有価証券報告書-第36期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の当社グループの売上高は14,027百万円(前期比8.0%減)、営業利益は1,606百万円(同45.2%減)、経常利益は1,681百万円(同42.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,181百万円(同40.0%減)となりました。
平成29年10月26日発表の業績予想に対し、ほぼ予想通りに推移いたしましたが、契約損失引当金275百万円を計上したことにより上記の結果となり、当該引当処理による影響を除いた場合の営業利益は1,882百万円、経常利益は1,957百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,373百万円となります。
整水器販売事業が回復の基調にのる一方、昨年5月に開始した国立研究開発法人理化学研究所との共同研究を始めとしたエビデンス強化の取り組みや、医療関連事業における中国での病院運営事業進出をはじめとする新規事業分野の開拓など、将来の成長に向けた先行投資も実施いたしました。グループ事業全般として、順調に進展しております。
次期におきましては、当社の目指すメディカルカンパニーへの飛躍のために、医療関連事業を中心に引き続き積極的に先行投資してまいります。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
[ウォーターヘルスケア事業]
国内の整水器販売の直販部門(職域販売、取付・紹介販売、店頭催事販売)につきましては、前期の販売効率の低下が上期まで尾を引いたものの、日本国内で高まる健康経営への関心を背景とした整水器の企業一括導入や営業社員教育の強化などにより、下期の販売効率は回復基調となり、第4四半期に入り台数ベースでも前年同期を上回るところまで回復しております。昨年9月に発売した新製品「トリムイオンGRACE(グレイス)」は、それまでの主力製品「トリムイオンHYPER(ハイパー)」より単価が高いことが奏功し、下期売上高は前期比でプラスに推移しました。現在、GRACEの直販部門における機種構成比は約60%となっております。当社は、経済産業省と日本健康会議が共同で認定する「健康経営優良法人~ホワイト500~」に2年連続で認定されました。健康経営を切り口とした企業への一括導入は、大手自動車ディーラーへの172台を始め、成果は着実に上がってきております。
卸・OEM部門では、業績の回復に時間を要しておりますが、既存取引先の販売支援を強化する一方、国内新規取引先の開拓及び海外向け販売の拡大に取り組んでおります。海外につきましては、中国の広州多寧健康科技有限公司において、既存代理店との取組みが好調に推移したほか、杭州の大手企業と新たに代理店契約を締結したことにより売上高が前期比198.2%増と順調に伸長し、今後の販売拡大が大いに期待できます。新規国としては、ベトナム向けの取引がスタートしております。
インドネシアでのボトリングビジネスは、売上高が前期比8.6%増と堅実に伸長いたしました。当事業を飛躍的に拡大していくには、生産体制の拡充が必要ですが、その前提として品質管理体制をさらに強化すべく、大手製薬会社飲料部門の品質管理経験者を採用して現地に派遣しております。
ストックビジネスである浄水カートリッジ販売につきましては、順調に伸長しております。
農業分野では、電解水素水の応用により、葉菜類の収量増加、抗酸化成分の増加、果物の糖度上昇など、様々なデータを取得しております。高知県の産官学による「還元野菜プロジェクト」では、南国市の大型次世代ハウスのパプリカ栽培で、生産効率の向上を目的に栽培技術や育成方法の検証を引き続き進めております。秋田県能代市の市農業技術センターでは、トマト栽培において、電解水素水の方が水道水や地下水で育てた場合に比べて1.8倍収量が増加した結果を受け、他品種も含め、引き続き実証栽培が進められております。また還元野菜の認知度を上げるため、当社での直販のみならず、高知県JA直売所「風車市」でも販売しており、さらに東京にあるアンテナショップや近畿の中堅スーパー等での販売を計画しております。「還元野菜®」の本格事業化と「還元野菜整水器」の普及拡大に向けて、販売代理店の開拓にも注力しております。
研究開発におきましては、理化学研究所との電解水素水の効果の機序解明を目的とした共同研究が、着実に進展しております。また、高知県須崎市での電解水素水飲用による生活習慣病に関する臨床試験への参加者の募集が鋭意進められております。東北大学での糖尿病に関する臨床試験は、データの解析を実施中です。その他、後述の電解水透析を始め、電解水素水の用途の拡大、整水器普及促進を目的とした新規分野での研究にも取り組んでおり、随時、その成果を発信してまいります。
以上の結果、ウォーターヘルスケア事業の売上高は13,046百万円(前期比9.5%減)、営業利益は1,629百万円(前期比43.8%減)となりました。
[医療関連事業]
医療関連事業では、電解水透析事業の本格展開に取り組む一方、先進的医療分野の戦略的持株会社である株式会社トリムメディカル ホールディングスにおいて、今後の大幅な市場拡大が見込まれる再生医療・細胞治療及び生殖医療(不妊治療)分野の事業基盤拡大とともに、今後主に海外で成長の見込まれる病院運営事業に積極的に取り組んでおります。
電解水透析事業においては、本年1月、東北大学との5年間の予後調査結果を、Nature出版グループが発行する英国科学誌「Scientific Reports」に論文発表しました。本論文では、「電解水透析®」により透析患者の死亡および心脳血管病(うっ血性心不全、虚血性心疾患、脳卒中、虚血による下肢切断等)の発生リスクが通常透析と比べ41%抑制されたこと、透析後の高血圧の改善、1日当たりに必要な降圧薬投与量の減量が報告されました。当ニュースは、医療従事者が閲覧するウェブサイトでもアクセスランキング上位に入るなど、大きな注目を集めました。
電解水透析導入施設からは、「副作用が無く安全に安心して使える」、「透析中の患者処置回数が減り透析室が静かになった」、また患者の方々から「生活活動度が向上した」、「透析後の疲労が少ないのですぐに帰れるようになった」などと評判がよいとの評価を受けております。
透析患者のQOL改善への貢献だけでなく、入院が必要な心脳血管合併症発症に伴う他院への転院の減少、包括化薬剤の投薬量の減少、臨床工学技士や看護師の労務費の軽減など病院経営への貢献も期待でき、診療報酬制度改定により透析施設の収入減が予想される中、電解水透析は透析施設の経営効率を上げることが期待され、今後の電解水透析普及の大きな後押しになります。実際、当論文を契機に、本年3月には京都の透析クリニックに多人数用システムが導入され、大阪の大手病院でも導入が決定されました。他にも多くの問い合わせをいただいており、引き続き、大手病院グループなどへの営業展開を積極的に進めてまいります。
現在北海道3施設、東北3施設、関東1施設、東海5施設、関西1施設の計13施設(299床)において電解水透析を導入頂いております。
先進医療分野において、民間さい帯血バンクを運営する株式会社ステムセル研究所は着実に伸長しており、過去最高の売上高を更新いたしました。3月末時点の保管者数は43,207名、同社の保管数国内シェアは約99%(年間新規保管ベース:厚生労働省健康局調べ)となっております。
昨年1月より、再生医療安全確保法に基づき実施されている高知大学医学部における小児脳性麻痺などの脳障害に対する自己さい帯血を用いた第Ⅰ相試験(PhaseⅠ)は順調に進展しており、既に予定の6例の投与が終了しております。また、新たに国内で自閉症スペクトラム障害(ASD)に関する自己さい帯血を用いた臨床研究(PhaseⅠ)が計画されております。ASDは国内において、100人に1~2人の割合で発生すると言われており、自己さい帯血を用いた再生医療(細胞治療)は、脳性麻痺など、これまで治療法のなかった病態に対する全く新しいアプローチとして、大変注目されております。
この分野では、先行するデューク大学(米国)の研究グループより、昨年、脳性麻痺の臨床研究(PhaseⅡ)が終了、論文発表され、米国FDA承認のもと、現在より広範な臨床試験(PhaseⅢ)が開始されております。また、ASDに対する臨床研究(PhaseI)も終了し論文発表されております。
その他同社では、本年3月に読売新聞朝刊全国版で初となる一面広告を掲載いたしました。これまで長男、長女のさい帯血を保管されており、4月に第3子を出産されたプロゴルファーの東尾理子さんと慶応大学医学部産婦人科学教室の田中守教授に登場いただき、一般読者だけでなく、多くの産婦人科の医師や看護師の方々からもよい反響を得ております。
上記の通り、さい帯血を用いた再生医療の実用化に向けた研究の進展やさい帯血の認知向上とともに、赤ちゃんやその家族の将来のためにさい帯血を保管する需要は徐々に高まることが予想されます。これに備え、保管サービスのグローバル品質基準化や収集、保管などの、事業インフラの拡充にも取り組んでまいります。
国産細胞医薬品の開発を目指すヒューマンライフコード株式会社におきましては、昨年8月、米国ティシュージェネシス社と同社が特許権を持つ臨床用幹細胞分離抽出機器を、日本と中国を対象地域に研究開発及び販売するライセンス契約を締結いたしました。また、9月には東京大学医科学研究所と、さい帯由来間葉系細胞の未だ治療ニーズを満たしていない血液腫瘍領域における希少疾患への適応拡大を目的として共同研究契約を締結しました。さらに、10月に関西医科大学と、低侵襲な乳房再建のための再生修復治療の確立を目的とした開発研究に関する共同研究契約を締結するなど、設立1年目にして多くのアライアンスを精力的に展開し、再生医療・細胞治療分野における事業価値を着実に高めております。
再生医療関連機器の製造販売を行うストレックス株式会社は、再生医療、生殖医療分野における研究者のニーズを捉えた製品開発を行なっており、堅実に売上・利益を計上いたしております。
このように、再生医療・細胞治療分野を将来の日本トリムグループの柱の一つにすべく精力的に展開しております。
新たな事業分野である、病院運営事業につきましては、5月9日に中国北京市において慢性期疾患治療のフラッグシップ病院の開院式を実施いたしました。開院式には、内閣官房(健康医療戦略室)、日本大使館、一般社団法人メディカル・エクセレンス・ジャパン等からもご出席いただきました。当事業は日本初の海外における本格的な日本式病院として大変注目されており、昨年6月に開催された第18回健康・医療戦略推進本部(首相官邸)において、医療の国際展開についての報告「日本の国際的な医療事業拠点の現状(政府支援に関わるもの)」の一つとして報告されております。北京での開院を皮切りに、今後、早期多施設展開を見据えており、既にその準備にも着手しております。
北京のフラッグシップ病院は、本格的に稼働すれば、売上高は約40~50億円規模となり、また、20%程度の営業利益率を確保できるものと想定しております。グループ事業への利益貢献は2020年3月期からとなる予定で、準備期間である当連結会計年度におきましては、持分法による投資損失として53百万円を計上しております。
株式会社トリムメディカル ホールディングスにおきましては、新規事業立ち上げ、またM&A等も含めた積極的な事業拡大を行っており、将来の更なる飛躍に向けたステップとして、上場を視野に準備を進めております。
以上の結果、医療関連事業の売上高は981百万円(前期比18.0%増)、営業損失は23百万円(前期は30百万円の利益)となりました。
当社グループは、将来の持続的成長に向けて、整水器販売事業、医療・農業分野の事業拡充はもちろんのこと、アジア地域を中心とした海外進出や、M&Aも視野に先進医療分野をはじめとする新規事業分野への進出に積極的に取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より59百万円減少して10,920百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,151百万円となりました。
これは主に法人税等の支払額469百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益1,842百万円及び売上債権の減少413百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は321百万円となりました。
これは主に定期預金の払戻による収入1,000百万円がありましたが、定期預金の預入による支出600百万円、投資有価証券の取得による支出527百万円及び有形固定資産の取得による支出200百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,890百万円となりました。
これは主に自己株式の取得による支出1,044百万円及び配当金の支払額499百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 総販売実績に対する輸出高の割合は100分の10未満であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細については、「第5経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高)
売上高は前連結会計年度に比べ、1,223百万円減少し、14,027百万円(前期比8.0%減)となりました。主な要因は、一昨年の水素水に関する否定的な報道により、整水器販売事業の販売効率が低下したことであります。風評被害の影響が残る厳しい環境下にありましたが、健康経営を切り口とした企業一括導入提案や新製品の投入などにより、下半期以降の販売効率は回復基調となっております。
(売上原価及び売上総利益)
売上原価は前連結会計年度に比べ、352百万円増加し、4,221百万円(前期比9.1%増)となりました。主な要因として、外部取引先との契約の残存期間に発生する可能性のある損失に備えるため、契約損失引当金として275百万円計上したほか、昨年9月に発売した新製品の生産量がまだ少ないため、従来器と比較して原価率が高い状況にあることに起因しております。ただし、契約損失引当金は、契約にかかる取引の進捗及び契約の残存期間に応じて引当額は減少することとなり、また、新製品の販売量が増加することにより製造コストが下がるため、原価率は徐々に改善されると考えております。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、265百万円減少し、8,196百万円(前期比3.1%減)となりました。主な要因は、整水器の販売台数が減少したことにより、取付外注費をはじめとする変動費が減少したことによります。当社グループでは、将来の飛躍に向けた先行投資として研究開発やPR対策に積極的に取り組んでいる一方、コスト削減にも鋭意取り組んでおります。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、58.4%(前連結会計年度55.5%)となり3.1ポイント増となりましたが、次期におきましては、引き続き先行投資を実施しながらも、現在取り組んでいる直販部門での販売効率の向上などにより売上高が伸長することで、当比率を56%程度にまで改善すると見込んでおります。
(経常利益)
経常利益は前連結会計年度に比べ、1,223百万円減少し、1,681百万円(前期比42.1%減)となりました。主な要因は、前述した整水器販売事業の販売効率低下による売上高の減少や、売上原価の増加のほか、中国北京の病院運営事業をはじめとする持分法による投資損失を計上したことによるものであります。
次期におきましても病院運営事業は引き続き将来の成長への投資期間であることから、持分法による投資損失180百万円を見込んでおりますが、販売効率や原価率の改善により、経常利益は、2,030百万円(当期比10.2%増)、経常利益率は13.2%(当期比1.2ポイント増)を計画しております。当社グループでは経常利益率25%を中期的目標としておりますが、整水器販売事業の回復、伸長、浄水カートリッジ販売の着実な伸長とともに、持分法適用会社である中国病院事業の黒字化などにより、十分到達可能な目標と考えております。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
ウォーターヘルスケア事業においては、営業活動により得られた資金を財源として運営しており、外部からの資金調達はございません。医療関連事業においては、営業活動により得られた資金のほか、銀行借入により運転資金を確保しております。
また、主な運転資金需要は、製品製造に使用する材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いのほか、剰余金の配当や自己株式の取得、及び設備投資などでございます。
財政状態の分析
当連結会計年度の総資産は24,038百万円となり、前連結会計年度末に比べ19百万円増加(前期比0.1%増)いたしました。
(資産)
流動資産は17,246百万円となり前連結会計年度末に比べ17百万円増加(同0.1%増)いたしました。
固定資産は6,791百万円となり前連結会計年度末に比べ1百万円増加(同0.0%増)いたしました。
(負債)
流動負債は3,085百万円となり前連結会計年度末に比べ1,238百万円減少(同28.7%減)いたしました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金1,412百万円が減少したことによるものであります。
固定負債は3,164百万円となり前連結会計年度末に比べ1,605百万円増加(同103.0%増)いたしました。主な要因は、長期借入金1,497百万円が増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は17,788百万円となり前連結会計年度末に比べ347百万円減少(同1.9%減)いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,181百万円を計上しましたが、自己株式の取得等1,038百万円及び配当金の支払500百万円を行ったことによるものであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の当社グループの売上高は14,027百万円(前期比8.0%減)、営業利益は1,606百万円(同45.2%減)、経常利益は1,681百万円(同42.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,181百万円(同40.0%減)となりました。
平成29年10月26日発表の業績予想に対し、ほぼ予想通りに推移いたしましたが、契約損失引当金275百万円を計上したことにより上記の結果となり、当該引当処理による影響を除いた場合の営業利益は1,882百万円、経常利益は1,957百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,373百万円となります。
整水器販売事業が回復の基調にのる一方、昨年5月に開始した国立研究開発法人理化学研究所との共同研究を始めとしたエビデンス強化の取り組みや、医療関連事業における中国での病院運営事業進出をはじめとする新規事業分野の開拓など、将来の成長に向けた先行投資も実施いたしました。グループ事業全般として、順調に進展しております。
次期におきましては、当社の目指すメディカルカンパニーへの飛躍のために、医療関連事業を中心に引き続き積極的に先行投資してまいります。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
[ウォーターヘルスケア事業]
国内の整水器販売の直販部門(職域販売、取付・紹介販売、店頭催事販売)につきましては、前期の販売効率の低下が上期まで尾を引いたものの、日本国内で高まる健康経営への関心を背景とした整水器の企業一括導入や営業社員教育の強化などにより、下期の販売効率は回復基調となり、第4四半期に入り台数ベースでも前年同期を上回るところまで回復しております。昨年9月に発売した新製品「トリムイオンGRACE(グレイス)」は、それまでの主力製品「トリムイオンHYPER(ハイパー)」より単価が高いことが奏功し、下期売上高は前期比でプラスに推移しました。現在、GRACEの直販部門における機種構成比は約60%となっております。当社は、経済産業省と日本健康会議が共同で認定する「健康経営優良法人~ホワイト500~」に2年連続で認定されました。健康経営を切り口とした企業への一括導入は、大手自動車ディーラーへの172台を始め、成果は着実に上がってきております。
卸・OEM部門では、業績の回復に時間を要しておりますが、既存取引先の販売支援を強化する一方、国内新規取引先の開拓及び海外向け販売の拡大に取り組んでおります。海外につきましては、中国の広州多寧健康科技有限公司において、既存代理店との取組みが好調に推移したほか、杭州の大手企業と新たに代理店契約を締結したことにより売上高が前期比198.2%増と順調に伸長し、今後の販売拡大が大いに期待できます。新規国としては、ベトナム向けの取引がスタートしております。
インドネシアでのボトリングビジネスは、売上高が前期比8.6%増と堅実に伸長いたしました。当事業を飛躍的に拡大していくには、生産体制の拡充が必要ですが、その前提として品質管理体制をさらに強化すべく、大手製薬会社飲料部門の品質管理経験者を採用して現地に派遣しております。
ストックビジネスである浄水カートリッジ販売につきましては、順調に伸長しております。
農業分野では、電解水素水の応用により、葉菜類の収量増加、抗酸化成分の増加、果物の糖度上昇など、様々なデータを取得しております。高知県の産官学による「還元野菜プロジェクト」では、南国市の大型次世代ハウスのパプリカ栽培で、生産効率の向上を目的に栽培技術や育成方法の検証を引き続き進めております。秋田県能代市の市農業技術センターでは、トマト栽培において、電解水素水の方が水道水や地下水で育てた場合に比べて1.8倍収量が増加した結果を受け、他品種も含め、引き続き実証栽培が進められております。また還元野菜の認知度を上げるため、当社での直販のみならず、高知県JA直売所「風車市」でも販売しており、さらに東京にあるアンテナショップや近畿の中堅スーパー等での販売を計画しております。「還元野菜®」の本格事業化と「還元野菜整水器」の普及拡大に向けて、販売代理店の開拓にも注力しております。
研究開発におきましては、理化学研究所との電解水素水の効果の機序解明を目的とした共同研究が、着実に進展しております。また、高知県須崎市での電解水素水飲用による生活習慣病に関する臨床試験への参加者の募集が鋭意進められております。東北大学での糖尿病に関する臨床試験は、データの解析を実施中です。その他、後述の電解水透析を始め、電解水素水の用途の拡大、整水器普及促進を目的とした新規分野での研究にも取り組んでおり、随時、その成果を発信してまいります。
以上の結果、ウォーターヘルスケア事業の売上高は13,046百万円(前期比9.5%減)、営業利益は1,629百万円(前期比43.8%減)となりました。
[医療関連事業]
医療関連事業では、電解水透析事業の本格展開に取り組む一方、先進的医療分野の戦略的持株会社である株式会社トリムメディカル ホールディングスにおいて、今後の大幅な市場拡大が見込まれる再生医療・細胞治療及び生殖医療(不妊治療)分野の事業基盤拡大とともに、今後主に海外で成長の見込まれる病院運営事業に積極的に取り組んでおります。
電解水透析事業においては、本年1月、東北大学との5年間の予後調査結果を、Nature出版グループが発行する英国科学誌「Scientific Reports」に論文発表しました。本論文では、「電解水透析®」により透析患者の死亡および心脳血管病(うっ血性心不全、虚血性心疾患、脳卒中、虚血による下肢切断等)の発生リスクが通常透析と比べ41%抑制されたこと、透析後の高血圧の改善、1日当たりに必要な降圧薬投与量の減量が報告されました。当ニュースは、医療従事者が閲覧するウェブサイトでもアクセスランキング上位に入るなど、大きな注目を集めました。
電解水透析導入施設からは、「副作用が無く安全に安心して使える」、「透析中の患者処置回数が減り透析室が静かになった」、また患者の方々から「生活活動度が向上した」、「透析後の疲労が少ないのですぐに帰れるようになった」などと評判がよいとの評価を受けております。
透析患者のQOL改善への貢献だけでなく、入院が必要な心脳血管合併症発症に伴う他院への転院の減少、包括化薬剤の投薬量の減少、臨床工学技士や看護師の労務費の軽減など病院経営への貢献も期待でき、診療報酬制度改定により透析施設の収入減が予想される中、電解水透析は透析施設の経営効率を上げることが期待され、今後の電解水透析普及の大きな後押しになります。実際、当論文を契機に、本年3月には京都の透析クリニックに多人数用システムが導入され、大阪の大手病院でも導入が決定されました。他にも多くの問い合わせをいただいており、引き続き、大手病院グループなどへの営業展開を積極的に進めてまいります。
現在北海道3施設、東北3施設、関東1施設、東海5施設、関西1施設の計13施設(299床)において電解水透析を導入頂いております。
先進医療分野において、民間さい帯血バンクを運営する株式会社ステムセル研究所は着実に伸長しており、過去最高の売上高を更新いたしました。3月末時点の保管者数は43,207名、同社の保管数国内シェアは約99%(年間新規保管ベース:厚生労働省健康局調べ)となっております。
昨年1月より、再生医療安全確保法に基づき実施されている高知大学医学部における小児脳性麻痺などの脳障害に対する自己さい帯血を用いた第Ⅰ相試験(PhaseⅠ)は順調に進展しており、既に予定の6例の投与が終了しております。また、新たに国内で自閉症スペクトラム障害(ASD)に関する自己さい帯血を用いた臨床研究(PhaseⅠ)が計画されております。ASDは国内において、100人に1~2人の割合で発生すると言われており、自己さい帯血を用いた再生医療(細胞治療)は、脳性麻痺など、これまで治療法のなかった病態に対する全く新しいアプローチとして、大変注目されております。
この分野では、先行するデューク大学(米国)の研究グループより、昨年、脳性麻痺の臨床研究(PhaseⅡ)が終了、論文発表され、米国FDA承認のもと、現在より広範な臨床試験(PhaseⅢ)が開始されております。また、ASDに対する臨床研究(PhaseI)も終了し論文発表されております。
その他同社では、本年3月に読売新聞朝刊全国版で初となる一面広告を掲載いたしました。これまで長男、長女のさい帯血を保管されており、4月に第3子を出産されたプロゴルファーの東尾理子さんと慶応大学医学部産婦人科学教室の田中守教授に登場いただき、一般読者だけでなく、多くの産婦人科の医師や看護師の方々からもよい反響を得ております。
上記の通り、さい帯血を用いた再生医療の実用化に向けた研究の進展やさい帯血の認知向上とともに、赤ちゃんやその家族の将来のためにさい帯血を保管する需要は徐々に高まることが予想されます。これに備え、保管サービスのグローバル品質基準化や収集、保管などの、事業インフラの拡充にも取り組んでまいります。
国産細胞医薬品の開発を目指すヒューマンライフコード株式会社におきましては、昨年8月、米国ティシュージェネシス社と同社が特許権を持つ臨床用幹細胞分離抽出機器を、日本と中国を対象地域に研究開発及び販売するライセンス契約を締結いたしました。また、9月には東京大学医科学研究所と、さい帯由来間葉系細胞の未だ治療ニーズを満たしていない血液腫瘍領域における希少疾患への適応拡大を目的として共同研究契約を締結しました。さらに、10月に関西医科大学と、低侵襲な乳房再建のための再生修復治療の確立を目的とした開発研究に関する共同研究契約を締結するなど、設立1年目にして多くのアライアンスを精力的に展開し、再生医療・細胞治療分野における事業価値を着実に高めております。
再生医療関連機器の製造販売を行うストレックス株式会社は、再生医療、生殖医療分野における研究者のニーズを捉えた製品開発を行なっており、堅実に売上・利益を計上いたしております。
このように、再生医療・細胞治療分野を将来の日本トリムグループの柱の一つにすべく精力的に展開しております。
新たな事業分野である、病院運営事業につきましては、5月9日に中国北京市において慢性期疾患治療のフラッグシップ病院の開院式を実施いたしました。開院式には、内閣官房(健康医療戦略室)、日本大使館、一般社団法人メディカル・エクセレンス・ジャパン等からもご出席いただきました。当事業は日本初の海外における本格的な日本式病院として大変注目されており、昨年6月に開催された第18回健康・医療戦略推進本部(首相官邸)において、医療の国際展開についての報告「日本の国際的な医療事業拠点の現状(政府支援に関わるもの)」の一つとして報告されております。北京での開院を皮切りに、今後、早期多施設展開を見据えており、既にその準備にも着手しております。
北京のフラッグシップ病院は、本格的に稼働すれば、売上高は約40~50億円規模となり、また、20%程度の営業利益率を確保できるものと想定しております。グループ事業への利益貢献は2020年3月期からとなる予定で、準備期間である当連結会計年度におきましては、持分法による投資損失として53百万円を計上しております。
株式会社トリムメディカル ホールディングスにおきましては、新規事業立ち上げ、またM&A等も含めた積極的な事業拡大を行っており、将来の更なる飛躍に向けたステップとして、上場を視野に準備を進めております。
以上の結果、医療関連事業の売上高は981百万円(前期比18.0%増)、営業損失は23百万円(前期は30百万円の利益)となりました。
当社グループは、将来の持続的成長に向けて、整水器販売事業、医療・農業分野の事業拡充はもちろんのこと、アジア地域を中心とした海外進出や、M&Aも視野に先進医療分野をはじめとする新規事業分野への進出に積極的に取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より59百万円減少して10,920百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,151百万円となりました。
これは主に法人税等の支払額469百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益1,842百万円及び売上債権の減少413百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は321百万円となりました。
これは主に定期預金の払戻による収入1,000百万円がありましたが、定期預金の預入による支出600百万円、投資有価証券の取得による支出527百万円及び有形固定資産の取得による支出200百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,890百万円となりました。
これは主に自己株式の取得による支出1,044百万円及び配当金の支払額499百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前期比(%) |
| ウォーターヘルスケア事業 | 3,541,283 | 88.3 |
| 電解水素水整水器 | 2,189,667 | 80.5 |
| カートリッジ | 909,918 | 103.7 |
| その他 | 441,698 | 106.3 |
| 医療関連事業 | 58,806 | 854.7 |
| 合計 | 3,600,089 | 89.6 |
(注) 1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) |
| ウォーターヘルスケア事業 | 13,046,069 | 90.5 |
| 電解水素水整水器 | 7,550,371 | 82.5 |
| カートリッジ | 4,144,381 | 106.7 |
| その他 | 1,351,316 | 97.5 |
| 医療関連事業 | 981,915 | 118.0 |
| 合計 | 14,027,984 | 92.0 |
(注) 1 総販売実績に対する輸出高の割合は100分の10未満であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細については、「第5経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高)
売上高は前連結会計年度に比べ、1,223百万円減少し、14,027百万円(前期比8.0%減)となりました。主な要因は、一昨年の水素水に関する否定的な報道により、整水器販売事業の販売効率が低下したことであります。風評被害の影響が残る厳しい環境下にありましたが、健康経営を切り口とした企業一括導入提案や新製品の投入などにより、下半期以降の販売効率は回復基調となっております。
(売上原価及び売上総利益)
売上原価は前連結会計年度に比べ、352百万円増加し、4,221百万円(前期比9.1%増)となりました。主な要因として、外部取引先との契約の残存期間に発生する可能性のある損失に備えるため、契約損失引当金として275百万円計上したほか、昨年9月に発売した新製品の生産量がまだ少ないため、従来器と比較して原価率が高い状況にあることに起因しております。ただし、契約損失引当金は、契約にかかる取引の進捗及び契約の残存期間に応じて引当額は減少することとなり、また、新製品の販売量が増加することにより製造コストが下がるため、原価率は徐々に改善されると考えております。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、265百万円減少し、8,196百万円(前期比3.1%減)となりました。主な要因は、整水器の販売台数が減少したことにより、取付外注費をはじめとする変動費が減少したことによります。当社グループでは、将来の飛躍に向けた先行投資として研究開発やPR対策に積極的に取り組んでいる一方、コスト削減にも鋭意取り組んでおります。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、58.4%(前連結会計年度55.5%)となり3.1ポイント増となりましたが、次期におきましては、引き続き先行投資を実施しながらも、現在取り組んでいる直販部門での販売効率の向上などにより売上高が伸長することで、当比率を56%程度にまで改善すると見込んでおります。
(経常利益)
経常利益は前連結会計年度に比べ、1,223百万円減少し、1,681百万円(前期比42.1%減)となりました。主な要因は、前述した整水器販売事業の販売効率低下による売上高の減少や、売上原価の増加のほか、中国北京の病院運営事業をはじめとする持分法による投資損失を計上したことによるものであります。
次期におきましても病院運営事業は引き続き将来の成長への投資期間であることから、持分法による投資損失180百万円を見込んでおりますが、販売効率や原価率の改善により、経常利益は、2,030百万円(当期比10.2%増)、経常利益率は13.2%(当期比1.2ポイント増)を計画しております。当社グループでは経常利益率25%を中期的目標としておりますが、整水器販売事業の回復、伸長、浄水カートリッジ販売の着実な伸長とともに、持分法適用会社である中国病院事業の黒字化などにより、十分到達可能な目標と考えております。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
ウォーターヘルスケア事業においては、営業活動により得られた資金を財源として運営しており、外部からの資金調達はございません。医療関連事業においては、営業活動により得られた資金のほか、銀行借入により運転資金を確保しております。
また、主な運転資金需要は、製品製造に使用する材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いのほか、剰余金の配当や自己株式の取得、及び設備投資などでございます。
財政状態の分析
当連結会計年度の総資産は24,038百万円となり、前連結会計年度末に比べ19百万円増加(前期比0.1%増)いたしました。
(資産)
流動資産は17,246百万円となり前連結会計年度末に比べ17百万円増加(同0.1%増)いたしました。
固定資産は6,791百万円となり前連結会計年度末に比べ1百万円増加(同0.0%増)いたしました。
(負債)
流動負債は3,085百万円となり前連結会計年度末に比べ1,238百万円減少(同28.7%減)いたしました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金1,412百万円が減少したことによるものであります。
固定負債は3,164百万円となり前連結会計年度末に比べ1,605百万円増加(同103.0%増)いたしました。主な要因は、長期借入金1,497百万円が増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は17,788百万円となり前連結会計年度末に比べ347百万円減少(同1.9%減)いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,181百万円を計上しましたが、自己株式の取得等1,038百万円及び配当金の支払500百万円を行ったことによるものであります。