有価証券報告書-第37期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の当社グループの売上高は15,179百万円(前期比8.2%増)、営業利益は2,250百万円(同40.1%増)、経常利益は2,121百万円(同26.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,250百万円(同5.8%増)となりました。
ウォーターヘルスケア事業では、整水器販売事業において、「健康経営」を切り口とした企業への一括導入や営業社員の販売力強化に取り組んだ結果、直販部門が前期比7.5%増と前々期からの停滞期を脱しました。海外におきましては、インドネシアのボトリングビジネスが、売上高前期比37.7%増(現地通貨ベース)と順調に伸長しております。
医療関連事業では、電解水透析事業で約300施設と折衝中で、次期に納品の大型受注も既に数件得ており、ようやく収益貢献できるステージへと入りました。
国内最大の民間さい帯血バンクを運営する株式会社ステムセル研究所では、新規契約数が引き続き過去最高水準で推移しており、好調に伸長しております。
中国の病院運営事業では、本格的稼働に向けて着実に進捗しております。先行投資として持分法による投資損失240百万円を営業外費用に計上しております。
このように当社グループ全般に亘り、グローバルなメディカルカンパニーへのステップを着実に進めております。
2020年3月期の業績予想につきましては、メディカルカンパニーへの飛躍に向けて積極的に先行投資を実施し、連結会計年度の当社グループの売上高は16,360百万円(前期比7.8%増)、営業利益は2,630百万円(同16.9%増)、経常利益は2,530百万円(同19.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,480百万円(同18.4%増)を計画しております。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
[ウォーターヘルスケア事業]
国内の整水器販売の直販部門(職域販売、取付・紹介販売、店頭催事販売)につきましては、職域販売部門において、当期の健康経営提案による企業一括導入が104社、918台と成果が出てまいりました。企業への整水器導入は、社員の方々に電解水素水を体感いただいた上でセミナーを実施することで購買率の向上にも繋がります。この健康経営提案によるB to BからCへの展開をさらに広げていくべく、精力的に取り組んでおります。卸・OEM部門では、ようやく新規取引契約の見込みが出てまいりました。引き続き既存取引先の販売支援強化、新規開拓及び海外向け販売の拡大に取り組んでおります。ストックビジネスである浄水カートリッジ販売につきましては、着実に伸長しております。
海外におきましては、インドネシアのボトリングビジネスが、上述のとおり前期比37.7%増(現地通貨ベース)と伸長しており、現在の倍の生産体制構築に向けて準備を進めております。また、パートナーであるシナルマスグループと当事業を2025年度に現在の約18倍の規模(売上高約2.25兆ルピア、約173億円(レート 1ルピア=0.0077円))にする長期目標を掲げ、その実現に向けてさらに連携を強化して取り組んでおります。
農業分野では、引き続き電解水素水を活用した栽培技術や育成方法の検証を進めております。本格的な普及展開には時間を要しておりますが、単位面積当たりの収量増加、栄養価の高い高機能作物の栽培を実現する当技術は、国内のみならずグローバルに貢献できる事業であり、将来の事業軸のひとつになると考えております。
研究開発におきましては、東北大学医学部との糖尿病患者への電解水素水の飲用による臨床試験の成果を論文として国際学術誌に投稿中です。また、東京大学大学院工学研究科との電解水素水の物性に関する共同研究におきましても、その成果の論文作成を進めております。国立研究開発法人理化学研究所との電解水素水の効果の機序解明を目的とした共同研究では、その成果の一部が本年5月に第15回日本疲労学会総会・学術集会で発表され大きな反響を呼びました。高知県須崎市での電解水素水飲用による生活習慣病に関する臨床試験は、本年5月に参加者の飲用期間が終了し、本年末にはその結果が纏まる見込みです。本年8月からは、同市と整水器を設置した世帯の方々の検診データの収集、分析及び医療費の調査等を行う官民連携による共同事業を開始する予定です。電解水素水の新たな機序解明を目的に、昨年4月に開始した早稲田大学人間科学学術院との共同研究におきましては、インパクトの大きな中間報告を得ており、今後の研究の進展を大いに期待しております。その他、電解水素水の用途の拡大、整水器普及促進を目的とした新規分野での研究にも鋭意取り組んでおり、随時、その成果を発信してまいります。
以上の結果、ウォーターヘルスケア事業の売上高は13,922百万円(前期比6.7%増)、営業利益は2,153百万円(前期比32.1%増)となりました。
[医療関連事業]
医療関連事業では、電解水透析事業の営業活動に注力する一方、今後の大幅な市場拡大が見込まれる再生医療・細胞治療分野の事業基盤拡充、新規事業である中国での病院運営事業に積極的に取り組んでおります。
電解水透析事業においては、電解水透析システムの導入は、施設にとって設備投資となるため、当期導入見込み先が次期にずれ込んだ案件もありますが、確実に実績が出てまいりました。現在、16施設、378床に導入されています。さらなる認知向上、普及拡大に向け、腎臓、透析関連の学会において、ランチョンセミナーを精力的に展開しております。昨年7月に厚生労働省から腎疾患対策検討会報告書が出され、その大きな方針にCKD(慢性腎臓病)重症化予防を徹底するとともに、CKD患者(透析患者及び腎移植患者を含む)のQOL(生活の質)の維持向上を図ると掲げられました。電解水透析はまさに厚生労働省の指針に沿うものであり、そのことが透析施設にも認知され、折衝機会が増えております。北京に開院しました漢琨(はんくん)医院で電解水透析治療を開始しましたが、今後、国内のみならず、次世代のグローバルスタンダードへの発展を目指します。
国内最大の民間さい帯血バンクを運営する株式会社ステムセル研究所では、売上高は前期比34.3%増、経常利益では97.8%増となり、過去最高の収益を更新いたしました。同社の保管数国内シェアは約99%(年間新規保管ベース:厚労省健康局調べ)となっております。自己さい帯血治療の実用化に向けた臨床試験では、高知大学医学部における小児脳性麻痺などの脳障害に対する第Ⅰ相試験(PhaseⅠ)が順調に終了しております。また、自閉症スペクトラム障害(ASD/国内において、100人に1~2人の割合で発生)に関する臨床研究(PhaseⅠ)が本年中に開始される予定です。自己さい帯血を用いた再生医療(細胞治療)は、脳性麻痺など、これまで治療法のなかった病態に対する全く新しいアプローチとして、大変注目されています。臨床研究の伸展とともに、さい帯血を保管する需要は大いに高まることが予想され、保管サービスのグローバル品質基準化や収集、保管などの事業インフラの拡充にも取り組んでおります。その他、再生医療関連機器の製造販売を行うストレックス株式会社等、再生医療・細胞治療分野を将来の日本トリムグループの柱の一つへと成長させてまいります。
中国での病院運営事業につきましては、まだ先行投資段階ですが、昨年開院した北京漢琨(はんくん)医院の本格的稼動に向けて着実に進捗しております。当医院は、昨年6月に開催された第37回経協インフラ戦略会議の資料「海外展開戦略(医療)概要」において、日本の国際的な医療拠点(政府支援にかかわるもの)の事例1として掲載されました。当資料は、首相官邸HP内に掲示されております。当医院の本格的稼働時の売上規模は40~50億円、営業利益率は20%以上を見込んでおりますが、慎重に立ち上がりを図ったため、患者の集客が想定より遅れ、次期におきましてはまだ投資が先行すると予想しております。収益貢献は、2021年3月期からとなる見込みです。集患につきましては、患者の紹介を目的に国営保険会社と提携し、現在、数千人規模の健康管理の年間契約に向けて折衝中です。また、WEBでのプロモーション展開等の対策を既に講じております。次の展開となる中国国内3ヶ所での病院開設につきましても、準備を進めております。
以上の結果、医療関連事業の売上高は1,256百万円(前期比28.0%増)、営業利益は96百万円(前期は23百万円の損失)となりました。
当社グループは、将来の持続的成長に向けて、整水器販売事業、医療・農業分野の事業拡充はもちろんのこと、アジア地域を中心とした海外進出や、M&Aも視野に先進医療分野をはじめとする新規事業分野への進出に積極的に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より1,785百万円減少して9,135百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,875百万円となりました。
これは主に法人税等の支払額675百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益2,055百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は500百万円となりました。
これは主に定期預金の払戻による収入600百万円がありましたが、定期預金の預入による支出750百万円、投資有価証券の取得による支出150百万円及び有形固定資産の取得による支出168百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3,115百万円となりました。
これは主に長期借入金の返済による支出1,485百万円、自己株式の取得による支出1,104百万円及び配当金の支払額486百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 総販売実績に対する輸出高の割合は100分の10未満であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細については、「第5経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高)
売上高は前連結会計年度に比べ、1,151百万円増加し、15,179百万円(前期比8.2%増)となりました。主な要因は、前期は、一昨年の水素水に関する否定的な報道により整水器販売事業の販売効率が低下し、風評被害の影響が残る厳しい環境下にありましたが、当期は「健康経営」を切り口とした企業一括導入や営業社員の販売力強化に取り組み、販売効率が改善したことによるものであります。
(売上原価及び売上総利益)
売上原価は前連結会計年度に比べ、137百万円増加し、4,359百万円(前期比3.3%増)となりました。原価率が前期30.1%から当期28.5%と改善した要因は、前期は外部取引先との契約の残存期間に発生する可能性のある損失に備えるため、契約損失引当金として一括で275百万円計上しておりましたが、当期は新たな引当金の計上が発生しなかったためであります。また、一昨年9月に販売開始した新製品の製造コストが、販売量の増加に伴い改善していることも要因の一つであります。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、400百万円増加し、8,596百万円(前期比4.9%増)となりました。主な要因は、販売台数増加に伴う販売手数料や荷造運賃などの変動費が増加したことに加え、人件費や広告宣伝などの固定費も一部増加したことによるものであります。
当社グループでは、将来の飛躍に向けた先行投資として研究開発やPR活動に積極的に取り組んでいる一方、コスト削減にも鋭意取り組んでおります。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、56.6%(前連結会計年度58.4%)と1.8ポイント減となり、次期におきましても、引き続き先行投資を実施しながら当比率の引き下げに取り組んでまいります。
(経常利益)
経常利益は前連結会計年度に比べ、440百万円増加し、2,121百万円(前期比26.2%増)となりました。主な要因は、前述したとおり整水器販売事業の販売効率改善による売上高の増加や、原価率の改善によるものであります。
次期におきましては、病院運営事業を引き続き先行投資期間とみているため持分法による投資損失の計上を見込んでおりますが、販売効率や原価率の改善により、経常利益は、2,530百万円(当期比19.2%増)、経常利益率は15.5%(当期比2.3ポイント増)を計画しております。当社グループでは経常利益率25%を中期的目標としておりますが、整水器販売事業の回復、伸長、浄水カートリッジ販売の着実な伸長とともに、持分法適用会社である中国病院事業の黒字化などにより、十分到達可能な目標と考えております。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
ウォーターヘルスケア事業においては、営業活動により得られた資金を財源として運営しており、外部からの資金調達はございません。医療関連事業においては、営業活動により得られた資金のほか、銀行借入により運転資金を確保しております。
また、主な運転資金需要は、製品製造に使用する材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いのほか、剰余金の配当や自己株式の取得、及び設備投資などでございます。
財政状態の分析
当連結会計年度の総資産は22,613百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,425百万円減少(前期比5.9%減)いたしました。
(資産)
流動資産は15,805百万円となり前連結会計年度末に比べ1,245百万円減少(同7.3%減)いたしました。主な要因は、割賦売掛金295百万円の増加がありましたが、現金及び預金1,635百万円が減少したことによるものであります。
固定資産は6,808百万円となり前連結会計年度末に比べ179百万円減少(同2.6%減)いたしました。主な要因は、投資有価証券108百万円、のれん37百万円及び土地35百万円が減少したことによるものであります。
(負債)
流動負債は3,207百万円となり前連結会計年度末に比べ122百万円増加(同4.0%増)いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金92百万円が増加したことによるものであります。
固定負債は2,010百万円となり前連結会計年度末に比べ1,154百万円減少(同36.5%減)いたしました。主な要因は、長期借入金1,484百万円が減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は17,395百万円となり前連結会計年度末に比べ393百万円減少(同2.2%減)いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,250百万円を計上しましたが、自己株式の取得等1,104百万円及び配当金の支払486百万円を行ったことによるものであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の当社グループの売上高は15,179百万円(前期比8.2%増)、営業利益は2,250百万円(同40.1%増)、経常利益は2,121百万円(同26.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,250百万円(同5.8%増)となりました。
ウォーターヘルスケア事業では、整水器販売事業において、「健康経営」を切り口とした企業への一括導入や営業社員の販売力強化に取り組んだ結果、直販部門が前期比7.5%増と前々期からの停滞期を脱しました。海外におきましては、インドネシアのボトリングビジネスが、売上高前期比37.7%増(現地通貨ベース)と順調に伸長しております。
医療関連事業では、電解水透析事業で約300施設と折衝中で、次期に納品の大型受注も既に数件得ており、ようやく収益貢献できるステージへと入りました。
国内最大の民間さい帯血バンクを運営する株式会社ステムセル研究所では、新規契約数が引き続き過去最高水準で推移しており、好調に伸長しております。
中国の病院運営事業では、本格的稼働に向けて着実に進捗しております。先行投資として持分法による投資損失240百万円を営業外費用に計上しております。
このように当社グループ全般に亘り、グローバルなメディカルカンパニーへのステップを着実に進めております。
2020年3月期の業績予想につきましては、メディカルカンパニーへの飛躍に向けて積極的に先行投資を実施し、連結会計年度の当社グループの売上高は16,360百万円(前期比7.8%増)、営業利益は2,630百万円(同16.9%増)、経常利益は2,530百万円(同19.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,480百万円(同18.4%増)を計画しております。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
[ウォーターヘルスケア事業]
国内の整水器販売の直販部門(職域販売、取付・紹介販売、店頭催事販売)につきましては、職域販売部門において、当期の健康経営提案による企業一括導入が104社、918台と成果が出てまいりました。企業への整水器導入は、社員の方々に電解水素水を体感いただいた上でセミナーを実施することで購買率の向上にも繋がります。この健康経営提案によるB to BからCへの展開をさらに広げていくべく、精力的に取り組んでおります。卸・OEM部門では、ようやく新規取引契約の見込みが出てまいりました。引き続き既存取引先の販売支援強化、新規開拓及び海外向け販売の拡大に取り組んでおります。ストックビジネスである浄水カートリッジ販売につきましては、着実に伸長しております。
海外におきましては、インドネシアのボトリングビジネスが、上述のとおり前期比37.7%増(現地通貨ベース)と伸長しており、現在の倍の生産体制構築に向けて準備を進めております。また、パートナーであるシナルマスグループと当事業を2025年度に現在の約18倍の規模(売上高約2.25兆ルピア、約173億円(レート 1ルピア=0.0077円))にする長期目標を掲げ、その実現に向けてさらに連携を強化して取り組んでおります。
農業分野では、引き続き電解水素水を活用した栽培技術や育成方法の検証を進めております。本格的な普及展開には時間を要しておりますが、単位面積当たりの収量増加、栄養価の高い高機能作物の栽培を実現する当技術は、国内のみならずグローバルに貢献できる事業であり、将来の事業軸のひとつになると考えております。
研究開発におきましては、東北大学医学部との糖尿病患者への電解水素水の飲用による臨床試験の成果を論文として国際学術誌に投稿中です。また、東京大学大学院工学研究科との電解水素水の物性に関する共同研究におきましても、その成果の論文作成を進めております。国立研究開発法人理化学研究所との電解水素水の効果の機序解明を目的とした共同研究では、その成果の一部が本年5月に第15回日本疲労学会総会・学術集会で発表され大きな反響を呼びました。高知県須崎市での電解水素水飲用による生活習慣病に関する臨床試験は、本年5月に参加者の飲用期間が終了し、本年末にはその結果が纏まる見込みです。本年8月からは、同市と整水器を設置した世帯の方々の検診データの収集、分析及び医療費の調査等を行う官民連携による共同事業を開始する予定です。電解水素水の新たな機序解明を目的に、昨年4月に開始した早稲田大学人間科学学術院との共同研究におきましては、インパクトの大きな中間報告を得ており、今後の研究の進展を大いに期待しております。その他、電解水素水の用途の拡大、整水器普及促進を目的とした新規分野での研究にも鋭意取り組んでおり、随時、その成果を発信してまいります。
以上の結果、ウォーターヘルスケア事業の売上高は13,922百万円(前期比6.7%増)、営業利益は2,153百万円(前期比32.1%増)となりました。
[医療関連事業]
医療関連事業では、電解水透析事業の営業活動に注力する一方、今後の大幅な市場拡大が見込まれる再生医療・細胞治療分野の事業基盤拡充、新規事業である中国での病院運営事業に積極的に取り組んでおります。
電解水透析事業においては、電解水透析システムの導入は、施設にとって設備投資となるため、当期導入見込み先が次期にずれ込んだ案件もありますが、確実に実績が出てまいりました。現在、16施設、378床に導入されています。さらなる認知向上、普及拡大に向け、腎臓、透析関連の学会において、ランチョンセミナーを精力的に展開しております。昨年7月に厚生労働省から腎疾患対策検討会報告書が出され、その大きな方針にCKD(慢性腎臓病)重症化予防を徹底するとともに、CKD患者(透析患者及び腎移植患者を含む)のQOL(生活の質)の維持向上を図ると掲げられました。電解水透析はまさに厚生労働省の指針に沿うものであり、そのことが透析施設にも認知され、折衝機会が増えております。北京に開院しました漢琨(はんくん)医院で電解水透析治療を開始しましたが、今後、国内のみならず、次世代のグローバルスタンダードへの発展を目指します。
国内最大の民間さい帯血バンクを運営する株式会社ステムセル研究所では、売上高は前期比34.3%増、経常利益では97.8%増となり、過去最高の収益を更新いたしました。同社の保管数国内シェアは約99%(年間新規保管ベース:厚労省健康局調べ)となっております。自己さい帯血治療の実用化に向けた臨床試験では、高知大学医学部における小児脳性麻痺などの脳障害に対する第Ⅰ相試験(PhaseⅠ)が順調に終了しております。また、自閉症スペクトラム障害(ASD/国内において、100人に1~2人の割合で発生)に関する臨床研究(PhaseⅠ)が本年中に開始される予定です。自己さい帯血を用いた再生医療(細胞治療)は、脳性麻痺など、これまで治療法のなかった病態に対する全く新しいアプローチとして、大変注目されています。臨床研究の伸展とともに、さい帯血を保管する需要は大いに高まることが予想され、保管サービスのグローバル品質基準化や収集、保管などの事業インフラの拡充にも取り組んでおります。その他、再生医療関連機器の製造販売を行うストレックス株式会社等、再生医療・細胞治療分野を将来の日本トリムグループの柱の一つへと成長させてまいります。
中国での病院運営事業につきましては、まだ先行投資段階ですが、昨年開院した北京漢琨(はんくん)医院の本格的稼動に向けて着実に進捗しております。当医院は、昨年6月に開催された第37回経協インフラ戦略会議の資料「海外展開戦略(医療)概要」において、日本の国際的な医療拠点(政府支援にかかわるもの)の事例1として掲載されました。当資料は、首相官邸HP内に掲示されております。当医院の本格的稼働時の売上規模は40~50億円、営業利益率は20%以上を見込んでおりますが、慎重に立ち上がりを図ったため、患者の集客が想定より遅れ、次期におきましてはまだ投資が先行すると予想しております。収益貢献は、2021年3月期からとなる見込みです。集患につきましては、患者の紹介を目的に国営保険会社と提携し、現在、数千人規模の健康管理の年間契約に向けて折衝中です。また、WEBでのプロモーション展開等の対策を既に講じております。次の展開となる中国国内3ヶ所での病院開設につきましても、準備を進めております。
以上の結果、医療関連事業の売上高は1,256百万円(前期比28.0%増)、営業利益は96百万円(前期は23百万円の損失)となりました。
当社グループは、将来の持続的成長に向けて、整水器販売事業、医療・農業分野の事業拡充はもちろんのこと、アジア地域を中心とした海外進出や、M&Aも視野に先進医療分野をはじめとする新規事業分野への進出に積極的に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より1,785百万円減少して9,135百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,875百万円となりました。
これは主に法人税等の支払額675百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益2,055百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は500百万円となりました。
これは主に定期預金の払戻による収入600百万円がありましたが、定期預金の預入による支出750百万円、投資有価証券の取得による支出150百万円及び有形固定資産の取得による支出168百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3,115百万円となりました。
これは主に長期借入金の返済による支出1,485百万円、自己株式の取得による支出1,104百万円及び配当金の支払額486百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前期比(%) |
| ウォーターヘルスケア事業 | 4,176,437 | 117.9 |
| 電解水素水整水器 | 2,609,370 | 119.2 |
| カートリッジ | 943,646 | 103.7 |
| その他 | 623,420 | 141.1 |
| 医療関連事業 | 39,131 | 66.5 |
| 合計 | 4,215,569 | 117.1 |
(注) 1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) |
| ウォーターヘルスケア事業 | 13,922,371 | 106.7 |
| 電解水素水整水器 | 8,105,735 | 107.4 |
| カートリッジ | 4,246,940 | 102.5 |
| その他 | 1,569,695 | 116.2 |
| 医療関連事業 | 1,256,889 | 128.0 |
| 合計 | 15,179,260 | 108.2 |
(注) 1 総販売実績に対する輸出高の割合は100分の10未満であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細については、「第5経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高)
売上高は前連結会計年度に比べ、1,151百万円増加し、15,179百万円(前期比8.2%増)となりました。主な要因は、前期は、一昨年の水素水に関する否定的な報道により整水器販売事業の販売効率が低下し、風評被害の影響が残る厳しい環境下にありましたが、当期は「健康経営」を切り口とした企業一括導入や営業社員の販売力強化に取り組み、販売効率が改善したことによるものであります。
(売上原価及び売上総利益)
売上原価は前連結会計年度に比べ、137百万円増加し、4,359百万円(前期比3.3%増)となりました。原価率が前期30.1%から当期28.5%と改善した要因は、前期は外部取引先との契約の残存期間に発生する可能性のある損失に備えるため、契約損失引当金として一括で275百万円計上しておりましたが、当期は新たな引当金の計上が発生しなかったためであります。また、一昨年9月に販売開始した新製品の製造コストが、販売量の増加に伴い改善していることも要因の一つであります。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、400百万円増加し、8,596百万円(前期比4.9%増)となりました。主な要因は、販売台数増加に伴う販売手数料や荷造運賃などの変動費が増加したことに加え、人件費や広告宣伝などの固定費も一部増加したことによるものであります。
当社グループでは、将来の飛躍に向けた先行投資として研究開発やPR活動に積極的に取り組んでいる一方、コスト削減にも鋭意取り組んでおります。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、56.6%(前連結会計年度58.4%)と1.8ポイント減となり、次期におきましても、引き続き先行投資を実施しながら当比率の引き下げに取り組んでまいります。
(経常利益)
経常利益は前連結会計年度に比べ、440百万円増加し、2,121百万円(前期比26.2%増)となりました。主な要因は、前述したとおり整水器販売事業の販売効率改善による売上高の増加や、原価率の改善によるものであります。
次期におきましては、病院運営事業を引き続き先行投資期間とみているため持分法による投資損失の計上を見込んでおりますが、販売効率や原価率の改善により、経常利益は、2,530百万円(当期比19.2%増)、経常利益率は15.5%(当期比2.3ポイント増)を計画しております。当社グループでは経常利益率25%を中期的目標としておりますが、整水器販売事業の回復、伸長、浄水カートリッジ販売の着実な伸長とともに、持分法適用会社である中国病院事業の黒字化などにより、十分到達可能な目標と考えております。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
ウォーターヘルスケア事業においては、営業活動により得られた資金を財源として運営しており、外部からの資金調達はございません。医療関連事業においては、営業活動により得られた資金のほか、銀行借入により運転資金を確保しております。
また、主な運転資金需要は、製品製造に使用する材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いのほか、剰余金の配当や自己株式の取得、及び設備投資などでございます。
財政状態の分析
当連結会計年度の総資産は22,613百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,425百万円減少(前期比5.9%減)いたしました。
(資産)
流動資産は15,805百万円となり前連結会計年度末に比べ1,245百万円減少(同7.3%減)いたしました。主な要因は、割賦売掛金295百万円の増加がありましたが、現金及び預金1,635百万円が減少したことによるものであります。
固定資産は6,808百万円となり前連結会計年度末に比べ179百万円減少(同2.6%減)いたしました。主な要因は、投資有価証券108百万円、のれん37百万円及び土地35百万円が減少したことによるものであります。
(負債)
流動負債は3,207百万円となり前連結会計年度末に比べ122百万円増加(同4.0%増)いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金92百万円が増加したことによるものであります。
固定負債は2,010百万円となり前連結会計年度末に比べ1,154百万円減少(同36.5%減)いたしました。主な要因は、長期借入金1,484百万円が減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は17,395百万円となり前連結会計年度末に比べ393百万円減少(同2.2%減)いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,250百万円を計上しましたが、自己株式の取得等1,104百万円及び配当金の支払486百万円を行ったことによるものであります。