四半期報告書-第86期第2四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
以下の分析については、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」及び「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) 報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおり、遡及・組替後の前第2四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表の数値を用いて説明しています。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間の売上高は6,855億円(前年同期比1,704億円・19.9%減少)、営業利益は191億円(同499億円・72.3%減少)、経常利益は207億円(同495億円・70.5%減少)、親会社株主に帰属する四半期純損失は28億円(前年同期:親会社株主に帰属する四半期純利益520億円)となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間の為替換算レートは米ドル108円(前年同期比2円の円高)、ユーロ119円(同5円の円高)でした。
売上高は、ロボティクス事業と金融サービス事業で増収となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、ランドモビリティ事業とマリン事業で販売台数が大きく減少し、全体では減収となりました。営業利益は、為替影響や売上高の減少に加え、工場操業停止の影響もあり、全事業で減益となりました。
セグメント別の概況
[ランドモビリティ]
売上高4,290億円(前年同期比1,336億円・23.7%減少)、営業損失67億円(前年同期:営業利益208億円)となりました。
二輪車では、新型コロナウイルス感染症の影響により販売台数が減少し、各国の工場を一定期間操業停止したため、減収・減益となりました。加えてインドネシアでは、景気悪化に伴う販売金融の審査厳格化により、総需要が大きく落ち込みました。インドとフィリピンでは、ロックダウンの影響が他の国に比べて長引きました。一方で、中国、ベトナム、台湾では、総需要の回復が進みました。
RV(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV)、スノーモビル)では、ROVの販売台数が減少したことやロックダウンにより米国工場を操業停止した結果、赤字幅が拡大しました。
電動アシスト自転車では、新型コロナウイルス感染症の影響による生産遅延や営業活動の自粛により、欧州向けE-kitや日本での販売台数が減少した結果、減収・減益となりました。
[マリン]
売上高1,670億円(前年同期比326億円・16.3%減少)、営業利益254億円(同135億円・34.6%減少)となりました。
第1四半期の船外機の生産調整に加え、第2四半期に新型コロナウイルス感染症の影響を受けた北米のボートビルダーの操業停止やディーラーの休業、米国工場の操業停止により、船外機、ウォータービークルの販売台数が減少しました。また、本社工場も在庫調整のため一定期間操業停止したことにより、減収・減益となりました。
[ロボティクス]
売上高374億円(前年同期比51億円・15.9%増加)、営業利益6億円(同47億円・89.1%減少)となりました。
アジア(中国・台湾・韓国含む)でサーフェスマウンターの販売台数が増加しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により自動車領域の投資が抑制されました。その結果、サーフェスマウンターのモデルミックスが悪化したことや、前第2四半期会計期間末より子会社化したヤマハモーターロボティクスホールディングス株式会社(YMRH)の影響により、増収・減益となりました。
[金融サービス]
売上高226億円(前年同期比22億円・10.6%増加)、営業利益3億円(同35億円・92.2%減少)となりました。
米国プライム層向け金融プログラムの自前化により、債権残高が増加し増収となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を見据えた貸倒引当金の増加により増収・減益となりました。
[その他]
売上高294億円(前年同期比115億円・28.1%減少)、営業損失5億円(前年同期:営業利益4億円)となりました。
ゴルフカーや発電機の販売台数が減少し、減収・減益となりました。
なお、各セグメントの主要な製品及びサービスは以下のとおりです。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前期末比2,442億円増加し、1兆7,770億円となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金や棚卸資産の減少はあったものの、新型コロナウイルス感染症の影響への対策としての手元資金確保などにより同2,010億円増加しました。固定資産は、投資有価証券の時価評価や為替レートの影響による円換算額の減少などはあったものの、販売金融債権の買い取りなどによる増加により同431億円増加しました。
負債合計は、有利子負債などの増加により同3,125億円増加し、1兆934億円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純損失28億円、配当金の支払157億円、為替換算調整勘定の減少203億円、その他有価証券評価差額金の減少92億円、非支配株主持分の減少139億円などにより同683億円減少し、6,835億円となりました。
これらの結果、自己資本比率は36.6%(前期末:46.0%)、D/Eレシオ(ネット)は0.50倍(同:0.34倍)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前四半期純利益205億円(前年同期:722億円)、減価償却費244億円(同:253億円)、たな卸資産の減少222億円(同:126億円の減少)などの収入に対して、販売金融債権の増加717億円(同:220億円の増加)、仕入債務の減少375億円(同:119億円の減少)などの支出により、全体では376億円の支出(同:505億円の収入)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
固定資産の取得による支出269億円(前年同期:276億円)などにより、286億円の支出(同:496億円の支出)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
配当金の支払や、YMRH株式の追加取得による支出などがありましたが、長短借入金による資金調達等により、3,382億円の収入(前年同期:362億円の支出)となりました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間のフリー・キャッシュ・フローは661億円のマイナス(前年同期:9億円のプラス)、現金及び現金同等物の四半期末残高は3,914億円(前期末比:2,686億円の増加)となりました。当第2四半期連結会計期間末の有利子負債は7,233億円(同:3,583億円の増加)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
① 基本方針の内容の概要
当社は、当社の事業領域である、ランドモビリティ事業、マリン事業等において、多くの世界市場をリードする商品を生み出してまいりました。独自技術の開発には長期的視野に立った継続的な資源の投入を必要としますが、その過程で得られた独創性の高い技術・ノウハウの蓄積、開発努力を通じて獲得された特定の市場分野における知識・情報、長年にわたる問題解決を通じて醸成された取引先との深い信頼関係、専門分野に通暁した質の高い人材等は、当社の競争優位性をさらに向上させており、将来においても当社の企業価値の源泉をなす重要な経営資源であると考えます。また、当社の活動領域は事業活動のみならず、社会貢献活動、環境保護活動等に及んでおり、これらがシナジー効果を生むことによってコーポレートブランドの価値となり、当社のブランド価値や企業価値を築いていると認識しております。かかるブランド価値、企業価値のさらなる向上を図るためには、ニューモデルの積極的な投入、特に新技術の導入による新たな付加価値のある製品の開発が不可欠ですが、これを可能とするためには、新技術を生むための研究・開発のさらなる推進が重要となります。また、環境に配慮した低燃費エンジンの開発や電動二輪車等の次世代環境技術は将来高収益・規模成長が期待できる事業領域ですが、かかる事業領域で当社グループが収益をあげていくためには、事業の基礎となる研究・開発を積極的に推進することが不可欠です。こうしたブランド価値、企業価値の源泉に対する理解に欠ける者が当社を買収して財務及び事業の方針の決定を支配し、短期的な経済的効率性のみを重視して競争力を毀損する過度な生産コストや研究開発コストの削減を行うなど、中長期的視点からの継続的・計画的な経営方針に反する行為を行うことは、企業価値及び株主共同の利益が毀損されることにつながります。また、これらに限らず株式の買付行為の中には、その態様によっては、企業価値及び株主共同の利益を害するものも存在します。
このようなことに対処するためには、当社株式の買収者が意図する経営方針や事業計画の内容、買収提案が当社株主や当社の経営に与える影響、当社を取り巻く多くの関係者に対する影響、製品の安全性をはじめとした社会的責任に対する考え方等について、事前の十分な情報開示がなされ、また、相応の検討期間等も確保される必要があると考えております。
② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
「感動創造企業-世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」という企業目的を達成するために中長期的視点から継続的・計画的な下記の諸施策を通じて企業価値・株主共同の利益の確保・向上に努めております。
(イ)中期経営計画に基づく企業価値向上の取組み
当社は、2018年12月に、2019年からの中期経営計画を策定しました。既存事業の継続的な成長及び新規事業開発を進めながら売上高2兆円への再挑戦、営業利益率9%水準を目標とし、成長戦略投資を積極的に行い、株主の皆様への還元の充実を目指して取り組んできました。今般の事業環境の変化により2021年度の数値目標の達成は困難と想定していますが、成長戦略と構造改革に継続して取り組み、その実現を支えるデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速してまいります。
(ロ)コーポレートガバナンス(企業統治)の強化による企業価値向上の取組み
当社取締役会は、将来への成長戦略を確実に実行するため、経営陣の適切なリスクテイクや果断な意思決定を支援する環境整備を行うとともに、株主・投資家の皆様をはじめとする様々なステークホルダーに対する責任の観点から、経営戦略の実行に伴う課題・リスクについて多面的に把握し適切に監督します。
当社は、このような迅速・果断な意思決定と適切な監督・モニタリングを透明・公正に行うための仕組みを当社のコーポレートガバナンスと捉え、以下に掲げるコーポレートガバナンス基本方針に定め、適切に実践します。
<コーポレートガバナンス基本方針>第1章 株主の権利・平等性の確保、株主との対話における基本的な考え方
第2章 様々なステークホルダーとの適切な協働
第3章 適切な情報開示と透明性の確保
第4章 取締役会等の責務
別紙1 独立社外役員の独立性判断基準
別紙2 株主との建設的な対話を促進するための方針
コーポレートガバナンス基本方針の全文はこちらでご覧下さい。
https://global.yamaha-motor.com/jp/ir/governance/pdf/corporate_governance_guidelines-j.pdf
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため
の取組みの概要
当社は、当社株式の大量取得行為を行おうとする者が現れた場合には、関係諸法令に従い、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の観点から、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、また、当社取締役会の意見等を開示するとともに、株主の皆様による大量取得行為の是非に係る検討のために必要な時間の確保に努めるなど適切な措置を講じてまいります。
④ 取締役会の判断及びその理由
上記②及び③に記載した取組みは、上記①に記載した基本方針に沿っており、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、455億円となりました。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 主要な設備
① 主要な設備の状況
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。
② 設備の新設、除却等の計画
前連結会計年度末において計画していた当連結会計年度の設備投資の金額は、当第2四半期連結累計期間末において下表のとおり変更しています。
(注) 1 金額には消費税等を含めていません。
2 経常的な設備の更新のための除売却を除き、重要な設備の除売却の計画はありません。
以下の分析については、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」及び「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) 報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおり、遡及・組替後の前第2四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表の数値を用いて説明しています。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間の売上高は6,855億円(前年同期比1,704億円・19.9%減少)、営業利益は191億円(同499億円・72.3%減少)、経常利益は207億円(同495億円・70.5%減少)、親会社株主に帰属する四半期純損失は28億円(前年同期:親会社株主に帰属する四半期純利益520億円)となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間の為替換算レートは米ドル108円(前年同期比2円の円高)、ユーロ119円(同5円の円高)でした。
売上高は、ロボティクス事業と金融サービス事業で増収となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、ランドモビリティ事業とマリン事業で販売台数が大きく減少し、全体では減収となりました。営業利益は、為替影響や売上高の減少に加え、工場操業停止の影響もあり、全事業で減益となりました。
セグメント別の概況
[ランドモビリティ]
売上高4,290億円(前年同期比1,336億円・23.7%減少)、営業損失67億円(前年同期:営業利益208億円)となりました。
二輪車では、新型コロナウイルス感染症の影響により販売台数が減少し、各国の工場を一定期間操業停止したため、減収・減益となりました。加えてインドネシアでは、景気悪化に伴う販売金融の審査厳格化により、総需要が大きく落ち込みました。インドとフィリピンでは、ロックダウンの影響が他の国に比べて長引きました。一方で、中国、ベトナム、台湾では、総需要の回復が進みました。
RV(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV)、スノーモビル)では、ROVの販売台数が減少したことやロックダウンにより米国工場を操業停止した結果、赤字幅が拡大しました。
電動アシスト自転車では、新型コロナウイルス感染症の影響による生産遅延や営業活動の自粛により、欧州向けE-kitや日本での販売台数が減少した結果、減収・減益となりました。
[マリン]
売上高1,670億円(前年同期比326億円・16.3%減少)、営業利益254億円(同135億円・34.6%減少)となりました。
第1四半期の船外機の生産調整に加え、第2四半期に新型コロナウイルス感染症の影響を受けた北米のボートビルダーの操業停止やディーラーの休業、米国工場の操業停止により、船外機、ウォータービークルの販売台数が減少しました。また、本社工場も在庫調整のため一定期間操業停止したことにより、減収・減益となりました。
[ロボティクス]
売上高374億円(前年同期比51億円・15.9%増加)、営業利益6億円(同47億円・89.1%減少)となりました。
アジア(中国・台湾・韓国含む)でサーフェスマウンターの販売台数が増加しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により自動車領域の投資が抑制されました。その結果、サーフェスマウンターのモデルミックスが悪化したことや、前第2四半期会計期間末より子会社化したヤマハモーターロボティクスホールディングス株式会社(YMRH)の影響により、増収・減益となりました。
[金融サービス]
売上高226億円(前年同期比22億円・10.6%増加)、営業利益3億円(同35億円・92.2%減少)となりました。
米国プライム層向け金融プログラムの自前化により、債権残高が増加し増収となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を見据えた貸倒引当金の増加により増収・減益となりました。
[その他]
売上高294億円(前年同期比115億円・28.1%減少)、営業損失5億円(前年同期:営業利益4億円)となりました。
ゴルフカーや発電機の販売台数が減少し、減収・減益となりました。
なお、各セグメントの主要な製品及びサービスは以下のとおりです。
セグメント | 主要な製品及びサービス |
ランドモビリティ | 二輪車、中間部品、海外生産用部品、四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル、スノーモビル、電動アシスト自転車、自動車用エンジン、自動車用コンポーネント |
マリン | 船外機、ウォータービークル、ボート、プール、漁船・和船 |
ロボティクス | サーフェスマウンター、半導体製造装置、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプター |
金融サービス | 当社製品に関わる販売金融及びリース |
その他 | ゴルフカー、発電機、汎用エンジン、除雪機、電動車いす |
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前期末比2,442億円増加し、1兆7,770億円となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金や棚卸資産の減少はあったものの、新型コロナウイルス感染症の影響への対策としての手元資金確保などにより同2,010億円増加しました。固定資産は、投資有価証券の時価評価や為替レートの影響による円換算額の減少などはあったものの、販売金融債権の買い取りなどによる増加により同431億円増加しました。
負債合計は、有利子負債などの増加により同3,125億円増加し、1兆934億円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純損失28億円、配当金の支払157億円、為替換算調整勘定の減少203億円、その他有価証券評価差額金の減少92億円、非支配株主持分の減少139億円などにより同683億円減少し、6,835億円となりました。
これらの結果、自己資本比率は36.6%(前期末:46.0%)、D/Eレシオ(ネット)は0.50倍(同:0.34倍)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前四半期純利益205億円(前年同期:722億円)、減価償却費244億円(同:253億円)、たな卸資産の減少222億円(同:126億円の減少)などの収入に対して、販売金融債権の増加717億円(同:220億円の増加)、仕入債務の減少375億円(同:119億円の減少)などの支出により、全体では376億円の支出(同:505億円の収入)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
固定資産の取得による支出269億円(前年同期:276億円)などにより、286億円の支出(同:496億円の支出)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
配当金の支払や、YMRH株式の追加取得による支出などがありましたが、長短借入金による資金調達等により、3,382億円の収入(前年同期:362億円の支出)となりました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間のフリー・キャッシュ・フローは661億円のマイナス(前年同期:9億円のプラス)、現金及び現金同等物の四半期末残高は3,914億円(前期末比:2,686億円の増加)となりました。当第2四半期連結会計期間末の有利子負債は7,233億円(同:3,583億円の増加)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
① 基本方針の内容の概要
当社は、当社の事業領域である、ランドモビリティ事業、マリン事業等において、多くの世界市場をリードする商品を生み出してまいりました。独自技術の開発には長期的視野に立った継続的な資源の投入を必要としますが、その過程で得られた独創性の高い技術・ノウハウの蓄積、開発努力を通じて獲得された特定の市場分野における知識・情報、長年にわたる問題解決を通じて醸成された取引先との深い信頼関係、専門分野に通暁した質の高い人材等は、当社の競争優位性をさらに向上させており、将来においても当社の企業価値の源泉をなす重要な経営資源であると考えます。また、当社の活動領域は事業活動のみならず、社会貢献活動、環境保護活動等に及んでおり、これらがシナジー効果を生むことによってコーポレートブランドの価値となり、当社のブランド価値や企業価値を築いていると認識しております。かかるブランド価値、企業価値のさらなる向上を図るためには、ニューモデルの積極的な投入、特に新技術の導入による新たな付加価値のある製品の開発が不可欠ですが、これを可能とするためには、新技術を生むための研究・開発のさらなる推進が重要となります。また、環境に配慮した低燃費エンジンの開発や電動二輪車等の次世代環境技術は将来高収益・規模成長が期待できる事業領域ですが、かかる事業領域で当社グループが収益をあげていくためには、事業の基礎となる研究・開発を積極的に推進することが不可欠です。こうしたブランド価値、企業価値の源泉に対する理解に欠ける者が当社を買収して財務及び事業の方針の決定を支配し、短期的な経済的効率性のみを重視して競争力を毀損する過度な生産コストや研究開発コストの削減を行うなど、中長期的視点からの継続的・計画的な経営方針に反する行為を行うことは、企業価値及び株主共同の利益が毀損されることにつながります。また、これらに限らず株式の買付行為の中には、その態様によっては、企業価値及び株主共同の利益を害するものも存在します。
このようなことに対処するためには、当社株式の買収者が意図する経営方針や事業計画の内容、買収提案が当社株主や当社の経営に与える影響、当社を取り巻く多くの関係者に対する影響、製品の安全性をはじめとした社会的責任に対する考え方等について、事前の十分な情報開示がなされ、また、相応の検討期間等も確保される必要があると考えております。
② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
「感動創造企業-世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」という企業目的を達成するために中長期的視点から継続的・計画的な下記の諸施策を通じて企業価値・株主共同の利益の確保・向上に努めております。
(イ)中期経営計画に基づく企業価値向上の取組み
当社は、2018年12月に、2019年からの中期経営計画を策定しました。既存事業の継続的な成長及び新規事業開発を進めながら売上高2兆円への再挑戦、営業利益率9%水準を目標とし、成長戦略投資を積極的に行い、株主の皆様への還元の充実を目指して取り組んできました。今般の事業環境の変化により2021年度の数値目標の達成は困難と想定していますが、成長戦略と構造改革に継続して取り組み、その実現を支えるデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速してまいります。
(ロ)コーポレートガバナンス(企業統治)の強化による企業価値向上の取組み
当社取締役会は、将来への成長戦略を確実に実行するため、経営陣の適切なリスクテイクや果断な意思決定を支援する環境整備を行うとともに、株主・投資家の皆様をはじめとする様々なステークホルダーに対する責任の観点から、経営戦略の実行に伴う課題・リスクについて多面的に把握し適切に監督します。
当社は、このような迅速・果断な意思決定と適切な監督・モニタリングを透明・公正に行うための仕組みを当社のコーポレートガバナンスと捉え、以下に掲げるコーポレートガバナンス基本方針に定め、適切に実践します。
<コーポレートガバナンス基本方針>第1章 株主の権利・平等性の確保、株主との対話における基本的な考え方
第2章 様々なステークホルダーとの適切な協働
第3章 適切な情報開示と透明性の確保
第4章 取締役会等の責務
別紙1 独立社外役員の独立性判断基準
別紙2 株主との建設的な対話を促進するための方針
コーポレートガバナンス基本方針の全文はこちらでご覧下さい。
https://global.yamaha-motor.com/jp/ir/governance/pdf/corporate_governance_guidelines-j.pdf
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため
の取組みの概要
当社は、当社株式の大量取得行為を行おうとする者が現れた場合には、関係諸法令に従い、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の観点から、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、また、当社取締役会の意見等を開示するとともに、株主の皆様による大量取得行為の是非に係る検討のために必要な時間の確保に努めるなど適切な措置を講じてまいります。
④ 取締役会の判断及びその理由
上記②及び③に記載した取組みは、上記①に記載した基本方針に沿っており、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、455億円となりました。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 主要な設備
① 主要な設備の状況
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。
② 設備の新設、除却等の計画
前連結会計年度末において計画していた当連結会計年度の設備投資の金額は、当第2四半期連結累計期間末において下表のとおり変更しています。
セグメントの名称 | 2020年12月期 計画 (百万円) | 設備等の主な内容・目的 | 資金調達方法 | |
変更前 | 変更後 | |||
ランドモビリティ | 42,200 | 30,500 | 生産設備、研究開発設備等 | 主に自己資金 |
マリン | 19,500 | 12,300 | 同上 | 同上 |
ロボティクス | 3,500 | 3,500 | 同上 | 同上 |
金融サービス | - | - | - | - |
報告セグメント計 | 65,200 | 46,300 | - | - |
その他 | 8,800 | 4,700 | 生産設備、研究開発設備等 | 主に自己資金 |
合計 | 74,000 | 51,000 | - | - |
(注) 1 金額には消費税等を含めていません。
2 経常的な設備の更新のための除売却を除き、重要な設備の除売却の計画はありません。