有価証券報告書-第64期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては、55,071百万円となり、前連結会計年度末に比べて966百万円の増加となりました。その主な要因は、現金及び預金、原材料及び貯蔵品の増加によるものであります。
当連結会計年度末の負債につきましては、15,420百万円となり、前連結会計年度末に比べて73百万円の増加となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金、ポイント引当金の増加及び長期借入金の減少によるものであります。
当連結会計年度末の純資産につきましては、39,651百万円となり、前連結会計年度末に比べて892百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加によるものであります。
②経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの業績は、第1四半期は新型コロナウイルス感染症拡大により、主に日本と中国で大きな影響を受けましたが、その後中国は比較的早く回復し、日本、北米も続いて回復基調となりました。この間、当社グループでは感染状況が落ち着き始めた地域において、販売店や各競技連盟、協会の協力のもと小規模な大会の開催や、SNS上での積極的な情報発信、スポーツフェイスマスク等の新たな需要に即した商品開発等に継続して取り組み、スポーツ活動の再開とお客様の健康増進の後押しに注力しました。こうした活動の結果、特に中国は力強い回復を見せ、その他の地域も徐々に回復し、第4四半期のグループ全体の売上高は前年を上回りました。しかし、第1四半期の減収の影響や、感染状況が改善していない東南アジア、インド、イギリス等の地域での主力のバドミントンにおける屋内競技施設の閉鎖や利用制限等の影響により、連結売上高は51,554百万円(前期比16.8%減)となりました。利益については、減収に伴い売上総利益が減少した影響が大きい一方で、各競技の大会中止に伴い広告宣伝費が減少したことや全社で経費の削減に努めたことにより例年に比べて販管費が大幅に減少し、営業利益は1,032百万円(前期比57.4%減)、助成金収入等により経常利益は1,823百万円(前期比19.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,102百万円(前期比33.3%減)となりました。なお、当社現地法人(中国、台湾、北米、ドイツ、イギリス子会社及びインド製造子会社)は2020年1月から12月の業績を連結対象としており、2020年12月31日現在の財務諸表を使用しています。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
[スポーツ用品事業]
(日本)
国内は、第1四半期は緊急事態宣言等により大きな影響を受けましたが、解除後は各地域の販売店や協会と協力して小規模な大会を全国各地で実施し、お客様のプレー機会を創出するとともに需要喚起に取り組みました。また、ソーシャルディスタンスを保てる屋外スポーツ需要の高まりによりテニス用品の販売が回復し、バドミントン用品も12月の国内大会の再開による市場の盛り上がりに伴い徐々に回復基調となりましたが、累計では減収となりました。
海外代理店向けの売上については、スポーツ活動が再開している地域において小規模な大会の実施等で需要喚起に努め、徐々に回復基調となりましたが、累計では主力のバドミントン用品を中心に減収となりました。
生産、調達面については、第1四半期は、各国の販売減少に伴い仕入れの抑制や国内自社工場における生産調整を行いましたが、徐々に需要が回復し、国内海外ともにテニスラケットが好調であること等から、第4四半期に入り自社工場は前年の水準を超える稼働となりました。
利益面については、各種大会の中止等により大会協賛等の広告宣伝費を含む販管費が大幅に減少したものの、減収及び第1四半期の国内自社工場における生産調整による売上総利益の減少が大きく、販管費の減少を上回りました。
この結果、売上高は29,009百万円(前期比23.9%減)、営業損失は1,283百万円(前期は448百万円の営業利益)となりました。
(北米)
北米販売子会社では、2020年3月から新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けたものの、5月以降はソーシャルディスタンスを保てるスポーツとしてテニスへの注目が高まり、大坂なおみ選手が9月の全米オープンで優勝したことや、そのプロモーション動画が好評であったこと等の話題を活かして、各地で試打機会を増やす取り組み等を行った結果、ラケットを中心にテニス用品が大きく伸長しました。一方で屋内競技であるバドミントンの販売回復が遅れていることに加え、一部地域では販売店の時短営業や休業、活動の規制が継続し、全体では累計で減収となりました。
利益面については、減収に伴い売上総利益が減少しましたが、各種大会の中止等による販管費の減少が売上総利益の減少を上回りました。
この結果、売上高は1,945百万円(前期比12.1%減)、営業利益は7百万円(前期は50百万円の営業損失)となりました。
(ヨーロッパ)
売上については、ドイツ販売子会社では、2020年3月から新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けたものの、5月以降はソーシャルディスタンスを保てるスポーツとしてテニスへの注目が高まり、ラケット等のテニス用品を中心に回復基調となっていました。しかし11月以降はロックダウンにより規制が再度強化され、販売店や競技施設が休業する等、累計では減収となりました。イギリス販売子会社では、2020年3月以降は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、多くの販売店や屋内競技施設が休業しました。その後営業を再開した競技施設でも厳しい利用制限が設けられる等、人々の活動が停滞した状況が継続して減収となり、全体でも減収となりました。
利益面については、各種大会の中止等により販管費は減少したものの、減収による売上総利益の減少が大きく、販管費の減少を上回りました。
この結果、売上高は1,901百万円(前期比16.9%減)、営業損失は121百万円(前期は73百万円の営業損失)となりました。
(アジア)
売上については、中国販売子会社では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2020年2月はほぼ全ての販売店が休業し、体育館等の施設も閉鎖となり大きな影響を受けました。営業が再開した4月以降は各地域での小規模大会の開催や、ライブコマースで商品の機能面を効果的に発信する等新たな取り組みを行い、11月のオンラインセールでも好調で力強い回復をみせ、累計で前年並みまで回復しました。台湾子会社では、新型コロナウイルス感染症拡大により大会の中止が相次いだこと等から、販売店は営業を継続していたものの、人々の消費意欲が弱い状況が続きました。7月以降は国内大会が順次再開し、小規模大会やイベントの開催等による市場の活性化に取り組んだことで回復基調となりましたが、累計では減収となり、全体でも累計で減収となりました。
利益については、減収及び台湾製造部門の固定費負担により売上総利益は微減となりましたが、中国販売子会社の売上総利益率が改善したことに加え、各種大会の中止による広告宣伝費をはじめとする販管費が大幅に減少したため、増益となりました。
この結果、売上高は18,276百万円(前期比3.0%減)、営業利益は2,363百万円(前期比18.2%増)となりました。
これらの結果、各地域セグメントを合計したスポーツ用品事業の売上高は51,131百万円(前期比16.8%減)、営業利益は965百万円(前期比58.5%減)となりました。
[スポーツ施設事業]
スポーツ施設事業の中核をなすヨネックスカントリークラブは、2020年4月の緊急事態宣言、冬季の積雪によるクローズで累計入場者数が減少したことや、ヨネックスレディスゴルフトーナメントの中止による関連収入が無くなった影響が大きく、減収となりました。利益については、減収に伴う売上総利益の減少に加え、人件費や設備維持に係る固定費の負担が重く営業損失となりました。
この結果、スポーツ施設事業の売上高は422百万円(前期比17.5%減)、営業損失は12百万円(前期は34百万円の営業利益)となりました。
(注)セグメントごとの経営成績の記載において、売上高については、「外部顧客への売上高」について記載し、営業損益については、「調整額」考慮前の金額によっております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,236百万円増加し、13,164百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は4,537百万円(前期比52.9%増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,108百万円、減価償却費1,537百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払785百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,067百万円(前期比28.6%減)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得700百万円、無形固定資産の取得336百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は1,281百万円(前期比2.7%減)となりました。支出の主な内訳は、長期借入金の返済647百万円、配当金の支払394百万円であります。
④生産、仕入及び販売の実績
スポーツ用品事業については、金額的な重要性を勘案し、用品区分ごとに記載するため、報告セグメントを集約しております。
なお、この項に記載の生産実績、仕入実績、販売実績の金額には消費税等は含まれておりません。
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は標準販売価格によっており、セグメント間の振替を含んでおります。
ロ.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
ハ.受注実績
当社グループは販売計画に基づいて生産計画を立て、これにより生産を行っており、受注生産は行っておりません。
ニ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高51,554百万円、営業利益1,032百万円、経常利益1,823百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,102百万円となりました。
上記のほか、当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況 及び ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、バドミントンにおけるアジア市場での基盤づくり及びテニスにおけるグローバルな成長を中期的な重点分野として位置付けております。
当連結会計年度においては、世界的な新型コロナウイルス感染症により、特に第1四半期は大きな影響を受けましたが、重点分野の一つであるアジアのバドミントン事業においては、中国がその影響から比較的早く回復しました。中国国内でのスポーツ市場の盛り上がりに加え、Eコマース、SNS、ライブコマースなどのオンライン施策と、地域の小規模な大会を数多く開催してプレーの場を提供する取り組みが奏功したことにより、中国を含むアジアセグメントの通期売上高は、2020年3月期に近い水準まで回復しました。
しかしながら、東南アジア、インド、韓国等については屋内競技施設の利用制限が継続し、バドミントンの回復が遅れ、海外代理店向け輸出を含む日本セグメントの減収の一因となりました。
一方で、2021年2月にバドミントンの中国代表チーム、4月にマレーシア代表チームとの用具使用契約を締結し、両国を中心としたアジア地域全体でのさらなるバドミントン競技の普及発展への取り組みを進め、バドミントンファン、ヨネックスファンを増やすことで市場全体の拡大と活性化に注力する体制を整えました。
もう一つの重点分野であるテニス事業については、新型コロナウイルス感染症による影響が広がる中で「ソーシャルディスタンス」を保てるスポーツとして世界各地で注目が高まり、特に北米では初心者を含め競技人口の増加がみられました。それに加えて当社における動画やSNSを使ったマーケティング施策、新製品ラケットの好評、大坂なおみ選手の全米オープン優勝等の活躍の話題などがかみ合う形で大きく成長しました。そして2020年3月期から取り組んでいた北米販売子会社での営業体制の再構築や価格体系の整備も売上増、及び収益性改善に寄与しました。
課題としている固定費の割合が大きい事業構造については、社内業務のデジタル化や基幹システム導入への取り組みを開始し、業務効率化による事業構造の強化を進めています。
上記を含む、経営者の課題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、4,537百万円の資金獲得(前連結会計年度は2,967百万円の資金獲得)となりました。これは主に、売上債権の減少、仕入債務の増加、たな卸資産の減少によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローでは、1,067百万円の資金使用(前連結会計年度は1,493百万円の資金使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が減少したことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローでは、1,281百万円の資金使用(前連結会計年度は1,317百万円の資金使用)となりました。これは主に、配当金の支払額が減少したことによるものです。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より2,236百万円増加し、13,164百万円(前期比20.5%増)となりました。
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入金等により資金調達することとしております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来に必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,968百万円となっております。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国で一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。連結財務諸表作成にあたり、当社の経営者は売上債権、たな卸資産、投資、退職金等に関する見積りや判断に対して継続的な評価を行っております。当社の経営者はこれらの評価にあたり、過去の実績や現在の状況から判断して合理的と考えられる諸要因を総合的に分析して、見積りや判断の基礎にしています。しかしながら実際の結果は、見積りに含まれる不確定要素によりこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループでは、以下の重要な会計方針が、連結財務諸表を作成するにあたり特に考慮されるべき見積りや判断に影響を及ぼす項目と考えています。
イ.貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が過去の実績等で見積もった範囲を超えて悪化した場合には、追加の引当が必要となる場合があります。
ロ.たな卸資産
当社グループは、たな卸資産の評価基準に原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。製品及び商品については、それぞれの販売可能性について推定される将来需要及び市場状況を踏まえて、販売見込額まで減額しています。当該製品及び商品に関する実際の販売価格が、販売見込額を下回った場合には追加の損失が発生する場合があります。
ハ.固定資産の減損
当社グループは、減損会計の対象となる建物及び構築物、土地、並びにソフトウェア、のれん等を有しており、回収可能額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損の有無を判定しています。減損判定を実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは見込まれる営業成績に対して著しい実績の悪化等により決定しています。減損の判定には、グルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づき実施しております。現状、減損損失の認識が必要な資産はありませんが、今後、将来において当社グループを取り巻く環境に大きな変化等が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる場合があります。
ニ.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する少数持分を所有しております。これらの株式には価格変動が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれております。当社グループは著しい投資価値の下落について、回復可能性がないと判断した場合、投資の減損損失を計上しております。
ホ.繰延税金資産の評価
当社グループは、将来の事業計画に基づき、課税所得が十分に確保できることを慎重に判断した上で計上しております。したがって、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対しては、評価性引当額を設定し適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は各社、各納税主体で実績情報とともに不確実性を考慮し、肯定的及び否定的証拠を適切に検討することにより定期的に評価しております。将来において当社グループを取り巻く環境に大きな変化等が生じた場合には、繰延税金資産に対する評価を見直す可能性があります。
ヘ.退職給付債務及び費用
従業員に対する退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されます。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率及び直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等が含まれております。また、年金資産は過去の実績を踏まえて算出された収益率が含まれております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては、55,071百万円となり、前連結会計年度末に比べて966百万円の増加となりました。その主な要因は、現金及び預金、原材料及び貯蔵品の増加によるものであります。
当連結会計年度末の負債につきましては、15,420百万円となり、前連結会計年度末に比べて73百万円の増加となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金、ポイント引当金の増加及び長期借入金の減少によるものであります。
当連結会計年度末の純資産につきましては、39,651百万円となり、前連結会計年度末に比べて892百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加によるものであります。
②経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの業績は、第1四半期は新型コロナウイルス感染症拡大により、主に日本と中国で大きな影響を受けましたが、その後中国は比較的早く回復し、日本、北米も続いて回復基調となりました。この間、当社グループでは感染状況が落ち着き始めた地域において、販売店や各競技連盟、協会の協力のもと小規模な大会の開催や、SNS上での積極的な情報発信、スポーツフェイスマスク等の新たな需要に即した商品開発等に継続して取り組み、スポーツ活動の再開とお客様の健康増進の後押しに注力しました。こうした活動の結果、特に中国は力強い回復を見せ、その他の地域も徐々に回復し、第4四半期のグループ全体の売上高は前年を上回りました。しかし、第1四半期の減収の影響や、感染状況が改善していない東南アジア、インド、イギリス等の地域での主力のバドミントンにおける屋内競技施設の閉鎖や利用制限等の影響により、連結売上高は51,554百万円(前期比16.8%減)となりました。利益については、減収に伴い売上総利益が減少した影響が大きい一方で、各競技の大会中止に伴い広告宣伝費が減少したことや全社で経費の削減に努めたことにより例年に比べて販管費が大幅に減少し、営業利益は1,032百万円(前期比57.4%減)、助成金収入等により経常利益は1,823百万円(前期比19.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,102百万円(前期比33.3%減)となりました。なお、当社現地法人(中国、台湾、北米、ドイツ、イギリス子会社及びインド製造子会社)は2020年1月から12月の業績を連結対象としており、2020年12月31日現在の財務諸表を使用しています。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
[スポーツ用品事業]
(日本)
国内は、第1四半期は緊急事態宣言等により大きな影響を受けましたが、解除後は各地域の販売店や協会と協力して小規模な大会を全国各地で実施し、お客様のプレー機会を創出するとともに需要喚起に取り組みました。また、ソーシャルディスタンスを保てる屋外スポーツ需要の高まりによりテニス用品の販売が回復し、バドミントン用品も12月の国内大会の再開による市場の盛り上がりに伴い徐々に回復基調となりましたが、累計では減収となりました。
海外代理店向けの売上については、スポーツ活動が再開している地域において小規模な大会の実施等で需要喚起に努め、徐々に回復基調となりましたが、累計では主力のバドミントン用品を中心に減収となりました。
生産、調達面については、第1四半期は、各国の販売減少に伴い仕入れの抑制や国内自社工場における生産調整を行いましたが、徐々に需要が回復し、国内海外ともにテニスラケットが好調であること等から、第4四半期に入り自社工場は前年の水準を超える稼働となりました。
利益面については、各種大会の中止等により大会協賛等の広告宣伝費を含む販管費が大幅に減少したものの、減収及び第1四半期の国内自社工場における生産調整による売上総利益の減少が大きく、販管費の減少を上回りました。
この結果、売上高は29,009百万円(前期比23.9%減)、営業損失は1,283百万円(前期は448百万円の営業利益)となりました。
(北米)
北米販売子会社では、2020年3月から新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けたものの、5月以降はソーシャルディスタンスを保てるスポーツとしてテニスへの注目が高まり、大坂なおみ選手が9月の全米オープンで優勝したことや、そのプロモーション動画が好評であったこと等の話題を活かして、各地で試打機会を増やす取り組み等を行った結果、ラケットを中心にテニス用品が大きく伸長しました。一方で屋内競技であるバドミントンの販売回復が遅れていることに加え、一部地域では販売店の時短営業や休業、活動の規制が継続し、全体では累計で減収となりました。
利益面については、減収に伴い売上総利益が減少しましたが、各種大会の中止等による販管費の減少が売上総利益の減少を上回りました。
この結果、売上高は1,945百万円(前期比12.1%減)、営業利益は7百万円(前期は50百万円の営業損失)となりました。
(ヨーロッパ)
売上については、ドイツ販売子会社では、2020年3月から新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けたものの、5月以降はソーシャルディスタンスを保てるスポーツとしてテニスへの注目が高まり、ラケット等のテニス用品を中心に回復基調となっていました。しかし11月以降はロックダウンにより規制が再度強化され、販売店や競技施設が休業する等、累計では減収となりました。イギリス販売子会社では、2020年3月以降は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、多くの販売店や屋内競技施設が休業しました。その後営業を再開した競技施設でも厳しい利用制限が設けられる等、人々の活動が停滞した状況が継続して減収となり、全体でも減収となりました。
利益面については、各種大会の中止等により販管費は減少したものの、減収による売上総利益の減少が大きく、販管費の減少を上回りました。
この結果、売上高は1,901百万円(前期比16.9%減)、営業損失は121百万円(前期は73百万円の営業損失)となりました。
(アジア)
売上については、中国販売子会社では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2020年2月はほぼ全ての販売店が休業し、体育館等の施設も閉鎖となり大きな影響を受けました。営業が再開した4月以降は各地域での小規模大会の開催や、ライブコマースで商品の機能面を効果的に発信する等新たな取り組みを行い、11月のオンラインセールでも好調で力強い回復をみせ、累計で前年並みまで回復しました。台湾子会社では、新型コロナウイルス感染症拡大により大会の中止が相次いだこと等から、販売店は営業を継続していたものの、人々の消費意欲が弱い状況が続きました。7月以降は国内大会が順次再開し、小規模大会やイベントの開催等による市場の活性化に取り組んだことで回復基調となりましたが、累計では減収となり、全体でも累計で減収となりました。
利益については、減収及び台湾製造部門の固定費負担により売上総利益は微減となりましたが、中国販売子会社の売上総利益率が改善したことに加え、各種大会の中止による広告宣伝費をはじめとする販管費が大幅に減少したため、増益となりました。
この結果、売上高は18,276百万円(前期比3.0%減)、営業利益は2,363百万円(前期比18.2%増)となりました。
これらの結果、各地域セグメントを合計したスポーツ用品事業の売上高は51,131百万円(前期比16.8%減)、営業利益は965百万円(前期比58.5%減)となりました。
[スポーツ施設事業]
スポーツ施設事業の中核をなすヨネックスカントリークラブは、2020年4月の緊急事態宣言、冬季の積雪によるクローズで累計入場者数が減少したことや、ヨネックスレディスゴルフトーナメントの中止による関連収入が無くなった影響が大きく、減収となりました。利益については、減収に伴う売上総利益の減少に加え、人件費や設備維持に係る固定費の負担が重く営業損失となりました。
この結果、スポーツ施設事業の売上高は422百万円(前期比17.5%減)、営業損失は12百万円(前期は34百万円の営業利益)となりました。
(注)セグメントごとの経営成績の記載において、売上高については、「外部顧客への売上高」について記載し、営業損益については、「調整額」考慮前の金額によっております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,236百万円増加し、13,164百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は4,537百万円(前期比52.9%増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,108百万円、減価償却費1,537百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払785百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,067百万円(前期比28.6%減)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得700百万円、無形固定資産の取得336百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は1,281百万円(前期比2.7%減)となりました。支出の主な内訳は、長期借入金の返済647百万円、配当金の支払394百万円であります。
④生産、仕入及び販売の実績
スポーツ用品事業については、金額的な重要性を勘案し、用品区分ごとに記載するため、報告セグメントを集約しております。
なお、この項に記載の生産実績、仕入実績、販売実績の金額には消費税等は含まれておりません。
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 区分 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前期比(%) |
| スポーツ用品事業 | バドミントン用品(千円) | 10,931,377 | 68.7 |
| テニス用品(千円) | 4,047,489 | 86.1 | |
| ゴルフ用品(千円) | 688,730 | 80.7 | |
| その他(千円) | 355,070 | 78.5 | |
| 計(千円) | 16,022,669 | 73.1 | |
| スポーツ施設事業 | ゴルフ場(千円) | - | - |
| その他(千円) | - | - | |
| 計(千円) | - | - | |
| 合計(千円) | 16,022,669 | 73.1 | |
(注) 金額は標準販売価格によっており、セグメント間の振替を含んでおります。
ロ.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 区分 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前期比(%) |
| スポーツ用品事業 | バドミントン用品(千円) | 9,968,465 | 86.4 |
| テニス用品(千円) | 2,410,728 | 87.2 | |
| ゴルフ用品(千円) | 360,496 | 94.2 | |
| その他(千円) | 7,871,010 | 82.8 | |
| 計(千円) | 20,610,701 | 85.2 | |
| スポーツ施設事業 | ゴルフ場(千円) | 41,024 | 65.0 |
| その他(千円) | - | - | |
| 計(千円) | 41,024 | 65.0 | |
| 合計(千円) | 20,651,726 | 85.1 | |
(注)金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
ハ.受注実績
当社グループは販売計画に基づいて生産計画を立て、これにより生産を行っており、受注生産は行っておりません。
ニ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 区分 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前期比(%) |
| スポーツ用品事業 | バドミントン用品(千円) | 28,836,285 | 81.8 |
| テニス用品(千円) | 7,406,071 | 87.4 | |
| ゴルフ用品(千円) | 1,031,484 | 99.4 | |
| その他(千円) | 13,857,412 | 83.0 | |
| 計(千円) | 51,131,254 | 83.2 | |
| スポーツ施設事業 | ゴルフ場(千円) | 290,494 | 73.4 |
| その他(千円) | 132,333 | 113.4 | |
| 計(千円) | 422,827 | 82.5 | |
| 合計(千円) | 51,554,082 | 83.2 | |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高51,554百万円、営業利益1,032百万円、経常利益1,823百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,102百万円となりました。
上記のほか、当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況 及び ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、バドミントンにおけるアジア市場での基盤づくり及びテニスにおけるグローバルな成長を中期的な重点分野として位置付けております。
当連結会計年度においては、世界的な新型コロナウイルス感染症により、特に第1四半期は大きな影響を受けましたが、重点分野の一つであるアジアのバドミントン事業においては、中国がその影響から比較的早く回復しました。中国国内でのスポーツ市場の盛り上がりに加え、Eコマース、SNS、ライブコマースなどのオンライン施策と、地域の小規模な大会を数多く開催してプレーの場を提供する取り組みが奏功したことにより、中国を含むアジアセグメントの通期売上高は、2020年3月期に近い水準まで回復しました。
しかしながら、東南アジア、インド、韓国等については屋内競技施設の利用制限が継続し、バドミントンの回復が遅れ、海外代理店向け輸出を含む日本セグメントの減収の一因となりました。
一方で、2021年2月にバドミントンの中国代表チーム、4月にマレーシア代表チームとの用具使用契約を締結し、両国を中心としたアジア地域全体でのさらなるバドミントン競技の普及発展への取り組みを進め、バドミントンファン、ヨネックスファンを増やすことで市場全体の拡大と活性化に注力する体制を整えました。
もう一つの重点分野であるテニス事業については、新型コロナウイルス感染症による影響が広がる中で「ソーシャルディスタンス」を保てるスポーツとして世界各地で注目が高まり、特に北米では初心者を含め競技人口の増加がみられました。それに加えて当社における動画やSNSを使ったマーケティング施策、新製品ラケットの好評、大坂なおみ選手の全米オープン優勝等の活躍の話題などがかみ合う形で大きく成長しました。そして2020年3月期から取り組んでいた北米販売子会社での営業体制の再構築や価格体系の整備も売上増、及び収益性改善に寄与しました。
課題としている固定費の割合が大きい事業構造については、社内業務のデジタル化や基幹システム導入への取り組みを開始し、業務効率化による事業構造の強化を進めています。
上記を含む、経営者の課題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、4,537百万円の資金獲得(前連結会計年度は2,967百万円の資金獲得)となりました。これは主に、売上債権の減少、仕入債務の増加、たな卸資産の減少によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローでは、1,067百万円の資金使用(前連結会計年度は1,493百万円の資金使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が減少したことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローでは、1,281百万円の資金使用(前連結会計年度は1,317百万円の資金使用)となりました。これは主に、配当金の支払額が減少したことによるものです。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より2,236百万円増加し、13,164百万円(前期比20.5%増)となりました。
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入金等により資金調達することとしております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来に必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,968百万円となっております。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国で一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。連結財務諸表作成にあたり、当社の経営者は売上債権、たな卸資産、投資、退職金等に関する見積りや判断に対して継続的な評価を行っております。当社の経営者はこれらの評価にあたり、過去の実績や現在の状況から判断して合理的と考えられる諸要因を総合的に分析して、見積りや判断の基礎にしています。しかしながら実際の結果は、見積りに含まれる不確定要素によりこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループでは、以下の重要な会計方針が、連結財務諸表を作成するにあたり特に考慮されるべき見積りや判断に影響を及ぼす項目と考えています。
イ.貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が過去の実績等で見積もった範囲を超えて悪化した場合には、追加の引当が必要となる場合があります。
ロ.たな卸資産
当社グループは、たな卸資産の評価基準に原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。製品及び商品については、それぞれの販売可能性について推定される将来需要及び市場状況を踏まえて、販売見込額まで減額しています。当該製品及び商品に関する実際の販売価格が、販売見込額を下回った場合には追加の損失が発生する場合があります。
ハ.固定資産の減損
当社グループは、減損会計の対象となる建物及び構築物、土地、並びにソフトウェア、のれん等を有しており、回収可能額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損の有無を判定しています。減損判定を実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは見込まれる営業成績に対して著しい実績の悪化等により決定しています。減損の判定には、グルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づき実施しております。現状、減損損失の認識が必要な資産はありませんが、今後、将来において当社グループを取り巻く環境に大きな変化等が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる場合があります。
ニ.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する少数持分を所有しております。これらの株式には価格変動が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれております。当社グループは著しい投資価値の下落について、回復可能性がないと判断した場合、投資の減損損失を計上しております。
ホ.繰延税金資産の評価
当社グループは、将来の事業計画に基づき、課税所得が十分に確保できることを慎重に判断した上で計上しております。したがって、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対しては、評価性引当額を設定し適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は各社、各納税主体で実績情報とともに不確実性を考慮し、肯定的及び否定的証拠を適切に検討することにより定期的に評価しております。将来において当社グループを取り巻く環境に大きな変化等が生じた場合には、繰延税金資産に対する評価を見直す可能性があります。
ヘ.退職給付債務及び費用
従業員に対する退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されます。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率及び直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等が含まれております。また、年金資産は過去の実績を踏まえて算出された収益率が含まれております。