基づいて計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に計上されるため、一般的には将来期間において認識される収益・費用、計上される資産・負債及び純資産に影響を及ぼします。
確定給付制度の当期勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息の純額は純損益として認識しています。確定給付制度の再測定額は、発生した期に一括してその他の包括利益で認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。制度の改訂による従業員の過去の勤務に係る確定給付制度債務の増減は、純損益として認識しています。