有価証券報告書-第52期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況と生産、受注及び販売の実績(以下、「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大と、それに対する都市封鎖や移動自粛要請といった各国の対応策により経済活動が停滞し、米中貿易摩擦の長期化や、中東や朝鮮半島における地政学的リスクの高まりなど世界経済の不確実性の影響もあり、先行き不透明な状況が続いております。また、日本経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、個人消費、生産及び輸出が減少し、企業の設備投資も弱含んだ状況が続いております。
なお、当社グループが主力取引先としている中国及び東南アジアの自動車及びタイヤ業界の設備投資につきましては、当連結会計年度において、軟調に推移しておりますが、当社の主力顧客である中国企業の海外進出は続いております。また、国内自動車関連メーカーの設備投資につきましては、ハイブリッド車などの低燃費エンジンや電気自動車等の環境や省エネに配慮した自動車部品に対する製造・研究開発分野への投資が続いておりますが、設備投資については慎重に検討されております。
このような経営環境の中で当社グループは、生産ライン用の試験装置であるバランシングマシンとともに、引き続き研究開発用の電気サーボモータ式振動試験機の営業活動を、お客様やグループ間でオンライン会議を活用しながら、国内及びアジアを中心に積極的に展開しております。この結果、中国をはじめとするアジアのタイヤメーカー向けの生産ライン用タイヤ関連試験機や国内の自動車部品メーカー向けの電気サーボモータ式振動試験機等の受注を獲得いたしました。
売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い客先からの納期調整や海上輸送船舶及びコンテナ不足に伴う輸出待ち案件がありながら、アジアのタイヤメーカーを中心としたバランシングマシンの売上が増加したものの、国内向けの電気サーボモータ式振動試験機の売上が減少したため、前連結会計年度と比較して減少しております。
利益面につきましては、コンテナ不足に伴う輸出待ちの案件の売上が計上されなかったことによる減収の影響や原価率の高い製品が集中したこと及び過年度法人税等が発生したため、前連結会計年度と比較して減少しております。
その結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高115億5百万円(前連結会計年度比10.8%減)、営業利益4億1千1百万円(前連結会計年度比79.8%減)、経常利益5億6千7百万円(前連結会計年度比72.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1億7千9百万円(前連結会計年度比88.2%減)となりました。
セグメントの経営成績は以下のとおりであります。
[日本(国際計測器株式会社)]
中国向けタイヤ関連試験機の出荷・検収が増加したものの、国内向け電気サーボモータ式振動試験機の出荷・検収が減少したことにより、全体として出荷・検収は減少いたしました。
その結果、売上高は減少し、経常利益は前連結会計年度と比較して減少いたしました。
売上高 89億5千4百万円(前連結会計年度比15.5%減)
経常利益 4億4千8百万円(前連結会計年度比70.9%減)
[日本(東伸工業株式会社)]
原子力業界からのクリープ試験装置や腐食環境試験装置などの受注が減少したものの、材料試験機の出荷・検収が増加いたしました。
その結果、売上高は増加し、経常利益となりました。
売上高 3億5千万円(前連結会計年度比16.3%増)
経常利益 5百万円(前連結会計年度は4千3百万円の損失)
[米国]
日系の大手自動車関連メーカーや米国の自動車部品メーカーへのバランシングマシンの出荷・検収が減少いたしました。
その結果、売上高は減少し、経常利益は前連結会計年度と比較して減少いたしました。
売上高 10億5千万円(前連結会計年度比3.5%減)
経常利益 6千3百万円(前連結会計年度比12.9%減)
[韓国]
当社グループからの製造委託が増加し、電気サーボモータ式振動試験機の出荷・検収が増加したものの、韓国大手自動車関連メーカーへのシャフト歪自動矯正機の出荷・検収が減少いたしました。
その結果、売上高は減少し、経常利益は前連結会計年度と比較して減少いたしました。
売上高 16億1千3百万円(前連結会計年度比4.9%減)
経常利益 1億6千万円(前連結会計年度比50.9%減)
[中国]
中国国内のタイヤメーカーへのタイヤ関連試験機の出荷・検収が増加したものの、自動車部品メーカーへのシャフト歪自動矯正機の出荷・検収は減少いたしました。
その結果、売上高は減少し、経常損失となりました。
売上高 5億7千8百万円(前連結会計年度比8.6%減)
経常損失 1千万円(前連結会計年度は6千1百万円の利益)
②財政状態
(資産の部)
当社グループの当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億4千5百万円増加し、186億9千万円となりました。
(負債の部)
当社グループの当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4億7千5百万円増加し、75億6千5百万円となりました。
(純資産の部)
当社グループの当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3千万円減少し、111億2千5百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により2千3百万円増加し、投資活動により5億1百万円減少し、財務活動により6億9千万円増加した結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べ2億2千3百万円増加し、35億6千9百万円となりました。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2千3百万円の収入(前連結会計年度比25億3百万円の収入減少)となりました。これは、法人税等の支払額が6億8千5百万円あったものの、売上債権が7億8千2百万円減少したことなどによるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、5億1百万円の支出(前連結会計年度比1千8百万円の支出増加)となりました。これは、定期預金の満期が到来したことにより定期預金の払戻による収入が15億3千万円あったものの、資金運用のために定期預金の預入による支出が17億2千7百万円あったことや、工場の新設に伴う有形固定資産の取得による支出が2億8千5百万円あったこと及び保険積立金の積立による支出が4千1百万円あったことなどによるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、6億9千万円の収入(前連結会計年度比16億3千9百万円の支出減少)となりました。これは、長期借入金の返済による支出が2億9千8百万円あったことや配当金を4億9千1百万円支払ったものの、長期借入れによる収入が10億円あったことや短期借入金が4億8千万円増加したことなどによるものであります。
(3) 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
(注1) 金額は、販売価格によっております。
(注2) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注3) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
b.受注実績
(注1) 金額は、受注価格によっております。
(注2) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注3) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
c.受注残高
(注1) 金額は、受注価格によっております。
(注2) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注3) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
d.販売実績
(注1) 金額は、販売価格によっております。
(注2) 主要な相手先別の販売実績等及び総販売実績に対する割合
(注3) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注4) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(流動資産)
当社グループの当連結会計年度末の流動資産の残高は、134億7百万円(前連結会計年度末比1億5千3百万円増)となりました。これは、売上債権の回収などにより受取手形及び売掛金が減少(前連結会計年度末比7億8千万円減)したものの、現金及び預金が増加(前連結会計年度末比6億6千9百万円増)したことや来期以降に出荷予定の仕掛案件の進捗により仕掛品が増加(前連結会計年度末比1億4千1百万円増)したこと及び海外物件の納期ずれ込みにより商品及び製品が増加(前連結会計年度末比3千2百万円増)したことが主たる要因であります。
(固定資産)
当社グループの当連結会計年度末の固定資産の残高は、52億8千3百万円(前連結会計年度末比2億9千1百万円増)となりました。これは、工場が完成したことにより建設仮勘定が減少(前連結会計年度末比3億6千7百万円減)したものの、工場新設に伴い建物及び構築物が増加(前連結会計年度末比6億7千3百万円増)したことが主たる要因であります。
(流動負債)
当社グループの当連結会計年度末の流動負債の残高は、62億4千3百万円(前連結会計年度末比1億2千7百万円減)となりました。これは、運転資金拡充のため借入を実行したことにより短期借入金が増加(前連結会計年度末比4億8千万円増)したことや1年内返済予定の長期借入金が増加(前連結会計年度末比1億4千5百万円増)したものの、検収完了に伴い前受金が減少(前連結会計年度末比4億9千4百万円減)したことや課税所得の減少に伴い未払法人税等が減少(前連結会計年度末比3億6百万円減)したことが主たる要因であります。
(固定負債)
当社グループの当連結会計年度末の固定負債の残高は、13億2千1百万円(前連結会計年度末比6億3百万円増)となりました。これは、運転資金拡充のため長期借入を実行したことにより長期借入金が増加(前連結会計年度末比5億5千5百万円増)したことが主たる要因であります。
(純資産)
当社グループの当連結会計年度末の純資産の残高は、111億2千5百万円(前連結会計年度末比3千万円減)となりました。これは、為替換算調整勘定が増加(前連結会計年度末比1億7千9百万円増)したことや譲渡制限付株式報酬としての自己株式処分により、自己株式が減少(前連結会計年度末比5千1百万円増)したこと及びその他有価証券評価差額金が増加(前連結会計年度末比5千1百万円増)したものの、配当金の支払により利益剰余金が減少(前連結会計年度末比3億1千7百万円減)したことが主たる要因であります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は、中国向けバランシングマシンの出荷・検収が増加したものの、国内向け電気サーボモータ式振動試験機の出荷・検収が減少したため、115億5百万円(前連結会計年度比10.8%減)となりました。所在地別の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
営業利益は売上高の減少や売上原価の増加により4億1千1百万円(前連結会計年度比79.8%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は営業利益の減少により5億6千7百万円(前連結会計年度比72.2%減)となりました。
また、売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ10.9ポイント減少し、4.9%となりました。
(自己資本利益率)
自己資本利益率(ROE)は親会社株主に帰属する当期純利益の減少により前連結会計年度に比べ12.8ポイント減少し、1.6%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、定期預金の運用や設備投資、退職金の原資とするための保険積立金の運用等によるものであります。
c.資金の調達
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金需要については自己資金及び金融機関からの借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は24億8千万円となり前連結会計年度末に比べ11億8千1百万円の増加となりました。
d.流動性の確保
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行3行と貸出コミットメント契約を締結しております。当連結会計年度末における契約総額は14億9千8百万円(うち借入実行残高は5億円)であり、資金の流動性は十分に確保されております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
特に次の重要な会計方針が連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
a.仕掛品
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b.貸倒引当金
売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しておりますが、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。
c.製品保証引当金
当社及び一部連結子会社は、販売済み製品に対する保証期間中の無償サービス費用に備えるため、過去の発生実績に基づく見積額を計上しておりますが、実際の保証費用が見積りと異なる場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
d.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について毎期回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、決算時点で入手可能な情報や資料に基づき将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」にも記載のとおり、国内市場動向のほか、ここ数年来継続している海外への売上高比率の高水準を背景とした主要海外売上先各国の経済情勢、市場動向並びに為替相場の変動が挙げられます。
また、新型コロナウイルス感染症による影響としては、日本国内での緊急事態宣言を始め、各国におけるロックダウン等の影響により経済活動が大幅に制限された結果、検収時期のずれ込みや受注活動への影響がありました。今後の広がり方や収束時期を正確に予測することは困難な状況にありますが、我が国を含む海外諸国の多くで経済活動再開のために人の移動制限を緩和する動きが報じられ始めていることから、翌連結会計年度中には人の移動制限が大幅に緩和されるものと想定しております。当社は、当該仮定は当連結会計年度末時点における最善の見積りであると判断しておりますが、想定以上に影響が長期化あるいは拡大した場合には、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
米国については個人消費の回復や自動車関連メーカー等の設備投資の緩やかな回復が予測されますが、短期的には設備投資の見直し等の影響を受ける可能性があります。
中国については潜在的な市場は大きく、国策である一帯一路の方針の下、海外への設備投資が見込まれますが、米中貿易摩擦の影響もあり、今後の成長に影響する可能性があります。
インドについては短期的には感染拡大の影響を受けると思われますが、中長期的には内需が堅調に推移すると見込まれることから市場の拡大が続くと予測しております。
ASEAN地域については、短期的には感染拡大の影響を受けると思われますが、新たな生産拠点としての設備投資が見込まれることから、これらの地域も回復傾向が続くものと予測しております。
国内については、主要ユーザーである自動車関連業界の生産設備予算については縮小傾向が続くことが懸念されるものの、環境対応車に対する需要は高いことから、環境対応車に搭載される低燃費エンジン・EVモーター・燃料電池など環境や品質に関連する研究開発予算や海外拠点に対する設備投資需要は、今後も継続されるものと予測されます。
為替変動に関しましては、特に外貨建取引における主要通貨である米ドルのレートについては、当連結会計年度は概ね横ばいで推移し、第4四半期は若干の円安ドル高基調であったことにより、為替差益を計上しております。今後も為替予約等の対策により業績への影響を軽減すべく対応する所存であります。
(6) 戦略的現状と見通し
a.製品別・地域別戦略
製品別戦略としましては、既存事業の主力製品であるバランシングマシンについて、生産ライン用タイヤユニフォーミティ・バランス複合試験機(UBマシン)をはじめとするタイヤ関連試験機を中心として販売活動を行ってまいります。今後は既存製品の更なる競争力の向上を推進するとともに、製品ラインアップを充実させるべくタイヤ摩耗試験機等の研究開発部門への事業展開も積極的に行ってまいります。
各種の電気サーボモータ式振動試験機については、自動車部品・鉄道車両用品・包装貨物用品・家電事務機器関連等、試験対象製品及び業界が多岐に渡っており、商社・代理店による営業を中心として積極的に事業展開を行ってまいります。
また、動電型3軸同時振動試験機の更なる研究開発とシリーズ化、タイヤ摩耗試験機の拡販に向けて積極的な事業展開を行ってまいります。
さらに、現在業務提携をしているエミック株式会社との動電型振動試験機事業を推進することにより当社の振動試験機シリーズが充実し、ユーザーのニーズに的確に対応することが可能となりビジネスチャンスが広がるものと期待しております。
今後の地域別戦略は、次のとおりになっております。
中国では、高技国際計測器(上海)有限公司(連結子会社)において、タイヤ関連試験機のみならず、各種電気サーボモータ式振動試験機等の販売を拡充するため、5か所の販売拠点(天津・長春・青島・武漢・深セン)を設けており、現地スタッフの教育と中国国内市場のニーズを把握し、迅速な対応を行っております。また、現地生産を増強するため工場増築を行い、稼働しております。
米国では、自動車・タイヤメーカーの設備投資予算については、短期的には見直しをされる可能性がありますが、日系及び現地自動車関連メーカー向けのよりきめ細かな営業を展開することや電気サーボモータ式振動試験機のデモ機を工場に設置し、包装貨物用評価試験機の拡販営業を展開しております。
韓国では、自動車業界・タイヤ業界の海外工場向けの設備予算が縮小傾向にありますが、グループ全体の生産拠点として機能しております。このような傾向の中でも研究開発部門の予算は増加傾向にあり、設備計画情報を的確に収集し対応してまいります。
ヨーロッパでは、現地における市場調査や展示会への出展により、電気サーボモータ式振動試験機の自動車メーカー等に対する拡販体制を構築してまいります。
国内では、当社を全製品の主力生産拠点であるとともに、研究開発活動の主要拠点と位置付けております。今後の新規主力製品の一つとして、シリーズ化を推進している各種の電気サーボモータ式振動試験機の生産増強及び研究開発拠点として本社第三工場が稼働しております。
なお、今後の受託試験及び開発拠点として古河テクニカルセンターの建設が完了し、受託試験の実施により顧客の細かなニーズを把握し、新たな製品開発につなげてまいります。
また、東伸工業株式会社(連結子会社)においては、金属素材等の耐久・疲労・腐食等の試験を主力とする材料試験機全般を製造販売しておりますが、生産体制の効率化・コストダウンを図るとともに、当社との技術面・営業面・人材面における連携を強化しており、収益性を高める努力をしてまいります。
このように当社グループは、中国を中心とするアジア市場での販売シェア拡大に注力するとともに、当社グループ全体の管理体制強化にも注力する所存であります。
b.生産体制
当連結会計年度末の受注残高は、97億8千1百万円(前連結会計年度末比13億8千2百万円減)であり、約10.2ヶ月分(115億円前提)の生産量を繰越すこととなりました。
当社グループは、上記にも記載のとおり、新製品の柱となる各種の電気サーボモータ式振動試験機及び既存製品の生産体制を整えております。米国、韓国、中国の各連結子会社での生産体制も整っており、今後もグループ全体としてコストダウンの相乗効果を上げるためにも、各社の生産管理部門及びエンジニアリング部門の強化を行い、グループ全体として生産能力及び品質向上に向けて強化を図るとともに生産効率を高め、既存製品はもとより開発新製品の収益性の向上を図る所存であります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況と生産、受注及び販売の実績(以下、「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大と、それに対する都市封鎖や移動自粛要請といった各国の対応策により経済活動が停滞し、米中貿易摩擦の長期化や、中東や朝鮮半島における地政学的リスクの高まりなど世界経済の不確実性の影響もあり、先行き不透明な状況が続いております。また、日本経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、個人消費、生産及び輸出が減少し、企業の設備投資も弱含んだ状況が続いております。
なお、当社グループが主力取引先としている中国及び東南アジアの自動車及びタイヤ業界の設備投資につきましては、当連結会計年度において、軟調に推移しておりますが、当社の主力顧客である中国企業の海外進出は続いております。また、国内自動車関連メーカーの設備投資につきましては、ハイブリッド車などの低燃費エンジンや電気自動車等の環境や省エネに配慮した自動車部品に対する製造・研究開発分野への投資が続いておりますが、設備投資については慎重に検討されております。
このような経営環境の中で当社グループは、生産ライン用の試験装置であるバランシングマシンとともに、引き続き研究開発用の電気サーボモータ式振動試験機の営業活動を、お客様やグループ間でオンライン会議を活用しながら、国内及びアジアを中心に積極的に展開しております。この結果、中国をはじめとするアジアのタイヤメーカー向けの生産ライン用タイヤ関連試験機や国内の自動車部品メーカー向けの電気サーボモータ式振動試験機等の受注を獲得いたしました。
売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い客先からの納期調整や海上輸送船舶及びコンテナ不足に伴う輸出待ち案件がありながら、アジアのタイヤメーカーを中心としたバランシングマシンの売上が増加したものの、国内向けの電気サーボモータ式振動試験機の売上が減少したため、前連結会計年度と比較して減少しております。
利益面につきましては、コンテナ不足に伴う輸出待ちの案件の売上が計上されなかったことによる減収の影響や原価率の高い製品が集中したこと及び過年度法人税等が発生したため、前連結会計年度と比較して減少しております。
その結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高115億5百万円(前連結会計年度比10.8%減)、営業利益4億1千1百万円(前連結会計年度比79.8%減)、経常利益5億6千7百万円(前連結会計年度比72.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1億7千9百万円(前連結会計年度比88.2%減)となりました。
セグメントの経営成績は以下のとおりであります。
[日本(国際計測器株式会社)]
中国向けタイヤ関連試験機の出荷・検収が増加したものの、国内向け電気サーボモータ式振動試験機の出荷・検収が減少したことにより、全体として出荷・検収は減少いたしました。
その結果、売上高は減少し、経常利益は前連結会計年度と比較して減少いたしました。
売上高 89億5千4百万円(前連結会計年度比15.5%減)
経常利益 4億4千8百万円(前連結会計年度比70.9%減)
[日本(東伸工業株式会社)]
原子力業界からのクリープ試験装置や腐食環境試験装置などの受注が減少したものの、材料試験機の出荷・検収が増加いたしました。
その結果、売上高は増加し、経常利益となりました。
売上高 3億5千万円(前連結会計年度比16.3%増)
経常利益 5百万円(前連結会計年度は4千3百万円の損失)
[米国]
日系の大手自動車関連メーカーや米国の自動車部品メーカーへのバランシングマシンの出荷・検収が減少いたしました。
その結果、売上高は減少し、経常利益は前連結会計年度と比較して減少いたしました。
売上高 10億5千万円(前連結会計年度比3.5%減)
経常利益 6千3百万円(前連結会計年度比12.9%減)
[韓国]
当社グループからの製造委託が増加し、電気サーボモータ式振動試験機の出荷・検収が増加したものの、韓国大手自動車関連メーカーへのシャフト歪自動矯正機の出荷・検収が減少いたしました。
その結果、売上高は減少し、経常利益は前連結会計年度と比較して減少いたしました。
売上高 16億1千3百万円(前連結会計年度比4.9%減)
経常利益 1億6千万円(前連結会計年度比50.9%減)
[中国]
中国国内のタイヤメーカーへのタイヤ関連試験機の出荷・検収が増加したものの、自動車部品メーカーへのシャフト歪自動矯正機の出荷・検収は減少いたしました。
その結果、売上高は減少し、経常損失となりました。
売上高 5億7千8百万円(前連結会計年度比8.6%減)
経常損失 1千万円(前連結会計年度は6千1百万円の利益)
②財政状態
(資産の部)
当社グループの当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億4千5百万円増加し、186億9千万円となりました。
(負債の部)
当社グループの当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4億7千5百万円増加し、75億6千5百万円となりました。
(純資産の部)
当社グループの当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3千万円減少し、111億2千5百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により2千3百万円増加し、投資活動により5億1百万円減少し、財務活動により6億9千万円増加した結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べ2億2千3百万円増加し、35億6千9百万円となりました。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2千3百万円の収入(前連結会計年度比25億3百万円の収入減少)となりました。これは、法人税等の支払額が6億8千5百万円あったものの、売上債権が7億8千2百万円減少したことなどによるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、5億1百万円の支出(前連結会計年度比1千8百万円の支出増加)となりました。これは、定期預金の満期が到来したことにより定期預金の払戻による収入が15億3千万円あったものの、資金運用のために定期預金の預入による支出が17億2千7百万円あったことや、工場の新設に伴う有形固定資産の取得による支出が2億8千5百万円あったこと及び保険積立金の積立による支出が4千1百万円あったことなどによるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、6億9千万円の収入(前連結会計年度比16億3千9百万円の支出減少)となりました。これは、長期借入金の返済による支出が2億9千8百万円あったことや配当金を4億9千1百万円支払ったものの、長期借入れによる収入が10億円あったことや短期借入金が4億8千万円増加したことなどによるものであります。
(3) 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
| 区 分 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
| 生産高(千円) | 構成比(%) | 前年同期比(%) | セグメントとの関連 | |
| バランシングマシン | 7,771,109 | 67.5 | +11.4 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| 電気サーボモータ式振動試験機 | 1,844,792 | 16.0 | △48.3 | 日本(国際),韓国 |
| 材料試験機 | 292,905 | 2.5 | +22.1 | 日本(東伸) |
| シャフト歪自動矯正機 | 532,804 | 4.6 | △45.0 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| その他 | 1,063,557 | 9.2 | △4.9 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| 合 計 | 11,505,167 | 100.0 | △10.6 | - |
(注1) 金額は、販売価格によっております。
(注2) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注3) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
b.受注実績
| 区 分 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
| 受注高(千円) | 構成比(%) | 前年同期比(%) | セグメントとの関連 | |
| バランシングマシン | 7,297,350 | 72.6 | +2.0 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| 電気サーボモータ式振動試験機 | 1,271,005 | 12.6 | △67.6 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| 材料試験機 | 254,937 | 2.5 | △17.0 | 日本(東伸) |
| シャフト歪自動矯正機 | 251,118 | 2.5 | △64.3 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| その他 | 976,875 | 9.7 | △13.9 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| 合 計 | 10,051,286 | 100.0 | △24.0 | - |
(注1) 金額は、受注価格によっております。
(注2) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注3) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
c.受注残高
| 区 分 | 当連結会計年度末 (2021年3月31日) | |||
| 受注残高(千円) | 構成比(%) | 前年同期比(%) | セグメントとの関連 | |
| バランシングマシン | 7,050,653 | 72.1 | △5.2 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| 電気サーボモータ式振動試験機 | 2,372,922 | 24.3 | △19.2 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| 材料試験機 | 45,451 | 0.5 | △58.6 | 日本(東伸) |
| シャフト歪自動矯正機 | 297,666 | 3.0 | △48.7 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| その他 | 14,500 | 0.1 | △85.1 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| 合 計 | 9,781,192 | 100.0 | △12.4 | - |
(注1) 金額は、受注価格によっております。
(注2) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注3) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
d.販売実績
| 区 分 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
| 売上高(千円) | 構成比(%) | 前年同期比(%) | セグメントとの関連 | |
| バランシングマシン | 7,771,108 | 67.5 | +11.0 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| 電気サーボモータ式振動試験機 | 1,844,791 | 16.0 | △48.3 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| 材料試験機 | 292,905 | 2.5 | +22.1 | 日本(東伸) |
| シャフト歪自動矯正機 | 532,805 | 4.6 | △44.6 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| その他 | 1,063,557 | 9.2 | △5.4 | 日本(国際),米国,韓国,中国 |
| 合 計 | 11,505,168 | 100.0 | △10.8 | - |
(注1) 金額は、販売価格によっております。
(注2) 主要な相手先別の販売実績等及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 山東玲瓏輪胎有限公司 | 1,676,726 | 13.0 | 732,161 | 6.4 |
| オリックス株式会社 | 1,606,000 | 12.5 | - | - |
(注3) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注4) 日本(国際)、日本(東伸)は、それぞれ報告セグメントの日本(国際計測器株式会社)、日本(東伸工業株式会社)であります。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(流動資産)
当社グループの当連結会計年度末の流動資産の残高は、134億7百万円(前連結会計年度末比1億5千3百万円増)となりました。これは、売上債権の回収などにより受取手形及び売掛金が減少(前連結会計年度末比7億8千万円減)したものの、現金及び預金が増加(前連結会計年度末比6億6千9百万円増)したことや来期以降に出荷予定の仕掛案件の進捗により仕掛品が増加(前連結会計年度末比1億4千1百万円増)したこと及び海外物件の納期ずれ込みにより商品及び製品が増加(前連結会計年度末比3千2百万円増)したことが主たる要因であります。
(固定資産)
当社グループの当連結会計年度末の固定資産の残高は、52億8千3百万円(前連結会計年度末比2億9千1百万円増)となりました。これは、工場が完成したことにより建設仮勘定が減少(前連結会計年度末比3億6千7百万円減)したものの、工場新設に伴い建物及び構築物が増加(前連結会計年度末比6億7千3百万円増)したことが主たる要因であります。
(流動負債)
当社グループの当連結会計年度末の流動負債の残高は、62億4千3百万円(前連結会計年度末比1億2千7百万円減)となりました。これは、運転資金拡充のため借入を実行したことにより短期借入金が増加(前連結会計年度末比4億8千万円増)したことや1年内返済予定の長期借入金が増加(前連結会計年度末比1億4千5百万円増)したものの、検収完了に伴い前受金が減少(前連結会計年度末比4億9千4百万円減)したことや課税所得の減少に伴い未払法人税等が減少(前連結会計年度末比3億6百万円減)したことが主たる要因であります。
(固定負債)
当社グループの当連結会計年度末の固定負債の残高は、13億2千1百万円(前連結会計年度末比6億3百万円増)となりました。これは、運転資金拡充のため長期借入を実行したことにより長期借入金が増加(前連結会計年度末比5億5千5百万円増)したことが主たる要因であります。
(純資産)
当社グループの当連結会計年度末の純資産の残高は、111億2千5百万円(前連結会計年度末比3千万円減)となりました。これは、為替換算調整勘定が増加(前連結会計年度末比1億7千9百万円増)したことや譲渡制限付株式報酬としての自己株式処分により、自己株式が減少(前連結会計年度末比5千1百万円増)したこと及びその他有価証券評価差額金が増加(前連結会計年度末比5千1百万円増)したものの、配当金の支払により利益剰余金が減少(前連結会計年度末比3億1千7百万円減)したことが主たる要因であります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は、中国向けバランシングマシンの出荷・検収が増加したものの、国内向け電気サーボモータ式振動試験機の出荷・検収が減少したため、115億5百万円(前連結会計年度比10.8%減)となりました。所在地別の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
営業利益は売上高の減少や売上原価の増加により4億1千1百万円(前連結会計年度比79.8%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は営業利益の減少により5億6千7百万円(前連結会計年度比72.2%減)となりました。
また、売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ10.9ポイント減少し、4.9%となりました。
(自己資本利益率)
自己資本利益率(ROE)は親会社株主に帰属する当期純利益の減少により前連結会計年度に比べ12.8ポイント減少し、1.6%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、定期預金の運用や設備投資、退職金の原資とするための保険積立金の運用等によるものであります。
c.資金の調達
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金需要については自己資金及び金融機関からの借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は24億8千万円となり前連結会計年度末に比べ11億8千1百万円の増加となりました。
d.流動性の確保
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行3行と貸出コミットメント契約を締結しております。当連結会計年度末における契約総額は14億9千8百万円(うち借入実行残高は5億円)であり、資金の流動性は十分に確保されております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
特に次の重要な会計方針が連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
a.仕掛品
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b.貸倒引当金
売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しておりますが、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。
c.製品保証引当金
当社及び一部連結子会社は、販売済み製品に対する保証期間中の無償サービス費用に備えるため、過去の発生実績に基づく見積額を計上しておりますが、実際の保証費用が見積りと異なる場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
d.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について毎期回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、決算時点で入手可能な情報や資料に基づき将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」にも記載のとおり、国内市場動向のほか、ここ数年来継続している海外への売上高比率の高水準を背景とした主要海外売上先各国の経済情勢、市場動向並びに為替相場の変動が挙げられます。
また、新型コロナウイルス感染症による影響としては、日本国内での緊急事態宣言を始め、各国におけるロックダウン等の影響により経済活動が大幅に制限された結果、検収時期のずれ込みや受注活動への影響がありました。今後の広がり方や収束時期を正確に予測することは困難な状況にありますが、我が国を含む海外諸国の多くで経済活動再開のために人の移動制限を緩和する動きが報じられ始めていることから、翌連結会計年度中には人の移動制限が大幅に緩和されるものと想定しております。当社は、当該仮定は当連結会計年度末時点における最善の見積りであると判断しておりますが、想定以上に影響が長期化あるいは拡大した場合には、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
米国については個人消費の回復や自動車関連メーカー等の設備投資の緩やかな回復が予測されますが、短期的には設備投資の見直し等の影響を受ける可能性があります。
中国については潜在的な市場は大きく、国策である一帯一路の方針の下、海外への設備投資が見込まれますが、米中貿易摩擦の影響もあり、今後の成長に影響する可能性があります。
インドについては短期的には感染拡大の影響を受けると思われますが、中長期的には内需が堅調に推移すると見込まれることから市場の拡大が続くと予測しております。
ASEAN地域については、短期的には感染拡大の影響を受けると思われますが、新たな生産拠点としての設備投資が見込まれることから、これらの地域も回復傾向が続くものと予測しております。
国内については、主要ユーザーである自動車関連業界の生産設備予算については縮小傾向が続くことが懸念されるものの、環境対応車に対する需要は高いことから、環境対応車に搭載される低燃費エンジン・EVモーター・燃料電池など環境や品質に関連する研究開発予算や海外拠点に対する設備投資需要は、今後も継続されるものと予測されます。
為替変動に関しましては、特に外貨建取引における主要通貨である米ドルのレートについては、当連結会計年度は概ね横ばいで推移し、第4四半期は若干の円安ドル高基調であったことにより、為替差益を計上しております。今後も為替予約等の対策により業績への影響を軽減すべく対応する所存であります。
(6) 戦略的現状と見通し
a.製品別・地域別戦略
製品別戦略としましては、既存事業の主力製品であるバランシングマシンについて、生産ライン用タイヤユニフォーミティ・バランス複合試験機(UBマシン)をはじめとするタイヤ関連試験機を中心として販売活動を行ってまいります。今後は既存製品の更なる競争力の向上を推進するとともに、製品ラインアップを充実させるべくタイヤ摩耗試験機等の研究開発部門への事業展開も積極的に行ってまいります。
各種の電気サーボモータ式振動試験機については、自動車部品・鉄道車両用品・包装貨物用品・家電事務機器関連等、試験対象製品及び業界が多岐に渡っており、商社・代理店による営業を中心として積極的に事業展開を行ってまいります。
また、動電型3軸同時振動試験機の更なる研究開発とシリーズ化、タイヤ摩耗試験機の拡販に向けて積極的な事業展開を行ってまいります。
さらに、現在業務提携をしているエミック株式会社との動電型振動試験機事業を推進することにより当社の振動試験機シリーズが充実し、ユーザーのニーズに的確に対応することが可能となりビジネスチャンスが広がるものと期待しております。
今後の地域別戦略は、次のとおりになっております。
中国では、高技国際計測器(上海)有限公司(連結子会社)において、タイヤ関連試験機のみならず、各種電気サーボモータ式振動試験機等の販売を拡充するため、5か所の販売拠点(天津・長春・青島・武漢・深セン)を設けており、現地スタッフの教育と中国国内市場のニーズを把握し、迅速な対応を行っております。また、現地生産を増強するため工場増築を行い、稼働しております。
米国では、自動車・タイヤメーカーの設備投資予算については、短期的には見直しをされる可能性がありますが、日系及び現地自動車関連メーカー向けのよりきめ細かな営業を展開することや電気サーボモータ式振動試験機のデモ機を工場に設置し、包装貨物用評価試験機の拡販営業を展開しております。
韓国では、自動車業界・タイヤ業界の海外工場向けの設備予算が縮小傾向にありますが、グループ全体の生産拠点として機能しております。このような傾向の中でも研究開発部門の予算は増加傾向にあり、設備計画情報を的確に収集し対応してまいります。
ヨーロッパでは、現地における市場調査や展示会への出展により、電気サーボモータ式振動試験機の自動車メーカー等に対する拡販体制を構築してまいります。
国内では、当社を全製品の主力生産拠点であるとともに、研究開発活動の主要拠点と位置付けております。今後の新規主力製品の一つとして、シリーズ化を推進している各種の電気サーボモータ式振動試験機の生産増強及び研究開発拠点として本社第三工場が稼働しております。
なお、今後の受託試験及び開発拠点として古河テクニカルセンターの建設が完了し、受託試験の実施により顧客の細かなニーズを把握し、新たな製品開発につなげてまいります。
また、東伸工業株式会社(連結子会社)においては、金属素材等の耐久・疲労・腐食等の試験を主力とする材料試験機全般を製造販売しておりますが、生産体制の効率化・コストダウンを図るとともに、当社との技術面・営業面・人材面における連携を強化しており、収益性を高める努力をしてまいります。
このように当社グループは、中国を中心とするアジア市場での販売シェア拡大に注力するとともに、当社グループ全体の管理体制強化にも注力する所存であります。
b.生産体制
当連結会計年度末の受注残高は、97億8千1百万円(前連結会計年度末比13億8千2百万円減)であり、約10.2ヶ月分(115億円前提)の生産量を繰越すこととなりました。
当社グループは、上記にも記載のとおり、新製品の柱となる各種の電気サーボモータ式振動試験機及び既存製品の生産体制を整えております。米国、韓国、中国の各連結子会社での生産体制も整っており、今後もグループ全体としてコストダウンの相乗効果を上げるためにも、各社の生産管理部門及びエンジニアリング部門の強化を行い、グループ全体として生産能力及び品質向上に向けて強化を図るとともに生産効率を高め、既存製品はもとより開発新製品の収益性の向上を図る所存であります。